pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

猿の惑星:聖戦記 グレート・ウォー@ユナイテッドシネマ

2017-10-31 20:38:08 | 映画/DVD

監督:マット・リーヴス 

シーザー: アンディ・サーキス
大佐: ウッディ・ハレルソン

バッド・エイプ: スティーブ・ザーン
モーリス: カリン・コノバル
ノバ: アミア・ミラー

高度な知能を得た猿と人類が全面戦争に突入してから2年。猿たちを率いるシーザーは森の奥深くの砦に身を潜めていたが、ある晩、人間たちの奇襲を受けて妻と長男の命を奪われてしまう。敵の冷酷非道なリーダー、大佐への復讐を誓ったシーザーは仲間たちを新しい隠れ場所へ向かわせ、自らは3匹の仲間を連れて大佐を倒す旅に出る。道中で出会った口のきけない人間の少女ノバや動物園出身のチンパンジー、バッド・エイプも加わり、一行はついに大佐のいる人間たちの基地にたどり着くが……。


10月はなんだかめちゃくちゃ忙しかった上に台風まで来ちゃって大変なことになっており、口内炎はできまくりだし、歯肉は腫れるしでさんざん。。やっとゆっくりできそうなので岩合さんの「猫あるき」の映画でも観ようかな~と思って近くのシネコンに行ったところ、「民衆を導く自由の女神」があのシーザーになっている大きな絵画風ポスターがバーン!と目に入りました。そ。。。そうだった。猿の惑星 封切ってたんだった。。。一作目から何故か欠かさず観てきたこのシリーズ。特にシーザーをアンディ・サーキスが演じるようになってからはもう、恋心と言っても過言ではないほど釘づけだったのに。私のあほ~っっ

・・・と、いうわけで のほほんと青森の猫親子の日常を追うはずだった休日は、猿人間の聖戦にとってかわられたのでした。そして、いきなりの戦闘シーン。。あちゃーいきなり殺し合い始まっちゃうの~やっぱ猫にしとけばよかったかな ←だから聖戦なんだってば。。

猿の惑星、最初の頃は事故で未来を見てしまった気の毒な人間と極悪猿と、ちょっとは人間に興味ある知的な猿博士たちという感じの話だったのですが、(第一作のラストの衝撃は今でも鮮烈だけど。)創世記からは徐々に猿寄りに感情移入するような作りになってきましたね。今回などはもう、人間は9割方が悪人。ていうか生きている善人はひとりだけであとはみ~んな悪。ひとり「この人、最後には味方になるんじゃ?」と思った人がいましたがとんでもない。

「猿は猿を殺さない。」きっぱり言い切るシーザーがどんなに高邁な精神の持ち主に見えたことか。もう、いっそのことこのまま地球を猿の惑星にしちゃったほうがずっと平和な世の中になるんじゃないかと思いましたよ。

コッポラ監督の「地獄の黙示録」やスティーブマックイーンの「大脱走」を思わせるシーンもあり、そりゃもう大迫力でした。全身全霊をかけて家族を一族をなんとしても守ろうとするシーザーや仲間の猿たち。退化への恐怖から狂った行動を起こす大佐。抗えない兵士たち。人間たちのなんと哀れな事か。

もうね、もうさ、戦いはいいから、この後はなんていう名前の惑星になってもいいから、猿も人間も猫もパンダも、みんな仲良く幸せに暮らしましたとさ、といった幸せな後日談作ってください。。。


リチャード三世@東京芸術劇場1階H列上手

2017-10-25 21:19:33 | シェイクスピア

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:木下順二
演出・上演台本:シルヴィウ・プルカレーテ

出演:
佐々木蔵之介■グロスタ公リチャード 後にリチャード三世

手塚とおる■アン夫人
今井朋彦■マーガレット
植本純米■エリザベス
 
長谷川朝晴■クラレンス公ジョージ
山中崇■バッキンガム公
 
 
山口馬木也■リヴァーズ伯/サー・ジェイムズ・ティレル
河内大和■サー・ウィリアム・ケイツビー
土屋佑壱■グレイ卿
浜田学■サー・リチャード・ラトクリフ
櫻井章喜■サー・ロバート・ブラッケンベリ 
 
八十田勇一■ヘイスティングズ卿
阿南健治■エドワード四世
有薗芳記■ロンドン市長・ジョン・モートン(イーリーの司教)
壤晴彦■ヨーク公夫人
渡辺美佐子■代書人

兒玉拓真■小姓

塙智成■皇太子エドワード

福島歩友■ヨーク公リチャード

あらすじ:
王位をめぐるランカスター家とヨーク家の争い(=薔薇戦争)の渦中、15世紀イングランド。
ヨーク家・王の弟で、野心家のリチャード(佐々木蔵之介)は、自身が王座を得るために、
知略の限りを尽くし、残虐非道な企みに手を染めていく。
そして、自らが殺したランカスター家・ヘンリー六世の王子の妻・アン(手塚とおる)をも手に入れてしまう。
友、先王の息子、王妃、実の兄でさえも厭わず手にかけ、邪魔な人間を次々と葬り去ったリチャードは、
ついに王座に上り詰める。そして、さらなる策略を企てる矢先、反乱が起こり軍勢に攻めこまれてしまう。

最後に彼を待ち受ける運命とは…。


ルーマニアの蜷川幸雄といわれるシルヴィウ・プルカレーテ氏の演出によるリチャード三世。かなりおどろおどろしい佐々木蔵之介さんのポスターに魅かれて芸劇へ。

幕あきからもうびっくりな世界観。蜷川先生のあのオーソドックスな宮廷世界とは180度違う感じ。ほぼオールメール(まさかのあの役はただ一人の女性渡辺美佐子さん。でも女性役ではありません)ネタバレ注意なので、改行します。おどろきを劇場で体験したい方は見ない方がいいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壤晴彦さん、今井朋彦さん、手塚とおるさん、植本潤さんがまさかの女性役。今井さんは台詞こそ少ないですが、この舞台を支配し、物語を呪いで包むマーガレット。手塚さん、植本さんはあの風貌(失礼!)ながら、ドレス姿が不思議にしっくり。あの壤さんでさえ、ああいう重厚な老婦人いるよね。。と思えてしまう。

蔵之介さんはもう、自由自在にまるでゲームを楽しむかのように殺戮を繰り返し、その道具も浴槽、ビニール袋、養生テープ、電動鋸などなど、かなりリアルにグロテスク正直、気分が悪くなるほど。。。

最後はミュージカルタッチというか、歌謡ショーテイストというか、なんとも不思議。。

リチャード三世の野望、王位への異常な執着など、血みどろのこの物語にふさわし殺伐としたj風景の中で物語が展開していきますが、どうにも私にはぶっとびすぎてついて行けない感じでした。。。。

ずっとせむしなわけでは無い蔵之介様の肉体美、玉木さんにひけをとらない美しさでしたよ!ようやく王座を手に入れたリチャードが王座の座面にひっかけられた大きなビニール袋を愛撫しながらぬめぬめとその中へ入っていくシーンが気持ち悪いほどなまめかしかったです。

数年前に発見されたリチャードⅢ世の遺骨には、当時の武器で長時間にわたり、あるいは複数の敵の手で傷つけられたことが分かる深い傷跡があり、命を落とした後は裸にされて晒されたとか。なんと恐ろしい。。。。

客席中央付近で野村萬斎さんが観劇されていました。


レディ・ベス@帝国劇場1階N列下手

2017-10-13 22:24:39 | 観劇/コンサート

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎


【キャスト】
レディ・ベス:平野綾
ロビン・ブレイク:加藤和樹
メアリー・チューダー:吉沢梨絵
フェリペ:平方元基
アン・ブーリン:和音美桜
シモン・ルナール:吉野圭吾
ガーディナー:石川禅
ロジャー・アスカム:山口祐一郎 
キャット・アシュリー:涼風真世

大谷美智浩/中山昇/石川新太/加藤潤一/寺元健一郎ほか

【あらすじ】
1 6世紀イギリス。ベスは国王ヘンリー8世の娘にも関わらず、母が反逆罪の汚名を着せられ処刑されたため、片田舎で家庭教師達と共に勉学に勤しみながらひっそりと暮らしていた。
王女らしい理知と少女らしい好奇心に満ちたベスは、ひょんなことから出会った吟遊詩人ロビンに反発しながらも淡い恋心を抱き始める。
しかし、つつましくも平穏だった日常は、彼女が現国王である姉メアリーに対して反逆を企てているとの疑いを掛けられ一変する。
忠義心をメアリーに信じてもらえず、司教ガーディナーやスペイン大使ルナールに陥れられ、ついにロビンとも引き離されロンドン塔に投獄されてしまう。
だがメアリーの圧政に不満が溜まった民衆からは、「ベスを女王に」という声が次第に高まっていく。ベスが選ぶ道は、女王として国を導く人生か、1人の女性としての幸せか、果たして――。


2014年の初演から3年もたったんですねあの時は、山口祐一郎さんの長い休養後の第1作だったなあ。。。初演の舞台は一度しか観ていなかったので、未見のロビン・加藤和樹さん、フェリペ・平方元基くん、メアリー・吉沢さんを楽しみにしていました。

加藤さん、平方くん。あーもう、WOWWOWのグリーン&ブラックスのコントをみてしまったせいか、二人が出てくるとちょっと笑ってしまう自分がいました。小池先生に「宅急便の人みたいだ」と言われてしまった平方くんとかでも、ちゃんときれいな王子様でしたちょうちんブルマも似合ってたしメイクや王子の扮装がよくお似合い。かなり年上のメアリーと意に沿わぬ政略結婚をするスペイン王子ですが、何度もさりげなくベスの窮地を救っていることを思うと、ベス、かなり感謝しないといけません。そしてメアリー、想像妊娠するくらいだし、美しい王子にかなり心惹かれていたような。考えてみればメアリーも哀れではありますが、迫害はだめですよね~ 上野の森美術館でも「怖い絵展」の目玉に、メアリ1世より先に即位して9日間だけ王座にいて半年後に処刑されたレディ・ジェーン・グレイが目隠しされ司教に導かれて断頭台の前で手さぐりしている絵がありますが、こういう血で血を洗うような政権の奪い合いがしょっちゅうあったと思うと本当に恐ろしいです。。やだやだ。。ったって、もうすぐリチャードⅢ世も観にいっちゃうんでした。

加藤和樹さん、軽やかです。どちらかというとクールな面持ちながらとてもキュートで、そしてせつないロビン歌声も清潔感あふれてとても伸びやか。ふと、キャラ違いかもしれないけれど、加藤さんでヴァンパイヤのアルフレート観たいな~と思いました。山口さんのロジャー・アスカムはどこまでも大きく包容力があり、恋に心揺れるベスをもっと大きな使命に導く重要な役をどっしりと演じられ、「父」のようなものを感じました。ただ、説明的な難曲が多かったな~ 逆に、女性陣の歌は心打つものが多かったです。平野綾さんのベス。華奢な体からあんなに凄い声が出るとは。。。幼い雰囲気のベスが幾多の苦難を超え、堂々たる女王に成長していく様が鮮やかでした。メアリの強気な歌声も、処刑された母、アン・ブーリンの和音さんの包み込むような歌声も素晴らしかった~思わず手を合わせたくなってしまいます。禅さんと圭吾さんの悪悪コンビはもう、安定の歌声。圭吾さんががっちりして見えたのはメイクのせいでしょうか。

ベスを戴いて政権の転覆を目論むトマスと悪猊下失脚後の大司教二役は、久しぶりの中山さん。この方、司教様が本当によくお似合いです

そしてプロジェクション・マッピングなんでしょうか、背景の港にさざ波がたち舟が静かに行き来している様子が素晴らしく、ここまできたら大道具いらないかも。。。と感じました。

今回、井上芳雄くんのライブのチケットがどうしてもとれず、今回のレディ・ベスのチケットをとった直後にライブ・ビューイング発表ということでちょっとせつない気持ちで帝劇入りしましたが、やっぱり来てよかった~(ちょこっと負け惜しみも入ってます)


危険な関係@シアターコクーン1階B列上手

2017-10-10 20:48:13 | 観劇/コンサート

【原作】ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ
【作】 クリストファー・ハンプトン
【翻訳】 広田敦郎
【演出】 リチャード・トワイマン
【美術・衣裳】 ジョン・ボウサー

【出演】
 玉木宏、鈴木京香、野々すみ花、千葉雄大、
 青山美郷、佐藤永典、土井ケイト、新橋耐子、高橋恵子 他

<あらすじ>
原作は18世紀末のパリ、華麗なる社交界が舞台。 社交界に君臨する妖艶な未亡人メルトゥイユ侯爵夫人(鈴木京香)は、かつての愛人ジュルクール伯爵への恨みから、その婚約者セシル・ヴォランジュ(青山美郷)の純潔を踏みにじろうと稀代のプレイボーイであるヴァルモン子爵(玉木宏)に助力を求める。しかしヴァルモンは、叔母ロズモンド夫人(新橋耐子)のもとに滞在している貞淑なトゥルヴェル法院長夫人(野々すみ花)を誘惑しようとしているところで、その依頼を断る。ところがセシルの母ヴォランジュ夫人(高橋惠子)が、トゥルヴェル夫人に彼を非難し近づいてはならぬと忠告していることを知って、ヴォランジュ夫人への復讐を決意、メルトゥイユ夫人の計画に乗る。 一方、清純なセシルは純粋な若き騎士ダンスニー(千葉雄大)と恋に落ちていた。そこにメルトゥイユ夫人の策略が、そしてヴァルモンはトゥルヴェル夫人を誘惑に……。 二人が仕掛ける退廃に満ちた恋愛ゲームが繰り広げられていく。


危険な関係といえば、ずーっと昔、キアヌ・リーヴスが今回 千葉雄大くんが演じたダンスニー役だった映画がありました。たしか子爵はあのジョン・マルコビッチ、侯爵夫人はグレン・クローズという濃~いキャスティングだったなあ。。

今回はなんといっても玉木宏さんと鈴木京香さんという、絶世の美男美女コンビのあのなまめかしいポスターにやられてチケットとりました。野々すみ花さんと玉木さんて、「あさが来た!」でも若旦那と小唄のお師匠さんかなにかで共演されてましたよね、こちらの組み合わせも素敵

演出も衣裳も海外の方ということで、パリが舞台なのにどことなく和テイストなセットでした。座布団と生け花とか、松とか。女性の衣裳も和服をイメージした感じ。妖艶メルトゥイユ侯爵夫人、鈴木京香さんのドレスはとびきり豪華でした。メイクも妖艶でも、なんとなく違和感も。。。

極め付きは・・・おばちゃん発言と言うなかれ。玉木ヴァルモン子爵の鍛え上げられた肉体キャー眼福すぎて もう、びっくり。腹、きっちり割れてます。完璧な逆▽の引き締まった均整のとれた体はもう、ライザップのCMどころじゃありません背、高いし、顔ちっちゃいし、足、長いし

もう、何度舞台上で生着替えするんだって。白いシャツもガウンもお似合い。黒いボクサーぱ〇つも そして射るような眼差しにドッキューン

女性陣が素晴らしかったです。京香さんはもちろんのこと、新橋耐子さんの凛としたロズモンド夫人、愛娘を思う高橋恵子さんのヴォランジュ夫人、楚々とした野々すみ花さんのトゥルヴェル夫人。

ただね~なんともわかりにくかったです。何故メルトゥイユ侯爵夫人がヴァルモン子爵にセシルの純潔を奪わせようとしたのかとかが、たぶん台詞で語られたんだと思いますが、彼女を振ったというジュルクール伯爵が全く登場しないせいか、途中まで千葉雄大くんのダンスニ―がジュルクール?などと見当違いをしたり。そして、千葉雄大くん、すごく頑張ってるのですが、やはりちょっと違う感じがしました。いくらなんでもちょっと幼い感じがしてしまい。。。いや、頑張ってるんですよ。好感度高いし。でも、そこで笑いとらなくてもいいような。。。以下自粛。。。トゥルヴェル夫人がしょっぱなからヴァルモン子爵を全身で拒否っている訳も???という感じ。クライマックスの決闘に至る過程もあまりわからず、やや唐突な感じがしました。

まあ、退廃に満ちた貴族の恋愛ゲームっていうのにあんまり共感できないというのもあるかもね。


アマデウス@サンシャイン劇場1階15列センター

2017-10-04 19:54:48 | 観劇/コンサート

  

作:ピーター・シェファー
演出:松本幸四郎
出演:
サリエーリ:松本幸四郎  モーツァルト:桐山照史  
コンスタンツェ:大和田美帆

ローゼンベルク伯爵:立川三貴
シュトラック伯爵:外山誠二
ヨーゼフ二世:廣田高志
スヴィーテン男爵:松井 工
ボンノ(宮廷音楽長):中平良夫
ヴァルトシュテーテン男爵夫人の家令:世古陽丸
テレサ(サリエーリの妻):杉浦悦子
サリエーリの料理人:豊富 満
サリエーリの従僕:角間 進
影:松本高麗五郎 

風:二反田雅澄
風:清田智彦
ヴァルトシュテーテン男爵夫人:水月 舞
カテリーナ:泉関奈津子
サーヴァント:加瀬竜彦
サーヴァント:鈴木健介
サーヴァント:西村雄正
サーヴァント:丸山裕征
サーヴァント:長谷川直紀
サーヴァント:北尾林太郎

【あらすじ】
音楽史上、永遠の謎とされるモーツァルトの死─。その死から32年が経過した1823年晩秋のウィーン。宮廷楽長のサリエーリは、自らがモーツァルトを暗殺したと衝撃的な告白を始める……。 時代は遡り、1781年。皇帝の寵愛を受け、音楽家としてこれ以上ない地位と名声を得ていたサリエーリは、ウィーンにやってきた若きモーツァルトと出会う。フィアンセのコンスタンツェと卑猥な言葉を口走り、行儀が悪く、子供っぽい青年モーツァルト。しかし、彼の奏でるセレナーデは素晴らしく、天衣無縫をそのまま具象化したようなその楽譜の中にサリエーリは、“絶対の美”─“神の声”を見出す。幼い頃、神に一生を捧げると誓ったサリエーリ。ところがその神の仕打ちとは……。 サリエーリは慄然とし、“アマデウス”を通じて神に命がけの戦いを挑むのだった─。

アマデウス初演のモーツァルトは江守徹さん。私が初めて見た1998年は息子の染五郎さん、2011年に観た時は武田真冶さんでした。サリエリだけはずっと幸四郎さんですが、1月に二代目松本白鸚襲名が控える中、九代目松本幸四郎として集大成の『アマデウス』そりゃもう、観に行くほうも気合入っちゃいます!

今回のアマデ、もといモーツァルトはジャニーズの人。。というので?でしたが、「あさが来た!」の玉木宏さんの弟だったあの彼!とわかり、俄然行く気満々になりました。桐山くんの前半のはじけっぷりと、次第に病と貧困に追い込まれ、憔悴していくさまの対比が鮮やかで、あふれるほどの才能に恵まれながら悲惨な最期を迎えたモーツァルトの悲しみを全身で演じていました。小説の作家は登場人物の話す言葉を順番に書いていくけれど、音楽では沢山の楽器が一斉に奏でられてもそれぞれの音がくっきりとわかる。神が人々の一斉に語る言葉を聴くというのはそういう感じだと思う。音楽にはそれができるんだ!という言葉が印象的でした。やはり彼は「神に愛された子」だったんだ。

コンスは大和田美帆ちゃん。またきれいになってこの人のコンスタンツェ、すごくいいです。モーツァルトをヴォルフィ(ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトだから)と呼んでたような。おばかで、あまちゃんで、ヴォルフィとのバカップルっぷりも笑っちゃうほど。それでいてびっくりするほどのしたたかさも持っている。ミュージカルモーツァルト!でもコンスやって欲しいです!歌えるし。

蜷川組の廣田さん、二反田さんもご出演。二反田さんはすぐわかったのですが(噂話を運んでくる風)、廣田さんどこ?と探してしまいました。なにせ、裾を引くような衣装に重厚なオーラを放つ司祭や貴族というイメージなので。今回は皇帝陛下ヨーゼフ二世だったのですが、白塗り頬紅に金髪の鬘、白タイツといういでたちだったので、すぐにはわかりませんでしたこういうのもいけます!

そして本当に凄い幸四郎サリエリ。2011年の時は「男の嫉妬の物語」という感想でしたが、今回感じたのは、サリエリ自身が神に与えられた「天才をかぎわける目と耳」を持ってしまったことの悲劇でした。自分の持つ能力がこの若者に遠く及ばないとわかっていながら、どんどん認められ弟子を増やし、宮廷音楽家としてのしあがっていくサリエリ。サリエリの耳と目には至高の音楽と思えるモーツァルトの曲は一時的な脚光は浴びても収入や社会的地位につながっていかない。それでも、「自分の音楽は忘れ去られてもこの若者の音楽は永遠に残っていくだろう」ということがわかってしまう苦しみ。その苦しみや葛藤がびしんばしん伝わってきて、痛いほどでした。

良い役者が集まっているだけでなく、作品としても、ものすごく面白いです。老人ホームのような施設にいるぼろぼろの老人が一瞬にしてきらびやかな宮廷にいるバリバリの音楽家に変身し、サリエリとモーツァルトの数奇な人生が語られた後にはまた一瞬にして「老い」に戻る。お見事!というほかありません

何といっても75歳の御大が2時間30分でずっぱりで語り続け、ぶっ倒れシーンまであるんですから!これは観られるうちに観ておくべき作品ですできれば行きたいもう一度

舞台前4列目までつぶして、センターは5列が最前列です。15列でもストレスなしですごく観やすかったです。この劇場、こんなに観やすいんだと、あらためて感動しました。

東池袋の駅からサンシャインまでの通路にこんな可愛いのが世の中ハロウィンですね~

  


中川晃教コンサート2017~Seasons of love~@明治座2階最前列

2017-10-01 22:26:45 | 観劇/コンサート

出演:中川晃教 
篠笛:佐藤和哉
Dance:浅井信好 杉浦ゆら
朗読:伊礼亮


アッキーのコンサートに行ってきました!Beautifulでは作曲家役であまり歌わずで、アッキーの劇場を制するような歌声が聴きたくてたまりませんでした。

オープニングは真っ赤な衣裳の少女の踊りと佐藤和哉さんの篠笛。うわ~和テイストか?!明治座だし。最初の一曲はチャイナガール!たしかすごく初期の曲だったような。とても刺激的ながら不思議な浮遊感のある曲でした。

アッキーほんとにおしゃれ!濃紺(黒かも)のジャケットにブルーのストールのようなものを羽織り、足元はブーツ。革を編んだようなベルト。

そして伊礼亮くん(彼方くんの弟かと思ったら別人)の朗読に合わせた歌の数々がとてもせつなく美しかったです。船乗りに恋をして何十年も待ち続ける花売り娘のお話に涙

極め付けはミュージカルナンバーの数々。「僕こそミュージック」ももちろんですが、まさかSHIROHの「人のつばさ」が聴けるとは。また、Beautifulではあまり歌わなかったけれど、彼の役の作曲家が作った「ON BROADWAY」が圧巻でした。「こんな曲を作ってみたいと思った」という熱のようなものが伝わり、正真正銘の鳥肌がたちました。もちろんジャージーボーイズ「君の瞳に恋してる」も!

明治座は花道もあるのでそのあたりもフルに使い、アンコールの時には客席から白いTシャツで登場。もう、フレンドリーさに客席スタンディングでした。

本当にアッキーって、体中がもう音楽でできてるとしか思えないあなたこそミュージック

ってなわけで、11月のバースデーコンサートもいっちゃいます