pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

阿弖流為@新橋演舞場3階4列下手

2015-07-26 19:22:33 | 観劇/コンサート

それは昨夜のことでした。しばらくぶりの友人から、LINE.

「ねえねえ、今でもお芝居とか行ってる?」

もちろんよ~なかなか足が洗えなくてねなどと答えると、

「あのさ、新作の歌舞伎みたいのの招待券もらったのすっかり忘れててさ、あなたなら行くかと思って。歌舞伎座なら行こうと思ったけど、演舞場みたいなのよ。行かないんだけど、あなた行く?」

な・・・・なんですと新作の歌舞伎みたいので演舞場って、まさか阿弖流為

「あ~そう読むんだ。なんか中国か韓国の話?」

ちゃうちゃうちゃう!蝦夷の話!行く行く行く絶対行く

・・・・・と、いうわけで、まさしくタナボタ的な展開で、急遽本日マチネの演舞場に行かれることになりました。明日はもう東京楽なので、チケットは手に入らないからDVDでも観てようかなと思っていたので、天にも上る気持ち神様!ありがとう

3階はさすがに高く、役者さんは遠いですが、舞台の奥の奥までよ~く見えました。蝦夷の集落や、阿弖流為と立烏帽子が佇む橋の下を流れる川なども。

川と言えば、阿弖流為が蝦夷の村に戻った時に蛮甲がエア鮭(観客にはみえない)をすくいあげて阿弖流為に投げ渡すシーンでは、阿弖流為が鮭をしゃーっと裂く動作で、「きれいにサケたさあ、酒だ酒だ!」とシャレを連発してモレの新吾さんに拍手もらってました。ここ、毎回アドリブみたいですね明日が楽ということもあってか、そこここに遊びが入って役者さんたちも楽しそう。

今回は阿弖流為、田村麻呂はもちろん素晴らしいのですが、七之助さんから目が離せませんでした。とにかく動きが美しい鈴鹿ちゃんの時には、足先までも女性そのもの。小さい細いおみ足。繊細な手先。鈴鹿と負傷した田村麻呂の場面では二人とも裸足ですが、ごつごつした田村麻呂の足と鈴鹿のほっそりした足が対象的で、本当にこのふたりって兄弟と思うほどでした。

とにかく鈴鹿ちゃんの「大和と蝦夷、仲良くはできないものか・・」に泣かされ、立烏帽子がアラハバキの神の本性を見せ、田村麻呂と和議を結ぼうとする阿弖流為にいらだち「何故、私のために戦わない!ならばさがっていろ!」と阿弖流為を退けるシーンに泣かされ、蛮甲を助けるために自分を犠牲にするくまこに泣かされ、おそらくは戦いの火を消すためライバルの手にかかる阿弖流為に泣かされ、最後のねぶた祭りのシーンで幻のように佇む鈴鹿と阿弖流為の穏やかな微笑みに泣かされたひとときでした。

いや、それにしても立ち回りの迫力、染五郎・勘九郎の大見得合戦、藤原稀継の坂東 彌十郎さんの貫録、亀蔵さんの自由自在。。。もう、大阪遠征しちゃいたい気持ちを必死で抑え込んでます。

カーテンコールも何回も続き、最後の方で染五郎さんが悪役・黒縄の橘太郎さんをしきりにセンターに寄せたかと思ったら、客席から「金太郎!(たぶん)」と声がかかりました。田村麻呂からも劇中で「あの五月人形!」と言われてましたね。個人的には金太郎より鍾馗様だろうと思われ。なりやまない拍手で次に幕が開いた時にはその橘太郎さんが広い舞台にぽつんとひとりぼっちでこれには大爆笑。今日はソワレもあるからね。まだまだ観ていたいけど、私の千秋楽はこうして幕を下ろしたのでした。こんな貴重チケットをあっさりくれたSちゃん、本当にありがとう!このお礼はたっぷりするからね


トロイラスとクレシダ@世田谷パブリックシアター2階最前列下手

2015-07-25 22:47:27 | シェイクスピア

原作:W.シェイクスピア
演出:鵜山仁

キャスト
 浦井健治 / ソニン / 岡本健一 / 渡辺徹 /
今井朋彦 横田栄司 / 鵜澤秀行 斎藤志郎 高橋克明 /
櫻井章喜 石橋徹郎 鍛治直人 / 松岡依都美 荘田由紀 吉野実紗 /
木津誠之 神野崇 内藤裕志 宮澤和之 / 廣田高志 若松泰弘 植田真介 / 
浅野雅博 小林勝也 /
吉田栄作 / 江守徹

あらすじ
トロイの王子パリスが、ギリシアの美女ヘレネを奪ったために起こったトロイ戦争も既に7年になる。トロイの末っ子の王子トロイラスは神官カルカスの娘クレシダに恋い焦がれている。クレシダの叔父パンダロスの仲介で、トロイラスはクレシダと変わらぬ愛を誓い合い、ともに一夜を過ごす。しかし、クレシダの父カルカスはギリシア方に、トロイの武将と娘クレシダの捕虜交換を希望し、聞き入れられたため、クレシダはギリシアに渡ることになってしまう。
 トロイラスの兄ヘクトルは、戦況を打開するためギリシアに一騎打ちを申込み戦いが始まる。ギリシアに入ったトロイラスは、なんと、そこで恋人クレシダがギリシアの将軍ディオメデスの求愛を受け入れるのを目撃してショックを受ける。両軍の戦いは休戦を挟んで再開されるが、トロイラスはクレシダの裏切りに絶望し怒りに任せて激しく戦う。やがて、日が落ちて、戦いは終わるが、武装を解いたヘクトルはギリシアのアキレスに惨殺されてしまう。敗色濃いトロイに日が沈む。


浦井くんがタイトルロールだし、横田さんがアキリーズだし、今井朋彦さんや廣田さん、あの江守徹さんも!ということで、3年前の蜷川さんのトロイラス・・・を思い出しながら三軒茶屋へ行ってまいりました。横田さんと廣田さんは蜷川版にもご出演でしたね。小林勝也さんの口上ではじまるこの舞台。40年以上前に小林さんはこのトロイラス役を演じていらっしゃるそうです。シェイクスピア作品の中では極端に上演回数の少ないこの作品で、新旧トロイラスが一つの舞台に登場するのは本当に稀なことなんだとか。ここからネタバレするので改行。あ、テレビカメラが入っていたので、そのうち放映がありますね。BSかな。

 

 

 

 

 

 

いや、マジでびっくりしたのは横田さんのアキリーズ。蜷川版では星くんがまさかのモヒカン刈で出てきて驚きましたが、横田さんは、恋人パトロクロスとお揃いのドレッドヘア。そして、毛皮の下は例の黒いブーメランぱんつ一丁。(最近流行ってるのか)アガメムノンもユリシーズもナチみたいな将校服にマントだし、クレシダのパパ廣田さんは燕尾服にマント。ねらっているのでしょうが、なんだかちょっと微妙。。。ヘクターは吉田栄作さんですが、もうちょっと若手でも良かったかな。浦井君と兄弟に見えないそして、阿弖流為にはまっちゃったせいか、立ち回りがユルいまあ、円盤舞台なんでそう派手には動けないんだろうけれど。

ソニンさんはすごくキュートなクレシダ。しばらく見ないうちに上手になったなあ。。浦井君と共演なので、ちょっとでいいから歌ってほしかったかも。

トロイとギリシャの戦争の話だということもあり、浦井くんはずいぶん体を絞って、というか作り込んで、しっかり腹筋が割れていました。舞台写真でかなり痩せた感じのものがあってひそかに心配していましたが、とても精悍。それでいて編み込みヘアにいつもの笑顔は健在でちょっと安心。今井朋彦さんや横田栄治さん、文学座のうまい俳優さんたちに囲まれてすごく健闘していました。今井さんと横田さん、そして小林勝也さんの声の良さが本当に際立って、浦井君もかなり勉強になったんじゃないかなあと思いました。

ストーリー自体は、トロイラスとクレシダの切ない恋の話(結ばれた途端に別れがきて、クレシダはギリシャの捕虜と交換されちゃうのです)と、トロイvsギリシャの戦闘とで構成されていますが、あれ?それでクレシダはどうなっちゃったわけ?というおいてきぼり感が。。

ヘクター惨殺の後に天上からばさばさと落ちてくるある物も、なんだかちょっとグロテスクでした。

江守さんは、もう江守さんなので、ご病気の後どうされているのかなとちょっと心配でしたが、トロイの王を素晴らしい存在感で演じていらっしゃいました。

終演後は、キャロットタワー26階でアイスカフェラテとシブーストをいただきました。はるか彼方は伊豆箱根。今ごろはあっちの方は大変なんだろうなあ。。とのんびりしていたら、いきなりジャズライブがはじまりました。なんだかとっても得した気分のひとときでした。

 

 


圓朝祭特別編 三遊亭歌之介 風間杜夫二人会@みらい座いけぶくろ1階4列センター

2015-07-20 22:52:56 | 観劇/コンサート

梅雨明けの暑い一日。友人たちと夏のお楽しみ4人でランチ&落語会。ランチはWACCA5階のダイニング快で、カンパチ、真鯛、マグロ、甘エビ地魚丼をいただきました。サラダバーがついて1100円はお得な感じ。新鮮なお魚で、とってもおいしかったです。

お茶から参加のチェシャ猫ちゃんと合流して豊島公会堂(みらい座いけぶくろ)へ。ちょうどWACCAの陰になって日差しをよけて会場に入れました。

開口一番のわん丈くんは円丈師匠のお弟子さん。「子ほめ」おもしろかったですよ。元ヤン?なエピソードが面白かったですが、今はとっても真面目な前座さんという感じ。

風間杜夫さんが落語をやる、というのは知っていましたが、実際聴くのは初めて。出囃子は「蒲田行進曲」。銀ちゃん!と言いたくなりました。あの映画ではやんちゃでちょっと落ち目な銀幕スター「銀ちゃん」を生き生き演じていた風間さんも、もう齢60をとうに過ぎ、貫録たっぷり。マッサンで北の大物、森野虎蔵、舞台では吉良常の親分でしたからね~。一席目の「湯屋番」はやや緊張気味でしたが、最後の「化物使い」ではさすがの演技力で次から次から出てくる化け物をこき使う旦那を楽しそうに演じていらしゃいました。

歌之介師匠は、もう、爆発的な面白さ。どんどん話が横道に広がりながらも最後はきちんと納得できるところへ着地する「竜馬伝」にお腹の皮がよじれるほど笑い、ご自身のエピソードがベースになっている「かあちゃんのアンカ」では笑いながらもちょっとほろっとさせられ、真打の底力を見せつけられた感じ。もう、文句なしの面白さでした。俳優・風間杜夫さんとの二人会ということで、メラメラっと噺家魂が燃えたかも。

友人たちといっぱいおしゃべりして、たくさん笑って、楽しい一日でした。これで来週もお仕事頑張れますみんな、ありがとね。


盛夏吉例 圓朝祭 初日@みらい座いけぶくろ1階3列

2015-07-19 01:03:36 | 落語・講談

今年も圓朝祭に行って来ました。昨年同様、会場前の公園ではフラのお祭り。雨じゃなくてなによりでした。

     

開口一番は昇太さんのお弟子さんの昇吉くん。東大出の噺家さんですね。相撲ネタの稲川をたっぷり。声もよく通り、成長を感じます。昇吉くんが人情噺だったせいか、白酒さんは思いっきり楽しい「喧嘩長屋」。なんでも喧嘩ごしのおかみさんの感じが、今日の家を出てくる前の自分を見ているようで、ちょっと耳が痛かったです三席目は市馬さん。上方噺で自慢の喉を朗々と聴かせてくれました。ホント、うまいです!前半のトリは円楽さん。円楽さんの落語は初めてですが、志の輔師匠で何度も聴いた「ねずみ」が、また違う絵を見ているように思えてきました。仲入り後はたい平さん。いつもながら、本当に丁寧な落語。そして、すんごく楽しい「不動坊」でした。たい平さんは美大出身なだけあって、表現力、説得力が並みではありません。落語家さんでなく、美術の先生になっていたとしても、きっと「僕の好きな先生」みたいな素敵な先生になっていたでしょうね。

オオトリは、待ってました!権太楼師匠マクラでいきなり「出囃子を変えようと思ってるんです。」なんで?と思ったら、ここ数年、談志師匠をはじめ噺家さんの不幸が続いたけれど、出棺の時はその噺家の出囃子で送られるとか。権太楼師匠のは「金毘羅ふねふね」。。。なんかなあ。。重みが。。と言っちゃうあたりで高齢者率の多い客席大爆笑でした

大いに笑わせた後、「差別用語」について一言。かなりそこにこだわってから入るのは、やっぱり難しい時代だということでしょう。「百姓」「どめくら」「」など、昔は普通に使っていた言葉もクレームが多くなっているそうです。話は変わりますが、昭和の名作ドラマ「泣いてたまるか」をBSで放送していますが、たびたび台詞をカットしている部分が目立ちます。なんかな。。と思ったりします。以下自粛。権太楼師匠の噺は圓朝作「心眼」盲目の按摩が願をかけて目が見えるようになるけれど、心の優しいおかみさんは不細工で、自分は思いのほかイケメンだった。近所で評判の美人に言い寄られ。。。というお話。オチがとても素敵で、やっぱり夫には心を尽くして接しなきゃと、ここでも、家では旦那様にeverytime喧嘩ごしのわが身を海よりも深く、深~く反省。

阿弖流為の鈴鹿ちゃんも言ってたっけ。「仲良くできないものですか」と。。。


阿弖流為@新橋演舞場2階6列センター

2015-07-17 23:09:51 | 観劇/コンサート

この作品、どうしても2階から両花道の北の狼、都の虎、そして立烏帽子をいっぺんに観たい!ということで強風にも負けず行ってまいりました。いや~、こまかくは書きませんが、ここに至るまで結構いろいろアクシデントありで大変でした。。。しかし、石をも貫く根性、根性、ど根性ホントにいっつも思うけど、この執念深さを仕事に生かしたら今頃は左うちわでしたよ

まあ、それはおいといて、今回はスマホ忘れもなく、無事お写真もとってきました。演舞場に着く前に京はやしの抹茶ソフトを食べてしまったので、お弁当は軽めの「えみし弁当」をチョイス

まあ、普通においしかったです。

そば処にはこんなメニューも。注文するのに赤面するかも。

客席に入ると、何故か私の席に人が。なんかもめていると思ったら、3人連れの方が日にち違いのチケットで入ってしまうというアクシデントがあったようです。お隣の席の方と「そんなバカな。。。」と、顔を見合わせてしまいました。

幕が開くと、もうわくわく感がたまりません!本当に凄い!やっぱり2階席いい!こう、この作品の世界観が伝わってきます。阿弖流為が心の迷いを吹っ切って強い決心をする場面などでは、たくさんのスポットライトが交差しながら阿弖流為に全て集まって輝かせる、立烏帽子が本性を見せる場面では足元に妖しい雲のような光が渦巻く。もう、数えたらきりがありません。花道を戻る阿弖流為、蛮甲、田村麻呂の表情が素晴らしい!何より両花道、正面舞台、全部を使って繰り広げられる壮大な物語を目の前に感じられ、鳥肌ものでした。もちろん、役者の表情や汗や動きが間近に伝わる前方席もおいしいに決まってますが。だから増えちゃうんですよね~チケット

この作品、「義に『大』がつくと大義になり、途端に胡散臭くなる」「隣国の大きな力に飲み込まれないためには、どんな手を使っても国をひとつにしなくては」とか、ん?これって今の日本では?と思える部分がいっぱい。また、いかにもいい人そうなあの人が、実は一番悪い奴。意地汚く生き抜こうとする人が意外と信念の人だったり、意外な存在が心を打ったり(マジで泣けます。くまこ)共感しちゃう部分も多いです。

七之助さんの鈴鹿。立烏帽子の時とはまったく違う美しさで、きれいだなあ・・・とうっとりでした。田村麻呂と立烏帽子のシーンはまるで絵のよう。勘三郎さん、虹の橋の向こうでさぞこの2人の息子を誇らしく思っていることだろうなあ。。。

今日は最後の最後に物凄いアクシデントがありました。阿弖流為と田村麻呂の死闘の時、田村麻呂の髪がなんだか変だなあ。。と思ったら、あまりの激しい動きに、鬘が飛んでしまったのです。まるっきり羽二重になってしまったと思ったら、次の瞬間、それもぶっとんでしまいました。凍りつく客席。ところが、ものすごいスピードで死闘を繰り広げる染五郎さんと勘九郎さん、少しの動揺も見せず、少しも動きを止めず、むしろ激しさを増してそのシーンをやりきったのです。もう、客席からはわれんばかりの拍手。いつもの勘九郎さんの髪型なのに、そこにいるのは田村麻呂以外の誰でもありませんでした。すごいなあ。。。並の人ならギャグになっちゃうところです。アクシデントも勢いにしてしまう技量は壮絶だなあと思います。歌舞伎役者、おそるべし。あ、今日気づいたところがもうひとつ。阿弖流為は、回想シーンから現実に戻る時、一瞬で衣装と髪型が変わります。すごい早業。過去に三谷さんのパルコ歌舞伎見た時も染様は瞬間移動しました。超能力者です。あのひとたちは。

なんだかすごく興奮。重なるカーテンコールの最後はもう、オールスタンディングでしたなんか、私も頑張ろう!と力をもらってきました。

 


今日も一日きみを見てた/角田光代

2015-07-14 22:00:23 | 私の本棚

先日、神保町にゃんこ堂で購入したこの一冊。しばらくつん読状態でしたが、読み始めるともう・・・・なんだか泣けてしまいました。

わ。。。私だけじゃなかった!この、愛猫どっぷりな感じ方、受け止め方シモベっぷり

角田さんの家の猫、アメリカン・ショートヘアのトトちゃんは、あの「毎日かあさん」、西原家のご出身なんだそうです。「生まれたらあげるね」的な感じで、生まれる前から角田家の仔になると決まっていたトトちゃん。

本当は犬派だったという角田さんが、いかにしてトトちゃんと出会い、ハートを持っていかれたかが、思い入れたっぷり、愛情たっぷりに描かれています。猫を飼っていない人から見たらあきれてしまうほど。

全てを受け入れ、ただそこにいるだけで人を癒す。何も要求しないのに、君のためなら何だってしてあげる!という気持ちにさせる存在。そんな想いがみっちりと詰まった一冊でした。

猫バカと言われてもいい、頭おかしいんじゃないの?と思われてもいい、大好きなんだもん。もふもふのあの子が

もっふもふ~


阿弖流為@新橋演舞場1階5列センター

2015-07-12 22:58:52 | 観劇/コンサート

【作】    中島かずき   
【演出】  いのうえひでのり
【キャスト】

阿弖流為 市川 染五郎
坂上田村麻呂利仁 中村 勘九郎
立烏帽子/鈴鹿 中村 七之助
阿毛斗 坂東 新 悟
飛連通 大谷 廣太郎
翔連通 中村 鶴 松
佐渡馬黒縄 市村 橘太郎
無碍随鏡 澤村 宗之助
蛮甲 片岡 亀 蔵
御霊御前 市村 萬次郎
藤原稀継 坂東 彌十郎

【あらすじ】
古き時代、日の国――。大和朝廷は帝による国家統一のため、帝人(みかどびと)軍を北の地に送り、そこに住むまつとわぬ民、蝦夷(えみし)に戦を仕掛けていた。その頃、都では、蝦夷の“立烏帽子(たてえぼし)党”と名のる盗賊一味が人々を襲っていた。それを止める一人の踊り女。彼女こそ立烏帽子。女だてらの立烏帽子党の頭目だった。町を襲う盗賊が自分たちの名を騙る偽者であること暴くため変装していたのだ。そこに都の若き役人、坂上田村麻呂もかけつける。さらに“北の狼”と名のる男も現れ、偽立烏帽子党を捕える。この事件をきっかけに北の狼と田村麻呂は、互いに相手に一目置くようになる。だが、北の狼と立烏帽子は、蝦夷が信じる荒覇吐(あらはばき)神の怒りを買い、故郷を追放された男女だった。
 北の狼の本当の名前は、阿弖流為(アテルイ)。故郷を守り帝人軍と戦うため、立烏帽子と二人、蝦夷の里に戻ることにする。荒覇吐神の怒りをおさめた阿弖流為は、蝦夷の兵を率い、帝人軍と戦う。彼の帰還を快く思わぬ蝦夷の男、蛮甲の裏切りにあいながらも、胆沢の砦を取り戻した彼は、いつしか蝦夷の新しい長として一族を率いていく。
 一方、田村麻呂も、帝の巫女である姉、御霊御前(みたまごぜん)や右大臣藤原稀継(ふじわらのまれつぐ)らの推挙により、蝦夷大将軍として、蝦夷との戦いに赴くことになってしまう。阿弖流為と田村麻呂、互いに認め合う二人の英傑が、抗えぬ運命によって、雌雄を決する時が来ようとしていた。


劇団★新感線でアテルイが上演されたのは13年前。アテルイは今回と同じ染五郎さん。坂上田村麻呂は堤真一さんでした。私は生で観ていないので、イーオシバイで買ったのも忘れていたDVDで予習、更には夕べの「クロス・ロード」やら、6日に観てきた劇友うさぎさんの感想やらで期待MAX

ああ、それなのに、それなのに・・・・ 演舞場は久しぶりだったので、家から劇場までの所要時間を勘違いしたうえに、スマホもブランケット(この前帝劇で借りられなかった。。)も忘れた私

それでもなんとか5分前には着席。噂に聞いた光るリストバンドもつけてスタンバイ!(これは2幕でよかった)

七之助扮する立烏帽子とその一味の美しい舞に続き、下手花道から「都の虎」田村麻呂、ややあって上手花道から「北の狼」阿弖流為登場!私はやや上手寄りだったので、北の狼が至近!新感線の時よりもぐっと貫禄の阿弖流為。髪型もワイルド、ガタイも大きくがっしり。何よりすごい存在感です!

左隣の席の方は染様の贔屓らしくうっとりした表情で上手を凝視、右隣の席の方は勘九郎さんの贔屓らしくてひたすら下手を凝視で、間にはさまれた私はどっちを見てもこんにちわ状態になってしまいました

この都の虎と北の狼がかわりばんこに見得を切りまくる場面があって、客席はもう、興奮状態。「なんでそんなに見得を切る」という問いに、「サガです。」これには大爆笑。私は歌舞伎に全然詳しくありませんが、きっといろんな作品のオマージュなんでしょう。2幕の飛び六法だけ弁慶とわかったのは、夕べのクロスロードのおかげ。

前作では別々だった立烏帽子と鈴鹿を七之助さんがひとりで演じていますが、(新感線では、西牟田恵さんと水野美紀さん)何故鈴鹿が立烏帽子になったのか、何どうして阿弖流為が蝦夷の地を追われることになったかが、よくわかりました。作者の中島かずきさんは今回ギャグを大幅に削ってストーリーを整理したとのことで、新たなキャラクター、右大臣藤原稀継の登場もあって、な~るほど、そういうわけでああいうことになったのか・・・と、合点がいきました。

立ち回りもものすごい迫力。ときおり歌舞伎の型になりますが、それがストップモーションのよう。役者さんたちの半端ない殺陣に、怪我するんじゃないかと心配になるほど。斬って斬って跳んで回ってまた斬って・・・あ、田村麻呂が刀を客席に落としてしまい、最前列の人に拾ってもらっていました。カーテンコールでは、染様が勘九郎さんをつっついて最前列の人に「コイツなんです。すいません!」と謝ってました。ちょっと調子に乗った染様は、首に巻いていた青いスカーフをはずしてその人にあげようとして、「ごめんなさん!やっぱ返して」と・・・なんか、ハイになっちゃってました。

アテルイ、田村麻呂、鈴鹿、が素晴らしかったのはもちろんですが、今回、蛮甲を演じた亀蔵さんの安定感が半端なかったです。そうして、その恋女房のくまこ!もう、この蛮甲くまこの夫婦愛に泣けた泣けた・・・こういうところに新感線テイストが残っててうれしい私でした。

三人吉三の若い恋人たち、中村鶴松くんと坂東新悟くんもきらっと光る演技

エンディングのねぶたのシーンには、岡崎司さんも花道に。このシーン、何故か泣けてきます。

クロスロードで、演出のいのうえさんが、「あんなの普通じゃできないですよ!特殊技能です。」と言い切った染様のど迫力の阿弖流為。あ~!できればもう一度、もう一度行きたい!



 

 


ヤマネちゃん

2015-07-11 20:56:55 | 手仕事

清里ツアーの時にヤマネミュージアムで可愛いヤマネちゃんたちを見て、「羊毛フェルトで作ってみるね~」と自分に宿題を出していました。

次に集まるのは7月の落語だからその時までに・・・とのんびり構えていたら、あっという間に7月も半ばになってしまいました

で、さっそくとりかかりましたが、これが結構楽しく、並べてみるとまた可愛い

今夜も「ど根性ガエル」見ながら頑張ります根性!根性!ど根性!それにしても、松山ケンイチくんがヒロシで、かあちゃんが薬師丸さんて、すごすぎます


37.5℃に私も泣いたもんです

2015-07-09 23:54:35 | テレビ番組

この夏のドラマのラインナップ、すごいですね。。。。

今夜は「37.5℃の涙」

この「37.5℃」、今でもびびっとくるものがあります。今でこそ、ほとんどお医者さんの世話にはならない丈夫な大人になりましたが、共働きを続けた我家の子どもたちも、「お母さん、お熱が37.5℃あるんで、お迎えお願いします」という電話がひんぱんにあり、そうなると何を置いてもすっとんでいかなくてはなりませんでした。大事な仕事、大事な会議をすっとばして後ろ髪をぐ~っとひっぱられながらも保育園に向かったものです。

今でこそ、この番組に出てくるような「病児保育」がありますが、当時はそんなものはなく、仕事を休めなければ実家に頼むか、シッターさんを探しまくるしか手はなかったですからね。

第1話では、預かった子が熱性けいれんをおこすという大変な展開。あるだろうな~あるある、と、いちいち頷きながらみてしまいました。

毎回いろんなパターンで展開しそうですが、病児保育者になった「笑い方の下手な彼女」のおいたちにもいろいろありそうですね。

や~、テレビっこになりそうです。

 


リスクの神様すごい!

2015-07-08 23:54:15 | テレビ番組

大河ドラマもイケメンぞろいの割にどうもなあ・・・朝ドラもいい役者さんがいっぱいなのにのれない・・・

そんな中、朝刊見たら、あら!堤真一さん!え?!何吉田剛太郎さんに古田新太さん森田剛さんに小日向文世さんに田中泯さん丸山智己さんも満島真之介くん三匹のおっさんから志賀廣太郎さんも!

このまま舞台にでられるんじゃないのという素晴らしい面子。そこに戸田恵梨香さんやら風間トオルさんまでも!

お話は偽装、隠蔽、個人情報流出などトラブルに巻き込まれた企業や個人、そしてその家族を救う、危機管理専門家たちの活躍ということですが、このメンバーで面白くないわけないです!

一話目で次世代型バッテリーのリコール問題に巻き込まれてエリート街道から転落し、根性を買われて危機管理チームにメンバー入の戸田さんをはじめ、一筋縄ではいかない感が満載!これからどんな風に展開するのか、もうわくわくします!

大好きなダークスーツ姿の堤さんが毎週バシバシ問題解決する姿を見られるなんて

1話には登場しませんでしたが、キャストには平幹二郎御大のお名前も。しかも演出はリーガル・ハイの石川淳一氏。もう、水曜10時が楽しみすぎです!

 


エリザベート(井上トート)@帝劇1階L列下手サブセンター

2015-07-04 23:36:12 | 観劇/コンサート

先日エリザベートで城田トート閣下にすっかり魂もっていかれた私でしたが、今日は気持ちを立て直して井上芳雄閣下に会いに帝劇へ。

   

いや~、うさぎ先輩から「ピーターパンだね。」とは聞いていましたが、まさにそんな感じ。軽やかで神出鬼没なトート閣下。

何度も観ているのに、肝心なところをちゃんと見ていなかったことにも気づきました。皇帝陛下とエリザベートがハンガリーを訪問したとき、民衆が掲げていたハンガリーの三色旗は下げられ、黄色いハプスブルグの双頭の鷲の旗だけにされていたのに、エリザベートがさっとコートを脱いでその三色旗をモチーフにしたドレスをに見せたから、彼女は民衆の心を掴んだんですね。なるほど。美しいだけじゃなくて、機転もきく人だったんだ。

が、しかし、やっぱり自分のことが一番好きな、「私だけに」体質を捨てきれなくて現実逃避しちゃった悲しい皇后だったのね。

トートとエリザベートは合わせ鏡、という説をどこかで読みましたが、今回の組み合わせはまさにそんな感じです。私が!私が!のエリザベートと、俺が!俺が!のトート閣下。井上トート閣下もまた、自分のことが一番好き感がぷんぷん。

こんなに素晴らしい自分にちっとも振り向かないエリザベートにムカついてしつこくつきまとう感じ。体操室でドクターに化けたトート閣下が拒絶され、「ハウス!」といった感じで追っ払われる時の慇懃無礼なお辞儀も「クソ!」とひそかにつぶやいている感が満載。ルドルフの葬儀の時にも「まだ俺のこと愛してないのかよ!」といういらだちMAXな感じ。

エリザベートの最期、一瞬えも言われぬ表情を見せた閣下が、次の瞬間「ゲームオーバー」的な無表情に変わったのにもぞっとしました。せつなさを見せた城田閣下とはかなり対照的なトートでした。とにかく表情が豊かで、歌に込めた感情も恐ろしいほど細やかです。すごいなあ。。。マイヤーリンクのシーンで、憔悴する皇太子に「死にたいのか」と言い放ったのにはちょっとびっくりしました。。前からあった?あの台詞。。。あ、古川ルドルフは、びっくりするほど小顔で長身。高貴なオーラのある皇太子でした。みんなにそそのかされて、その気にさせられて、気の毒に。井上くんのイメージが強いルドルフの役、本人目の前だとやりにくくないかな、などと老婆心丸出しにして観てしまいました

今夜のゾフィ皇太后は、香寿さん。美しい!このままM!の「星から降る金」@ヴァルトシュテッテン男爵夫人を歌っても違和感ない感じ。ゾフィ様のシックなお衣裳、初めて素敵だと感じました。その着こなしはさすが

ルキーニの山崎君は、もう本当に自由自在な感じに進化していました。この大変な役は、きっと大きな成長のきっかけになるんだろうな。くっきりしたメイクもあるのかもしれないけれど、「男」を感じさせるようになりましたねえ。。育ちゃんなんてもう呼べないかも。

先日から気になっている広瀬友祐くんは、市民活動家シュテファンのほかにも衛兵、貴族、精神病院の職員、悪夢に出てくるバイエルン王ルードウィヒ2世(湖で水死の人)など、いろんなところに出ていらっしゃいました。そういうのを見つけるのも楽しいものです。皇太子ルドルフ、古川くんも、ちゃんとエーヤンの旗持ちしてました。ミルク!では見つけられなかったなあ。

皇帝陛下って、結局最後まで片思いだったんだなあと、今日も「夜のボート」で涙を流す姿に胸が痛くなりました。

「一度私の目で見てくれたなら あなたの誤解もとけるでしょう」という歌詞にどきりとする私でございます。。。