pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

桂米朝一門会@国立演芸場1列センター

2016-10-29 23:02:08 | 落語・講談

米朝一門会ということで久しぶりに国立演芸場へ。こんなところで運を使ってどうする・・・まさかの最前列でした

私のお目当ては吉弥さんと若旦那、米團冶さんだったんですが、意外にも(失礼!)ざこばさんの「子はかすがい」に泣かされました。

ざこばさん自身、ご両親や身近な方が離婚されているので「この離婚の系譜を断ち切らんと」という思いで結婚生活を続けてきたそうです。けれど、お嬢さんがバツイチに・・・というリアルなマクラ。

きっとざこばさんも子どもの頃につらい体験があったんだろうなあ。。という思いでみたせいか、別れた夫婦それぞれの想いも、子どもの想いもなんだか切なく泣けてきました。

その昔、泉ピン子さんたちと「テレビ三面記事」に出演されていた(何年前)イメージが強かったんですが、やんちゃな面影はそのままに、人生の機微のようなものをうまく表現される噺家さんなんだな~と、好感が持てました。

吉弥さんはちょっと色っぽい夜這いの噺で「お玉牛」

トリの米團冶さんは兵庫県における尼崎市、神奈川県における川崎市、関西における京都の立ち位置など、「あ~なるほどねえ・・」と思える楽しいマクラのあと「では、京都の噺をひとつ。」と、はてなの茶碗に入っていきました。

固く言ってしまえば、「付加価値」と「柳の下のドジョウ」のお話だと思うんだけど、何故かこの噺を聴きながら、今評判のピコ太郎さんは、この先どうなっていくんだろう。。。という思いが頭をよぎったのでした。


平幹二朗さんのご冥福をお祈りいたします

2016-10-25 22:33:53 | 雑感

蜷川さんが亡くなって半年もたっていないのに、今度は平幹二朗さんが逝ってしまった。。。

9月に観た「クレシダ」は、平さんの遺言みたいな作品だと感想を書いたら、本当に最期の舞台になってしまったんですね。凄かったです。平さんの舞台。

日本で佇まいだけで「王」を演じることのできる数少ない役者さんでした。蜷川作品の「リア王」で本当にそう感じたし、藤原君のハムレットでも特に先王の亡霊は「王の中の王」たる風格でした。

生涯現役。昨夜の月9「カインとアベル」にだって、普通に出演されていたのに。

ひとりで亡くなるなんて。最期まで孤高の王として人生を終えられてしまったんですね。

きっと今頃は、「なんで追っかけてきたんだ!まだまだやることがあったでしょう!」と、蜷川さんにマジ切れされて、苦笑いしていることでしょう。

合掌。


るつぼ@シアターコクーン1階D列センター

2016-10-15 22:42:38 | 観劇/コンサート

原作 アーサー・ミラー
演出 ジョナサン・マンビィ
出演 堤真一、松雪泰子、黒木華、溝端淳平、小野武彦ほか

あらすじ 

17世紀、マサチューセッツ州セイラム。ある晩、戒律で禁じられた魔術的な「踊り」を踊る少女たちが森の中で目撃される。その中の一人は原因不明の昏睡状態に。これは魔法の力か? 悪魔の呪いか? セイラムを不穏な噂が駆け巡るが、少女アビゲイル(黒木 華)は「ただ踊っていただけ」と主張する。彼女の真の目的は農夫プロクター(堤 真一)の妻エリザベス(松雪泰子)を呪い殺すことにあった。雇い人だったアビゲイルと一夜の過ちを犯したプロクターは罪の意識に苛まれ、以後、彼女を拒絶していたのだ。プロクターに執着するアビゲイルは、敬虔なエリザベスを〈魔女〉として告発。アビゲイルに煽られ、周囲の少女たちも悪魔に取り憑かれたように次々と〈魔女〉を告発していく。大人たちの欲と思惑もからみ合い、魔女裁判は告発合戦のごとく異様な様相を呈していった。悪魔祓いのためセイラムに呼ばれた牧師ヘイル(溝端淳平)は、自身が信じる正義のありかが揺らぎ始め─。


いや、こわかった~久々に背筋も凍るというか、黒板を爪でひっかいたというか。。。

ぎりぎりにコクーンに滑り込んだため、プログラムを読む間もなくいきなり幕開き。いきなりの問題シーンその異様な興奮に巻き込まれそうになりました。怖い。。。。

このお話は、1692年、アメリカのセイラムで実際に起きた事件がベースにあるそうです。もともと、この「森の中の呪詛のダンス」は、少女たちの遊びのような好奇心から始まったことらしいのです。・・・そういえば、日本にもあった。「こっくりさん」で狐つきになっちゃった女の子だの、「お狗さま」が憑りついちゃっただのっていう話。集団ヒステリー状態とか、異様な興奮からトランス状態に陥る話。もとを正せば病弱な妻で満たされなかった欲情を少女に向けた農夫と、彼を自分の物にすべくその妻を殺してやりたいと単純に考えた小娘という図なんですけど、この少女、アビゲイルが只者ではない。いるいる。こういう子。妙なカリスマ性を持って周囲を支配し、操りまくる。「私に従わなかったらどうなるかわかってんだろうね!」と、絶対的な自信を持って。そんな小娘と取り巻きの少女たちの神をも恐れぬ無邪気な欲望と、周囲の大人たちの思惑や計算や保身の感情が複雑に絡み合い、事態はどんどん泥沼化していきます。自分の中の「善きもの」とは何か。「善きもの」であるために自分の全てをさらけ出し、あらゆる秘密を吐き出してもなお救われない現実。そそそそ・・そんじゃ、どうしたら許してくれるのどうしたらこの状況から抜けられるの・・・・抜けられないんだよ、何やっても「るつぼ」とは。。興奮したり 熱狂したりするたとえや、 とにかく色々な物が混ざり合って訳の分からない状態になって いる様な状態。まさに「どつぼにはまってどっぴんしゃん」的な息苦しさに、めまいがおきそうな舞台でした。

黒木華さん、すごいです。「小さなおうち」や「真田丸」で見せたような楚々として芯の強い日本のおなごじゃない。もう、すごい!少女の一途さに潜む怖さ、残酷さ全開。もう、本当に恐ろしく狡猾で、神をも恐れぬ一直線な悪女なんだけど、ある意味純粋なのかもしれないと思わせてしまうとこがすごい。堤さん演じるプロクターを手に入れるためならその妻を呪い殺すことも厭わない。あの女を殺して墓の上で彼と踊りたい。。。一瞬だけ窮地に立たされますが、回避できたと知った瞬間に勢いを取り戻して更に大きな悪の翼を広げちゃう。翻弄される大人たち。ここが本当に怖い

堤さんの存在感も半端ないです。神を敬い、妻を愛しながらも、自分の犯した罪によってどんどん追い詰められてゆくさまがすごい。自分とは何か。守るべきものとは。考えさせられるました。汗と涙でぐちゃぐちゃになった渾身のプロクターの捨て身に圧倒されました。役の後ろに堤真一が見えない。プロクターにしか見えないすごさ。

溝端くんも、蜷川さんの薫陶を受けた成果がはっきりと見てとれました。あんな演技ができる人だったんだ!

情念で火のように舞い踊るアビゲイルと少女たちの赤

静かな強さを見せつける妻エリザベスの青

大地に生きる農夫プロクターの茶色

少女たちに翻弄され、正しい裁きに苦悩する大人たちの黒

少女たちの告発や関係者の密告などによってによってあまりに多くの人が処刑されたり投獄されたりしたために、セイラムの街は飼い主を失った牛がうろついたり、空き家が増えたり、実際大混乱に陥ったそうです。「宗教」って恐ろしい。もうすぐハロウィン。渋谷の街にあふれるハロウィングッズに「魔女」を見つけては不思議な感情にとらわれる私なのでした。

 


秋の女子会in銀座

2016-10-02 22:27:35 | 私の好きなもの

      

毎年恒例、大学時代のサークル女子会でソラリア西鉄ホテル銀座のレストランFurutoshiへ。毎年幹事持ち回りなので、行ったことのないレストランでお食事を楽しめるのもうれしいことです。

ここは福岡を拠点とする西鉄ホテルズの経営らしいです東銀座からすぐ。銀座といってもこのあたりはとても落ち着いていて、近くにもモントレーやサンルートなど、こじんまりとしたホテルがいくつかあります。

どうやら女子に人気のレストランらしく、全面禁煙というのも嬉しい前菜もひと口サイズのものがいっぱい。いろどりもお味も女子好みお野菜も新鮮そのものでした。「美味しい物を少しづつたくさん食べたい」という女子の気持ちがよくわかっている感じ。メインディッシュは真鯛、イベリコ豚、牛ヒレからチョイスできますが、差額なしというのもいいですね迷わず牛ヒレを選びましたが、M子さんが選んだイベリコ豚もとっても美味しそうでしたデザートは5種類盛り合わせ。左から柑橘のシャーベット、カシスのマカロン、シャインマスカットのカナッペ、パンナコッタ、シャングリアのジュレ飲み物はコース外でしたので、カモミールティーをお願いしました。

90分という時間制限がありましたが、そんな時間はしゃべっているとすぐに過ぎてしまいますね~

お食事おあとは、芝翫さんの襲名披露で賑わう歌舞伎座、木挽町広場でお買いもののあと、屋上庭園へ。

  

そんなに広い場所ではありませんでしたが、先人の碑、旧歌舞伎座のうだつ、阿国松などが配置されていました。このお庭を見ながらお茶できるカフェもありましたが、超満員。

脇の階段を下りてエレベーターホールに向かうと、右手は1幕見用の入り口。こんなところから入るのか~

左手奥には代々の歌舞伎座の模型が飾られていました。↓これは取り壊される前の模型。なんだか懐かしい。

 

散策のあとは人気のミタスカフェで美人茶をいただいてまたおしゃべりに花が咲きました

築地市場の豊洲移転問題、新都知事の大鉈の下ろし方、病院での殺人事件に介護施設の問題、南海トラフに首都直下型地震の備え、食について、里子について、最近の子どもたちの人生に対する甘さについて、仕事とは。生きるとは。

学生時代からずうっとそうだった。彼女たちはいつもまじめに真剣にしなやかに人生に向き合ってた。話は泉のように尽きません名残惜しいけれど、続きはまた来年。元気でまた会えますように!