pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

テンペスト@新国立中劇場1階13列上手

2014-05-25 21:16:18 | シェイクスピア

   ←テンペストのファースト・フォリオ(シェイクスピア(1564-1616)の死後,1623年に,その作品 全36点を編纂・刊行した初のシェイクスピア全集『ウィリアム・シェイクスピア氏の喜劇, 歴史劇,および悲劇』第1版)が展示されてました。

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:白井 晃 美術:小竹信節 

出演:古谷一行 高野志穂 羽場裕一 伊礼彼方 野間口徹 長谷川初範 田山涼成 碓井将大ほか

あらすじ:
 元ミラノ大公プロスペローは12年前、弟アントーニオとナポリ王アロンゾーの謀略によりその地位を追われ、娘ミランダとともに海に流された。やがて漂着した孤島で魔術の修練を積み、空気の精エアリエル、醜い怪物キャリバンを従えて暮らしていた。その島は豊かな自然に恵まれ、妙なる楽の音がこだまする一種の桃源郷であった。
 そこにアントーニオ、アロンゾー一行の乗った船が差し掛かると、船は突然の嵐に遭遇し、全員命からがら島に上陸する。だがその嵐は一行の到来を知ったプロスペローが魔術で起こした嵐だった......。


シェイクスピアが単独で書いた最後の戯曲。すごーく前に平さんがプロスぺロ-を演じた蜷川版は興味ありありでしたが、そのころは生まれたばかり赤ん坊の育児でいっぱいいっぱいで行かれませんでした。いつかみたいな~と思っていたら、あら、古谷さんが・・・白井さんの演出で。長谷川初範さん高野志穂さんと、テレビでおなじみの面々で。ちょっと迷いましたが、行って良かったです。

なにせ、舞台美術が素晴らしい客席を9列目までつぶし舞台を広げ、もともと広い奥行を目一杯使い、まるで巨大な流通倉庫の中にいるような気分。そこにプロスペローがぽつんと立っている。床に映し出された小さなみずたまりがプロスペローの魔法で・・・・おっと、あとはネタバレになるので詳しくは書きませんが、ちょっと驚きの小道具群。白井さんの発想ってすごい。ある意味スタイリッシュでも「結構ほこりも舞うので、前方席の人はマスク持ってった方がいいですよ」という事前情報があって、しっかりマスクしました。そこまでじゃなかったですけど

この物語で重要な役どころの妖精エアリアルは、なんと車椅子。プロスペローの魔法にあやつられる不自由を表しているのかな?と思いました。ところどころでバレエや布が効果的に使われて美しいです。嵐、難破船、追放された王、敵国の王子と美しく清らかな娘の恋、異形の物たち、道化・・それらが奏でる荒唐無稽な物語・かなり好きだなこの展開伊礼王子と高野志穂さんの恋物語が素敵娘が重い荷物(実は丸太らしい)を片付けようとすると、「大切なあなたにそんなことはさせられない」とのたまう王子。言われてみたいよそんなこと

全てを許し、魔力も捨てたプロスペローが観客に語りかける場面は圧巻です。まるでシェイクスピア自身の引退宣言のようにも聞こえ、心にしみました。ふと、串田さんならどう演出するのかな、とか思ってみたりして。

休憩20分を含み2時間半。2幕最初にちょこっとお楽しみがあるので、トイレをさっとすましたらお早めに席につくことをお勧めします。今日は暑いとの予報でやや薄着で出かけたものの、客席はかなり冷房が効いていて寒く、ブランケットを借りました。


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THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー@世田谷パブリックシアター1階G列センター

2014-05-24 20:56:03 | 観劇/コンサート

[作] リチャード・ビーン
[翻訳] 小田島恒志
[演出] 森新太郎 
[出演] 内野聖陽  浦井健治  明星真由美 町田マリー 黒田大輔 小林勝也 成河 

[あらすじ] 
1972年、ニューヨークのアイリッシュレストランではブラッディー・サンデーの追悼集会が開かれていた。IRA(アイルランド共和軍)のNY支部リーダーのコステロ(内野聖陽)は対イギリスへの報復と組織強化への思いを熱く語る。
彼らIRAの活動家たちの隠れ家は、マイケル(浦井健治)のアパートメント。しかし活動家といっても、彼らの日常はごく普通のNY市民であり、コステロのようにアメリカンドリームをつかんだ経済的成功者もいれば、マイケルのような消防士も、警察官もいた。
アイルランドから彼らのもとにやって来たIRA兵士でお調子者のルエリ(成河)は、ある日バーで親しくなった女性をアパートに連れ込むが…。1972年から2001年までの30年にわたるNYでのIRA活動家たちの生き様を描きながら、報復は新たな報復しか生み出さないという「負の連鎖の虚しさ」が、徐々に浮き彫りにされていく。その中で彼らが手にしたものとは?そして失ってしまったものとは・・・・
(注:1972年1月30日、イギリス軍が公民権運動デモ中の非武装のアイルランド市民を殺傷した歴史的事件)


久しぶりの世田谷パブリックシアター。久しぶりの内野さんの舞台。やっぱりすごかったですしょっぱな、反イングランド、反中央集権的な反逆スピリッツの象徴であるグリーンのタータンキルトを身に着けたコステロが追悼集会で(まるでスタンダップ・コメディーのよう)語り始めると、客席全体が集会に参加した聴衆のような雰囲気になっていました。さすが。

物語は主にIRAの隠れ家になっているマイケルの部屋で展開されます。おしゃべりで訛りまくりのルエリ(成河)と寡黙なマイケル(浦井君)。今回、内野さんのコステロはもちろんですが、成河くんの台詞が半端なく膨大。すごいマシンガン・トークです。そして、この物語じたいが約30年の時を経るのですが、少しずつ年齢も社会的な立ち位置も変化し、そのたびごとにわずかずつ発音や表現が変化します。基本的な性格(口数の多い小心なお調子者)は変わらなくても。

浦井君は、もともと寡黙な消防士なので口調はそう変わりませんが、髪型や肉付きで20代から50代を演じ分けます。浦井君の50代・・・・でも、いるいる、ああいうアメリカンおじさんいるキルトで登場のシーンでは、お隣の方が思わず・・という感じで「かっこいい!」と声を出してしまってはっとされていました。わかるわかる。だって似合うんだもんキルトもハイソックスも

密室内でのリンチなどはあれ、大掛かりな爆破や殺傷シーンはありません。でも、それだけに、大義のために組織の活動があった時代から次第に組織の為の組織に変化していき、ありがちな内輪もめや密告者探しや吊し上げなどが始まると、どんどん仲間の関係が煮詰まり、破綻していくさまが恐ろしかったです。本部から来た小林勝也さんがドリルで攻撃するのも怖かったですが、特に黒田さんの警察官に空恐ろしさを感じました。

64歳のコステロの最後の衝撃の演説にも圧倒されました。内野コステロ、ビッグ・フェラー(大物という意味らしい)ここにあり!って感じ。髪や老眼鏡だけでなく、表情も立ち姿もしょっぱな37歳のギラギラした演説の時とはまったく別人のよう。役者です。ただ、IRAのビッグ・フェラーとまで呼ばれたコステロが、妻子の不幸に打ちひしがれたとはいえ、それまでと180度違う選択をするに至った経過がいまひとつわかりづらかったです。というか、ちょっと唐突な印象でした。だって・・・・あの人はさすがに怪しかったけど、まさかねえ。。。

最後のシーンは9.11の天気の良い静かな朝。消防士として出勤するマイケルが、自宅のドアを出ていき、そして・・・

「負の連鎖」という言葉が頭の中をめぐります。あいつらの殺しと、俺たちの殺しは違う・・・?深く暗い心の闇。

さすがに役者ぞろい。キャラがくっきりしていて見応えがあり、3時間集中して観ることができました。

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ロンサム・ウェスト@新国立劇場小劇場THE PITC5列センター

2014-05-23 21:23:44 | 観劇/コンサート

作:マーティン・マクドナー
翻訳・演出:小川絵梨子
出演:堤真一 瑛太 北村有起哉 木下あかり

あらすじ:
物語は、コールマン(堤真一)とヴァレン(瑛太)のコナー兄弟、ウェルシュ神父(北村有起哉)、ガーリーン(木下あかり)という少女の4人だけの登場人物で展開。アイルランドの西の涯の田舎村リーナンに住むコナー兄弟が、父親の葬儀を終えてウェルシュ神父と共に戻った場面から始まる。この兄弟はどちらも独身で、とにかく仲が悪い。それも食べ物や酒のことなど些細なことが発端で壮絶な喧嘩を繰り返している。この地に派遣され、まだ村の生活や人々になじめない神父は、おろおろするばかりで仲裁さえできない始末。
しかも、父親の死にも平然としている兄弟どころか、この村には、ほかにも肉親殺しがいるという噂…。
神父は村の殺伐とした現状に何もできない自分の無力さを嘆き、何かというと酒を手にするようになり、今ではすっかりアル中気味。
そんな救いがたい男性たちに対し、ガーリーンという少女は酒の密売で稼ぐしっかり者の17歳。可愛らしい容姿なのだが、言動はがさつであばずれ風で、何かと気弱な神父をからかったり、つっかかったりしながら神父にまとわりついている。
やがて、この最果ての地で、ウェルシュ神父は、ある決意を秘めた手紙をガーリーンに託す。
コナー兄弟のもとへと届けられたウェルシュ神父の決意は、このどうしようもない兄弟の胸に届くのだろうか・・・・。


“絶望と閉塞感”をダークな笑いでドライに描いたマクドナーの劇世界が炸裂!
・・・・・とのことなんですが、う~ん・・・

堤真一さんと瑛太くん、北村有起哉さんじゃ、見ないわけにはいかないでしょう的な感じで劇場に入りましたが、う~ん・・・・正直、初めのころは堤さんと瑛太くんの派手な兄弟喧嘩と、なんとか2人を改心させたい神父の有起哉さんのやりとりを普通に面白く観ていましたが、だんだんダークな色合いが濃くなり、兄弟の真実が次々と暴露されてくると、あまりのことになんだか悪寒がしてきました。客席にはふたりの喧嘩の単純なばかばかしさに結構笑いも起きていましたが、私は笑えず。

父親の死に深く関わりながらも罪悪感を微塵も感じさせず、王のように振舞う兄・コールマン。彼の悪魔のような狂気には背筋が凍りました。動物虐待のエピソードもあり、堤さんじゃなかったら、たぶん途中で席を立ったと思います。その兄に翻弄される弟・ヴァレン。瑛太さん。最近はCMでも貫禄出てきましたね。ただの優しい若者じゃなくて、小さいころからずっとこの兄のために苦汁をなめさせられた弟の苦悩や孤独がびんびんと伝わってきました。だけどたった一人の肉親。魔王のような兄でさえ、失えばもっと深い孤独の闇に落とされるという蟻地獄のような閉塞感。私も夫も末っ子なので、「兄姉の無意識の傲慢」には結構感じるところがあります。弟妹が大切にしていたもの、大切にしてきたことを一瞬にして否定したりするんだから。

それにしてもわからん。アイルランド的感覚 次に見る「ビッグ・フェラー」もまたアイルランドもの。大丈夫かしら。パンフレットには、演出の小川さんと、ビッグフェラー演出の森氏の対談がありました。

客席には中劇場「テンペスト」ご出演の野間口徹さん、羽場裕一さん、マニラ瑞穂記の山西惇さんがいらっしゃいました。テンペストも楽しみです

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ニューヨーク冬物語 WINTER'S TALE@丸の内ピカデリー3

2014-05-18 21:12:11 | 映画/DVD

監督: アキヴァ・ゴールズマン
原作:マーク・ヘルブリン

キャスト:コリン・ファレル  ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ ラッセル・クロウ ウイリアム・ハート ジェニファー・コネリー ウィル・スミスほか

ストーリー:1900年代のニューヨーク、幼少期に両親と離れ離れになったピーター(コリン・ファレル)は、裏社会を牛耳る男の下で悪事を働く毎日を過ごしていた。そんなある日、美しい令嬢ベバリー(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)と出会った彼は瞬く間に恋に落ちるが、不治の病に侵され余命わずかな彼女は亡くなってしまう。100年後、記憶を失ったピーターは生きる意味さえもわからず街をさまよっていた……。


今日は一日の~んびりすごす予定でしたが、なんとなく猫の動画を見ていたら、最初の部分にこの映画の予告編が。え?なにこれ、見たい!おととい封切り?!

…と、いうことでいきなりスイッチが入ってしまったのでさっそく映画館検索。・・・が、近所のシネコンはやってない。都内は3館のみ有楽町と新宿と亀有で、一番アクセスがよさげな丸の内ピカデリーへ。

行きの電車の中でレビューを見たら、結構微妙というご意見もありましたが、なんの、とってもロマンティックで素敵な大人の童話という感じでした。

「ウォルト・ディズニーの約束」で悲しい父を演じていたコリン・ファレルが素敵ヒロインのベバリーは、最近話題のダウントン・アビーにもご出演のジェシカ・ブラウン・フィンドレイ。薄幸の美女のわずかな青春のきらめきが素晴らしいです。そしてそして馬!白馬!もう、すごいよこの馬王子、背中にお乗りくださいってひざまずくんですよこの白馬に乗った恋人たちの美しいことといったら舞踏会シーンの綺麗な事と言ったら多少の展開の強引さなど気にならなくなってしまいます。

小舟で流された赤ちゃん、悪党を裏切って命を狙われる青年と結核の美女の短くも美しい恋、天使と悪魔、時の旅人、なすべき使命・・・・・

作者は現代のシェイクスピアとも呼ばれている方らしく、原作はもっと壮大な話なんでしょうね。でも、ヒロインが発熱のために世界が輝いて見えるといったシーンや、白馬が羽ばたいて空を駆けるシーン、冬のニューヨークの凍った湖のきらめきなど、映像も本当に美しかったです100年の時を超え、ヒロインの妹(なんと、ヒッチコック映画「北北西に進路をとれ!」に出演していたエヴァ・マリー・セイントさん)と再会したシーン、古めかしい写真の中に最愛の人を見つけたシーンなどでは自然と涙が出てしまいました。

キアヌ・リーブスの時も感じたけれど、アクションでならした俳優さんがこういうファンタジックなお話を演じるのって素敵だなあとため息が出ました。悪玉ルシファー、ラッセル・クロウは本当に極悪でした・・・・

 

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さん喬・権太楼の会~長講二席@埼玉会館小ホール最前列センター

2014-05-11 22:52:51 | 落語・講談



今日は母の日。町の花屋さんやケーキ屋さんには、お父さんと子供たちの長蛇の列ができていました。この幸せが続くといいね。私も可愛いお花をいただきました

本日はついに埼玉会館まで足をのばし、大好きなさん喬師匠・権太楼師匠の長講をたっぷり聴いてきました。

開口一番のさん坊くんはさん喬師匠のところの前座さん。さん光さんは権太楼師匠の弟子の二つ目さんです。このさん光さん、前座の名前が「おじさん」めりはりのある、楽しい「浮世床」でした。

客席はかなり年齢層が高く、通っぽいお客さん多数。さん喬師匠の「たちきり」も、権太楼師匠の「らくだ」も、出だしで「おっ!」とあちこちで声があがっていました。たぶん、「予想どおり!」とか、「まってました!」的な「おっ!」なんだと思います。たぶん。

さん喬師匠の「たちきり」、柳橋の芸者、小糸が、百日の蔵住まい(つまり謹慎)になった若旦那に手紙を出し続けるところで、はたと先日再放送が終わった「ちりとてちん」の1シーンを思い出しました。若狭ちゃんのお母さん、糸子さんが若狭塗箸職人修行中の恋人(今の夫)に何通も何通も出した手紙(未開封)の束が見つかるところ。あれはこの落語のエピソードだったんだ!・・・・と、今ごろ気づいた私でしたそれにしても、本当にさん喬師匠の落語は品があるな~

権太楼師匠はマクラなしの「らくだ」一挙50分の大熱演本当にすごい!の一言。気弱な屑屋さんが一瞬の間に乱暴ならくだの兄貴分に、ごうつくばりの大家さんに変わるあの表現には息を呑んでしまします。終演後、ロビーでもたくさんの人達が「すごかったね~」「文句なしだよね」と頷きあっていました。

めったに来ない浦和の町をぶらぶら。目に毒な「猫グッズの店」を見つけてしまい、思わずいろいろ衝動買いしてしまったのでした。ま、いいか。

 

 

 

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ドラマ新解釈・日本史

2014-05-05 22:08:59 | テレビ番組

先週から、TBSで火曜深夜25:11~25:41 ドラマ新解釈・日本史が始まりました。予備知識なしでなんとなく予約録画しておいたら、な・・なんと浦井くんがご出演しかも、レギュラーらしい。第一話は「信長は本当に潔く自害したのか?」でした信長は、このシリーズ主役にして、最近ご活躍のムロツヨシさん。この信長が、本当に自由ちょっと前に東京ガスのガスパッチョCMで妻夫木くんにからんでいた信長、あんな感じの仕上がり。浦井君は浦島太郎みたいな森蘭丸でした。泣いて信長からブサイクと言われたり、ちょっとアブナイ動きなどもあり、浦井くんもまた自由そのものなにせ新解釈ですからでも、信長の最期を見た人はいないのですから、これもありかも。

第一回の予告編で、ちょこっと見られます。「介錯いたす!」と構えてるのが浦井蘭丸です。

放送最後に有名予備校の人気講師金谷先生の解説もあります。この先生の解説もとってもわかりやすいです。お楽しみに!

次回、つまり明日深夜は「薩長同盟は本当に坂本龍馬の手柄なのか?」です。録画しなくちゃ。

あ、公式サイトみたら次回は浦井くんの出番はなさそうです。第3回の松尾芭蕉には出てほしい

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レディ・ベス@帝国劇場1階E列下手

2014-05-03 22:59:45 | 観劇/コンサート

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎


【キャスト】
レディ・ベス:平野綾
ロビン・ブレイク:山崎育三郎
メアリー・チューダー:未来優希 
フェリペ:古川雄大
アン・ブーリン:和音美桜
シモン・ルナール:吉野圭吾
ガーディナー:石川禅
ロジャー・アスカム:山口祐一郎 
キャット・アシュリー:涼風真世

大谷美智浩/中山昇/平間壮一/加藤潤一/寺元健一郎ほか

【あらすじ】
16世紀イギリス、偉大なヘンリー8世の娘として生まれたレディ・ベスは、母親のアン・ブーリンが反逆罪で処刑されたため、家庭教師のロジャー・アスカムらとともにハートフォードシャーで暮らしていた。そうしたある日、若き吟遊詩人ロビン・ブレイクと出会う。ベスは彼の送っている自由なさすらいの生活に心魅かれる。

異母姉メアリーがイングランド女王になるとベスを脅威に思うメアリーの側近、司教ガーディナーらの謀略がさらに強くなるが、メアリーの夫となった若きスペイン皇子フェリペによって助けられる。ベスは絶え間なく続く苦境に、自分自身の運命を嘆きながらも、強く生きることを決意し、ロビンと密やかな愛を育む。

メアリーによるプロテスタントへの迫害が続くなか、民衆は次第にベスの即位を望むようになる。そんな中、メアリーはベスにある告白をする…



久しぶりの帝劇。やっぱりわくわくしますね。今日はG.W.企画として、Wロビンのクリアファイルを入口で配っていました。マチネは抽選会、ソワレはトークショーがあるということで、ロビーもかなりのお客さんが押せ押せ状態でした。

生涯結婚することのなかったエリザベス1世の即位までの波乱万丈と、吟遊詩人との恋。

いや、イギリス王室っていうのは本当にわかりにくい最初に山口祐一郎さま、いや、家庭教師ロジャー・アスカムがいろいろ歴史を歌い上げてくださるのですが、いまひとつ???です。でも、スポットを浴びて祐様が登場した時には、「おかえりなさい」と、思わず発声しそうになりました。長い休養のあと、コンサートにはご出演されていましたが、本編は久しぶりですから。

レディー・ベスことエリザベス1世の平野さんもとてもいいです。可愛らしく初々しいビジュアルに、まっすぐな瞳、のびやかな歌声。感情が溢れると、きらきらした瞳のどまんなかからつーっと涙が。どうでもいいかもしれませんけど、目頭や目尻から涙がこぼれるよりも、やはりど真ん中はインパクトありますお顔の形状にもよるのかもしれませんけど。一幕のいかにも若い王女っぷりから、二幕で様々な試練を乗り越えて即位したときの覚悟を決めた表情が凛として素晴らしかったです。お衣裳もとびきり豪華絢爛思わずオペラグラスで女王ドレスをガン見してしまいました。

ベスの異母姉、メアリーの未来優希さんは、ロミオ&ジュリエットの乳母役でも驚きましたが、本当にすごい声量で、帝劇の大きな客席中に響き渡るまさにバズーカ・ボイス今回は歌に関しても女性陣のパワーがすごかったです。ベスを見守り、肝心な時にしばしば登場する生母アン・ブーリン(霊?)、和音美桜さんの豊かな歌声も素晴らしかったです。お顔の作りもあるのでしょうが、後光のさした観音様のようでした

観音様といえば、かなり年上のメアリーと政略結婚するスペイン王子フェリペ、古川くんの登場シーンは、遠山の金さんかと思わせられましたが、なかなか目力と風格と、王族の傲慢と気品をお持ちの方でした。ルドルフもやってたんでしたね。ポスターよりもずっと素敵でした。山崎くんの取り巻きのアンサンブルにフェリペとよく似た方がいたので、二役かと思ったら別人でした。あのジャグリングもする3人、なかなか素敵。彼らと行動を共にする吟遊詩人にしてベスの恋人ロビンの山崎育三郎くん、本当に軽やかで歌声も美しく、まるでピーターパンのようふと、山崎くんでミュージカル・ピーターパンどうかしらとか思ってしまいましたよ。

良く見ると、この作品、山崎くん、古川くん、未来さん、涼風さん、石川禅さんと、ロミジュリから5人も参加してたんですね。。。って、演出家が同じか。。。。

カーテンコールの後はお楽しみ抽選会。プリンシパルさんたちが番号をひくのですが、紙が小さいので、山口閣下は豪華ガウンの内ポケットに巨大な虫眼鏡を隠し持ち、よ~くみて読み上げていました。楽しい抽選会でした。あたらなかったけどね。

 

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テルマエ・ロマエ2@ユナイテッド・シネマ

2014-05-02 21:13:25 | 映画/DVD

監督:武内英樹 出演:阿部寛 北村一輝 上戸彩 市村正親ほか

斬新なテルマエ(浴場)を作ったことで一躍人気者になった古代ローマの浴場設計士ルシウスは、コロッセオにグラディエーターたちを癒す浴場を作ってほしいと頼まれ頭を悩ませる。そんな時、またしても現代日本へタイムスリップしたルシウスは、平たい顔族(=日本人)の山越真実と再会。そこで見た日本の国技・相撲にヒントを得て、グラディエーター用の新たなテルマエを作るばかりか、血なまぐさいコロッセオに平和的な雰囲気を持ち込むことにも成功する。しかし、和平路線を進める皇帝ハドリアヌスに反発し、グラディエーターたちの戦いを通して市民の好戦意欲を高めようと企んでいた強硬派の元老院は、ルシウスの存在が邪魔になり、さらなる陰謀をめぐらせる。


 G.W.前から楽しみにしていたテルマエ・ロマエ2.会員デーに行ってきました。

いや、今回は馬に乗った北村一輝さんがかっこいい!という悪友にしてお遍路修行中の杏Jちゃんの感想を聞いてから、もう期待しまくりでした。

その膨らんだ期待を裏切ることなく、ちょっと弱ったケイオニウス・北村さん、本当に素敵ひひ~んと、後ろ足立ちになった馬の背に乗る赤いマントのケイオニウス閣下は、まるでナポレオンの肖像画のようでした。時代が違うけど。
そして、ネタバレになるから書きませんが、北村一輝ここにあり!の危険な悪の魅力もた~っぷり堪能できます 

 

テルマエ1も何度か観ているのにすっかり忘れていたのか、そこはぼやかしていたのかうろ覚えですが、ルシウスは涙すると元の世界に戻れるんですね。今回は上戸さんもルシウスさんもはっきりそこを意識していました。タイムスリップでも、元に戻る方法がわかっているとなんか安心

そして、なんだかこの映画がヒットする原因がよくわかりました。気持ちがいいんです。日本のいいところを古代ローマ人が発見して感動して、古代ローマでその時代の方法でなんとか再現するところが。なんか、古い言葉ですがディスカバー・ジャパンなの。お相撲さんや、お風呂屋さん、昔ながらの温泉場。足ツボふみふみ、マッサージチェア。人情味豊かでおせっかいなおじいちゃんやおばちゃんたち。そんなひとつひとつを古代ローマ人がめちゃくちゃ感動しまくり、ほめたたえまくると、なんだか日本人としてうれしくなっちゃうんです。

草津温泉というところも行ったことがなかったので、湯畑も湯もみもルシウスの解説で、それが源泉の温度を下げるための優れた仕組みということを知ったのでした。おはずかしいったら。湯煙立ち上る湯畑に沿道を歩く温泉客。日本ていいなあ。。温泉いきた~いと思わずにはいられない映画でした。

昔、テレビで見た「指圧の心は母心~押せば生命の泉わく」の浪越徳次郎先生が老いてあんなんなっちゃったのかと思わせる方が登場して、一瞬、本人と思いましたが、ご御本人はとっくに冥府の方となっておられたのですね。

歴史書によって今後の運命を知った上戸さんが別れを惜しんで泣き出したら、「そなたは私の宝だ」と抱きしめるルシウス。素敵すぎそんなこと一回でいいから言われてみたいもんです。

噂によれば、次回作も絶対ありそうとのこと。どうなるのか、今から楽しみ~お風呂に入ってきま~す

 

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