pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

2022年劇団☆新感線 42周年興行 春公演 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』@ブリリアホール2階A列センター

2022-04-27 21:55:05 | 観劇/コンサート

作  中島かずき
演出  いのうえひでのり
出演  福士蒼汰/松雪泰子 髙嶋政宏/粟根まこと 木村了 清水葉月/宮野真守
 
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ 
礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ 村木 仁 川原正嗣 武田浩二
藤家 剛 川島弘之 工藤孝裕 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平 北川裕貴 下島一成
鈴木智久 山﨑翔太 米花剛史 渡部又吁 小板奈央美 後藤祐香 鈴木奈苗 森 加織
 
企画・製作  ヴィレッヂ 劇団☆新感線
 
あらすじ

時代は幕末、「神も仏も素通りの裏切り地獄」と呼ばれる無頼街を舞台に、腕の良い町医者、秋津永流(あきつながる)と、他人の事情に口を出して銭を稼ぐ草臥(そうが)が、国を揺るがす野望を持つ侠客である身堂蛇蝎(みどうだかつ)やその妻、麗波(うるは)らと激戦を繰り広げる物語。伝説の侠客、清水次郎長や市井の人々も巻き込みながら、永流、草臥、蛇蝎、麗波たちの思惑が交わっていく。


いや、久しぶりに新感線のハイテンション舞台みて、いろいろストレス抱えてもやもやした気分がふっとびました

出だしから超ハイテンションなのは宮野真守さん。もしかしたらこの方の舞台観るのははじめてかも。小顔長身、どこまでも通る声!あら、何でいままで観てなかったのかしら

そして、あまちゃん時代の「ずぶん先輩」、福士蒼汰くんかっこいい!しゅっとしたお顔立ち、流れるような太刀捌き。踊るような殺陣私、髑髏城の七人、season月は観てないんです福士くんの捨之介、観たかったかも。。

いや、ほんとにすごかった。動きが本当に綺麗

そして、お久しぶりの高嶋政宏さん!この方のルキーニは凄かった!今回の蛇蝎も怪演!松雪さんとの変態変則カップルは、それはもうド迫力以外に現す言葉が見つかりませんでした

まあ新感線なんで、ストーリーはどうあれ殺陣とダンスと何でもありのドンチャン騒ぎを楽しんだ‼️という3時間でした。

舞台に立ちこめるスモークの中、オペラ座の地下をゆく小舟のように〇〇桶に乗って進む幻想的⁉️シーン。流れる曲がツボでした😅ルキーニ登場ミュージカル リスペクトか⁉️

あらためてあらすじを読んで、あーこれって幕末の話だったんだ~😆と。言われてみれば清水次郎長とかでてた。川原さん、いつもとびきりの殺陣担当でしたが、今回活躍してます!

だってもう、みなさんのお衣装がキンキラすぎて😆ヤクザのみなさんもレインボーカラーの着流しだったり、エルメス風だったり、羽根ついてたりすごいんですよ✨あれは宝塚オマージュか⁉️

あー楽しかった‼️


セールスマンの死@PARCO劇場C列センター

2022-04-20 21:07:03 | 観劇/コンサート

アーサー・ミラー

翻訳

広田敦郎

演出

ショーン・ホームズ

出演

段田安則 鈴木保奈美 福士誠治 林遣都 / 前原滉 山岸門人 町田マリー 皆本麻帆 安宅陽子 /
鶴見辰吾 高橋克実

あらすじ

1950年代前後のアメリカ、ニューヨーク。かつて敏腕セールスマンとして鳴らしたウィリー・ローマンも、もう63歳。得意先も次々と引退する中、思うようにセールスの成績も上がらない。かつてのような精彩を欠き、二世の社長からは厄介者として扱われている。それでも地方へのセールスの旅を終え、いつもの通り帰宅する。妻のリンダは夫のウィリーを尊敬し献身的に支えているが、30歳を過ぎても自立出来ない2人の息子達とは過去のある事件により微妙な関係だ。息子たちへの不満と不安もウィリーの心をつぶす。セールスマンこそが夢を叶えるにふさわしい仕事だと信じてきたウィリーだが、ブルックリンの一戸建て、愛しい妻、自分を尊敬する自慢の息子、一度は手にしたと思った夢はもろくも崩れ始め、全てに行き詰まったウィリーは、家族のため、そして自分のために、ある決断を下す・・・・・


久しぶりのPARCO劇場。

2本の電柱がぶらさがる暗い舞台。中央に象徴的に置かれた古い冷蔵庫。

こうありたい、という強い思いを持ちながら、望む未来を描けなかった切ない家族の物語といったところでしょうか。老セールスマン、ウィリーの心象風景のように、過去と現在が行きつ戻りつ物語が展開していきます。

父ウィリーは、人脈の広い辣腕セールスマンで、行くところに行けば自分を知らない者はひとりもおらず、素晴らしい実績を積んでいると思い込んで、家族にも隣人にもそう公言して憚らない。。。。でも、現実は。。。

いるなあ、こういう人。過去の栄光にとらわれ、プライドを捨てられずに堕ちていく人。。

そして息子たちも親の期待に潰されそうになる。。。

そりゃあね、そうかも。バリバリセールスマンな自分と、いつも自分を信じきってついてきてくれる専業主婦の妻、高校アメフト界のヒーローで大学からの誘いも複数来ている人気者の長男。可愛い次男。絵に描いたような幸せな家庭のはずが、現実はそうではなく、あるべき自分と現実の自分のあまりの違いを受け入れられず、妄想の世界をさまよう。

その家族を心配事する隣人やその息子が手を差しのべようとしても、プライドが邪魔をして受け入れることができず、次第に絶望的な選択をするようになる父。

そうじゃない、自分は父が思うような人間じゃないんだと、心の内を吐き出す長男ビフの叫びには胸が押し潰されそうになりました。

父は最期に家族に大金を遺すためにある選択をするわけですが、もしかすると、優しく従順に見えた妻が、やけに保険掛け金支払いの心配をしていたことを考えると、もしかして彼女はその決断を知っていたのでは?という思いにかられ、最後はちょっと背筋が寒くなりました

一攫千金の幻として登場する兄、ベンが常に白い衣装なのも怖かったです。

いろいろ気が重くなることの多い昨今、暗い作品観るのはどうかなあと思っていましたが、終始圧倒される作品で、心が震えました。段田安則、恐るべし。

回想のようにビフのクラスメイトでもある隣人の息子が自転車で舞台を回遊したり、観念的だなあと思ったら、海外の方の演出だったんですね。ブラボーでした

 

 


貧乏物語@紀伊國屋サザンシアター14列下手

2022-04-11 22:28:56 | 観劇/コンサート

作:井上ひさし
演出:栗山民也

<出演>
保坂知寿、安藤聖、山﨑薫、枝元萌、松熊つる松、那須凜

あらすじ

日本のマルクス経済学の先駆者であり、大正時代のベストセラー「貧乏物語」の作者である河上肇の評伝劇だ。舞台は1934年の春。前年に治安維持法違反の容疑で逮捕され、懲役5年の実刑判決を受けた河上は服役中だ。彼の周りには、妻のひで、娘のヨシ、彼女に付き添う女中の初江、河上家に居候する元お手伝いの美代と早苗、隣家の新劇女優クニと6人の女性たちがいて……。


河上肇「貧乏物語」というのは、日本史の授業で暗記したのだけは覚えていますが、その著作が治安維持法にひっかかるようなものだとは認識してませんでした猪谷先生(高校の恩師)ごめんなさい💦💦

で、こまつ座の「貧乏物語」。ここに河上先生は不在。なにせ服役中なので。舞台に現れるのは、その家族や、かつてここで働いていた女中さんや、隣家を借りる女優などなど女性ばかり。その隣家の女優さん、あの那須佐代子さんのお嬢さんでした。お母様にそっくり

それはともかく、この女性ばかりの舞台のしなやかなこと、真面目なこと。何が正しく、何が間違いなのかをきちんと、わきまえ、正面から受け止めようとする女性たちの姿が、本当に清々しかったです。かつてアメリカの日系人収容所の女性たちを描いた「マンザナわが町」という作品を思いだしました。

ほんとこういう作品を見ると、世の中は女性に任せたらもっと平和に穏やかになるんじゃないかと思ってしまいます。

ロビーには、にこやかにお客様を迎える井上先生のお写真が。

この不穏な世の中、井上先生はどう表現されるのかなあなどと思ってしまいました。


wowwowドラマ「正体」に拍手

2022-04-05 11:08:21 | テレビ番組

原作:染井為人
監督:中田秀夫 谷口正晃
出演:亀梨和也 黒木瞳 市原隼人 貫地谷しほり 堀田真由 濵田崇裕(ジャニーズWEST)
音尾琢真 若村麻由美 高畑淳子 / 上川隆也


最近はミステリードラマが多いなあと感じるこの頃。

「ミステリーという勿れ」も面白くて最後まで観ました

そして「正体」

基本的に流血とかダメダメな私ですが、このドラマは強盗殺人系

なにげなく見た場面は、犯人・鏑木(亀梨くん)が脱獄するところ。(何故か途中まで佐藤健くんと思い込んでました)

怪しそうな人物なれど、何か惹かれると思っていたら、この鏑木くん、逃走しながら名前も素性も偽って様々な姿で現れ、いろいろな人と出会います。不当労働をさせる建築作業現場、フリーライター、痴漢疑惑で追いつめられる弁護士、新興宗教に騙される主婦たちの働く工場、介護施設。

その行く先々で、逃げているはずの鏑木くんが困難にぶつかっている人たちを助けるのです。それも単なる手助けではなく緻密に法規を調べ根拠を持って。とても知的にとても誠実に。だから、助けてもらった人々は、彼が衝動的に殺人を犯すはずはないという確信を持ちます。

もう最終回が終わっているのでネタバレしますが(配信をご覧になる方のために改行します)

 

 

 

 

彼は、この「困ってる人を見たら黙って通りすぎることができない」という性格ゆえに、たまたま(実は時々この家でピアノをひく黒木瞳さんを見ていた)通りかかった家の悲鳴を聞きつけて飛び込み、強盗殺人の被害者を助けようとしているところを警察に勘違い逮捕されたわけです。しかも、そばにいて全て見ていた黒木瞳さんは認知症で証言が通らない。。

懸賞金までついてしまったその彼をどこまでも追いかけ、追いつめる刑事。

最後は、黒木さんの入っている介護施設の職員として黒木さんの証言をボイスレコーダーにおさめてネット配信し、無実を訴えようとした鏑木くんですが、同僚に感づかれてしまい、警察が迫る。捕まれば死刑。。追いつめられた彼は、同僚を人質にとり、立てこもる中で彼女に真相を語り、理解を得ますが、まさにその時警察が突入し・・・・

どうも原作ではここで彼は射殺という運び、被告不在の法廷で今まで彼が助けた人々の証言が。。という展開らしい(未読)のですが、法廷場面に鏑木被告が呼び出された!生きてる~彼が助けた人々も傍聴席に。そして弁護士は彼が助けた上川さんだ!

ここで、鏑木事件の模倣犯として捕まり死刑判決を受けた男が、実はこの強盗殺人も自分の犯罪と自白し、状況証拠もそろったということが裁判官の口から語られ、「無罪」

やった~

テレビの前で立ち上がって拍手してしまいましたよ、私

鏑木くんの頬に伝わる一筋の涙

よかった~死ななくてこれからの人生に幸多かれと心から祈ったのでした。