pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

キム・ジュンス ミュージカルコンサートDVD

2011-05-22 16:13:55 | 映画/DVD

以前youtubeでジュンス君の「僕こそミュージック」を聴いたことがあり、韓流好きの同僚とその話題になったところ、「私、持ってるよ。ジュンスのミュージカルコンサートのDVD」と。速攻お借りしました。

いや、恐れ入りました!東宝さんも出して下さいよ~こういうDVD.なごにしろ、オーストリアの山口祐一郎・ウーヴェ・クレーガ‐さんもご出演のうえ、オケの指揮は作曲のリーヴァイさんご自身という豪華さ。「モーツァルト!」の印象的な曲をつないでいますが、効果的な演出でひとつの舞台を観たような満足感があります。そして「エリザベート」も。韓国ミュージカルのレベルの高さは、ジキル&ハイドで思い知りましたが、本当に素晴らしいです。ヴォルフのパパもとっても素敵で、包容力のある歌声。ウーヴェさん(トート)とチャン・ドンソクさん(ルドルフ)の「闇が広がる」は、本当に鳥肌ものでした。

このDVD、もちろんジュンスファンむけで彼のミュージカルシンガーとしての魅力満載です(リーヴァイさんがジュンスくんのために作った曲も入っています)が、「モーツァルト!」と「エリザベート」の作品としての魅力がたっぷり堪能できます。エリザの話ばかりになりますが、暗殺者ルキーニ役のパク・ウンテさんがまたすごい存在感なのです。高島兄さんのルキーニしか知らない私にとってはすごい衝撃でした。高島兄さんは実在の暗殺者ルキーニにビジュアルが似ていますが、ウンテさんはもう少しチンピラくさい、とても胡散臭いルキーニなのですが、「ミルク」の説得力には圧倒されます。「(殺すのは)えらいやつなら誰でもよかった」というより、民衆の抑圧された怒りの代弁者のようにみえました。本編・韓国エリザベートを観に行きたくなりました。。。あぶない

ネットで検索したら、ジュンスくん、ドンソクさん、ウンテさんは、イム・テギョンさんと4人でヴォルフガング・モーツァルトを演じてたんですね。それにしても、ジュンスくんはヴォルフのメイクがめちゃくちゃお似合いですね。

 

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ブラック・スワン

2011-05-21 23:27:25 | 映画/DVD

出演:ナタリー・ポートマン  ヴァン・サン・カッセル  ミラ・キュニス ウィノナ・ライダー ほか

<あらすじ>
NYのバレエ団に所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、バレリーナだった母(バーバラ・ハーシー)と二人暮らし。現在のプリマであるべス(ウィノナ・ライダー)引退の噂がたち、今度の公演「白鳥の湖」ではなんとしてでも主役の座を得たいと、文字通り血の滲むような練習に励んでいたが、選考会で筆頭振付師のトマ(ヴァンサン・カッセル)から、「白鳥だけなら絶対に君を選ぶが、君には黒鳥は無理だ。」と言われ絶望のふちに立たされる。いつもなら泣き寝入りするニナが、捨て身でトマを説得しに行くものの、更に屈辱を味わうこととなる。しかし、発表された主役はなんとニナだった…。

予告編をみた時からやけに気になっていたこの映画。長女と一緒に観に行ってきました。
ナタリー・ポートマン。きれい!「レオン」の美少女あんなにすごい女優になるとは。(あの時から主演のジャン・レノを食う存在感でした。。)

母親からのプレッシャー、主役としてのプレッシャー、いろんな抑圧に押しつぶされそうになり、幻覚と狂気の世界にずぶずぶと沈んでいきそうになるヒロイン。。。まあ、ネタバレになりますけど、最初から最後まで観ていて緊張しまくりのサイコ・スリラーでした。純真で臆病で神経質なニナが、奔放さと官能を要求される黒鳥を踊るために・・・

なんというか、黒板を爪でひっかくような、ささくれをむきすぎて出血してるのにまだむきたくなった時の顛末のような、文字通り「鳥肌もの」の映画です。一時騒がれた『アダルト・チルドレン』の悲劇でもあるのかな。私も成人した娘たちにうるさく干渉しすぎるのはやめようかな、と思わされるました。

あまりに怖かったせいか、娘は『韓流ドラマをみたくなっちゃった』と言っていました。それを聞きながら、しきりに指先のささくれを撫でておちつかせている自分。。。この映画、怖すぎて2度はみませんが、バレエ「白鳥の湖」をちゃんとみてみたいと思いました。

「キルトに綴る愛」などで、多感でまっすぐな女子大生を演じていたウィノナ・ライダーさんがエキセントリックな引退プリマを演じていて、ちょっと驚きました。(エンドロールではじめて気付きました。え~あれがそうだったのという感じ。)

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パンダだらけ

2011-05-16 22:21:43 | 私の好きなもの

             

近所のトイザラスで、可愛いのを見つけましたいろんなポーズのパンダを積んでいくバランスゲームです。

パンダを順番に積んでいく「パンダだらけゲーム」、おはしを使ってパンダをつまんで移動する「パンダ移動ゲーム」、将棋の山くずしのように音を鳴らさずにパンダをつまんでいく「パンダくずしゲーム」など、いろんな遊び方があるようです。なんと言ってもいろんなポーズのパンダが可愛いみているだけでなごみます

しばらくハマりそう・・・・

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rakugoオルタナティブ「落語の中の女」@草月ホール1階G列センター

2011-05-14 20:53:37 | 落語・講談

初めて行く草月ホールだというのに開演時間をカン違いしてダッシュしたもので、着いた時にはすでにらく兵さんの開口一番「まぬけ泥棒」が始まっていました。おまけに急いでいたので古い方のメガネをかけていってしまい、らく兵さんの顔がよく見えないというていたらく。それでもまだカンで走った方向があっていたからいいようなもの。。。今日はダメだ~

らく兵さんは以前、志ら乃さんが「立川流の最終兵器」と言ってましたが、ちょっと不思議な雰囲気の方。でも、いかつい顔で「ハムスター小僧シロ吉」なんていうのが面白かったです。

一席目は池田成志さん「紙入れ」。落語初心者大歓迎で米朝さんの「一文笛」をはじめてやって以来、2度目の落語挑戦ですが、本当にお上手になりました~。去年はCMおろされたり(お好み焼き粉のCMを「銀だこの社長に似てる」という理由で)、劇団新感線☆鋼鉄番長の本番中にアキレス腱を切ったり・・・大変でしたね、本当に。

「紙入れ」は、豆腐屋の旦那さんの留守におかみさんと貸本屋の新吉さんがという色っぽいお話。新吉さんが貸本屋なので「ワンピース」のネタが出てきたり新吉さんの不倫がばれて旦那に激怒され、旦那さんに食べられてしまう夢の中にピノキオのゼペット爺さんが出てきたり、成志さんらしいギャクがたくさんちりばめられていました。

二席目は志らくさん「厩火事」
のんだくれの亭主の気持ちがわからない・・と、仲人さんに離婚相談にきた髪結いのおさきさん。仲人さんは<孔子が弟子の不手際で秘蔵の白馬を火災で失ったが、そのことを咎めず弟子たちの体を心配し弟子たちの信奉を得た話>と、<瀬戸物を大事にするあまり家庭が壊れた武家の話>をし、ためしに亭主の大事にしている器をこわして反応をみてごらん、と言われ・・・・
この噺、結局瀬戸物を壊したおさきさんに、ご亭主は「けがはなかったか」と心配するんですが、最後に「おめえがけがすると遊んでられなくなる・・というオチ。ちょっとフクザツ・・・でも、志らくさんの噺に出てくる女の人、みんなかわいいです

仲入り後は、志らく「紺屋高尾」
この噺、人情噺で泣かせる噺家さんが多いけれど、泣かせる噺じゃない。と断言する志らくさんの解釈、私は結構好きだなあ。。。3年間みっちり働いて貯めた15両をたった一晩おいらんと過ごすのに使っちゃう紺屋の使用人も、一度会っただけの貧乏な男に「来年3月15日、年季があけたらおまえと一緒になる」とその場で決断して実行しちゃう高尾太夫も滑稽と。

最後はぴあの人が司会をして志らくさんと成志さんのトーク。落語家さんと俳優の人物描写の違いなど、面白い話がたくさん聞けました。

青山一丁目の駅に降りる機会はあまりないので、前から行ってみたかったハーゲンダッツ・カフェ青山を探しましたが、とっくになかったんですね・・・残念。 首都圏からずいぶん撤退してしまったようです。今度銀座のお店に行ってみようっと。

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岳 -ガク- みてきました。

2011-05-13 23:01:58 | 映画/DVD

〔出演〕
小栗 旬  長澤まさみ
佐々木蔵之介 石田卓也 矢柴俊博 やべきょうすけ 浜田 学 鈴之助
尾上寛之 波岡一喜 森 廉 ベンガル
宇梶剛士 光石 研 中越典子 石黒 賢
市毛良枝  渡部篤郎

日本有数の名山・北アルプス山系に、そんな山のすばらしさを誰よりも知る男がいた。彼の名は島崎三歩(小栗旬)。北アルプスを庭に生まれ育ち、ヒマラヤや北南米、世界中の巨峰を登り歩き、高度な山岳技術と、あらゆる山の知識を会得してきた名登山家だ。日本に戻ってからはその能力を生かして山岳救助ボランティアとして登山者たちの命を守っている。
三歩は、まるで山のように大きな包容力を持ち、例え自分の過失で遭難した者に対しても決して責めることはしない。仮に要救助者が死んでしまっていても、そのもの言わぬ遺体に向かって「よく頑張った」と労わりの声をかける。誰よりも山を愛する三歩の願いは、山の魅力を多くの人に知ってほしいということ。三歩にとっては、山は「生きる」ことのすばらしさを再認識する場所でもある。だから、どんなアクシデントに出会っても三歩は決して諦めないのだった。

小栗旬。と言えば、お金に困っていなくてシャープでストイックで。。。というイメージを持っていました(あ、でも貧乏男子というのもあったか)・・・が、この映画の彼は今までとは180度違う姿で登場しました。あたたかくて大きくてたくましくて、はじけるような笑顔のできる100%健康的で快活で誰よりも頼りがいのある男性。
その笑顔の深いところにはぬぐいきれない悲しみもある、というところがなお切なく、こういう小栗旬もあったのか~という感じの島崎三歩くんでした。この作品のために9Kgも体重を増やしたとか。あごの線にボリュームが出て体もがっちり。日焼けしたたくましい山男になっていました。次の舞台、新感線「髑髏城の7人」では魔王と対峙する捨之介ですからね~しばらくはガッチリガテン系のスタイルを保つのでしょうか。ガラスの小栗旬も捨てがたいですけど。

ストーリーは長野県警山岳救助隊に入隊した長澤まさみちゃんの成長物語を軸に展開されますが、三歩くんが険しい雪山をまるでスキップするようにとんで歩く姿がとても印象的。隊長の佐々木蔵之介さんや、ヘリコプターパイロットの渡部篤郎さんががっちりと渋い演技で脇を固めて分厚い物語になっていました。

山で父親を失う小さな男の子の演技に泣かされました。「とうちゃんと山で『男めし』をたべるんだ。。」と、大きなおにぎりを前に帰ってこない父を待つ姿の切ない事・・・・本当に涙なしでは見られませんでした。この子も、三歩くんの大きな愛情で成長していきます。

三歩くんが山岳救助ボランティアを始めるきっかけとなる遭難事故のシーン、先述の男の子の父親が遭難するシーンなどはかなりリアルでした。怖いですよね~山。あんなに怖ろしい想いをしてまで山に登りたいという気持ちが私のような臆病者にはよくわからないけれど、それでも「また、山においでよ!」と語りかける三歩くんのはじけるような笑顔をみていると、きっと人を惹きつけて離さないものすごい魅力や魔力があるんだろうなあと思わされました。原作は漫画だそうです。読んでみようかな。

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小曽根真プロデュース・トリビュートコンサート「井上ひさしに捧ぐ」 @オーチャードホール1階3列下手

2011-05-12 21:06:33 | 観劇/コンサート

第1部

出演
井上芳雄、大竹しのぶ、神野三鈴、木場勝己、辻萬長、剣幸

ピアノ・小曽根真  ベース・中村健吾 ドラムス・高橋信之介

Mack the Knife・・インストゥルメンタル(「三文オペラ」より)

<「組曲虐殺」より>

伏せ字ソング・・井上芳雄

独房からのラブソング・・木場克己、井上芳雄

豊多摩の低い月・・大竹しのぶ・神野美鈴・剣幸・井上芳雄

<「日本人のへそ」より>

半年後家たちの嘆き・・辻萬長ほか客席にいらした「日本人のへそ」キャスト(山崎一、久保酎吉、植本潤、今泉ゆかさん)

思う男はお前様ひとり・・剣幸

命がもえるよ 火のように・・大竹しのぶ、辻萬長

ひょっこりひょうたん島・・全員

信じて走れ(「組曲虐殺」より)・・井上芳雄+全員

第2部

最上川舟歌 大場文男 大場文彦

ピアノ協奏曲 第1番「もがみ」(作曲・小曽根真)

第1楽章~第3楽章

東京フィルハーモニー交響楽団、

全員・・・胸の映写機(「組曲虐殺」より)・・井上芳雄+全員

大雨にも負けず、職場から渋谷のオーチャード・ホールへダッシュ
このコンサートは、ジャズピアニスト小曽根真さんの企画で開催されました。ホールロビーにはこの震災で被災した釜石、大槌町の「蓬莱島」の写真とキャストの寄せ書きがありました。

  

この島は「ひょっこりひょうたん島」のモデルになった小島ですが、写真左にうつっている赤い灯台は津波に流されてしまったそうです。。

客席に入ると、舞台上に掲げられたスクリーンに、井上ひさしさんの笑顔のお写真。「ようこそおこしくださいました。」と、観客ひとりひとりにほほ笑みかけているようでした。

コンサート第一部は、小曾根真さんが井上先生の作品に参加した「組曲虐殺」と「日本人のへそ」から7曲と、おなじみの「ひょっこりひょうたんじま」。

ご出演の井上芳雄くん、木場克己さん、神野美鈴さん、大竹しのぶさん、剣幸さん、そして辻萬長さん。どの方も井上ひさしさんの舞台で素晴らしい演技を見せてくださった役者さんばかり。追悼コンサートということですが、どの方のコメントを聞いても井上ひさしさんへの溢れだすような思いが感じられ、特に井上くんの涙にはもらい泣きしてしまいました。この席で、木場さんから長いこと井上先生と一緒にお仕事をされていた宇野誠一郎さんの訃報をお聞きしました。今ごろは天国から井上先生とご一緒にこの舞台をご覧になっていることでしょう。

井上くんの歌はもちろんのことですが、大竹しのぶさんの歌声も素晴らしかったです。今は14日開幕のスイーニー・トッドのお稽古中とのことでしたが、もうすぐピアフも演じられるとのこと。あんなに歌える方とは思いませんでした。木場さん、辻さんの歌も素敵でした。やはり、表現力のある方は歌も半端ではないですね。

また、「ひょっこりひょうたん島」の「苦しいこともあるだろさ、悲しいこともあるだろさ、だけど僕らはくじけない、泣くのはいやだ!笑っちゃおう!」という歌詞で泣いてしまうとは思ってもみませんでした。

第一部最後の曲、「信じて走れ・・・」では、井上くんの目にも涙があふれていました。「後に続く者を信じて走れ」素晴らしい詞です。

ここで20分の休憩

第二部は袴姿のおふたりが登場。尺八にのせた「最上川舟歌」力強さと清らかさに鳥肌がたちました。これに続き、新進気鋭のシンガポール人指揮 者、ジョシュアタンさんの指揮で小曾根さん作曲のピアノ協奏曲「もがみ」を東京フィルと小曾根さんの素晴らしいピアノ、小曾根さんが教鞭をとっている国立音大生によるコーラスで堪能させていただきました。ジャズ・ピアニストの小曾根さんらしく、荘厳な音色から一転、軽快なジャズテイストへの変化が楽しく、また圧倒されました。

最後の最後は「胸の映写機」
カタカタカタまわる・・・胸の映写機 
彼の姿をうつしだす・・・

と、歌う舞台の後ろに井上ひさしさんの映像が映しだされ、荘厳な気持ちになりました。大雨でも、仕事で疲れていても、行ってよかった~と思える素敵なコンサートでした。

ホールを出て脇を歩いている方をふと見ると、寺島しのぶさんでした。きっと役者さんたちもたくさんご覧になっていたんだろうなあと思います。しかし、オーチャード・ホールは広いなあ・・・

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タラバ侯爵様のおなり~

2011-05-10 22:33:02 | 私の好きなもの
北海道勤務になった次女の彼氏から大きなタラバガニと生チョコが届きました
初めてのひとり暮らしで大変だと思うのに、遠く離ればなれになった彼女にこんな素敵なプレゼント若いってうらやましい
カニもロイズの生チョコも、おいしすぎてほっぺが落ちました
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柳家三三 桂吉弥ふたり会@紀伊国屋サザンシアター7列センター

2011-05-08 20:07:51 | 落語・講談

開口一番  桂鯛蔵「二人ぐせ」

よくありますよね~口癖を言ったら100円とか。
ふたりの男が「のめる」と「つまらん」というそれぞれの口癖を言ったら1000円払うという約束をし、それぞれがなんとかその禁句をいわせようとする滑稽噺。鯛蔵さんは塩鯛さんのお弟子さんですが、ちょっとお魚に似てるかも。「つまらん」を言わせるために「もらったお魚100匹、この桶につめられるかなあ」とか、詰将棋でせめてみたり、面白かったです。

1席目 湯屋番 柳家三三

一度はあこがれる銭湯の「番台」に座れることになった若旦那の妄想噺。
三三さんがやると下品にならないところがさすが。

2席目 質屋蔵 桂吉弥

質屋の三番蔵に幽霊が出るという噂をたしかめようと、主人が使用人2人に蔵を調べさせるという噺。質屋さんの蔵には、いろんな人たちのいろんな思いが詰まっていそうですからね~ありそうなことかも。
吉弥さん、マクラのあと、噺に入って結構すぐに羽織を脱ぎかけ、「あ!ここで脱ぐんじゃなかった!」と、あわててもう一度着ていました。
後半で使用人の熊さんが「俺は強えんだ!」と言う場面でようやく羽織を脱いだ時には、にわかに拍手がおきました。

お仲入り

3席目 おごろもち盗人 桂吉弥
吉弥さん、お仲入りの間に、質屋蔵での羽織の一件を三三さんに「あざとい。」と言われたようで、三席目の始まりは「反省会」でした。
「そんなつもりはあらへんのですが・・・」と、苦笑い。
おごろもちとは「もぐら」のことです。昼間、あきんどのふりをして、目星を付けた家に入り、かんぬき、掛け金の位置を覚えておき、夜になって地面を掘って穴を開け、手を伸ばして外して押し入る。この手口から「おごろもち盗人」と呼ぶそうです。
まぬけなおごろもち盗人が穴から手を伸ばしているのを家人に気付かれ、伸ばした手を家の内側で縛られて抜けなくなってしまいます。(体は外にあるわけ。)通りがかりの金欠男に「財布の中にある手刀をとってくれ」と頼んだものの、その男に財布のお金を取られてしまい、「泥棒!」と叫ぶというサゲ。吉弥さんの演じ分けが面白くて面白くて・・・

4席目 抜け雀 柳家三三

吉弥さんをいじりまくりの三三さんは、登場そうそう羽織を脱ごうとして笑いをとっていました。
そして、貧乏宿屋のおかみさんが旦那さんに「あたしは強えんだ!」と啖呵を切るふりをするところでおんなじように羽織を脱ぎ棄て、拍手喝采。舞台の袖で苦笑いの吉弥さんが見えるようでした。抜け雀は、貧しい宿屋に泊った一文なしの絵師が屏風に描いた雀が屏風から抜け出して遊ぶことが評判になり、宿屋が繁盛する噺ですが、羽織事件で舞い上がっちゃったのか、三三さん、スズメを「ねずみ」と言ってしまい、いそいで「ねずみに追われたごとくにスズメがまいあがり・・・」と、きれいにまとめていました。さっすが。

3月の震災の直後に三三さんの北村薫さんとのコラボ寄席、吉弥さんの「地獄八景亡者戯」と「愛宕山」の会のチケットを手放してしまい、後からこのふたつの高座が素晴らしかったという話を聞いて、忸怩たる思いでしたが、やっとすっきりしました。本当に面白かった~

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劇団新感線☆港町純情オセロ@赤坂ACTシアター1階I列下手

2011-05-07 22:13:00 | シェイクスピア

原作:W.シェイクスピア
脚色:青木豪
演出:いのうえひでのり

藺牟田オセロ:橋本じゅん   モナ:石原さとみ   冲元准:大東俊介   三ノ宮亙:粟根まこと    伊東絵美:松本まりか
汐見秀樹:伊礼彼方    伊東郷(ミミナシ):田中哲司 紋田ノリヨシ:河野まこと

あらすじ
1930年代の日本。関西のどこかの港町。ブラジル人と日本人のハーフで、蘭牟田組の組長であるオセロは、入院先の病院の愛娘・モナと恋に落ち、退院と同時に結婚することになる。オセロの入院中、組を仕切るのは抗争で右耳をなくした伊東だが、組員で大学出の汐見が次期若頭に任命されると聞いて逆上し、オセロへの復讐を思い立つ。

タイトルどおり、これはシェイクスピアの「オセロー」を日本港町のヤーさんの世界に置き換えたお話。
何といっても新感線ですから、ギャグありお色気あり、オカマちゃんありのギンギンなオセロでした。
それでも、原作のどうしようもない悲劇性は十分に感じられる作品でした。

まずは、橋本じゅんさん、ご無事の復帰おめでとうございます!前作「鋼鉄番長」で、じゅんさんの怪演を観た直後に降板のニュースを受け、本当に心配しました。この「オセロ」で復帰のニュースを聞いた時も、正直チケットをとったものかどうか迷ったものです。
でも、そんなのは杞憂で、ブラジル人のハーフ(半ブラって言われてましたけど失礼ですよね。。。)として肩で風切って登場したじゅんさんを観た時には、客席からも拍手が起きていました。「おかえりなさい!」しょっぱなが病院シーンなので、さんざん腰ネタ、損失ネタふりまくりでした。

藺牟田オセロの「藺牟田」はムーア人、モナはデズデモーナ、汐見はキャシオー、伊東郷はイアーゴ、妻絵美はエミリア、ロダリーゴ―がなんで三ノ宮亙かよくわかりませんが、大東俊介くん演じるオカマの准くん以外はオセローどおりの配役でした。
ヤクザの内部抗争のような話になっていますが、オセローを陥れるイアーゴにあたる伊東:田中哲司さんがとにかーくよかったです!蜷川演出のオセロでイアーゴ役を演じた高橋洋さんにも決してひけをとらない悪役っぷりに、妻をオセロに寝とられたかもしれないという疑心に苛まれる弱さも秘めた独白に惹きつけられました。この方を蜷川シェイクスピアで観てみたいです。じゅんさんとふたりの場面では、真面目な場面なのにやたら変顔攻撃でなんとか田中さんを笑かそうとするじゅんさんに、田中さんが耐える耐えるだって新感線ですから・・・・
ミュージカル畑から客演の伊礼彼方さん。今回はモナとの仲を疑われる汐見役ですが、短髪なせいか、ものすごく小顔に見えました。(顔の大きい人たちが多いせいでしょうか・・)少々オーバーアクション気味でしたが、こんな動きもできるのね~と、かなり笑撃的でした。歌もあります。そしてメガネがお似合い新感線、薔薇とサムライの時は浦井くんを連れてきて、ルドルフシリーズだと次の次に来るのは井上芳雄くんかまさかね~でも考えられなくはないかも。話は飛びますが次は髑髏城の七人で小栗くんと勝地くん、森山末來くんに早乙女太一くん、仲里衣紗ちゃんと、すごいラインナップですね~港町は盛り上がりいまひとつだったので、ここで完全復活をねらって「鋼鉄番長W降板ショック」の悪夢からの巻き返しをはかろうという感じですね。

・・・オセロに戻ります。昭和の関西の港町のヤクザさんの世界ですから、何といってもギラギラです。ガガ姐さんをはじめ、酒場の女たちの色っぽい事ウルサイこと・・・いつも思いますけど、新感線の感覚って、男子高校生の妄想のような世界観ありませんか?女性キャスト、よくやるよな~と思ったりします。そんな猥雑さをシェイクスピアに置き換える青木豪さんといのうえひでのりさんて凄いです。

石原さとみさんがオセロに惹きつけられる純真な妻・モナですが、まあキャピキャピと可愛らしい事。じゅんさんも時々向かい合っては「か・・・かわいい!」と叫んでました。「復帰してよかった!」とも・・・あまりの溢れる思いに、穴掘って「王様の耳はロバの耳!」みたいに叫びを埋めてました。ハーフということでブラジルでいじめられ差別され、やっとの思いでたどり着いた日本でも差別されて、ヤクザになるより道はなかったオセロ。いつも、どこにいても、「ここやない、ここやない」と思とった。それが、モナに出会うて初めて思た。「ここや」 俺の居場所は「ここや」と。・・・・という気持ちがあふれすぎて、伊東の罠にはまってしまったんんですね~・・愛しすぎて嫉妬に狂い、冷静な判断力を失うオセロ。それはやはり、自信のなさの裏返しなのかもね。

原作は原作でムーア人の将軍ということで妬みをかっていたオセロ。そこそこの地位を得てもどこかで自信を持ち切れない劣等感が隙となるんでしょうねえ。。。悲しい結末でした。

大東俊介くんという人はほとんど知らないので、いきなりオカマで濃い化粧なため、お顔もよく把握できませんでしたが、2幕最後の方の伊東の悪だくみに加担してモナを死に追いやる原因をつくってしまったショックで慟哭する場面は見ごたえがありました。オカマとして、自分が心から慕っていた男・伊東が極悪非道で、その男の仕掛けた罠によって自分を理解してくれた人が殺された。。。というすごい状況に混乱し、泣き叫び、最後は命を絶たれる准・・・・「柳の歌」が切なかったです。

そして、なにげにカッコ良かったのが小豆島のヤクザ?漁師?の紋田さん。いつも過激な役どころで、「鋼鉄・・・」の時は降板した池田成志さんの代役だった河野さんですが、いかにも頼りになりそうな素敵な佇まいでした。

それにしても、ヤクザな世界には全く興味のなかった私ですが、腰を入れて足を開き気味にするヤクザさんの挨拶姿(おひけえなすっての変形、両手を膝に置いたスタイル?)って、ちょっとかっこいいなと思ってしまいました。伊礼くんでさえもすごく男らしくみえちゃう。

I列は前が通路なのでとても見やすく、また下手に伸ばした袖は役者さんたちの出入りやそこでの演技が多く、かなりお得感がありました。お隣には役者オーラの若い男性が座っていてドキドキ。(大きなマスクをされていたのでどなただか未確認でした。。残念。)

写真は開演前に撮りましたが、終演後は節電のためかいつもの垂れ幕のライトアップがありませんでした。赤坂の駅はエスカレーターも止めてあり、サカスの中もやや照明を落としている感じがしました。それから、ACTの中にはお花が一切ありませんでした。やはり自粛なのかもしれないですね。



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生誕100年岡本太郎展@東京国立近代美術館

2011-05-05 22:07:14 | 雑感

夫の強い希望で竹橋の近代美術館へ、生誕100年の岡本太郎展をふたりで見に行きました。少し前、NHKで松尾スズキさんが太郎、寺島しのぶさんが母・岡本かの子を演じるドラマをやっていましたね。太郎=松尾スズキとは思ってもみませんでしたが、狂気がよく出ていましたね。

展示を見る前に、前からあこがれていたテラス・レストラン「アクア」でランチ。「フレンチの鉄人」石鍋裕シェフのプロデュースとのことですが、だいたい1000円程度でお手軽な割にお味もなかなかでした。ハーフローストチキン ローズマリー風味、魚介類と鶏胸肉のベトナム風サラダをチョイス。今回はいただきませんでしたが、ケーキもなかなか美味しそうでした。

展示は彫刻群から始まっていました。展示室の正面には「NON」という、あらゆるものへの否定をあらわすような作品。連なる彫刻群は、女性のおっぱいや子宮を思わせるような形が多く、母性への強い思いのようなものを感じました。

絵画は印象的な赤と黒が多用され、あまりに激しすぎて少々疲れてしまいましたが、そんな中、「夜」という作品が心に残りました。白いドレスを着た女性が夜の森の髑髏の前に凛と立ち、後ろ手に鋭いナイフを携えている絵です。戦後なおも旧態依然とする画壇に対する太郎の宣戦布告との解説です。

奥に行くにしたがい、作品はどんどん過激になり(途中にはタモリさんの番組に出演したVTRなどもありました)最後の方の刺激的な色のぶつけ合いに大きな目玉が多用されている作品群のあたりでは見ているのが辛くなってくるほどでした。何かに似てる。そうだ。「ねぶた」だ!あのものすごいエネルギーの爆発と似ているんだ…

人が多いのもありましたが、出るころにはへとへとになってしまい、おまけのようについていた常設展のアンリ・ルソーや桜屏風絵などの展示を静かにながめ、ようやくひといきつきました。岡本太郎さんは、もちろん太陽の塔などの大きな作品が前面に出ますが、新雪ばかりを好んで滑るスキーヤーとしての写真集もみたことがあります。好奇心の強い駄々っ子みたいな人だったんでしょうね。

前庭には太郎作品のガチャポンがあり、長蛇の列でした。ちょっと興味ありましたが並ぶまででもないなあと思い、帰途に着きました。

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たいこどんどん@シアターコクーン1階A列センター

2011-05-02 23:19:46 | 観劇/コンサート

作:井上ひさし
演出:蜷川幸雄

出演:中村橋之助、古田新太、鈴木京香、宮本裕子、大石継太、大門伍朗、
    市川夏江、大林素子、飯田邦博、塚本幸男、立石凉子、六平直政ほか


あらすじ:

江戸日本橋の薬種問屋の若旦那・清之助と、忠実なたいこもち桃八が、ひょんなことから漂流して、拾われた船に連れて行かれたのが東北・釜石。各地を転々とする九年の珍道中がここから始まる。二人には思いもかけないような災難が次から次へと降りかかる。流れ流されたあげくようやく「江戸」に戻ってくると・・・。


以下、ネタバレ満載ご注意あれ




G.W.の観劇第一弾は、長女とふたりでシアターコクーン。今回はXB列が最前列となるため、A列は3列目となります。
蜷川常連の役者さんたちに古田新太さん、橋之助さんやそのお弟子さんたちもご出演で、今までの井上 蜷川作品よりも、なんとなく歌舞伎っぽい仕上がりりに思えました。通路使いもたくさんあります。上手通路は橋之助さん、下手通路は古田さんが多いです。


歌舞伎にうとい私ですが、さすがに橋之助さんは光っていました。生まれながらの幇間=たいこもちのような古田さんのどんな変化球もしゃらっと受け止め、安定感と余裕の感じられる演技でした。歌舞伎役者ってすごい。そして、どんな状況でも品を失わない若旦那っぷりがさすが最後の方で大道具の松が倒れてしまうアクシデントもありましたが橋之助さんがご自分で演技の流れのようにさりげなく直して、「松、倒れちゃったけど・・・」と、何事もなかったように台詞にいれていました。(その後。黒子の方が支えに走り出て事無きを得ました。)


古田さんも、薮原検校の時以来の井上 蜷川作品ご出演でしたが、長台詞に早変わりの連続で、物凄く大変。特に後半の捨て身っぷりは見ごたえ十分です。楽までお怪我がありませんように。


女性陣では、鈴木京香さんがかなりの「毒婦」ぶりでびっくりですが、宮城ご出身とあって東北弁が滑らかで違和感がなく色っぽさも満載でした。時々古田さんにイジられて苦笑いする場面も。ダンス・オブ・ヴァンパイア初演でマグダを演じた宮本裕子さんも捨て身の演技。前方席なのでちょっとハラハラするくらい。

そして六平直政さんの怪演!迫力満点です。


小舟から落ちた若旦那・清之助と、たいこもち桃八が浦賀沖で東北行きの舟に拾われて9年。これでもか、これでもかと迫りくる困難に翻弄されながら、決して挫けず楽天的なまでに明るく乗り越えながら最後に帰りつくことができた自宅は、江戸は、もはや昔の姿ではなく・・・・という結末、そして、そこから立ち上がってゆく姿は、まるで今の日本の状況そのものに見えて、本当に蜷川さんは井上ひさしさんの脚本を一言一句変えていないんだろうかと不思議に思うほどでした。エンディングの演出は辛くなりそうな恐怖を含んでいますが、だからこそそこにいる人々の立ちあがる姿が美しいんだなあと思わされました。


20分の休憩をはさみ3時間40分。終演は10時45分くらいになっていました。カーテンコールでは泣いていらっしゃる役者さん多数。橋之助さんと古田さんは固く握手をされていました。


本日初日。扇田昭彦さん、蜷川幸雄さん、ドラマ「セカンド・ヴァージン」で鈴木京香さんと共演されて話題になった長谷川博己さんがいらっしゃいました。蜷川さんと談笑する長谷川さん、素敵でした~



また、今夜は劇場で思いもかけず職場の先輩にお会いでき、嬉しい時間になりました。

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風薫る伊豆高原

2011-05-01 22:17:24 | 私の好きなもの

毎年G.W.の滑り出しには夫の実家のある伊豆高原に行きます。今年はめずらしく家族全員の予定がそろったので、道路の混雑を避けてスーパービュー踊り子号でGO! 美味しい駅弁を買ってウキウキなかなかいいです。

電車から見える海沿いの道路はやはりかなり渋滞しており、地震の影響で旅行者は減ったとはいえ、ここへきて駆け込みで旅行を決めた人たちが増えたというのは本当のようです。あの津波以来、海沿いの観光地はかなり打撃を受けているという事ですが、やはりこうやってだんだんみんなの気持ちが前向きになってくることが復興につながるのではないかなと思います。踊り子号は行きも帰りも満席でした。

実家に着くと、この季節に義父が最初に「見てごらん!」と案内してくれるのが、写真のフジの花です。フジはたいがい藤棚にきれいに下がっているものですが、実家の庭のフジは、大木に沿うように高く高く巻き上がって見事です。もう少しすると、そのお隣の木に巻き付いたハゴロモジャスミンが一斉に白い花を咲かせ、素敵な香りにつつまれます。

この庭には義父の天敵のリス(松の木をかじってしまうらしいです)や親子連れの狸なども顔を出します。今日は歌の上手なウグイスが素敵な喉を聴かせてくれました。

きれいな空気、温暖な気候。ここは堅い岩盤の上なので、3・11の地震もほとんど感じなかったとのことでした。でも、義父も義母も元気とはいえ、もうかなりの高齢。この庭を維持するのも本当に大変な作業です。いつまでここに住めるかなあ・・・と溜息をつく姿にちょっと胸が痛くなりました。

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