pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

K.TEMPEST2019@シアターイースト

2019-05-25 21:19:24 | シェイクスピア

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出・潤色・美術:串田和美

出演:串田和美 藤木孝 大森博史 松村武 湯川ひな 近藤隼 武居卓 細川貴司 草光純太  深沢豊 坂本慶介 飯塚直 尾引浩志 万里紗 下地尚子

【あらすじ】

突然の嵐。ナポリ王アロンゾーたちを乗せた船は操縦不能となり、船客たちは死を覚悟する。だが、その嵐はプロスペローが魔術によって引き起こしたものだった。プロスペローは、かつてミラノ大公だったが、魔術や学問に熱中するあまり、政治を疎かにしていた。野心家のアントーニオはアロンゾーと組み、彼と幼い娘ミランダを追放した。復讐心に駆られたプロスペローは、嵐を起こし彼らを島に引き寄せたのだ。しかし、岸に打ち上げられ一命をとりとめたアロンゾーの息子ファーディナンドはミランダと一目で恋に落ちる。そして、島の別の場所に流れ着いたアロンゾーは、息子が海の藻屑になったものと思い、嘆き悲しむ。嵐により手繰り寄せられた人々が孤島で一堂に集う時、一体何が起こるのか…


K.テンペスト  2017年のKAATチケットをとっていたものの、義父の不幸で行けなかった公演でした。今回は東京芸術劇場で!なんだか胸がいっぱいになります。

「これは海で溺死したものたちの遥かな夢である。

海底に漂ったものたちの、懺悔に近い想いである。

砂となって海辺にうち上げられ、また引いていった骨のかけらたちの、悔恨と願いである。

われわれは、たとえ無自覚であっても、何万億の死者たちの聞こえない声に包まれている。

そして遠い未来の、ほとんど宇宙そのもののような命の根源の聞こえない声に導かれている。と、今この瞬間にしか生きていると自覚できないわれわれは、ぼんやり想う。

そして、音楽が生まれ、物語が生まれ、演劇が生まれる。

400年前のイングランドでも、そして現在でも。」串田和美

小劇場、シアターイーストの中に入ると、まんなかのスペースが板のようなもので四角に区切られ、中央にはテーブル。役者さんたちが観客を座席に誘導したり、お茶をいれてくれたりしています。その周りにも椅子が並べられていますが、既にいっぱいだったので(自由席)一段上がった席へ。ここにも役者さんがいろいろと話しかけてくれます。「昔は一握りのスパイスが奴隷10人と交換されたこともあるんです。」とか、「池袋は町にスパイスの香りがしますけど、カレーのおいしいとこ知りません?」などなど 役者さんのご家族がいるのを見つけるてご挨拶している姿も。とにかく客席と役者さんの距離が近い近い

藤木孝さんが私の後方を見て「あ!」という表情で会釈されていたので振り向くと、新感線のいのうえひでのり氏。役者の香りのするお客さんも多数。

開演すると、そこは本当に幻想的な世界。難破する船のシーンから始まり、追放され島に流れ着いたミラノ大公プロスペローと娘のミランダが向かい合って座っていますが、そこにいる役者全員がプロスペローとミランダの台詞を重奏のように話し始めます。ものすごく不思議な世界。前述の串田氏の言葉がよみがえります。海の底に漂う者たちの遥かな夢、記憶の重なり合い。そうか、ここにいる人々は既にこの世の人ではないのか。

不思議なハーモニーも効果音も、みな役者たちが奏でます。役者さんたちの感性が全開。身体能力も全開。ものすごく心地よい、優しい世界でした。プロスペローをはじめ、みんなが若いミランダを優しく見守ります。ミランダがナポリの王子ファーディナンドと結婚の許しを受けるとき、父プロスペローは娘を優しく抱き寄せ、「私の貴重な宝を君に贈る。どんなほめ言葉もこの子には追いつけない」と語りかけます。なんと素敵

最後には自分を陥れた者たちもみな許し、幸福感に満ちたラスト。まるで自分の夢の中で物語が繰り広げられているような不思議な感覚でした。

今日、心に響いた言葉

プロスペロー「自由なんて面倒で心細いもの」

本当にそうかもしれない。

いつまでもここにいたいと思える心地良い空間

昨日はハムレット、今日はテンペストなんか幸せ

次のシェイクスピアはプレイハウスでの「お気に召すまま」です

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ふたたびハムレット@シアターコクーン1階G列最下手

2019-05-24 23:36:42 | シェイクスピア

 

ふたたびのハムレット。今回は通路席だったので、前回遠目で見ていたハムレットの通路通過に大きな期待(ミーハーと呼んでください、ええ、ただのイケメン好きです)

岡田将生くん、細い!美しい期待どおり、私の脇をすーっとお通りになりました墓堀りの場面では、最前列のお客さんの前にホレイシオとふたりでしゃがんでましたから、あの席に座った方はドキドキだったでしょうねえ。。

ま、それはおいといても本日のハムレット、進化してました!初日にはカーテンコールで泣いちゃったらしいハムレットですが、今夜はもう超絶ともいえる長台詞を噛むことも無く、魂のこもったデンマーク王子。堂々たる座長。

 

翻訳者の河合祥一郎先生のおっしゃる、悩みをつきぬけて「悟り」に達する3段階のハムレットが、はっきりと見て取れました。

第一段階の「憂鬱なハムレット」

第二段階の「復讐に燃えるハムレット」

第三段階の「悟りを啓いたハムレット」

それは、容姿でもくっきり。序盤のすっきりとした黒髪、きちんとした服装で眉をひそめたハムレット狂ったふり。髪をシルバーアッシュにして髪束を赤いゴムでとめ、首には十字架とともに南京錠のついたペンダント。心に鍵をかけたということでしょうか。そしてジョーカーみたいなメイク(これも二段階ありました!)イングランドから帰還したときにはふっきれた瞳で黒髪に戻り、変なメイクもなし。レアティーズとの決闘前あたりのハムレットは、本当に「なるようになればよい」と達観しているような静かな目をしていました。岡田ハムレットおそるべし。決闘でクローディアスの陰謀に倒れ、瀕死の状態でホレイシオに遺言する場面は、目は真っ赤に充血し、本当に心震えるような演技で「おやすみなさい、優しい王子様。天使たちの歌声を聞きながらお眠りなさい。」というホレイシオの言葉に思わずこみあげてしまいました。

おまけ↓

オフィーリアのパパ、非業の死をとげるボローニアスの言葉にいちいち同意しました。

「友達は、まことの友と見極めたら、はがねのたがで心に縛れ。だが、羽根も生えそろわぬひよっこ連中と闇雲に握手すれば手がしびれる。腹は立て損、喧嘩はし損」ふんふん、


「金の貸し借り不和のもと、貸せば金と友を同時に失う。借りれば倹約が馬鹿らしくなる。」なるほど~

勉強になりました

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ハムレット@シアターコクーン1階M列センター

2019-05-15 21:17:41 | シェイクスピア

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:河合祥一郎
演出:サイモン・ゴドウィン
美術・衣裳:スートラ・ギルモア

出演:岡田将生、黒木華、青柳翔、村上虹郎、竪山隼太、玉置孝匡、冨岡弘、町田マリー、薄平広樹、内田靖子、永島敬三、穴田有里、遠山悠介、渡辺隼斗、秋本奈緒美、福井貴一、山崎一、松雪泰子

【あらすじ】
デンマークの王子ハムレットの父王が急死。その2ヶ月足らずの後に、新国王となった王の弟クローディアスとハムレットの母・王妃ガートルードが再婚した。

父の死と早過ぎる再婚により憂いに沈むハムレットのもとへ、腹心の友・ホレイシオが父王にそっくりの亡霊が、城壁の上に現れたと知らせにくる。真相を確かめるべく出かけたハムレットの前に現れた亡霊が「私はクローディアスに毒殺された」と告げる。クローディアスへの復讐を誓ったハムレットは、周囲の目を欺くため狂気を装う。その突然の変貌ぶりに憂慮するクローディアスとガートルードに、顧問官ポローニアスは、その原因を娘オフィーリアに対する恋煩いだと言う。狂気の真相を探ろうと、一同は偶然を装い二人を出会わせるが、ハムレットは心配するオフィーリアを冷たく突き放すのだった。やがて、ハムレットが亡霊の言葉が真実であったと確信を得たその夜。ガートルードの寝室に呼ばれるが、母と口論になり、物陰で身を潜めていたポローニアスを刺殺してしまう──。この事態に身の危険を感じたクローディアスはハムレットをイングランドへ送り出す。悲しみのあまりオフィーリアは狂乱し、復讐に燃える兄・レアーティーズは父の仇を討つことを誓う。
その頃、討たれた父の土地を奪還する為、ノルウェーの王子・フォーティンブラスの軍隊がポーランドへ侵攻しようとしていた。


「本気出したイケメンはすごい!」というつぶやきも聞こえてきてますが、なにせ世紀のイケメン岡田将生がデンマークの王子じゃ、いかないわけにはいきません

いや、ほんと良かったです。ハムレット。登場時は黒づくめで眉をひそめた陰鬱な表情、かっちりした台詞の硬い演技で、最初のあたりはホレイシオ竪山隼太くんの蜷川先生仕込みの演技が光を放ち、ボローニアス山崎一さんの深い演技にため息をつくばかりでしたが、亡霊に父王殺害の真相を聞かされ、混乱と狂気に足を踏み入れてからは俄然光を放ちはじめ、見たこともない岡田ハムレットを見せていただきました。

なにしろ私がこのような演劇底なし沼に足を入れてしまったきっかけが、ここシアターコクーン2003年の蜷川ハムレットだったので、ハムレットといえば衣装も台詞も重厚な蜷川演出版が頭に浮かんでいまいます。が、今回のサイモン・ゴドウィン版、とても軽やかでわかりやすいけれど、ちゃんと正統派ハムレットと受け止めました。まず、誰もが知っている名台詞をいじっていない。「弱き者、汝の名は女」「尼寺へ行け!」「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」と言いながら自分のベルトで首を吊ろうといて思いとどまったり、リストカット癖があるのか両手首に包帯巻いてるし

岡田ハムレット、狂気バージョンに入ると、まず髪の色もヘアスタイルも、メイクも衣装もがらっと変わります。序盤の陰鬱さは消え、まるで言うことを聞かないヤンキー高校生みたい。ビジュアルは、この前観た「笑う男」のような口裂けメイク母ガートルードにつっかかっていくし、オフィーリアのパパを刺し殺しても、テンションあがりっぱなしのままどっかに引きずっていっちゃうし。なんというか、恐ろしいまでに飛び跳ね、大声を上げ、もう止められない暴走っぷり。父王の復讐のために狂気を装うというより、本当に混乱し、錯乱しているようにも見えます。暴れるイケメンて、こわい。。。

そして、錯乱したオフィーリアも花言葉を歌いながら人々にお花を配るシーンで、自分の髪をぶちぶち抜いては渡し歩く姿が、哀れというよりホラーでした 涙を誘われるシーンのはずが、その狂気の凄まじさにブルブル)))))

暴走王子を始末しようとイングランドへ飛ばすクローディアス。あ、企みを知られたと確信する劇中劇「ゴンザーゴ殺し」も、とても説得力ありました。なんというか、ハムレットのストーリーをよく知らない観客にも、とても親切な演出だったと思います。

それでも100分de名著などで予習したおかげで「魚屋」や「最後はローマ人でいたい」というような台詞の意味もわかり、興味深かったです。

今回はハムレットについてイングラント行きの船に乗る学友ローゼンクランツとギルデンスターンはカップル?のようで、ギルデンスターンは女性です。演出家は「ハムレットの友人が女性であってはいけない理由はない。ギルデンスターンが女性であることによって、女性のお客さんも『私もそこにいられると感じるのでは?』」とパンフレットで言ってますが、あえて女性にする必要もなかったのでは?と、そこだけ???でした。ローゼンクランツとギルデンスターン。ハムレットが叔父からの信書を書き換えなければ命を落とすこともなかった二人。ハムレットが自分ではなく「この2人を殺せ」と書き換えたんですよね。。。けっこう衝撃 

主要人物が非業の最期をとげる結果となるハムレットとレアティーズの決闘シーン、フェンシングスタイルの白い衣装とガチな戦いが本当に迫力ありますこれだけでも眼福

剣に塗られた猛毒によって倒れるふたり。横たわる姿をオペラでガン見すると。。。?足先が??足袋?地下足袋?

エアージョグともよばれてるらしい。。。プリンスブーツじゃなかったのね(コメントbyうさぎ先輩)

 陰鬱から暴走そして悟り。ハムレットの3たびの変貌。やっぱり深いです。もう一回見に行っちゃおうかな。

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もう一度「Saving Mr. Banks~ウォルトディズニーとの約束」を観て思う

2019-05-14 23:10:11 | 映画/DVD

久しぶりにリビングで娘とダラダラしていて「何かDVDみようよ」ということになり、「レミゼ」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」と迷った末、「ウォルトディズニーとの約束」にしました。

このDVDは何度も観ましたが、観るたびにしみる場面がたくさんあります。

メリーポピンズの原作者トラヴァース夫人。頑なに「メリーポピンズ」をディズニーが軽薄な娯楽作品にしないようクレームを出しまくり、絶対に嫌だと頑張っていたアニメーションの使用が判明すると、未サインのの契約書を叩きつけてイギリスへ帰ってしまいます。それを追ってウォルト・ディズニー本人が彼女の家へ行き、説得するのですが、そのなかで、彼女が大好きだった父にまつわる辛い記憶(アル中の父に絶望した母の自殺未遂、酒に溺れ、そのために仕事もうまくいかず、若くして亡くなった父親)にいつまでも縛られていてはいけない。何もできなかったと悔やむ自分を許さなければと話すのです。そして、ウォルト自身の辛く貧しかった少年時代を語るとともに、現実では救うことのできなかった何人もの「バンクス氏」(父親たち)を、映画の中で救うことによって、たくさんの人が救われるだろうと諭します。

辛い過去に縛られて自分の未来を閉ざしてはいけない。楽しい思い出で上書きし、閉じた心を解放することも人間にはできる。という力強いメッセージをもらった気がしました。

 

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今日は母の日

2019-05-12 23:03:36 | 雑感

「母の日は、日頃の母の苦労を労り、母への感謝を表す日」なのだそうです。

我が家も、もう娘たちも独立して、日ごろは案外自由気ままなバラバラ家族と化してますが、母の日 父の日はちょっと意識してくれているようです。

実家の母にもプレゼントを届けてきました。

「おかあさん、ありがとう

 

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五代目小さん孫弟子七人会 @銀座ブロッサム1階8列上手

2019-05-11 22:23:20 | 落語・講談

小さん師匠の孫弟子にあたる落語家さん7人の会でした。まもなく小さん師匠の命日だそうで、ひとり協会に入っていない立川流の正志師匠は「『親戚の法事』って感じですが、僕だけ愛人の子って感じで。。。」と。

談志師匠は小さん師匠のお弟子さんだったんですよねつかみもうまけりゃ落語も絶品とんちんかんな車屋さんの噺でおなかの皮がよじれました

三三師匠のものすごい粗忽の釘も大爆笑この噺、そういえば真打さんで聴いたことなかったかもっですが、三三師匠にかかったらこんなに面白いんだ!と思える一席。そして、喬太郎師匠もしかり。禁酒できない酔っ払い親子が面白いのなんの。

今回「おっ!」と思ったのが扇辰師匠。この方本当に江戸前!白髪をかくっと流して浅草の朝顔市とかにいそうな江戸っ子のおじさんという佇まいがいいわ~

「たおやかに 空を切り裂く つばめかな」と一首。

続く「茄子娘」もなかなかシュールで不思議な世界を堪能しました。

扇辰師匠と喬太郎師匠は同期だそうで、喬太郎師匠は扇辰師匠のことを「そこはかとなく面白い人」と絶賛。以前このおふたりが乗った新幹線が途中で長時間止まってしまったことがあったそうで、手持ち無沙汰になった師匠、「米粒でも数えますか。。。」と言ったとか。いいわ~そういうの

4月からうちの職場に定年後の嘱託できたおじさんがそういう感じで、自分をがっと出さないけど、さらっと面白いこと言うんです。なんか重なりました

前座の寿伴くんは10分でしたが、あとの師匠はきっちり30分づつ。堪能いたしました。

帰り道、ちょっと銀行に寄ろうと思ってGoogleに道案内お願いしましたが、私がたぶん悪いのでしょうが、かなり翻弄されまくりで2倍も歩いてしまいました

やっぱり頭の中に方位磁石ないとだめだわ~

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桂米朝一門会@紀伊国屋ホールE列センター

2019-05-06 23:08:58 | 落語・講談

連休最終日は、学生時代からの仲良し4人でイタリアンのランチ。新宿伊勢丹のターボロ・ディ・フィオーリプレゼント交換でテンションあがり、おしゃべりに夢中で写真撮るの忘れましたが、カジュアルでなかなかおいしかったです。あっという間に満席御礼

今日のお目当ては「米朝一門会」。みんなのために頑張って良席とりました

南光さんがいないのがちょっと残念でしたが、脳梗塞から見事に復帰2年目のざこば師匠の渾身の「笠碁」にはちょっと感動して泣けてしまいました。すごい!

待ってましたの米團冶師匠は、改元を祝ってか、黒にしゅっと赤い模様の入った紋付。羽織の結び目も鮮やかな紅白でした。さすが。演目は「質屋芝居」でしたが、質草のカミシモや布団を蔵に取りに行った小僧さんと番頭さんが繰り広げる歌舞伎名場面がすごかったですこれだけで元とったと思える華やかな高座。堪能いたしました。歌舞伎すごい!と思ってると、「わしのカミシモまだかいな?」と、突然スコーンとネタに引き戻されるタイミングも絶妙

米團治師匠が歌舞伎なら、塩鯛師匠は講談ネタの「くしゃみ講釈」。この方の高座ははじめて聴きましたが、学校公演で小学生に受けた小噺のネタや、「鋳掛け屋が軍艦の修理請け負ったような顔」の表現でがツボに入っても、そこからすっかり塩鯛ワールドにひきこまれました

上方落語ってほんと賑やかで華があって楽しいから大好き 出口でお見送りしてくださった米團治師匠と握手までしていただきました。ほんとに笑顔が素敵

今日はおしゃべりで楽しみ、落語で楽しみ、みんなからたくさんおみやげもらって嬉しさ満点の一日でした。みんな、ありがとね。

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こどもの日だった。

2019-05-05 23:08:34 | 手仕事

今日はこどもたち不在のせいか、すっぽり忘れてました

柏餅買ってくれば良かった~

写真は某所に飾るのに作った壁面装飾で、結構大きいものです。国営ひたち海浜公園のネモフィラをイメージし、お花は手伝ってもらって地道にはさみで切って貼りましたこどもの日なので、こいのぼりも。この中にチャメもいま~す

ちょうちょは、有楽町交通会館地下の美瑛ショップの壁画にあったのを真似しちゃいました。結構うまくいったかも。美瑛ショップのは本当に美しい風景にたくさんのちょうちょが映えてきれいなので、交通会館にお出かけの際は、ソフトクリーム召し上がりながらながめてください。

国営ひたち海浜公園、行ってみたいけどものすごい混雑らしいので、これ見てがまんします(自己満足)

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坂の途中の家/角田光代

2019-05-05 20:11:25 | 私の本棚

~あの殺人犯は 私かもしれない~

というコピーと、赤ちゃんを抱っこした柴崎コウさんの瞳にひきこまれ、WOWWOWの連続ドラマW「坂の途中の家」第1回を観ました。

裁判員の通知を受け取り、補充裁判員となった子育て中の専業主婦の里沙子が、わが子を虐待死させた女性の裁判に参加する中で、この女性の人生と自分の現在を重ね合わせていくというあらすじ。

いや、引き込まれました。まじめに、一生懸命に家事も子育てもする専業主婦。家の中は綺麗に整頓され、子どもには優しく接する母でもある里沙子。でも、わずがな期間でも裁判員として日中の時間を裁判所に通わなければならなくなり、普段とは全く違う様々をこなさなければならない中で、次第にいろいろなことに気づいていく様がリアルでした。

心配なんだろうけど「自分の能力を超えたことなんか断ればいいじゃん」と軽く言い、ストレスからビールの量を増やせば「アル中じゃないの?」と真顔で言い放つ夫。

子どもを預かってくれるのはありがたいけど、子育てにいちいち口を出す姑。その姑と結託してるらしい夫。

大変なとこは全部里沙子が引き受けているのにえらそうな夫。子どもの成長を比較され、自分の子が遅れているんじゃないかと焦る自分。

いろんなことが同じように被告の女性を追いつめたんじゃないかと考えます。

特に、ぐずって何をしても言うことをきかないわが子をちょっと懲らしめようとした現場を、偶然通りかかった夫に見咎められ、「信じられない!いつもそんなことやってるの!?虐待じゃないか!」と罵倒される場面はつらかったです。「いつもじゃないの。ちょっと懲らしめようとしただけ。見えるとこにちょっと隠れておどかそうとしただけ」と言えば「パチンコ屋で子どもを連れ去られた親も、きっと同じように思ったんだろうな」と。そしてそれを実家にばらす夫。サイテー そんなことがあったことを責められるのではなく、かえって心配するようなことをあっちの実家から言われるなんて、逃げ場ないじゃないですか。

・・・・・そんな第1話を見てしまったので、もうこの先どうなるのか気になって気になって翌朝本屋に走り、またもや一気読み 今回は504ページ。結構なボリュームでした。

でももうもう、本当にリアルです。優しく、妻と娘のために頑張って働いてくれる夫は、実は自分でも意識しているかどうかわからないながら、自分と妻にしかわからない方法でおだやかに、じわじわと妻を馬鹿にし、おとしめ、能無し呼ばわりし、「お前は馬鹿なんだから、俺がいなくちゃ生きていけないんだから、俺の母親みたいに立派な子育てなんかできっこないんだから。。言うこときいてりゃいいんだから」的な言葉で追い詰めるんんです。

私、これって自分が能力ない男の常套手段だと思っちゃうんですよ。素直に専業主婦やっちゃってる妻をおとしめることで優越感に浸る馬鹿夫。しかも自分でそのことに気づいてないからなおたち悪いです。もう、ぶっとばしてやりたい

子どもを殺してしまった被告女性も、一見派手好きでネグレクトっぽいという証言があったり、実は実家ともうまくいっていなくて孤立していたとか、夫がこともあろうに元カノに子育て下手な妻について相談してたとか、姑がしょっちゅう来ては子育てについてガミガミ言ってたとか、子育てに悩む母にしか実感を持てないような悩みを抱えていたということが証言の中から浮かび上がってきます。そうなるともう、彼女としては感情移入しまくりになるわけですね。

初めての子育てって、本当にわからないことだらけで、不安で不安でしかたないものなんですよ。私も忘れもしない長女の一ヶ月検診の夜に一晩中夜泣きれて。自分も泣きたくなりましたから。何したって泣き止んでくれないんだから。考えてみれば長女にしたって、生まれた病院を退院後、初めて一ヶ月検診で外出したんだから、新生児ながら興奮したに違いないのに。まったくよく泣く子だったな

でも、夫もうるさいとは言わなかったし、ご近所の方から「赤ちゃんの声がうるさいなんて、誰も思わないわよ」と言ってもらえたことで本当に安心できたのを、今でも感謝しています。「今は本当に大変で泣きたい時もあるだろうし、人に迷惑かけるかもしれないけど、それはほんの一時のことだからね。」という言葉もありがたくて涙が出ました。

我が家はがっつり共働きにつき、仕事中は保育園にお任せすることができたのもラッキーでした。朝夕は戦争だったけれど。それでも仕事続けて良かったと思います。子どもたちもなんとかちゃんと成長したし。

この作品の主人公も被告女性も、きっとすごくまじめに向き合おうとするタイプだったんだと思います。あ、だから子殺しを許すわけにはいかないけれど。大変さをわかる。自分のこととして小さな失敗を責めない。大丈夫、自信もっていいよ、と誰かが背中を押してくれたら、そんなことにはならなかったのでしょうね、きっと。

ドラマの方は、小説よりもちょっと盛って、他の裁判員さんや裁判官さんのエピソードも加わっているようです。

里沙子役の柴崎コウさんも好演ですが、被告役の水野美紀さんのすっぴん、呆然自失の中にも、証人席に投げる視線の鋭さが胸を突きます。小説は読了しましたが、このドラマは最後までガン見します

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レ・ミゼラブル@帝国劇場1階K列上手

2019-05-02 21:04:14 | 観劇/コンサート

  

令和最初の観劇は、娘と一緒に帝劇。彼女は少し前にクイーンズ・シアターでロンドン公演観てきました。でも、見切れ席でよくわからないとこもあったとか。そんじゃあちゃんと観よう!帝劇行こう!となったわけです。(ロンドン行ったことない母はくやしい)

最近は本当にチケットとりにくいわ、値段上がったわで、今回もようやくとれた1公演。

皇室の代替わりで帝劇界隈は混んでるかな?と思いましたが、そうでもなかったです。一日ずれててよかったかも。昨日は大変なことになってたようですからね。

さて、今回のお目当ては、なんと言っても濱田めぐみさんのファンテーヌいよいよきたか!と期待MAXです。あの めぐみ姐さんが薄幸のファンテーヌをどんなふうに演じられるのか、本当に楽しみでした。

ジャジャン、ジャージャジャン!と、幕が開くと大波の中を漕ぐ囚人たち。坊主頭の吉原バルジャン、すぐわかりました!「主よ!主よ!殺してくれ!」と叫ぶ隣の囚人をさりげなく制しているんですね。こまかい!

前回もそうだったっけ?という箇所がいくつかありました。歌詞の変更も。

そして、一番あれ?と思ったのは、コゼットが黒い服を着ていないこと。以前、なんでコゼットは黒い生地に白い襟の服ばかりなんだろうと思って調べたところ、母ファンテーヌが亡くなった悲しみを表してバルジャンに引き取られた時から黒い服を着ているということだったような。そのあたりの解釈も少しずつ変化するんでしょうね。それから、エポニーヌが撃たれてマリウスの腕の中で息を引き取る時、ガブローシュがグランテールの胸に顔をうずめて泣いていました。この2人が姉弟ということを感じさせる場面でした。

濱田さんのファンテーヌ、本当に素晴らしかったです。そりゃ、オーラは隠しようもないですが、歌声を聴くだけでぶわっと涙が溢れてしまいました。夏に出会って燃え上がり、秋にはさっさといなくなった薄情な男。。ゆるせん!そのなりゆきだと、きっとコゼットのパパはコゼットが生まれたことすら知らないのかも。ゆるせん!

この作品で、私が一番気になるのがジャベール警部なのですが、川口ジャベール、ものすごく良かったです。ジャベールはしつこくバルジャンを追いかけ追い詰める役ではありますが、くしくも追われる当のバルジャンが言うように「君の職務だろ。うらみなどないさ」なんですよね。忠実に真っ当に仮釈放で逃げた囚人を追い続け、その囚人に助けられ、混乱し、信仰に逆らって自らの命をセーヌ川に投じる。あ、今回の「自殺」すごかったです。本当にセーヌの渦に呑み込まれる感がありました。どうやってるんだろう機会があれば見極めたいところですが、いかんせん、もうチケット取れないよ~ そして最後にバルジャンが召される時、ひと足先に神の国へ行ったファンテーヌ、司教様、アンジョルラスをはじめとする学生の皆さん勢ぞろいの中、いないんですよ、ジャベール。。やっぱりサタンの元に堕ちちゃったんでしょうか あ、バルジャンが司教様に手をとられる場面も泣けました

最後の告白を書いた手紙をコゼットに渡すシーン。もう、私の周りは涙の嵐。そこここですすり泣きが聞こえてきました。隣に座った娘も、もう号泣 「バルジャンはファンテーヌとの約束を守ってコゼットを大切に育てたけど、バルジャン自身もコゼットからたくさん幸せをもらったんだよね。私もおばあちゃんのお世話をしながら、本当はおばあちゃんからたくさん幸せをもらってたんだと思ったよ。」と、しみじみ。おお!そこに気づいたか!と、うれしい母でした。この作品、本当に何度観ても、その時々で得るものがたくさんあるなあと感じます。だから高いチケット買っても行っちゃうんですよね。

帰りは6th by ORIENTAL HOTELのふわふわパンケーキをいただきました。まじおいしい

あ、娘に感想聞いたら、一番良かったのはバルジャンでもなく、ジャベールでもなく、マリウスでもなく、アンジョルラスでも決してなく、なんとKENTAROさんのテナルディエだと!なるほど。そうきましたか

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