pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

BABELふたたび。

2017-06-30 22:04:56 | ミュージアム

BABEL展も東京は7月2日で終了。図録やムック本を見ているうちにどうしても もう一度実物を見ておきたくなってしまい、急遽行ってきました。

こちらは大友克洋氏の「インサイド・バベル」企画展入口手前、無料で見られます。(右上黒雲のあたりに照明写りこんでます)

この絵の水平線、塔の右上にうっすら見える島には、罪人を晒す場所まで描かれているんですよ~細かい!

木彫や様々な作者不詳の細密な版画や油彩の数々に圧倒されながらその先のBABELへ進んで行く。ヒエロニムス・ボスやブリューゲルの奇妙なモンスターの数々を見ながら、マザーグースの挿絵に出てくるハンプティ―・ダンプティーって、この絵からインスピレーションを貰ったのかなあ。。などと思います。

平日だというのにBABELの前は相変わらずの大混雑でしたが、やっぱり圧倒されました。来てよかった。

今回は予習のかいあって、前回よりもいろいろなものが見えてきました。絵画鑑賞も舞台と一緒ですね

藝大のStudy of BABELでは、うちわをいただき、画像を取り込んで塔の中で働かせていただきました

白く光っちゃって顔はうつりませんでしたが、右上の窓で突っ立っているのが私のクローンです。みんなかいがいしく働いてるのに、私のクローンたら、ちょろちょろしているだけで、かなり怠けてました。やっぱりね。

3分間のプロジェクション・マッピングでは、人々が列をなして塔を上っていき、最後に雷が鳴るという仕掛けになっていました。5月のBABEL nightでは、これをブリューゲルと同時代の作曲家モンテヴェルディの曲とともに上野の森美術館に投影したとか。行けばよかった~

藝大のおとなりの「国際こども図書館」にも行ってみました。国立国会図書館の支部図書館だそうです。

荘厳なルネサンス様式をとりいれた東京都選定歴史的建造物。旧帝国図書館です。エントランスはこどもがフラッと入るような感じではありませんが、中はとても明るくおしゃれで、軽食のとれるカフェテリアもあります。

「ロバの王子」というグリム童話に目がとまり、読んでみました。

子どもができない王と王妃が魔法使いに子どもが生まれるように頼みに行ったのに、守銭奴な王様がお礼の金に鉛を混ぜ、魔法使いにへそ曲げられてロバの王子誕生。
でも、すっごく賢い良い王子だったので、リュートを覚え最終的にそれが功を奏して他国の姫君と結ばれてめでたし、めでたしなお話。
心から愛してくれる人が現れたら人間の王子に戻れるという、「美女と野獣」にお約束のオチありです。ロバだけどね。

お隣の黒田記念館には黒田清輝の有名は「湖畔」などが無料で公開されていました。この建物には上島珈琲も入っています。ここはすいています。

こども図書館の向かい側が東京国立博物館の裏門なので、塀に沿って歩くと、黒門などもじっくり見られます。本当にすごい。東京国立博物館、建物もすごいけれど敷地だけでもものすごい広さです。

日本人のみならず、東西の外国人旅行者がわんさかいて、物販テントの和風サンダルや箸置きなども激写していました

上野、奥が深いです。プリンスの母校東京藝大音楽学部の前身、旧東京音楽学校奏楽堂なども工事中。公開されたら行ってみたいです。

 


K-BALLET COMPANY Spring2017『GISELLE』千秋楽@東京文化会館1階9列下手

2017-06-25 21:49:44 | 観劇/コンサート
 
ジゼル:浅川紫織
アルブレヒト:宮尾俊太郎
ミルタ:矢内千夏
ヒラリオン:石橋奨也
パ・ド・シス:中村春奈/井澤諒
ベルタ:徳井美可子
バチルド:倉田陽子
 
指揮:井田勝大 管弦楽:シアター オーケストラ トーキョー
 
STORY
舞台はドイツの農村。美しい村娘ジゼルには、ロイスという恋人がいる。実は侯爵でその名をアルブレヒトというが、身分を隠して村人になりますしている。そうとは知らないジゼルはロイスの愛を純粋に信じ、恋人と共に過ごすその姿は幸せにあふれている。一方、ジゼルに思いを寄せる森番のヒラリオンは、ロイスの存在に疑念を抱き、ジゼルとの仲を裂こうと間に割って入る。しかし、どこか威厳に満ちたロイスの態度を前に悔しげに引き下がるしかない。
葡萄収穫祭の女王に選ばれたジゼルは、ロイスと共に村人たちの踊りの輪に加わる。母親は心臓の弱いジゼルを心配して踊りをやめるようたしなめると、「踊り続けると命を落としてウィリになってしまうと」と、結婚前に死んだ乙女たちの霊の伝説を語り始める。
そこにクーランド大公と娘のバチルドら狩りの一行がやって来る。バチルドは実はアルブレヒトの婚約者。うろたえて身を隠すロイス(アルブレヒト)の姿を目にしたヒラリオンは、彼の小屋に忍び入り、ついに貴族である確証をつかむ。その証拠を見せられ、恋人の裏切りを知ったジゼルは、深い絶望のあまり狂気に至り、ついに息絶える。哀しみに打ちひしがれるアルブレヒトは、ジゼルが眠る森へと向かう。そして──
 

 今回、とてつもなくミーハーな気持ちでチケットをとってしまった私なのですが、圧倒されました。事前にバレエ通のK様からいろいろと教えていただいたおかげで、期待はMAX
なにせ、貴族アルブレヒトは宮尾俊太郎さま私は、本格的バレエ公演は生まれて2度目という超初心者なため、いろいろ興味深かったです。まず、プリンシパル登場シーンで拍手が巻き起こります。ブラボーはもちろんのこと、劇中の踊りが終わった時にもダンサーが丁寧に客席におじぎちょっとダンスオブヴァンパイアの教授ワンマンショー思いだしました
 
幕(上に上がるんじゃなく左右に開くところも素敵)が開くと、そこは泰西名画の世界。舞台美術、すごいです!東宝さんも見習ってほしいクオリティーです。
 
マントをひらりと宮尾アルブレヒト登場!われんばかりの拍手!
 
このアルブレヒト、貴族の婚約者がいながら村娘ジゼルに投げキッスとかしてその気にさせるちょっとアレな人。体の弱いジゼルは母に反対されながらも全力で愛すんですね。それなのに、彼は本当の姿を見せない。婚約者が現れ、すべてが明らかになってもあいまいな態度。心臓の悪いジゼルは衝撃のあまり命を落とします。それでも、裏切られても、死んでも、なお愛するアルブレヒトを全力で守ろうとするジゼルの強い愛。切なすぎて涙がとまりませんでした。ひとつの台詞も歌もなく、すべてを音楽と踊りだけで表現し、しかも深い感動を呼び起こす、バレエって本当にすごい。2幕の、夜の森に囲まれた墓地の深く暗い色と、精霊ウィリたちの純白の衣装のコントラスト。美しい踊り。鳥肌ものでした。
 
バベルにジゼルに上野の森。幸せな週末でした~明日からお仕事がんばります!
 
 
 

Study of BABEL@東京藝術大学Arts&SciencLAB.

2017-06-25 21:01:11 | ミュージアム

昨日の東京都美術館BABELがとても素晴らしかったので、サイトで復習していると、会場すぐそばの藝大(プリンスの母校ですね~)で、楽しい企画が開かれているとか。

今日は東京文化会館でKバレエ「ジゼル」鑑賞の予定だったので、少し早く出発して行ってみました。

そういば、「Study of BABEL」と書かれたポスターが地味に貼ってあったのをみていたのですが、本家のポスターとほぼ同じデザインなので、藝大でやっているとは気が付きませんでした。

会場は広くはなく、3メートルほどの立体化したBABELが展示されています。これがすごい!細部まで細かく再現され、人々の様子がよくわかります。撮影もOK

 

 子供のような姿もありました。

こちらは教会。小さな像(イエス?)が見えます。青く見える窓にはしかけがあり、

自分の顔を備え付けのタブレットに認識させると、クローンが塔の中で働きますでも、クローン映像の顔は綿棒の先くらいちっちゃすぎてそれこそ単眼鏡などがないとなかなか認識できないかも。

3分ほどの映像も用意されていました。

それにしてもBABELおそるべし。たった一枚の絵が藝大チーム、大友克洋、ヒグチユウコに明大の森洋子名誉教授などなど、たくさんの人の心をがっちり掴んでどんどんイメージを広げていくところが、モナリザみたいだなあ。。

あ、そうそう、丸の内の三菱1号館美術館では、ダヴィンチとミケランジェロの対決があるそうですよ


ブリューゲル「バベルの塔」展 BABEL@東京都美術館

2017-06-24 23:24:15 | ミュージアム

今日は前の職場の仲良しさんたちと、話題のBABELと美味しいランチ会。BABELも来週までだし、

西洋美術館のアルチンボルド展では新たな2作品が追加公開ということで、結構すいているのでは?

・・・と、思いきや、よりによって本日の天声人語でばっちりとりあげられて、会場は混み混みでした。20分ほど並んでようやく入場。

先日行ってきた長女のアドバイスもあって、単眼鏡を首に下げ、イヤホンガイドも借りてGO!

解説は作品の脇についてるし、美術館のイヤホンガイドって必要かな~などと思っていましたが、これがかなり良かったです。しかも、「塔」がらみで音声は雨宮塔子さん

あちこちに張られているBABELのポスターや、

イメージキャラクター タラ夫くんのいる「大きな魚は小さな魚を食う」の版画くらいしか知らずに出かけましたが、順路の最初に展示されている16世紀ネーデルランドの彫刻の数々にまず圧倒されました。丸太をくり抜くようにして緻密に彫られた美しい聖人たち。ヒエロニムス・ボスの不思議で超緻密な版画の数々。一枚の作品の中に描かれる物語の数々。

単眼鏡持ってってよかった~ひじきくらいのサイズで描かれた、人々も、豆粒のような野兎も、解説を聞きながら確認できました。ものすごく細かいのに、ものすごくきちんと描かれていることに驚嘆。

でも、本当に驚いたのはやはりBABEL.思ったより小さいし、なにせ誰もが一番みたい作品なので、流れながらではよく見られませんが、案内係の人も良く心得ていて、人の流れの後ろに止まって鑑賞できる場所を作ってくれていました。(ただし、当然視界には人が流れていますが。)そこから単眼鏡で細部を見ていくと、違う世界が見えてきました。特に塔のサイドのデッキ部分に見えている様々なやぐらや木材、クレーンのような物が、暗い雲を通した太陽の光に映え、その神聖さに鳥肌がたちました。「神は、怒っている。」この塔の行く末を知ってしまっているせいかもしれませんが、これだけの人々の努力や希望、ある意味野望を一瞬にして無いことにしてしまった神の力に対する人々の畏怖がこの作品を生んだのかなあと漠然と思いました。

中は、どうなっているんだろうか、どうやって造っていたんだろうか、という楽しい想像を重ねてきた人は少なくなかったと思います。大友克洋氏が無料ゾーンに「インサイド バベルとして展示してありましたが、もっと良く見れば良かった。

その他にも、5分ほどの解説映像や藝大チームの拡大複製作品などが展示してあります。ただし、これも思い込みかもしれませんが、同じように単眼鏡で感動した部分を覗いても先ほどのようなオーラは感じませんでした。不思議。やっぱり作者の魂というものを信じないわけにはまいりません。

2時間じっくり牛歩鑑賞したあと、一階のレストラン~SALON~の個室でランチ。プリフィクスコースで、鴨のローストオレンジソースをいただきました。美味しかった

パンダ誕生にちなんでこんなコースもありました。

上野はどこからこんなに・・・と思うほど人でいっぱい。台湾のおまつりなのか、こんなのも。

もちろんパンダも。

 

実は明日も上野です。人生、楽しまないと

 


志の輔らくごat NOH THEATER@観世能楽堂(GINZA SIX )中正面11列目

2017-06-13 20:14:09 | 志の輔らくご

  

松坂屋銀座店の跡地にどどーんと完成したGINZA SIX

ディオールにフェンディにセリーヌにサンローランに、まだまだいっぱい、エリア最大241ブランドがそろい、どこよりも早く豊富な品揃えで最新トレンドを発信するという巨大商業施設。その地下3階に、まさかの能楽堂この二十五世観世左近記念 観世能楽堂は、あの松濤にあった能楽堂を解体してひとつひとつを磨き上げ、そっくりそのままこの空間に組み立てたんだそうです。おどろき!

能楽堂の入口は他のフロアとは少し異なった位置にあり、地下2階から下へ向かうエスカレーターは、少し離れた場所にあります。まさにここに見えない仕切りがある感じ。そこからは全くの異空間に入って行く感じです。

この能楽堂のこけら落とし公演としての志の輔らくご、というわけです。志の輔師匠の落語を能楽堂で聴くのは、国立能楽堂での公演に続き2度目ですが、その時に気になっていた中正面の目付柱が・・・ない!

これが、柱がある国立能楽堂の写真 ↓ ほんと、中正面の席からは邪魔。。

この柱をはずすことが可能ということで引き受けられたという師匠。それでも、脇正面、中正面、真正面と、角度のついた客席のどこからでも満足っできそうな角度は。。ということで、高座の位置や照明の調整などに3時間半も費やされたそうです。さすが志の輔師匠

まだ数公演残っているので、ネタバレ注意で、改行します

 

 

 

 

 

 

 

能という芸術が、いかに日本人の心を揺さぶるかについて熱く語ったあと、すうっと入った噺は「バールのようなもの」。

仲入りは無く、おなじみの松永鉄九郎さんの伝の会による長唄三味線のあとは、笑って泣かせる「新・八五郎出世」でした。やっぱりうまいなあ・・・八五郎が田中三太夫に案内されて城の長い廊下を歩いている風景が見えるようでした。


明後日プロデュースVol.2芝居噺「名人長二」@紀伊国屋ホールQ列センター

2017-06-03 21:37:29 | 観劇/コンサート

原案ギ・ド・モーパッサン「親殺し」
原作三遊亭圓朝「名人長二」
企画・脚本・演出 豊原功補

出演
豊原功補 森岡 龍 / モロ師岡 梅沢昌代 花王おさむ /
菊池均也 神農直隆 岩田和浩 牧野莉佳 /
山本 亨 高橋惠子
<邦楽演奏(唄・三味線)>紫蘭まき 東音山本英利子


長二は、指物師で名人といわれるほどの腕前。酒も博打も嫌いで、儲けた金は正直な貧乏人に分け与えるといういたって気の優しい人柄。弟弟子の兼松を連れて湯河原へ湯治に行った長二は、自分の背中にある傷が、実は、自分を捨てた親が竹藪に放り投げた時に出来たということを、宿の手伝いに来た婆さんから教えられ驚く。今まで親と思っていた人たちは、この湯河原で半死半生の赤ん坊だった長二を温泉につけて助けてくれた恩人であったのだ。その長二に実の親がからんで事件へと繋がっていく。


小泉今日子さんが舞台や映像、音楽、出版などジャンルにとらわれない企画制作を行う「明後日プロデュース」
この作品はその第2弾だそうで、紀伊国屋ホールに入るとキョン×2(喬太郎師匠じゃないです)ご自身が普通に受付付近にいらっしゃいました。すごいナチュラルなのにとても美しい小顔~

「名人長二」は、圓朝がモーパッサンの短編小説「親殺し」をベースに、近所に住んでいた実在の指物師(箪笥や箱などを作る職人)長二郎をモデルに新聞連載として創作した長編人情噺ですが、あまりに長く、圓朝自身もこの噺を語り終えるのに15日かかったとのことです。なんかこのタイトルに聴き覚えがあり、記憶をたどったら、9年前に志の輔師匠がダイジェストで語ったのを聴いていました。それでも1時間20分くらいの熱演だったため、印象に残っていたんだと思います。またやって欲しいです!

幕が開くと、舞台中央に高座がしつらえられ豊原功補さんが人情噺「名人長二」を語り始めるところから、まるで落語がマクラから本題に入る様にすうっと劇に入っていきます。大道具のみ。小道具は長二が作った仏壇と師匠が作った箪笥以外は一切なく、役者さんが落語家さんのように動作でそこにあるものを表します。「芝居噺」ってそういうことか。落語同様、観客の想像力も要求される形になっています。舞台経験は初めてという役者さんもいらしたようですが、豊原さんをはじめ梅沢さんや花王おさむさん(アルコ伯爵)、高橋恵子さんに山本亨さんなど、存在感のある役者さんががっちり固めていました。ただ、ただなあ。。やっぱり力の差が歴然で、バランスはいまひとつに感じてしまいました。また、かなりな長編を休憩なしの2時間ちょっとにまとめているため、長二が実の親に殺意を持つまでの経緯が突飛すぎる気がしてしまいました。でも、長二の最期に慟哭する森岡さんの迫真演技には胸を打たれました。豊原さんの「男の色気と侠気」も半端なかったです。

終演後のロビーで、小泉今日子さんと挨拶している大森南朋さんをお見かけしました。

 



髑髏城の7人 花@IHIステージアラウンド東京17列下手

2017-06-02 21:07:23 | 観劇/コンサート

作 中島かずき
演出 いのうえひでのり
美術 横尾幸男

キャスト
小栗旬(捨之介)
山本耕史(蘭兵衛)
成河(天魔王)
りょう(極楽太夫)
青木崇高(兵庫)
清野菜名(沙霧)
近藤芳正(狸穴二郎衛門)
古田新太(贋鉄斎)

河野まさと(三五)
逆木圭一郎(安底羅の猿翁)
村木よし子(およし)
磯野慎吾(磯平)
吉田メタル(水神坊)
保坂エマ(摩虎羅の姫跳)

<あらすじ>
時は天正十八年(1590)。織田信長が死に、豊臣秀吉が天下を治めていたこの頃、都から遠く離れた関東の村々は<天魔王(成河)>率いる関東髑髏党に荒らされていた。

この日も、とある村が髑髏党の鉄機兵たちに襲われていたところに傷だらけの<沙霧(清野菜名)>が飛び込んでくる。彼女は、天魔王らの居城・髑髏城の抜け道が記された絵図面を持っていたために追われていたのだ。と、そこに派手な身なりの傾奇者たち・関八州荒武者隊の面々が登場する。先頭に立つのは、頭目の<兵庫(青木崇高)>だ。しかし仲間の<三五(河野まさと)>の裏切りにより、みるみるうちに窮地に陥る荒武者隊。そこへフラリと現れた着流し姿の男が、手にした大きな鉄煙管で鉄機兵を叩きのめす。男は自らを<捨之介(小栗旬)>と名乗り、沙霧に傷の手当てをさせるため、兵庫と共に関東一の色里“無界の里”へと向かう。
色里“無界”は宿場も兼ねているため人の出入りも賑やかで、その中には何か事情を隠していそうな怪しげな牢人<狸穴二郎衛門(近藤芳正)>らの姿もある。この色里一と評判の<極楽太夫(りょう)>は、「沙霧をかくまってほしい」という兵庫らの頼みを快く引き受けてくれた。
その夜。店の裏で再び沙霧は髑髏党に襲われそうになるが、捨之介と“無界の里”の主<蘭兵衛(山本耕史)>がそれを阻む。そこに突然現れる、天魔王。実は捨之介と蘭兵衛と天魔王の三人は、ある時期、共に時間を過ごした間柄だったのだ。南蛮製の鎧と仮面を装着した天魔王には、捨之介の刀も蘭兵衛の短筒も歯が立たない。しかしこの場は、狸穴二郎衛門が間に割って入ったことで難を逃れられた。
天魔王、そして髑髏党との戦いを覚悟した捨之介は山奥にこもる刀鍛冶<贋鉄斎(古田新太)>を訪ねて、無敵の鎧を叩き斬る刀、必殺の“斬鎧剣”を打ってほしいと頼み込む。
しかしその頃、蘭兵衛は単身で髑髏城へ行こうとしていた。それに気づき、こっそりと後を追う沙霧。
捨之介、蘭兵衛、天魔王が抱える深い縁(えにし)とは……。天魔王の謀略を、捨之介たちは阻止することができるのか……。(公式HP)


舞台じゃなくて客席が回るんだって!・・・という情報に驚いたのは、昨年度のことでした。どどど・・どういうことしかも、小栗旬に、山本耕史に、成河ってことで、速攻チケットとりました。ご一緒した劇友・うさぎ氏は既に複数回観劇しているので、捨之介登場のタイミングから回転具合や客席の空調(寒い!)なども熟知。ほんと心強いです!

実はアカドクロアオドクロはゲキシネで、ワカドクロは今はなき青山劇場で観てるのですが、ストーリーをちゃんと認識していなくて、今日の舞台であらためて信長がらみの話だったんだと思い出したというていたらくだったのでした。

いや、それにしても成河くんの天魔王すごい!ルキーニに感じた狂気の100倍くらい怖かったです。一切の人間的感情を感じさせない圧倒的な悪の権化って感じです

小栗くんの捨之介はワカドクロに続いて2度目でしたが、いや、成長されました!長刀をダイナミックに振り回し、大きな動きの殺陣の美しいこと山本耕史さんの蘭兵衛との立ち回りは、もううっとりするほど。真っ白な彼岸花の中に佇む蘭兵衛も、美しかった~兵庫、青木崇高さんのチームはゲームから飛び出してきたようなキャラ揃い。青木さんも豪快!いい味出してます。

お話の鍵を握る清野菜名ちゃんの沙霧も、意外に身軽でとび蹴りもお上手。清楚な外見ながらとってもエネルギッシュでしたりょうさんの花魁姿も美しい

何といってもこの舞台の一番の興味は360℃の客席回転と溢れんばかりにダイナミックな映像使い。場面転換もぐわ~っと映像が迫ってきて、まるでアトラクションの中にいるようでした。今度はどこへ連れってってくれるの~ってもうわくわくする感じ。そして、何せ舞台が360℃ですから、走り去る髑髏党のみなさんなども迫力満点。本水もじゃぶじゃぶするほど豪快です。

酔い止め必要かな~と心配しましたがそこまでではなく、とても楽しめました。最後は360℃の舞台をすべて見せてくれます。これが圧巻!なるほど~こうなってたのか!ということは、思った以上に回転してたのね、客席

「花」はもうすぐ終わってしまいますが、これを見る時期がもう少し早かったら、間違いなく豊洲通いしてたと思います。危ない危ない!次は「鳥」。。。危ない危ない。まんまとアリ地獄のような罠にはまってしまいそう。

しかし。本当に市場前ってなんにもないのね。。。