1985年にロンドンで初演、その後、42カ国、308の都市、21の言語で全世界合計45,000回もの公演が行われている『レ・ミゼラブル』の25周年を記念したコンサートが、世界から選りすぐったキャスト陣を集め、25周年ならではの豪華なパフォーマンスを、ロンドンにある世界最大のドーム“The O2”にて上演されました。イギリス及びヨーロッパの200の映画館では、衛星生中継を行い、過去最高の動員を記録したライブシネマイベントとなった、その貴重な映像を、この度、日本語字幕付きで、ワーナー・マイカル独占で上映できることとなりました。華やかなショーをスクリーンでお楽しみください。(公式HPより)直訳?
いや、すごいもの観ました。レ・ミゼの曲は大体わかるから本場ものでもOKかも、ぐらいの生半可な気持ちで出かけましたが、しょっぱなから圧倒されました。本物のヴァルジャンに出会った気がします。
会場となったThe O2は、映像では代々木第一体育館のような感じ。世界最大というからもっと大きいのでしょうが。ステージの上は何層にもなり、一番上がスクリーンでキャストをアップにしたり、背景となる下水道やセーヌ河などの映像が映し出されます。おなじみの「ツーロン」「パリ」などの字幕も。たしか日本でやったレミコンにもスクリーンがありましたね。ちっちゃかったけど。その下には青白赤のTシャツを着た大コーラス隊、たぶんその下あたりに正装のオーケストラ、その下にキャストの舞台。
このスクリーンがものすごく効果的に使われていました。パリの街並みがぐーっと下がって下水道の中になったり、ジャベールの自殺シーンではセーヌの流れがダイナミックに映しだされて、本当に飲み込まれてしまった感じかします。
何よりすごかったのはキャストの歌です。ヴァルジャンはものすごい声量。ジャベールは黒人の方でしたが、すごい美形長身の、まさに「黒豹」のようでした。ファンテーヌは意外にも小柄でぽっちゃりな女性でしたが、「夢やぶれて」では本当になんでこんなことになってしまったんだろう・・・というくやしさや悲しみがびんびんと伝わってきました。アンジョルラスはリーダーのオーラ全開でギラギラ。マリウスは対照的に繊細なイギリスのぼんぼんという感じでした。(フランス人だっつうの)コゼットは観月ありさちゃんみたいな元気いっぱいなお嬢さん。エポニーヌもしかりで、ファンテーヌ、コゼット、エポニーヌ、みんな体つきもお顔もしっかりした方ばかりでした。テナルディエ夫人は森久美子さんばりの巨体。テナ夫妻の登場で会場がぐわっと盛り上がったところを見ると、有名な方たちなのかもしれませんね。グランテールのソロがとっても好みな声でした。(過ぎた~日に乾杯~)
ヴァルジャンとジャベールの「対決」では、ヴァルジャンの歌詞だけが字幕で出ていたので、つい心の中でジャベールバージョンを歌って対決している私でした。対訳はほとんど東宝版と同じでしたが、ところどころ違っています。もっとも違ったのはヴァルジャンの囚人番号。
ジャベールははっきりと24601(Two Four Six O One~)と歌っていました。24653じゃなかったの
一幕最後のワン・デイ・モア、すごかった~何百人という単位の厚いコーラスには鳥肌通り越して総毛立ちました。体の芯まで響いてくる圧倒的な歌声。そして、ヴァルジャンの「彼を帰して」では、あまりの素晴らしい歌声に、ショーストップどころかその場で何人いるかわからないような巨大な会場がオールスタンディングで拍手の嵐になりました。
エピローグではもう号泣。言葉もありません。
最後にはロンドンバービカン劇場初演のキャストや、代々のプリンシパルたち、キャメロン・マッキントッシュさんなども舞台にでてご挨拶されていました。代々の数人のヴァルジャンによる「彼を帰して」、オールキャストによる「ワン・デイ・モア」「民衆の歌」なども本当に素晴らしかったです。最後の最後には、次世代のレミゼのキャストを目指すロンドンの学生さんたちが「民衆の歌」を大合唱しながら会場を行進。すごいなあ・・・層の厚さは半端ではないです。
これだけの作品なのに、客席には20人ほどのお客さんしかいなくて、本当にもったいなかったです。しかも、チラシもプログラムもなく、一階の外壁にポスターがひと組(2枚)貼ってあるだけで映画館のロビーにも貼ってなく、会場入り口に、「10分休憩があるのでトイレ行く時は半券もって出てください。」と掲示してあるだけなんですよ。23区内ではたぶんこの板橋くらいしかやってないんだから、もうちょっと集客努力してほしいなあと思いました。
1月21日(金)まで、16:35~20:05と20:25~23:55の2回やっています。レミゼファンの方は、絶対に観て損はありませんよ!
ひょっとしたら、日本のレミゼキャストの方にも会えるかも。だといいな~