pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

2019年劇団☆新感線39興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎〈亞〉alternativeけむりの軍団@赤坂ACTシアター1階B列センター

2019-07-31 22:34:36 | 観劇/コンサート

[作]倉持裕

[演出]いのうえひでのり

[出演]古田新太 / 早乙女太一 / 清野菜名 / 須賀健太 / 高田聖子 / 粟根まこと / 池田成志 / 他

【あらすじ】
軍配士として目良家と戦ってきた 真中十兵衛は、今は浪人生活。ある日、賭場でテラ銭泥棒騒ぎを起こした 美山輝親のとばっちりで、十兵衛は子分二人をヤクザに人質にとられてしまう。五日の間に捕まえて戻らないと子分の命はないと脅され、仕方なく輝親を探すハメになる十兵衛。
一方、目良家の城内では、同盟を組む厚見家を守るために当主・則治(のりはる)のもとに正室として嫁いでいた、 紗々姫 が目良家を出ようとしていた。とある木賃宿で十兵衛は輝親を発見するが、そこに紗々姫と源七も居合わせたことで、目良家の追っ手と一悶着を起こす。紗々姫から厚見の城まで自分を無事に送り届けることができれば、厚見家の軍配士として仕官させると言われて十兵衛の心は揺れ動く。しかし子分の命の刻限まであまり時間が残されていない。さあ、どうする、十兵衛!!


今回は身の回りがちょっとバタバタしていて、ろくに席も確かめないで客席に入ったら、A列がない!ってことで、まさかの最前列センター 新感線はかぶりつきじゃなくても良かったんだけど
てなわけで、今年中盤の運をみんな使ってまいりました

いや、久しぶりに古田さん、池田成志さん大暴れの大活劇で、めちゃくちゃ楽しかったです!早乙女太一くんの殺陣の美しいことといったら!まあ、ストーリーはちょっと走れメロスみたいだったりもして、十兵衛こと古田さんが仲間のために頑張る話が基本なものの、そこに怪しい浪人成志先輩やら、生家への脱出を図る目良の奥方、清野菜名ちゃんやら、その従者にあの三丁目の夕日の、昭和の香りがぷんぷんする子役だった須賀健太くん(古田さんに、さりげなく「子役あがりのくせに」って言われてました)やらがからみ、更に口下手な剣士の早乙女太一くんなども参加して、そりゃあもう、楽しいのなんの。「けむりの軍団」の意味がタイトルのわりにちょっと希薄な感じがしてしまったのは、やっぱり古田さんや成志さんの強烈な個性がばーんと前面にでていたからのような気がします。川原正嗣さんと早乙女太一くんの対決は、そりゃあもう舞のように美しくてうっとり。刀をぶんぶん振り回すので、客席に飛んでこないか怖いくらいでした

「髑髏城」で、さんざんぐるぐる回る客席を体験したせいか、侍や僧兵が走りながら袖へはけたり、スクリーン映像がぐわっと迫ってきたりすると、アラウンドしているような気分になりました

それにしても清野菜名ちゃん小顔!古田さんと並ぶと顔の大きさが半分くらいに見えました 回し蹴り軽やか!彼女はやっぱり舞台向きだなあ。

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王様と私@シアターオーブ2階3列センター

2019-07-28 20:36:11 | 観劇/コンサート

作曲/脚本・作詞=リチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタインⅡ
演出=バートレット・シャー

出演
アンナ=ケリー・オハラ
王様=渡辺謙
チャン夫人=セザラー・ボナー
オルトン船長/エドワード・ラムゼイ卿=フィリップ・ブルコック
タプティム=キャム・クナリー
ルンタ=ケイヴィン・パンミーチャオ
クララホム首相=大沢たかお
チュラロンコン皇太子=アーロン・ティオ、他。

あらすじ
1860年代のシャム(現タイ)。イギリス人の未亡人アンナは王子・王女の家庭教師として、シャムの王宮に迎え入れられるが、専制君主である傲慢な王様と激しく対立する。隣国ビルマから貢物として献上されてきたタプティムは恋人ルンタと王様に隠れて密かに愛を育んでいた。そんな2人の逢瀬を手助けするアンナだったが、王子や王女と触れ合い、国を思う王様の真摯な人柄を知るにつれ、徐々に理解を示していく。そんな中、視察のためイギリスから訪れた特使を、アンナの提案のもと西洋式の晩餐会で歓待することに成功した2人は絆を深めるのだったが…。


トニー賞で4冠に輝いた超話題作一生に一度のチャンス!と言われちゃったら、見に行くっきゃない!と、いうことで、酷暑もなんのその、オーブへ。

開演時間になっても、指揮者の方が誰かと電話してる?ん?と思ったら、「もう少しで開演しますので、そのままでお待ちください」という謎のアナウンスのあと、7~8分遅れで開幕。ちょっとどきどき。何かトラブルでしょうか?

舞台は、アンナが息子を連れてシャムの港に降り立つところから始まります。わくわく。しょっぱなから、アンナは就労条件について確認。さすが西洋の女性。出迎えるシャムの首相は、待ってました!の、大沢たかおさん。大胸筋もりもりすごっ 台詞回しも堂々として威厳があり、さすがブロードウェイ仕込!ドラマで感じる甘さのような声はどこにも感じられませんでした。この首相が王様とアンナの間に入っていろいろと調整をはかります。大変だわ~

アンナ役のケリー・オハラさん素晴らしいですさすがトニー賞最優秀主演女優賞受賞者  もう、台詞と歌が流れるようなリズムで、歌声の響きがオペラのよう。なんと心地よい一曲目で持っていかれました

そして動きの美しいことといったら!王様とのダンスの軽やかなこと西洋女性のドレスがふんわりしすぎていることの意味もちょっと解説がありました。なるほど。歌声で印象的だったのは、王の第一夫人のチャン夫人。この方のソロにはぐっときました。

世界のケン・ワタナベは、そこにいるだけで堂々たる「王様」でした。77人も子どもがいるだけあって、なかなか子煩悩なところも見え隠れ

西欧列強から次々と周辺国が「保護」という名の侵略を受ける中、なんとか野蛮人の国と思われないように取り繕うシャム。なんか、日本の鹿鳴館の時代を見ているようでした。なんで西欧化じゃなきゃだめなのよ、と、やはりアジア蔑視を感じずにはいられませんでしたが、まあ、西洋人目線で作られた作品なので、そこんとこはこだわっちゃなんねえってことですかね。ミス・サイゴンと同じ目線に思えました。

アンナ先生の指導のもと、子どもたちも王様もその教育方針に馴染んでいきますが、イギリス特使の晩餐会で、王様の奴隷タプティムが奴隷制度を批判する「アンクル・トム」を上演して、更に恋人ルンタと逃げたことで、王の怒りは大爆発面目を潰された王様は、いきなり元の封建的な姿に戻ってしまうんですね。「野蛮人!」と思わず口走ってしまうアンナ。。。。これが、あの美しい「Shall we dance?」を踊った直後ということで、かなり切ないです。うわべだけ西洋化しても、代々受け継がれ守ってきた自国のやり方をすぐに変えることまではなかなかできないということですね。それを「野蛮」と罵られた王様の心中お察ししたりして。でも、アンナの薫陶を受けた皇太子は、カエルのようなおじぎの廃止など、新しい時代を感じさせる改革を打ち出します。「決めるのはお前だ」と、死の床で微笑む王様。このあたりで、涙腺が。。。。

この作品、遠い昔に現、白鴎さんが染五郎さんだった時に王様を演じた時と、高嶋政宏さんが王様で、故・本田美奈子さんがタプティムを演じた時の東宝版を観ました。東宝版も今回に負けず素晴らしかった記憶があります。東宝さん、日本語版でやってください!キャストは観客が投票で決めるってどうでしょう




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2019特選紫演落語会@よみうりホール1階F列センター

2019-07-27 20:42:37 | 落語・講談


紫綬褒章を受章している三師匠の落語会!その昔、渋谷の落語フェスティバルでお隣の席のお嬢さんが「どんな落語家さんがお好きなんですか?私は断然、さん喬師匠と権太楼さんです!」と、ちょっと赤くなりながらおっしゃっていました。こんなに若いのに、ずいぶん渋好みだなあと思った記憶があります。が、しかし。今になって改めて思います。この大吟醸ともいうべき師匠方、只者ではないと。

開口一番の寿伴くん(令和第1号の二つ目昇進だとか。おめでとうございます)の「清書無筆」よかったです。昔は親が文盲で子どもに読み書きをしてもらうなんてことがあったんですね。親の気持ちで見るとちょっとせつなかったりして。

権太楼師匠は、マクラで思いっきり鰻屋さんの話題。上野や神田のおいしい鰻屋さんガイド、参考になります私は東京なら断然、赤羽橋の野田岩がおすすめ!

権太楼師匠の幇間って大好きもう、キュートったらないです 知らない旦那にちゃっかりごちそうになろうとして逆にだまされちゃったタイコもちの一八が面白すぎる!

続く雲助師匠は「居残り佐平次」。この師匠の粋でいなせな江戸弁、誰にも真似できない本物です。

仲入りの後は、おまちかね、さん喬師匠の「牡丹燈記」。私はてっきり円朝作の「牡丹燈籠」と思っていましたが、これは中国のお話で、円朝はこの話を元にして「牡丹燈籠」を作ったのだそうです。なので、登場人物は全て中国名でした。さすがさん喬師匠。美しい妻と死別した男が、燈籠まつりで心惹かれた美女と出会い、逢瀬を重ねるが、実は彼女とその侍女はこの世のものではなく。。というあたりが、もう、息を呑む表現力。最後まで惹きこまれました

志の輔師匠の長い長い「牡丹燈籠」を聴いた時、漠然と牡丹模様の燈籠って、なんとなく中国のイメージだなあと感じたのはそういうことだったんだと、改めて思いました。また、上田秋成「雨月物語」の中の「吉備津の釜」も、この作品の影響を受けているそうです。死霊にとりつかれて、逃れるために家中の出入口や隙間にお札を貼りまくり、それを剥がしたとき。。。ここここわいよ~ あ、牡丹燈記では、勧められて気晴らしに外出した時に死霊の侍女に捕まってあの世まで連れて行かれてしまうという顛末でした。「はなして」といくら頼んでもはなしてくれない恐ろしさ

いや、冷えすぎるくらい冷えた客席がさらに凍りつく恐ろしさでした さん喬師匠、おそるべし

次回紫演落語会は既に来年7月25日 よみうりホールと決まっているそうです。来年もぜひ行きたい!オリンピック行けないし 来年まで師匠方、お元気で!

今日は土用丑の日。三河の鰻買って帰りました

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恋のヴェネチア狂騒曲@新国立中劇場1階2列センター

2019-07-24 20:34:42 | 観劇/コンサート

作:カルロ・ゴルドーニ
上演台本・演出:福田雄一
出演:ムロツヨシ、堤真一、吉田羊、賀来賢人、若月佑美、高橋克実、浅野和之、池谷のぶえ、野間口徹、粕谷吉洋、大津尋葵、春海四方

あらすじ:
物語の舞台は水の都ヴェネチア。憎み切れないお調子者の召使トゥルファルディーノ(ムロツヨシ)が、2倍の給料をせしめようと、2人の別々の主人(堤真一・吉田羊)に仕えたことから、帳尻合わせの勘違いとすれ違いの「恋の大混乱」が巻き起こる……。現代のコントやスラップスティックコメディの原型とも言える古典喜劇にして元祖ロマンチック・コメディ


いやー面白かったです!この役者さんをこんな感じで観てみたい!というところにぴったりとはまった配役

ムロさんはおちゃめでちょこまかした召使(キュート)だし、堤さんはクロロック伯爵ばりの刺繍入りのクラシックなスーツをシックに着こなす紳士だし、吉田羊さんはオスカルばりの男装の麗人だし、賀来賢人さんは自分のことが大好きでむちゃくちゃテンション高めの妖しいプレイボーイ風だし、高橋さん、池谷さん、浅野さんはもう、自由自在高橋克実さんが帽子を脱いだ時に、さりげなくまぶしそうな顔をする浅野さんとか、もう、ほんと芸が細かい!舞台袖にはけるとき、「梅雨明け!」と叫んだのには客席大ウケ。賀来くんも叫んでたけど、関東はまだですよね

この贅沢なキャスティングで思いっきりはちゃめちゃの古典コメディやっちゃうんですから、大笑いするっきゃないです ムロさんは傍白(相手役には聞こえず観客だけに知らせるかたちでしゃべるせりふ。内心のつぶやきなどを表す。)があって、これもマンガみたいで面白かったです。古典演劇の手法のようですが、福田さんの舞台にはぴったりくる感じ

が、このメンバーなので、それだけで終わるわけがなく、実は恋人同士の堤さんと吉田羊さん、それぞれがもしかしたら大事な人を永遠に失ったかもしれないと思った時の慟哭シーンは、まるでシェイクスピアの舞台を観ているようでした。さすが

最後は手をつないで客席降りもあり、誰もがハッピーエンドたくさん笑って幸せな気持ちになれる素敵な舞台でした

ロビーには重厚で巨大な「アイーダ」のオブジェ新国立でやるのかな。

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圓朝祭二日目@銀座ブロッサム1階5列センター

2019-07-20 21:42:56 | 落語・講談

毎年恒例となった圓朝祭。今年も行ってきました。お目当てはやっぱり権太楼師匠。「心眼」素晴らしかった!たい平師匠の力いっぱいの「愛宕山」では、私も一緒に谷底にお大尽の投げた小判を拾いに行った気分になりましたよ

落語にはまって何年もたつのに今回初めて円楽師匠の落語を聴きました。なんとなく顔色がすぐれない感じがして、噺もいまひとつキレがないなあと思っていたら、大きなご病気が見つかったとのこと。どうぞお大事にしてください。

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中川晃教コンサート2019〜New Wind with Trio in Early Summer @紀尾井ホール1階15列下手

2019-07-07 22:25:27 | 観劇/コンサート

【出演】中川晃教 / 園田涼(ピアノ) / 稲本渡(クラリネット) / 細谷公三香(チェロ)

【セットリスト】

1. YOUR SONG
2. Can't Take My Eyes Off of You
3. 旅人
4. 終わりのない愛
5. ボヘミアン・ラプソディ
6. Smile
7. SAVE OUR SOULS
8. 相対性理論
9. 砂のロープ
10. マタドール
11. 止まらない一秒
12. 粒子
13. Family

En1. I WILL GET YOUR KISS
En2. 見上げてごらん夜の星を


雨降りの七夕、紀尾井ホールへ行ってきました。いろいろと悩み多きこの頃、アッキーの歌に癒されようと。

もうね、もうね、本当にアッキーすごいです今までだってめちゃくちゃ上手かったのに、更に進化してました!一曲目のエルトン・ジョンの「YOUR SONG」は、アッキーが落ち込んだとき、迷ったときに聴くと、イメージがぶわ~っと沸きあがってくるんだそうです。天才アッキーの才能のふりかけ そして、2曲目がまさかの Can't Take My Eyes Off of You!君の瞳に恋してるですよ!ブレイク(それまでだって十分ブレイクしてたけど)するきっかけとなった曲と本人も言ってましたが、これ、ラストに持ってきてもいいようなものなのに、あえてピアノ・チェロ・クラリネットだけで聴かせるなんて!景気よく盛り上げるんじゃなくて、あえてしっとりと歌い上げるとは。まじで中川晃教おそるべし。これで鳥肌立っている場合ではなく、チャイコフスキー「花のワルツ」や「白鳥の湖」のメロディーにのせた2曲「旅人」「終わりのない愛」では、不覚にも涙そしてボヘミアン・ラプソディ。。素晴らしすぎて、2階席から「フレディ超えました!」と声がかかって、アッキー「恐縮です」だって。本当に、オペラみたいでしたよ。あの表現力。並の男じゃない~

チャップリンの「Smile」では、マイムも披露。なんてすてき

。。。と、次から次へと繰り広げられる中川晃教の世界にどっぷりでしたが、特筆すべきはアンコールアッキーのデビュー曲「 I WILL GET YOUR KISS」これも、聴くたび進化しているんです。毎回歌ってくれる大事な曲なのに、いつも、まるで初めて聴いたときのような新鮮さが少しも色あせないところが本当にすごいです。彼がこの曲をどんなに大切にしているかがよくわかります。そして、「見上げてごらん夜の星を」では、マイクをはずして生声音響では定評のある紀尾井ホールに響く声は、まるで天使のよう星空が見えるようでした

アッキーが素晴らしいのはもちろんですが、ピアノの園田さん、たぶん彼も天才だと思います。ものすごい表現力。あーパワーもらいました!明日からも頑張れそうです!

帰り道、だし道楽の自販機で宗田節と昆布がそのまんま入っただしつゆ購入 あごだしバージョンには、焼いたトビウオ一匹入ってますからねしかし、だしつゆの自販機とは衝撃的。。

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あじさい

2019-07-06 22:22:26 | 手仕事

5月に作った壁面装飾が意外と好評だったので、梅雨はお約束のあじさいにしてみました。

手持ちの折り紙では色が単純すぎたので、グラデーションを考えてPCで色づけ。葉っぱの色もかなりがんばりました。潜んでいる動物たちはネモフィラ畑からこちらへお引越し(というか、そこんとこ手抜きました)

壁面の前で立ち止まってくださる方々もいて、はげみになります

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エリザベート2019(井上トート)@帝劇1階P列センター

2019-07-05 23:42:47 | 観劇/コンサート

 今日はこのおふたり

やっぱりお花様とプリンストート閣下の組み合わせが観たくなってしまい、帝劇へ。

いや~ アンコロさんが言ってたとおり、エリザベートの模範解答のような舞台でしたよ。 今日は後方ながら、どセンターだったので、この舞台の世界観のようなものがくっきり見えました。

ハプスブルグの紋章を模した翼の彫刻が施してある柱は傾き、彫像の首はもげていて、そこに横たわる3つの大きな棺の上で繰り広げられるエリザベートの物語。前も気になっていたんですが、トートダンサーズって、なんでみんな片翼なんだろう?トート閣下の両脇にふたりが立つと、まるで閣下に両翼があるようで素敵なんですけど。そこで、ちょっと調べてみたら、「片翼の天使」って、神に逆らってその不正を暴きだし、糾弾した正義の天使ルシファーがその罪によって片方の翼をもぎ取られ、忌み嫌われてやむなく冥界に身をおとしたことからきているんですね。つまり、片翼の天使って闇に堕ちた天使(悪魔の異名)ってことらしいです。だから黄泉の帝王のまわりでこきつかわれて(笑)いるんですね。

そして本日の黄泉の帝王、光り輝いていました もう、両翼広げて降臨したときからロック・オンなにこの神々しさまさに黄泉の帝王の貫禄 曲も以前よりもゆっくりとしたテンポで「この世のものではない」感がより強く醸し出されている感じ。妖しく美しい手の動き、その指先からはビーム出てるし、悪夢のシーンでは、何もしてないのに3段階くらいでずんずんずん!と大きくなったんんです!もちろん錯覚ですが、そう思わせてしまう超絶演技そしてオーラ

そしてルキーニ!センターから見ると、亡霊たち、女官たち、登場する人々の動きと見事にシンクロ。すべてをその手であやつっていることがはっきりとわかります。成河ルキーニおそるべし。特にグリュンネ伯爵とは懇意のようでwwバートイシュル行きの馬車の手配メモとか、マダムヴォルフの館の費用とか、さりげなく手渡ししてるの発見

お花様エリザベートも、もう完璧美しく したたかで、自分とパパ以外は全然好きじゃないエゴイスト。だけどほんとにめちゃくちゃきれい一幕最後の真っ白ドレスの神々しいこと その美貌、役にたつと思います。まじで。

もうひとつ気づきました。舞台の上の棺にしょっちゅう出てきて上がったり下がったりする、また、ときどき閣下が隠れて手をもにゃもにゃ伸ばしてるあの滑り台みたいな板は何?と思ったら、大きく飾り文字で「E」と書いてありました。つまりエリザベートの棺の蓋なんですね!やっとわかりました。ルドルフもダンサーズにあの中へ入れられてふたされてましたもんね。

平方フランツ皇帝陛下も、とっても誠実そうで、「国」という重しがなければもっとシシイと気持ちを通わせることができたんだろうになあと、お気の毒でなりませんでした

もう、本当に素敵すぎて何度も行きたくなっちゃいますが、このあたりで自分的千秋楽といたします。

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