「ねーねーゴッホ展いこ」
「そんならハプスブルグ展もいっちゃお!」
と、友人と話がまとまり上野へ。最近の上野の混雑ぶりは半端ないので、午前中の比較的空いている時間を狙いました。JR上野駅についたあたりからもう美術館を目指すらしい方々多数。
まずは西洋美術館ハプスブルグ展へ。時間が早いせいかすっと入場できました。音声ガイドは伝説のエリザベート花總まりさんと声優の梅原裕一郎さん。
さすが「日の沈むことのない帝国」ハプスブルグ家のコレクション皇帝の甲冑、角杯「グリフィンの鉤爪」、精緻なタペストリーに数々の王侯貴族の美しい肖像画や豪華絢爛な宮廷、装飾品がずらり。
あのベラスケスの王女の絵や宮廷画家渾身のマリア・テレジア、マリー・アントワネット、エリザベートの美しい肖像画などがずらり。
老年のフランツ・ヨーゼフ一世の青い軍服姿の肖像画、若いころの輝くようなエリザベートの肖像画に、ふたりの物語が浮かびました。
そして一族を襲った様々な悪夢も。
そして、私が一番惹かれたのは、ヤン・ブリューゲル(父)「堕罪のある楽園の風景」でした。
色とりどりの鳥や動物たちの奥にはアダムとイブが。動物たちがとても生き生きと描かれています。この絵の絵葉書が欲しかったのですが、売店には見つけられなくてちょっと残念
常設展も興味あったんですが、ゴッホ展が混まないうちにと急いで上野の森美術館へ移動。
こちらもまだ午前中だったせいかすっと入れました。いや、先ほど西洋美術館で見た豪華絢爛な世界とは180度の別世界。暗い背景色で庶民の生活を描いたハーグ派の作品からの展示。ゴッホはこのハーグ派から影響を受け、印象派へと歩みを進めていったそうです。ゴッホと言えば明るい色調と激しい筆使いというイメージでしたが、こうして彼に影響を与えた画家たちの作品を見ながら進んでいくと、変化がよくわかります。今まで見たこともなかった暗い背景に描かれた洋梨が、本当にこぼれおちるようにリアル。
そして、印象派に出会ってからの明るい色の爆発は本当に衝撃的。まさにトンネルを抜け出たような。作品には、弟で画商だったテオとの書簡が添えられていますが、ゴーギャンとの出会いや精神の崩壊などが生々しく描かれていました。こちらも音声ガイドでより深く知ることができました。最も有名な「ひまわり」や「包帯をしてパイプをくわえた自画像」などがなかったのがちょっと残念でしたが、「ひまわり」は来年3月開催のロンドン・ナショナル・ギャラリー展で見られそうです。
ランチはおなじみ韻松亭おいしかった
帰りに本屋さんでこんなの買いました。面白い!