股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

ゴジラxコング 新たなる帝国

2024年10月18日 13時32分50秒 | 映画評論カ行

製作年:2024年
製作国:アメリカ
日本公開:2024年4月26日
監督:アダム・ウィンガード
出演:レベッカ・ホール,ブライアン・タイリー・ヘンリー,ダン・スティーヴンス

映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』公式サイト

2024年10月16日(水)Blu-ray&DVD発売!世界中が大熱狂に包まれた、あの二大モンスターがスクリーンに帰還。

 


巨大生物の調査研究を行う未確認生物特務機関「モナーク」が、異常なシグナルを察知する。モナークが警戒を強める中、かつて激闘を繰り広げたゴジラとキングコングが現れ、再び戦いを繰り広げる。さらにゴジラとキングコングそれぞれがテリトリーにする地上世界と地下空洞の世界が交錯し、新たな脅威が出現する。
ゴジラとキングコングの二大怪獣が対決する『ゴジラvsコング』の続編。ゴジラとキングコングが再び激突したことで、それぞれがテリトリーにする地上世界と地下空洞の世界が交錯し、新たな脅威が出現する。監督のアダム・ウィンガード、アイリーン役のレベッカ・ホール、バーニー役のブライアン・タイリー・ヘンリー、ジア役のケイリー・ホトルら、前作のスタッフとキャストが顔をそろえるほか、『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』などのダン・スティーヴンスらが新たに出演する。

『ゴジラvsコング』の続編。髑髏島のバトルから数年。地球の地下に新たな世界が広がってくることが判明。2つの世界で繰り広げられる死闘。「ゴジラ-1.0」が日本風なら、本作は“ザ・ハリウッド”と言った感じの作り。怪獣同士のプロレスバトルは見応えありました。いやっ、ゴジラもコングも人間が中に入ってる!?ってくらいプロレス感がありました。歴史的建造物を気持ちいいくらい壊しまくって戦うゴジラやコング。どれくらい人間が死んでいるんだと思うけど、お構いなしに街を破壊し続ける展開は怪獣映画の醍醐味ですよね。ハチャメチャ怪獣映画を観たい人にはおススメ。けど、コングってこんなに人間味あったっけ?虫歯治療のために人間界に来るなんて(笑)
怪獣映画だから怪獣たちのバトルを見たいところですが、これがなかなか戦わない。人間パートの部分が長すぎるせいか映画が始まってゴジラやコングは登場するものの、本格的なバトルは上映開始から1時間半ほど経った頃。もはや人間パートは必要無いようにさえ感じてしまうほど邪魔。やっとバトルが始まったものの、スカ―キングの小物感が否めないし、モスラってあんな顔だったっけ!?
続編もありそうですが、怪獣たちのせいで街が破壊され続けたら地球はどうなってしまうのだろうか…

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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インフィニティ・プール

2024年10月13日 13時26分50秒 | 映画評論ア行

製作年:2023年
製作国:カナダ/クロアチア/ハンガリー
日本公開:2024年4月5日
監督:ブランドン・クローネンバーグ
出演:アレキサンダー・スカルスガルド,ミア・ゴス,クレオパトラ・コールマン

映画『インフィニティ・プール』公式サイト

映画『インフィニティ・プール』公式サイト

 


スランプ中の作家・ジェームズ(アレキサンダー・スカルスガルド)は、資産家の娘である妻・エムと共に高級リゾートを訪れる。バカンスを楽しむ中、彼の小説のファンだという女性・ガビ(ミア・ゴス)に声をかけられ、彼女とその夫と食事を共にする。会話が弾み親しくなった彼らは、観光客は立ち入らないよう警告されていた敷地外へドライブに出かけるが、そこで思いもしない悪夢に見舞われる。
『ポゼッサー』などのブランドン・クローネンバーグ監督によるスリラー。スランプから抜け出そうと高級リゾートを訪れた作家が、思いも寄らぬ事態に巻き込まれていく。主人公を『ノースマン 導かれし復讐者』などのアレキサンダー・スカルスガルド、彼を奇妙な世界へいざなう女性を『Pearl パール』などのミア・ゴスが演じるほか、クレオパトラ・コールマン、トーマス・クレッチマン、ジャリル・レスペールらが出演する。

ミア・ゴス姐さん目当てで鑑賞。高級リゾートを訪れた夫婦が、声をかけてきた女性に誘われたことで思いもよらぬ事態に巻き込まれていくスリラーでR-18指定。まぁグロいっちゃグロいし、エロいっちゃエロイ。やはりミア・ゴス姐さんは凄かった。官能的でもあり狂気的でもある怪演。
どこまでが現実で、どこからが幻想か分からない、まさにインフィニティプールな世界。1人の男が足を踏み入れてはいけない世界へと堕ちていく姿がとても面白かったです。自分の妻や、相手に夫がいるのに、ジェームズとガビの距離が徐々に縮まっていくのが理解不能ではあるけれど、それがまた見ていて面白い。
犯罪を犯して死刑宣告されても観光客は大金を払えば自分のクローンが身代わりになってくれるという法律がある架空の島が舞台。自分は本物?いや、もしかしたらクローンかもしれない…。クローンで解決できる、お金で解決できる世界が本当にあったら見てみたい。しかしクローンという面白いテーマではあったけど、そこはあまり掘り下げることもなく。サイケデリックな映像でごまかされた感もある。後半にいくにつれて失速気味になってしまったのは惜しいところですが、後半のミア・ゴス姐さんの狂気っぷりは最高です。気色悪い、グロい、エロい雰囲気の映画でしたが、もう少しスッキリした終わり方にしてほしかったところ。結局、ジェームズは一瞬の快楽と幸福を手に入れただけということか…。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー

2024年10月12日 10時24分03秒 | 映画評論カ行

製作年:2024年
製作国:アメリカ
日本公開:2024年3月29日
監督:ギル・キーナン
出演:ポール・ラッド,キャリー・クーン,フィン・ウォルフハード

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー | ソニー・ピクチャーズ公式

※この作品には激しい光の点滅を伴うシーンが含まれています。太陽が降り注ぐ真夏のニューヨーク。謎の男によって街角のオカルト鑑定店へ持ち込まれた、先祖代々伝わるという...

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー | ソニー・ピクチャーズ公式

 


猛暑に見舞われた真夏のニューヨークで、多くの人々がビーチでの海水浴を楽しんでいた。そんな中、巨大な氷柱が突然海の向こうから出現し、ニューヨークの街はあっという間に氷で覆われてしまう。ゴーストバスターズとして市民を守るスペングラー家が、街を一瞬で凍らせるデス・チルのパワーを持つ最強のゴーストに挑む。
幽霊退治に挑む科学者たちの姿を描くSFコメディー『ゴーストバスターズ』シリーズの第4弾。真夏のニューヨークを舞台に、瞬く間に全てを凍らせるゴーストと人間の戦いを描く。監督は、前作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』で脚本などを担当したギル・キーナン。ポール・ラッド、キャリー・クーン、フィン・ウォルフハード、マッケナ・グレイスらが『ゴーストバスターズ/アフターライフ』から続投するほか、ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソンらオリジナルキャストも出演している。


幽霊対峙に挑む科学者たちを描いた人気シリーズ最新作。「デイ・アフター・トゥモロー」並に世界を凍らせるゴーストとの死闘を描く本作。前作の続編ですが、正直言ってやっている事は前作と一緒。つまらなくはないが新鮮味はありませんでした。フィービーの成長物語は良かったけど、フィービーと幽霊の友情をもっと深く描いてくれたらより楽しめたと思います。
新旧のゴーストバスターズが一致団結するものの、まぁそうなるよねって展開。最強のゴーストとは言ったものの、そんなに強いか?ビジュアル弱くないか?と思ってしまった。何も考えずに観る分には楽しめるかなと思います。海の向こう側から氷柱がグサグサ出てきたらどれくらいの人が刺殺されたんだろうって要らぬ心配をしてしまった。
前作「アフターライフ」ほどのドキドキハラハラ感が無かったのが残念でした。でも最後にあの曲が流れるとやっぱりテンションあがる(笑)

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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シビル・ウォー アメリカ最後の日

2024年10月09日 15時37分53秒 | 映画評論サ行

製作年:2024年
製作国:アメリカ
日本公開:2024年10月4日
監督:アレックス・ガーランド
出演:キルステン・ダンスト,ワグネル・モウラ,ケイリー・スピーニー

映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』|大ヒット上映中

全米初登場1位!A24史上最大規模の制作費&オープニング最高記録を樹立した、現代のアポカリプス。2024年、戦慄とともに、世界の終焉を目撃する。

映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』|大ヒット上映中

 


近未来のアメリカ。19の州が連邦政府から離脱する中、国内では大規模な分断が進み、カリフォルニア州とテキサス州が同盟を結んだ「西部勢力」と「政府軍」による内戦へと突入する。戦場カメラマンのリーをはじめとする4人のジャーナリストチームは、戦場と化した道をニューヨークから1,000キロメートル以上も走り続け、大統領が立てこもるホワイトハウスがある首都・ワシントンD.C.へと向かう。
近未来のアメリカを舞台に、分断された国内で内戦が勃発するさまを描くスリラー。多くの州が連邦政府から離脱し、内戦状態に陥る中、ある戦場カメラマンたちがワシントンD.C.を目指す。監督などを手掛けるのは『MEN 同じ顔の男たち』などのアレックス・ガーランド。『アップサイドダウン 重力の恋人』などのキルステン・ダンスト、『セルジオ:世界を救うために戦った男』などのワグネル・モウラのほか、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ケイリー・スピーニーらがキャストに名を連ねる。

もしもアメリカで内戦が起きたら…ドキュメンタリータッチで描かれている本作。「翔んで埼玉」のアメリカ版といえばいいのか?いやっ「翔んで埼玉」と比べたら失礼なくらい過激な映像の連続。最悪のロードムービー。いわゆる戦争映画とはまた違った戦争映画。
冒頭から始まる戦争シーン。何故こんなことになってしまったのかという事よりも、戦場カメラマン4人が撮る写真の数々を我々に見せ続ける展開。この映像や写真が妙にリアルで恐怖すら感じさせる。いつ撃たれるか分からない緊迫した雰囲気の中で、「西部勢力」と「政府軍」の内戦はさらに過激になっていきます。赤メガネの戦闘員が怖すぎた。「どんなアメリカ人だ?」という質問が恐ろしい。死体の前で笑って写真が撮れる神経が理解できない…。何故こんな世界になってしまったのか追求してしまうと、やはり物足りないというか説明不足も感じられる。でも、これがいま世界で起きている現実だと思うと改めて考えさせられる作品でもありました。本当にいつ起きてもおかしくない内戦。日本って平和だと再認識させられる。

こういうメッセージ性の強い作品を公開してくれるA24が大好きです。

赤メガネの戦闘員役のジェシー・プレモンスがキルスティン・ダンストの夫だと知って驚きました。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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パスト ライブス/再会

2024年10月07日 14時27分44秒 | 映画評論ハ行

製作年:2023年
製作国:アメリカ・韓国
日本公開:2024年4月5日
監督:セリーヌ・ソン
出演:グレタ・リー,ユ・テオ,ジョン・マガロ

映画『パスト ライブス/再会』|2024年4月公開

映画『パスト ライブス/再会』公式サイト

映画『パスト ライブス/再会』公式サイト

 


ソウルに暮らす12歳のノラとヘソンはお互いに惹かれ合っていたが、ノラが海外に移住したことで離れ離れになる。12年後、ニューヨークとソウルでそれぞれの道を歩んでいた二人は、オンライン上で再会してお互いへの思いが変わっていないことを確かめ合うが、すれ違いも起こしてしまう。さらに12年が経ち、36歳になったノラ(グレタ・リー)は作家のアーサーと結婚していたが、ヘソン(ユ・テオ)はそれを知りながらも彼女に会うためにニューヨークへ向かう。
離れ離れになっていた幼なじみの男女が、24年間のすれ違いを経てニューヨークで再会を果たすドラマ。監督はセリーヌ・ソン。『ミッシング・ガール』などのグレタ・リー、『LETO -レト-』などのユ・テオ、『ファースト・カウ』などのジョン・マガロらが出演する。ベルリン国際映画祭やゴールデン・グローブ賞などにノミネートされた。

12歳の初恋から、24年後に再会する男女の物語。第96回アカデミー賞では作品賞と脚本賞にノミネート。A24製作ってだけで観たくなる。
12歳で両想いになった男女が、時を超えて再会を果たす大人のラブストーリー。あの時ああしておけば…あの人と結ばれていたら…恋愛経験がある人なら誰だって一度は考えることがあるだろう。でも家庭の事情、仕事、野心…人生には様々な事が起きる。若い時のままの気持ちで、好きな事だけしてればいいってわけじゃない。
自分に正直になって行動するヘヨン。素敵!と思いたいところだけど36歳になっても初恋相手を追いかける男ってどうよ?Facebookで彼女を探し出したり、夫がいると知りながらもNYに会いに行ったり。ヘヨンはノラと結ばれるチャンスはあったはずなのに、ここぞっていう時に行動しないヘヨン。ノラの旦那アーサーが不憫に見えて仕方なかった。理解できないであろう韓国語で、妻が初恋相手と隣でキャッキャしながら話してるのは、自分が旦那だったら苦しくて仕方ない。ノラだって初恋の相手と連日会うっていうのは、どうかなと思ってしまった。ヘヨンと別れた後ににアーサーの前で泣くって、アーサーの立場はどうなのよ。
NYの映像の美しさ、物語の雰囲気は好きだけど、登場人物たちに共感できなかったのが残念でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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毒親<ドクチン>

2024年10月06日 13時07分33秒 | 映画評論タ行

製作年:2022年
製作国:韓国
日本公開:2024年4月6日
監督:キム・スイン
出演:チャン・ソヒ,カン・アンナ,チェ・ソユン,ユン・ジュンウォン

成績優秀な女子高生・ユリ(カン・アンナ)と、彼女を溺愛する母親・ヘヨン(チャン・ソヒ)。二人は周囲から理想の母娘と見られていたが、ユリは母の過剰な教育熱と執着に長年苦しんでいた。ある模擬試験の当日、登校しないまま姿を消したユリの遺体が見つかる。捜査に当たる警察は自殺の可能性が高いとみていたが、ヘヨンは頑なに認めようとしないばかりか、担当教員・ギボムがユリを呼び出していたことを知るや、ギボムを告訴する。捜査が進むにつれ、ヘヨンのゆがんだ母性愛が浮き彫りになる。
わが子に過剰なほどの愛情を注ぐ母親と、母親の過干渉に苦しむ娘の関係を描くミステリー。優等生の女子高生が遺体となって発見された事件を巡り、衝撃的な事実が明らかになる。メガホンを取ったのは『覗き屋』の脚本などに携わってきたキム・スイン。ゆがんだ母性愛で娘を支配する母親を『秘密のオブジェクト』などのチャン・ソヒ、娘をカン・アンナが演じるほか、チェ・ソユン、ユン・ジュンウォン、オ・テギョン、チョ・ヒョンギュンらが共演する。

母親と、母親からの過干渉に苦しむ娘の関係を描いたミステリー。まさに“毒親”を描いた本作。娘が何故自殺したのか?他殺なのか?真相が徐々に明らかになっていく展開と、母親と娘の関係性が明らかになっていく過程が見応えありました。学歴社会の韓国だからこその風潮もあると思う。
「与えた愛を相手も愛として受けとめる、そう信じる傲慢さ」

「愛を受けた人間は必ず幸せだと信じる偏見」

親子関係に限らず、社会で生きていると、こういう事って誰にでも起きる事な気がする。“あなたのためにやってあげてる”ことが相手にとっては迷惑なこともある。愛と憎しみは紙一重か。劇中での台詞がグサグサと刺さりました。ヘヨンも毒親、担任教師の親も毒親。子は親を選べないのだから、ユリの決断は悲しく切なかったです。ユリは本当はとても良い子。ラストシーンの言葉が印象的でした。お母さんのお母さんになりたいと言える子は本当に優しい子だ。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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告白 コンフェッション

2024年10月02日 15時11分48秒 | 映画評論カ行

製作年:2024年
製作国:日本
日本公開:2024年5月31日
監督:山下敦弘
出演:生田斗真,ヤン・イクチュン,奈緒

映画『告白 コンフェッション』公式サイト

原作「カイジ」福本伸行×「沈黙の戦艦」かわぐちかいじ 主演『土竜の唄』シリーズ 生田斗真×『あゝ、荒野』ヤン・イクチュン 黄金タッグが放つ絶体絶命密室エンタテインメ...

映画『告白 コンフェッション』公式サイト

 


大学の山岳部OBで親友同士の浅井啓介(生田斗真)とリュウ・ジヨン(ヤン・イクチュン)は、登山中に猛吹雪に見舞われ遭難する。大けがをして死を覚悟したジヨンは、かつて登山中に行方不明となり、事故死とされた同級生・西田さゆりは自分が殺害したのだと告白。長年抱えてきた罪の意識から解放されるジヨンだったが、その直後、事態は急転して二人は一命を取り留める。山小屋で救助隊が来るのを待つ間、二人の間には不穏な空気が流れ始める。
『カイジ』などの福本伸行と、『沈黙の艦隊』などのかわぐちかいじによるサスペンスコミックを実写映画化。雪山で遭難した親友同士が、一方の告白をきっかけに極限状態に追い込まれる。『苦役列車』などの山下敦弘が監督、ドラマ「神の手」などの幸修司と、山下監督作『オーバー・フェンス』などの高田亮が脚本を担当。親友の告白を聞いてしまった男を『渇水』などの生田斗真、自らの罪を打ち明けた男を『息もできない』などのヤン・イクチュンが演じる。

映画にしては珍しい上映時間74分。世にも奇妙な物語の傑作「雪山」を思い出させるような雰囲気。というか世にも奇妙な物語でありそうな話でした。
殺人を告白してしまった男と、告白を聞いてしまった男。極限状態で繰り広げられる密室サスペンス。ワンシュチュエーション・登場人物ほぼ2人。74分の中で上手くまとまっている印象。サスペンスだけどホラー要素が強め。逃げ場のない山小屋で、隠されていたことが徐々に明らかになっていく展開はハラハラドキドキでした。女性を含めて3人の関係性をもう少し描いてくれたらよかったけど上映時間74分ならば仕方ない。メインは啓介とジヨンの鬼ごっこバトルですから。二転三転する話も楽しめました。
極限状態だからといって、何でもかんでも告白するもんじゃないなと学びました。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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落下の解剖学

2024年10月01日 13時46分19秒 | 映画評論ヤラワ行

製作年:2023年
製作国:フランス
日本公開:2024年2月23日
監督:ジュスティーヌ・トリエ
出演:ザンドラ・ヒュラー,スワン・アルロー,ミロ・マシャド・グラネール

映画『落下の解剖学』公式サイト

これは事故か、自殺か、殺人かー。 映画『落下の解剖学』2024.2.23(金・祝)劇場公開

映画『落下の解剖学』公式サイト

 


ベストセラー作家のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)は、夫と視覚障害のある11歳の息子(ミロ・マシャド・グラネール)と人里離れた雪山の山荘で過ごしていたが、あるとき息子の悲鳴を聞く。血を流して倒れる夫と取り乱す息子を発見したサンドラは救助を要請するが、夫は死亡。ところが唯一現場にいたことや、前日に夫とけんかをしていたことなどから、サンドラは夫殺害の容疑で法廷に立たされることとなり、証人として息子が召喚される。
第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したサスペンス。夫が不審な転落死を遂げ、彼を殺害した容疑で法廷に立たされた妻の言葉が、夫婦の秘密やうそを浮かび上がらせる。メガホンを取るのは『ヴィクトリア』などのジュスティーヌ・トリエ。『愛欲のセラピー』でもトリエ監督と組んだザンドラ・ヒュラー、『あなたが欲しいのはわたしだけ』などのスワン・アルローのほか、ミロ・マシャド・グラネール、アントワーヌ・レナルツらが出演する。

不審な転落死を遂げた夫、夫の殺害の疑われる妻の物語。第96回アカデミー賞脚本賞を受賞した本作。事故か、自殺か、他殺か…ほぼ全編が法廷劇になっています。外から見たら普通の家族に見えても、家族間では不平不満が渦巻いている。妻の証言、息子の証言、検察の仮説、夫の録音テープ…徐々に明らかになっていく真相が恐ろしくもあり面白くもありました。サンドラの意外な人格が見え隠れする裁判シーンは、サンドラの作戦だったのかと思うと、これもまた恐ろしい。長期的に裁判をしたところで真実を知っているのは当事者だけ。息子くんがずっと苦しみ続けていたのが可哀相でした。淡々とした法廷劇が続くのでちょっと退屈でもある。
真実は明らかにならないまま…。あなたはどう思うか?何が正解だと思うか?と観客に答えを委ねる展開。事故、自殺、他殺…どれも当てはまりそうだから観終わって考えても分かりません。個人的にはモヤモヤが残るところ。サンドラの本心が気になり過ぎる!親子の絆だけは回復できたから良かったのかな?犬だけは本当のことを知っていそう(笑)

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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不都合な記憶

2024年09月28日 22時52分57秒 | 映画評論ハ行

製作年:2024年
製作国:日本
日本公開:2024年9月27日
監督:石川慶
出演:伊藤英明,新木優子

2200年、科学技術の発展によって人類の宇宙移住が可能になっていた。科学者のナオキ(伊藤英明)とその妻・マユミ(新木優子)は、宇宙に浮かぶ居住地に暮らし、ナオキは自身の研究、マユミは趣味の陶芸に没頭し、優雅なダイニングで音楽や食事を楽しむ日々を送っていた。誰もがうらやむ生活を送る夫婦だったが、ナオキはマユミをアンドロイド化しており、自分を愛してくれていたころのマユミを求め、理想の姿が完成するまでアンドロイド化するということを繰り返していた。
アンドロイドの女性とその夫のゆがんだ愛を描くサスペンスロマンス。宇宙に浮かぶ居住地を舞台に、妻をアンドロイドにした科学者が彼女を理想の妻に仕立てていく。メガホンを取るのは『ある男』などの石川慶。『KAPPEI カッペイ』などの伊藤英明、『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』などの新木優子らが出演する。

アンドロイドの妻と、その夫のゆがんだ愛を描いたサスペンス作品。日本映画だけど配給はアメリカのAmazon MGMスタジオ。そのおかげか、映像が邦画の域を飛び越えて、人気SFシリーズ映画並みの映像美に仕上がっています。さすがハリウッド!お金持ってる!日本映画も今後はこれくらいのレベルの映像で楽しませてほしい。
さて、肝心の内容。完璧なアンドロイド・ワイフを追い求める夫の執着心というか完璧主義の性格が怖かったです。完璧な人間はいないけど、それでも完璧を求めてしまう人間もいるんだなと思いました。夫役を演じた伊藤英明は「悪の教典」のサイコパス教師を思い出させます。テーマとして面白いのですが、登場人物がほぼ2人。もう少し見せ場や展開が欲しかった。2時間の映画だけど頑張れば30分くらいの短編映画に出来そうな内容。宇宙空間なら普通は扉が開いたら体がもっていかれそうな気もするし、マユミが力づくでロックされたドアを開けたりと、設定が雑な部分も気になりました。これなら部隊が宇宙である必要があったのかなかったのか…。ラストもスッキリしなかったなぁ。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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陰陽師0

2024年09月26日 14時05分18秒 | 映画評論ア行

製作年:2024年
製作国:日本
日本公開:2024年4月19日
監督:佐藤嗣麻子
出演:山崎賢人,染谷将太,奈緒,安藤政信,村上虹郎,國村隼,北村一輝,小林薫

映画『陰陽師0』公式サイト。7月31日(水)デジタル先行配信 9月4日(水)ブルーレイ&DVDリリース!

7月31日(水)デジタル先行配信 9月4日(水)ブルーレイ&DVDリリース!実在した《最強の呪術師》安倍晴明。呪術は、ここから始まる―。原作・夢枕獏 #陰陽師0

ワーナー・ブラザース映画

 


平安時代、呪いやたたりから都を守る陰陽師の省庁であるとともに彼らを育成する学校でもある「陰陽寮」が政治の中心にあった。安倍晴明(山崎賢人)は、呪術の天才と呼ばれる存在でありながら、陰陽師になる意欲や興味がない変わり者としても知られている。ある日晴明は、貴族の源博雅(染谷将太)から徽子女王(奈緒)を襲う怪奇現象の調査を頼まれる。晴明と博雅がぶつかり合いながら調査を進める中、ある学生の変死をきっかけに、平安京を揺るがす巨大な陰謀と呪いの存在が浮かび上がる。
呪いやたたりから都を守る陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた夢枕獏の小説「陰陽師」シリーズを原作にした時代劇。若き日の安倍晴明が、貴族から怪現象の解決を依頼されたことをきっかけに、平安京を脅かす巨大な陰謀と呪いに挑む。監督は『アンフェア』シリーズなどの佐藤嗣麻子。『キングダム』シリーズなどの山崎賢人、『聖☆おにいさん』シリーズなどの染谷将太、『僕の好きな女の子』などの奈緒のほか、安藤政信、村上虹郎、國村隼らが出演する。

自分の世代からすると「陰陽師」と言えば野村萬斎、伊藤英明、今井絵理子なんです。当時はレンタルビデオ屋でVHSをレンタルした思い出が懐かしい。
呪術の天才と呼ばれた学生(がくしょう)時代の安倍晴明が平安京を揺るがす巨大な陰謀に立ち向かう物語。呪術というかファンタジーアクションと言ったところでしょうか。CG全開で凄い映像でした。映像の美しさは良かった。イケメン山崎賢人が安倍晴明だったら、まぁモテるでしょうね。ストーリー的には犯人探しであったり、信仰心や欲望、執着心、疑心暗鬼がいかに人間の弱さや醜さを露呈させるかを描いていて楽しめました。欲を持たない人間こそが最後に幸せを手に入れるのかもしれない。
ただ、ファンタジー要素が強めな場面があったせいか、いまいち分かりづらい部分があったのが惜しい。理解できるようで理解できない。清明や徽子女王の家族の描写も入れたほうが感情移入できた気がします。
「キングダム」の山崎賢人を見ているかせいか、本作のアクションシーンは地味に見えました。
興行収入は10億円超えたけど続編あるのかなぁ?

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映画 マイホームヒーロー

2024年09月25日 19時54分41秒 | 映画評論マ行

製作年:2024年
製作国:日本
日本公開:2024年3月8日
監督:青山貴洋
出演:佐々木蔵之介,齋藤飛鳥,高橋恭平,宮世琉弥,津田健次郎,木村多江

『映画 マイホームヒーロー』公式サイト

2024.9.6 Blu-ray&DVD発売!大ピンチが止まらない―ノンストップファミリーサスペンス映画化!

 


娘に危害を加えようとした恋人を殺害し、彼が所属していた犯罪組織との攻防を何とか切り抜けたサラリーマン・鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)。7年後、山中に埋めたはずの死体が土砂崩れによって発見され、警察官となった娘・零花(齋藤飛鳥)は、恋人を殺したのが父・哲雄ではないかと疑念を抱く。一方、死体とともに消えた10億円の行方を追う組織のボス・志野寛治(津田健次郎)は、再び哲雄に狙いをつける。さらに、かつて哲雄の策略によりぬれぎぬを着せられ、逃亡生活を送っていた間島恭一(高橋恭平)が姿を現す。
娘の恋人を殺してしまった男が家族を守るために奮闘する、山川直輝と朝基まさしによる漫画を原作にしたドラマの完結編となる劇場版。ドラマ最終話から7年後を舞台に、愛する家族のために罪を隠し通した父親に降りかかる新たな危機を描く。ドラマ版に続き監督を青山貴洋、脚本を船橋勧が担当。主演の佐々木蔵之介をはじめ、齋藤飛鳥、高橋恭平、音尾琢真、木村多江らが続投するほか、声優としても活動する津田健次郎、『渇水』などの宮世琉弥、お笑いコンビ「インパルス」の板倉俊之らが新たに出演する。


観終わって調べてから気付いた。漫画もドラマ版もあったのか!だから冒頭シーンがダイジェストになってたのか!「なんで重要なところがダイジェストなんだよ」とイラっとしたけど、観てない自分が悪いってことか。
主人公の哲雄が7年前に埋めた死体が発見されたことで、家族が危険に巻き込まれる物語。美男美女がたくさん出てくるし、津田健次郎のイケボに酔いしれたりもするが、まとまりが無いというか後半にいくにつれて飽きてくる展開でした。サスペンスものなのにコメディ要素がちょいちょい入ってきたり、ご都合主義な場面も幾つかあったり。アクションシーンもあまり緊張感が無い。哲雄も組織側の人間も、さっさと殺せばいいのに変な間を作っているのが引っかかる。終わり方は好きだけど、最初から最後まで駆け足になってしまったのが残念。漫画やドラマでじっくり見る内容でした。

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碁盤斬り

2024年09月22日 23時36分57秒 | 映画評論カ行

製作年:2024年
製作国:日本
日本公開:2024年5月17日
監督:白石和彌
出演:草なぎ剛,清原果耶,中川大志,市村正親,斎藤工,小泉今日子,國村隼

映画『碁盤斬り』公式サイト

草彅剛『ミッドナイトスワン』×白石和彌『孤狼の血』 囲碁を武器に武士の誇りを賭けた《復讐》を描く、感動のリベンジエンタテイメント!

映画『碁盤斬り』公式サイト

 


いわれのない嫌疑をかけられて藩を離れ、亡き妻の忘れ形見である一人娘・お絹(清原果耶)と共に貧乏長屋で暮らす浪人・柳田格之進(草なぎ剛)。落ちぶれても武士の誇りを捨てず、趣味の囲碁にもその実直な人柄が表れており、うそ偽りない勝負を心掛けていた。しかし、あるきっかけから隠されていた真実が明らかになり、格之進は娘のために命懸けの復讐を誓う。
『ミッドナイトスワン』などの草なぎ剛と、『孤狼の血』シリーズなどの白石和彌監督が組んだ時代劇。古典落語をモチーフに、冤罪事件によって藩を追われた男の、父として、さらに武士としての誇りをかけた復讐を描く。脚本は白石監督作『凪待ち』などの加藤正人が担当。草なぎふんする浪人の娘を『1秒先の彼』などの清原果耶が演じ、『虹色デイズ』などの中川大志、『死体の人』などの奥野瑛太のほか、斎藤工、小泉今日子、國村隼らが出演する。

時代劇はあまり観ないし、原作の古典落語も知らないのですが、本作はとても観やすい時代劇でした。草彅剛の演技力の高さは今更言うまでもない。静かで優しさに満ちた面と、復讐に燃える面。2つの顔を使い分けた演技は見事でした。主人公の格之進が葛藤しながらも、命懸けの復讐する展開は見応えがありました。時代劇の見どころの一つである殺陣のシーンが少々あっさりというか、物足りなさを感じてしまったのが惜しいところ。最後まで飽きずに観れましたが、気になるところも幾つか…。萬屋の旦那さんが銭を置いた場所を思い出せない件。跡取りの弥吉が得た情報を全然周りにホウ・レン・ソウしない件。自分の父親を盗人扱いした弥吉と結婚する娘・お絹の心情がちょっと理解できない件。
囲碁の知識があったらもっと楽しめたかもしれませんが、時代劇の面白さを感じさせる作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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あんのこと

2024年09月19日 13時06分06秒 | 映画評論ア行

製作年:2023年
製作国:日本
日本公開:2024年6月7日
監督:入江悠
出演:河合優実,佐藤二朗,稲垣吾郎,河井青葉,広岡由里子,早見あかり

映画『あんのこと』公式サイト|2024年6月7日(金)全国公開

「少女の壮絶な人生を綴った新聞記事」を基に描く、衝撃の人間ドラマ 映画『あんのこと』 河合優実 佐藤二朗 稲垣吾郎 監督・脚本:入江悠 6月7日(金)全国公開

 


ホステスの母親、足が不自由な祖母と暮らす香川杏(河合優実)は幼いころから虐待を受けて育ち、若くして売春に手を染め、さらに違法薬物の常習者になってしまう。ある日人情深い刑事・多々羅(佐藤二朗)に補導されたことをきっかけに、更生の道を歩み出す。さらに多々羅の友人である記者・桐野(稲垣吾郎)らの助けを借りながら、杏は新たな仕事や住まいを探し始める。そうしてかすかな希望をつかみかけた矢先、世界的パンデミックによって事態が一変する。
『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの入江悠監督が、世界的パンデミックが起きた2020年のある日の新聞記事に着想を得て撮り上げた人間ドラマ。機能不全の家庭に育ちすさんだ生活を送る少女が、ある出会いをきっかけに生きる希望を見いだそうとする中、非情な現実に翻弄される。どん底の境遇から抜け出そうともがく主人公を『少女は卒業しない』などの河合優実が演じ、共演には『さがす』などの佐藤二朗、『正欲』などの稲垣吾郎らが名を連ねる。

すさんだ生活を送る少女と、その周りの大人たちの物語。
貧困、介護、毒親、新型コロナウイルス、覚せい剤、性加害…現代社会が抱える様々な問題が描かれている本作。あんに次々と降りかかる出来事。こんなにも不幸な人間がいるのか?と思う一方で、数年前のコロナ禍の自粛ムードの中で、様々なことを我慢したり、諦めたり、犠牲にした人間は一定数いるのだろうと感じました。多かれ少なかれ、自分もその中の1人。
とにかく重くて辛い映画。あんが悪いわけではなく、周りの無責任な大人たちが悪いのは明白。大人のせいで犠牲になる子供達。大人たちの勝手な感情のままに事が進んでしまう現実に悲しくなりました。普通の生活を送りたいだけなのに、それが出来ない辛さ。万引きを思いとどまって、勉強して、子育てをして、純粋で真面目なのに幸せになれないあんが、見ていて可哀相で仕方なかった。あんが最後に決めた選択は絶望ではなく希望だったのかも…と感じてしまいました。
いま注目の女優・河合優実の演技力の高さ、魅力を感じられた作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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52ヘルツのクジラたち

2024年09月16日 19時37分37秒 | 映画評論カ行

製作年:2024年
製作国:日本
日本公開:2024年3月1日
監督:成島出
出演:杉咲花,志尊淳,宮沢氷魚,小野花梨,桑名桃李,西野七瀬,余貴美子

映画『52ヘルツのクジラたち』公式サイト

2021年本屋大賞受賞 圧巻の傑作ベストセラー小説 待望の映画化

映画『52ヘルツのクジラたち』公式サイト

 


東京から海辺の町の一軒家へ越した貴瑚(杉咲花)は、家族からの虐待を受けて声を出せなくなった、ムシ(桑名桃李)と呼ばれる少年と出会う。自身も家族に虐待されていた過去を持つ貴瑚は、彼を放っておくことができずに一緒に暮らし始める。貴瑚と平穏な日々を送るうちに、夢も未来もなかったムシにある願いが芽生えていく。それをかなえようと動き出した貴瑚は、かつて虐待を受けていた自分が発していた、声なきSOSを察知して救い出してくれた安吾(志尊淳)との日々を思い出す。
町田そのこの小説を、『銀河鉄道の父』などの成島出が監督を務め映画化したドラマ。家族に虐待された過去を引きずる女性が、かつての自分と同じような環境にいる少年と交流する。『市子』などの杉咲花、『さんかく窓の外側は夜』などの志尊淳、『はざまに生きる、春』などの宮沢氷魚のほか、小野花梨、桑名桃李、余貴美子らが出演する。

杉咲花の迫真の演技が本作でも際立っていました。不幸な女性を演じさせたら杉咲花の右に出るものはない気がする。
52ヘルツの鯨の鳴き声とは、52ヘルツの鳴き声が高すぎて他の鯨には聴こえないそうで、孤独な鯨と言われているらしい…。誰にも聞こえない、届かないはずの声が聞こえた。ムシの声が聞こえた貴瑚、貴瑚の声が聞こえた安吾。本当に聞こえない時もあれば、聞こえるのに聞こうとしない人間もいる。52ヘルツの声が聞こえる人間でありたい。虐待、ヤングケアラー、孤独、DV、セクシャリティなど、色々なテーマが詰まっていて、話が進むにつれてどんどん気持ちが重くなっていく内容でした。社会的弱者が目の前にいたら…自分が救うことができるだろうか、良い言葉が出てくるだろうか。そんな事を考えながら観ていました。貴瑚は見ていて可哀相で仕方なかった。彼女が悪いわけではなく、出会った人間に恵まれなかったのだろう。そして安吾の声が誰かに届いて欲しかった。世の中には繊細な人がたくさんいるし、1人では生きていけない。キコの強さと、アンの優しさが世の中に溢れて欲しいし、人間の強さや弱さを感じられた良質な作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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貴公子

2024年09月11日 13時41分40秒 | 映画評論カ行

製作年:2023年
製作国:韓国
日本公開:2024年4月12日
監督:パク・フンジョン
出演:キム・ソンホ,カン・テジュ,キム・ガンウ

映画『貴公子』公式サイト

映画『貴公子』公式サイト

 


フィリピンで病気の母と暮らすマルコ(カン・テジュ)は、アンダーグラウンドのボクサーとして日銭を稼いでいた。ある日、父の使いを名乗る男が現れ、一度も会ったことのない韓国人の父が自分を捜していることを知る。韓国へ向かう飛行機の中で、彼は自らを友達と呼ぶ見知らぬ男・貴公子(キム・ソンホ)と出会う。薄気味悪さを感じて逃げ出すマルコだったが、どこまでも執拗に追いかけてくる貴公子の狂気に追い詰められていく。
巨額の遺産を巡って繰り広げられる壮絶な攻防戦を描くアクションノワール。監督・脚本を務めたのは『THE WITCH/魔女』シリーズなどのパク・フンジョン。周囲を翻弄(ほんろう)する謎の男・貴公子をドラマ「海街チャチャチャ」などのキム・ソンホ、予想もしなかった事態に巻き込まれる青年をドラマ「こんにちは? 私だよ!」などのカン・テジュが演じ、『死体が消えた夜』などのキム・ガンウ、『朝鮮魔術師』などのコ・アラらが共演する。

タイトルからは想像できないようなアクションシーン満載のアクションノワールでした。男・貴公子が何者なのか、目的は何なのかも分からないまま、主人公のマルコを執拗に追いかける不気味さ。狙った獲物は絶対に逃さない怖さ。どんな状況でも慌てない余裕さ。そりゃあ機内でいきなり横に立たれて「友達だよ」なんて言われたら逃げるわ!でもたまに見せる人間味あるキャラが良い。貴公子役のキム・ソンホがカッコいい。
最後までスピード感のあるアクションシーンが続いていて楽しめました。マルコが最後まで可哀相だったのが気になった。マルコもボクサーならもう少しアクション見せてほしかった。そして義理の妹ちゃんがもう少し暴走してくれたら面白かったかも。
続編があるなら観たい!

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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