軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

「軌道エレベーターの日」記念プレゼント

2010-07-15 18:42:00 | その他の雑記
 7月31日の「軌道エレベーターの日」にちなんで今月を強化月間としているわけですが、ご覧の皆様に記念のプレゼントを実施したいと思います。
 果たして個人ブログ上でプレゼントキャンペーンなんて成り立つのか自信がないのですが、用意するプレゼントは

 (1)「軌道エレベーター」(早川書房)1名
 (2)「宇宙エレベーター -宇宙旅行を可能にする新技術-」(オーム社)1名
 (3)「軌道エレベーターポケットブック」10名くらい


 ──です。(2)は「宇宙─」なんですが、執筆に協力させていただいたご縁もあり、PRも兼ねてお贈りしたいと思います。問題は(3)。コレ、画面左上の「宇宙エレベーターポケットブック」ではありません。しかもまだ未完成なんです。
 もともと、「宇宙」のポケブは、宇宙エレベーター協会(JSEA)の活動の一環で私が私費で制作したもので、権利は全部私にあり、増刷などの判断は(印刷・製本代出すのも)私の一存で決まります。
 初刊から1年と8か月。この「宇宙」ポケブはこれまで6000部作ったのですが、ほぼ在庫切れとなり、増刷するどうか判断する時期にきていました。一方で、この「軌道エレベーター派」を立ち上げたこともあり、これを機に「宇宙」の方は絶版にし、「軌道/宇宙エレベーターポケットブック」として若干の加筆・訂正の上で作り直すつもりです(有料にするかどうかは思案中)。そのパイロット版として、マイナーチェンジの非売品で、「宇宙」の入らない「軌道エレベーターポケットブック」を若干数制作してみようと考えており、そのうち10部をプレゼントに回そうというわけです。
 説明が長くなりましたが、コレ今制作途中でして、完成次第、当選者にお贈りします。1~2か月くらいはお待たせすることをご覚悟ください。。。と、まるでiPhone4の入荷状況(まだ来ないよう)みたいな言い草ですが、それでよろしければ、ご応募お待ちしております。

応募方法は以下の通り。
 必ずタイトルを「軌道エレベーターの日プレゼント希望」とした上で、ご希望の品と、このサイト上で公開してもいいハンドルネームを明記し、画面左「ご意見等はこちらへ」下のアドレスにメールでご応募ください。「軌道エレベーターの日」の31日にそのハンドルネームを発表し、当選者にのみ、こちらからメールを差し上げます(私の知り合いの方はちゃんとそう書いてね)。
 その上で、送付先等をお知らせいただきます。当選者のみ、個人情報を送っていただくことになりますが、送付後に破棄します。送料は当方が負担しますが、個人情報保護のため、送付先に私書箱等を設ける場合は、その代金は自己負担でお願いいたします。
 繰り返しますが、上記プレゼントの(3)のみ、送付は完成次第ということになります。
 
 まー、こんな条件で応募なんてそう来るわけから混乱なんかせんよ、と高をくくる一方、「こんな風呂敷広げて大丈夫かな? 果たして1通でも来るのかな? 誰も来なかったらマッチポンプしようかな」などと気もそぞろです。
 ご応募、お待ちしております。

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ロードマップ合宿に参加

2010-07-12 23:14:42 | その他の雑記
 参院選も終わり、やっと更新再開できる状況になりました。強化月間を謳いながら、間が開いてめんなさい。
 さて、10、11日の両日、山梨の某所で開かれた宇宙エレベーター協会(JSEA)のロードマップ合宿が山梨で開かれ、初日のみ参加してきました。今回はその合宿についてお伝えします。
 5月29日の会議内容の延長に近く、新たに参加した方もいたので親睦会的な色合いも濃いものでした(ていうか温泉行ったり外でバーベキューしたりと、半分はレジャーだったのですが。JSEAの青木先生、大変お世話になりました)。
 初日の内容は、これまで作ってきたロードマップ、というよりロードマップを作るための青写真の段階のモノの報告、国際宇宙ステーション(ISS)など宇宙空間でのトイレの構造や課題、意見交換など。トイレについては、ISSでは大小の便を分けて回収し、宇宙船に持ち出してもらっている実態などが興味深く、あまり表に出ない話ながらも、宇宙における排泄物処理は、これからも重要課題であり続けるのだろうと実感しました。
 ロードマップの概況報告では、作成の中心的役割を務めているM村さんが、技術、法律、公益事業、協会活動を4本柱に挙げ、一番目の技術に重点を置きつつ進めたいと説明。その上での重点項目は(1)SEとは何か (2)なぜ必要か (3)どこに造るか (4)いつまでに必要か (5)誰が造るか (6)どのように造るか (7)いくらかかるか──など。

 前途多難という感想は前回と変わりませんし、「本当にできあがるだろうか」という不安はぬぐえません。特に、あえて厳しいことを率直に言いますが、意見交換で毎回でてくる理想論と、現実に事を進める知恵を区別できない限り、世間に相手にしてもらえるようなプランはできないのではないか?
 具体例を言うと、上記の(5)の誰が造るかという点。5番目どころかもっとも重要であり、ほかのすべての要素を支配してしまうだろうと私は考えています。必要性や目的はもちろん、適用される法も、金の出所もノウハウも、建造主体によってすべて異なってくるはずです。ところがこの話になると、「軌道エレベーターは人類共通の財産にしなければならない」という理想論が必ずと言っていいほど飛び出して思考停止になるんですね。
 私たち日本人は島国思考というか、ついこうした独りよがりな思考に陥ってしまうのでしょうが、世界中の人も同じように考えるというのは甘すぎる。それに、「~すべき」「~しなければならない」という言説は、違反者を矯正できる執行力の担保があって初めて意味を持ちます。無力なJSEAがいくら「べき論」を唱えても、軌道エレベーターを建造したいという、意欲と潜在力を持つ主体の立場や利益にそぐわなければ、「あいつらに指図されるいわれはない」と無視して勝手にプランを進められるだけです。

 えてして理想論というのは、口で言っていれば体面が保てて、それが受け入れられないことを、自らの無策ではなく相手の無理解のせいにできるという、現実と向き合うことからの格好の逃避地となりうるものです。でも気持ちだけじゃ何もできない。ここで必要なのは問題を解決する処方箋です。
 理想も情熱も大切ですが、それは語るためのものではないでしょう。大切なものこそ、軽々しく口に出して吹聴し、安売りしてはならない。むしろ、達成されるまで守り通さなければならない。理想を守り、実現するためには、私たちはプラグマティストに徹し、したたかな戦略をロードマップに取り入れなければならないのではないでしょうか。

 ではロードマップ作業において具体的にどうすればいいのかというと、誰がどう造るべきということを指図するような内容ではなく、建造主体の候補をカテゴリー別に分けて、それぞれの主体が軌道エレベーターを建造すると言いだした時に参考にしてもらえるようなプラン(もっとあざとく言うと、喰いついてきそうなエサや乗ってきそうなネタ)を多彩に用意し、状況に応じてフレキシブルに提供できるようにすべきと思うのです。そうやって、相手の一部となって食い込むくらいでないと。理想は胸の内で温めて、隠し味程度にしておきましょう。

 ロードマップは秋に欧州で開かれる学会で中間報告的なことを行う予定なのですが、上記に絡むテーマについては、一部をまとめるよう御指名を受けた上、軌道エレベーターの用途の一例として、2008年の米国会議で発表した軌道エレベーターによる核廃棄物の処分を取り入れてもらえそうなので、微力を尽くせればと思っています。

 しかし。。。私はいつの間にロードマップ作成のメンバーになったのか? まあいずれ貢献できればという気持ちで見学していたつもりだったからやぶさかではないのですが、ああ、また一つ仕事が増えた。

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7月31日は「軌道エレベーターの日」

2010-07-05 20:16:17 | その他の雑記
 1日の更新で、今月を強化月間とするということをお伝えしました。(この忙しいのに)なぜ7月なのか? それにはちゃんと理由がありまして、今月31日が特別な日だからなのです。

 1960年7月31日、軌道エレベーターの父(の一人)であるロシア(当時はソ連)のユーリ・アルツタ-ノフが、「プラウダ」に「電車で宇宙へ」あるいは「天のケーブルカー」などという表題(資料によって諸訳あり)で、軌道エレベーターの構想を紹介しました。
 これ以前に、同じくロシアのコンスタンティン・ツィオルコフスキーが軌道エレベーターの元祖のような構想を紹介していて、アルツターノフもこれに触発されたそうなのですが、ツィオルコフスキーのモデルは地上から積み上げていくものをイメージしていたそうで、静止軌道から吊り下げるという、現代の定番モデルである静止軌道エレベーターの原理及び構想を最初に公にしたのはアルツターノフだと言われています。

「これこそ、軌道エレベーターの原理上の必要条件を正確に示し、かつその利点のすべてを正確に指摘した、史上初の構想であった」(「軌道エレベーター -宇宙へ架ける橋-」62頁)

 そこで、わが軌道エレベーター派はアルツターノフへの敬意と軌道エレベーターへの愛着、そして独断と偏見にもとづき、7月31日を「軌道エレベーターの日」と定めることにしました。ここに勝手に宣言します! 「宇宙」ではありません、あくまで"軌道"エレベーターの日です。「軌道エレベーター記念日」「軌道エレベーター誕生の日」などでもかまいませんが、とにかく「軌道」です。
 当サイト冒頭の「軌道エレベーター派宣言」にも、これを定めた文言を新たな条項として追加しました。実に1年3か月ぶりの宣言追加です。もともと記念日とかは、国が法令に基づいて制定したもの以外は、いつを何の日と言おうと特に決まりも罰則もありませんので、こういうのは言っちゃったもん勝ちです。
 
 そんなわけで、この軌道エレベーターの日のある今月を強化月間とし、軌道エレベーターの普及という本来の使命に沿った集中キャンペーンのようなものをやることにしたわけです。本当は昨年やりたかったのですが、当時はサイト開設から3か月と日が浅く、とても余裕がなかったもので。ようやく実施にこぎつけました。
 このところ本題から外れた話題が続き失礼を重ねましたが、今月のためにネタを貯めていた一面もあったのです。手始めとして、軌道エレベーターの日を記念して、プレゼントを考えています。詳細は次回か、2回後の更新にて。

 何はともあれ、7月31日は「軌道エレベーターの日」です。軌道派の皆さんはぜひPRしてくださいませ。(文中敬称略)

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今月は強化月間

2010-07-01 21:11:24 | その他の雑記
 7月になりました。詳細は次回の更新で説明しますが、わが軌道エレベーター派は、今月を強化月間と定め、当サイトの本来の使命に戻って軌道エレベーターネタに集中して更新します。。。なるべく。
 とりあえずきょうは、3か月分の目次を掲載します。目次自体は3か月に1回載せると決めている恒例メニューなのですが、この間に初めてご覧くださった方へのサイトの基本構成紹介も兼ねて、まずは強化月間の扉代わりにしました。
 基本である「軌道エレベーター派宣言」「軌道エレベーター早わかり」「軌道エレベーター定義書」のほかは、この3か月間に更新があったものだけを目次に掲載しています。
 それにしてもこの3か月は忙しかったせいで、本当に毎度ちぐはぐな話題ばっか書いてお茶を濁していたのが、こうして目次にするとバレバレですね。反省してます。

目次
軌道エレベーター派宣言
 あいさつに代えて、このホームページのスローガンのご披露

軌道エレベーター早わかり
 はじめて「軌道エレベーター」という言葉を知った方のための、簡単な基礎知識の説明

(軌道派による軌道派のための)軌道エレベーター定義書
 当サイトにおける「軌道エレベーター」の構造や分類などについてまとめた定義一覧

軌道エレベーターが登場するお話
 小説やアニメなど、軌道エレベーターに関係する物語のあらすじと、作中に登場する軌道エレベーターの特徴の解説
(7) 最終定理


専門書・論文レビュー
 軌道エレベーター関連書や論文の紹介
(6) 宇宙エレベーター -宇宙旅行を可能にする新技術-

その他の雑記
 テーマにこだわらない、日々の感想や雑学メモなど
4月
4.1「軌道エレベーター建造計画策定へ」 4.2「1周年」 4.5「山崎飛行士のミッションの裏で。。。」 4.10「核軍縮考」 4.14「スペースシャトルの功罪」 4.20「宇宙人はいるか」 4.21「スペースシャトルの功罪 その2」 4.24「宇宙人はいるか・補足」 4.28「君はガンダムエースを読んだか」

5月
5.5「ごめんなさい」 5.10「登山とロケットと軌道エレベーター」 5.12「『異星人とコンタクトすべきでない』ホーキング博士」 見て、でも見ないで 5.21「継ぐのは何か」 5.22「揺れる揺れる…鋼鉄製の巨大な橋」 5.26「インドのおじいさんはその後どうなった?」 5.28「買えた」 

6月
6.18「ロードマップ会議に参加」 6.7「使い心地」 6.14「真空の海に帆をあげて」 6.18「アレの正体」 6.30「やられた」 6.30「ゾ~ン!」 

2010年3月以前の目次は、4月1日更新の「1周年」に付した目次をご覧ください。

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