寒い冬場に幽霊話

2016-12-25 12:52:23 | タナカ君的日常
 職場の先輩(ある人にとっては直属の上司)だったK氏宅を弔問に訪れた。 K氏の闘病から亡くなる迄の様子、 一人暮らしとなった奥様の最近の暮らしぶり、 弔問に訪れた僕達の中からは若い頃に酒を飲んだ後に泊めてもらった話など、 最初は故人に関わる話題が主だったのだが、 後半にはタイトルにした幽霊話まで飛び出した。 

 その話をして呉れたのは40年ぶりの再会として紹介したMさんだった。 とあるアトラクション施設に隣接するホテルの照明システムを受注して工事期間中の事、 作業関係者など誰も居ないはずの深夜に工事中だった客室の室内ランプが時折点灯するのだと言う。 その室内照明は部屋の中に人が居ると点灯する様なシステムが組まれていた。 だから、 深夜にハッキリしないけれど 「誰かが徘徊しているのでは無いか?」、 「幽霊かも?」 なんて話になって、 その原因を探るべく直接設計に関わった技術者と共に、 車でホテルの敷地内を深夜に巡回・張り込みをして、 幽霊が点灯させたかも知れない部屋には即座に立ち入って調査する探偵まがいのことをした。  しかし当然人の立ち入った様子も無く、 幽霊が動き回った様な心霊的な不気味さも感じなかった。 それでも消えていた照明が点灯する事実はあるのだから、 当然の事として制御回路の誤動作を念頭にした調査に切り替た。 

 原因追求手法の詳細を書いても興味ない人が多いだろうから、 結果だけ記すと、 人の動きを検出する目的に使用していた電気部品・焦電型センサーが急激な気温変化の環境下で発生するノイズに制御回路が反応したのだと言う。 そして最終的にはオシロスコープ等を使って、 ノイズの詳細を把握し、 制御回路に焦電型センサーの出すノイズ信号に対しては反応しない様な機能を付加して誤動作を無くし、 無事に納入を済ませた。 そんな幽霊話でした。



 さて40年振りに再会を楽しみにしたMさんの事。

 待ち合わせたバス停でバスから降りてきた人々の大半は弔問に向かう顔見知りの仲間でしたが、 Mさんを識別出来ませんでした。 同じ方向に向かう列の先頭近くに帽子を被った見知らぬ人が居たので、 隣を歩いていたヤマギシ氏に「あの帽子被ってるの誰?」と聞くと「Mだよ」と教えてくれたのです。

 眼をつぶって、 彼の語る声を聞くと紛れもなく聞き覚えのあるMさんの声です。 今も血色が良く、 頬には若かりし頃と同じく紅味が差しています。 ゴルフもしているそうだから、 日焼けもしているけれど、 写真で見る頬の紅味は日焼けとは違う血色の良さですよね。 ナイス・シルバーエイジの風貌の人間になっていました。

 ただ、 別れ際に「撮影した写真の素顔をブログに載せても良いか?」と聞いたところ、 若い頃には「闇◯△」そんな名前の赤ちょうちんの店を開いた時の様なやんちゃな若さは無くなって、 返事は「止めて欲しい」だったので、 写真には少し加工を加えました。
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