温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

アイスランド グレッティスロイグ(Grettislaug)温泉露天風呂

2011年08月12日 | アイスランド
北極海を眺めながら露天風呂に入ってみたい。そんな願いを叶えるべく、スカーガフィヨルズル(Skagafjörður)というフィヨルドにある、辺鄙な海岸を目指しました。まずはヴァルマフリーズ(Valmahlíð)で環状道路1号線から75号線に入り、北部アイスランドでは2番目に大きい規模を有する漁業の街ソイザゥルクロゥクル(Sauðarkrókur)を通り過ぎてから、街はずれで右折して748号線へ。この748号線は未舗装路ですが、意外と走りやすい道で、ところどころにある凸凹さえ気を付ければ60~70kmで走れます。

 
748号線はスカーガフィヨルズルの海岸に沿って北上します。とっても壮大な景色が広がっています。沿道の草原では多くのヤギが放牧されていました。風は強いものの、フィヨルドの海面はとっても静か。


748号線の始点から約13km辺りで目の前の視界が開け、道路が果てる平たい海岸のどん詰まりには一軒の小屋がポツンと佇んでいました。この小屋が今回の目的地。沖にはビーフのフィレステーキみたいな形状の島が浮かんでいます。この世の果てを思わせる、絵葉書のような美しい景色ですね。

 
748号線始点から約14km、ソイザゥルクロゥクルから約20分で、今回の目的地"グレッティスロイグ(Grettislaug)"に到着しました。レイキル(Reykir)という名前の小屋に入ると、おばさんが応対してくれ、「プールに入りたい」と申し出て500KRを支払うと、プール(露天風呂)はここからちょっと先の防波堤手前にあるから、近くまで車で行ってちょうだい、着替えはキャンプサイトの前にある黒い小屋で済ませてね、楽しんで行ってね、と笑顔で教えてくれました。この小屋では露天風呂の管理のみならず、小型船舶による沖合の周遊、宿泊、キャンプ場利用なども受け付けているそうです。

 
周遊船が停泊する小さな入り江。この前に車を止めます。

 
船着き場の手前には芝生が広がるキャンプ場が設けられており、キャンプ場利用者のためにトイレなどが建てられています。そのWCは先程おばさんが話していたように外壁が黒く、屋根には芝生が載せられていました。外壁の色やこの芝生によって周囲の景色にうまく溶け込んでいます。この芝生屋根はどうやらアイスランドの伝統的な建築様式のようでして、おそらく寒さ対策ではないかと思われます。
おばさんの指示通りにこのWCで着替えてもよかったのですが、いちいち移動するのが面倒なので、車内で済ませちゃいました。

 
これがお目当ての露天風呂です。砂利敷きの海岸に大小の浴槽がひとつずつあるだけの、極めてシンプルなものです。
残念ながら岩組み防波堤の阻まれて外洋は見えませんが、山の稜線や入り江が望め、周囲には他に人工物も無いため、とっても開放的です。
お風呂の傍に立っている看板には「横のBOXに料金を入れてください(でも箱は見当たらなかったけど…)、料金は500KR、8:00~23:00が入浴可能時間で、夜の入浴は禁止」と書かれていました。

 
まずは大きいほうの浴槽に入ってみましょう。砂利の海岸を掘っただけの簡素な構造ですが、浴槽の縁や底には岩が敷き詰められ、手すりもあって、結構ちゃんとしています。さっそく足を入れてみると、おぉ、結構温かいぞ!

 
温度計を突っ込んでみたら、なんと42.3℃もありました。ヨーロッパのお風呂では珍しい高温で、まさに日本人向きですね。当地を訪れてから40℃以下のぬるいお湯ばかりで、ぬるいお湯は長湯できるから良いのですが、やっぱり日本人なら熱い湯に入ってシャキっとしたいものですから、この温度に出会えてとっても幸せです。
ちなみにこの浴槽では湯面スレスレに突き出たパイプからパスカルの原理によって排湯されていますが、肝心の湯口がありません。どうしたものかと湯面を見ていたら、あちこちからプクプク泡が上がってくるではありませんか。そうなんです、ここ足元湧出なのです。湧いたばかりの新鮮なお湯に入れ、しかもその湯加減は42℃だなんて、温泉好きな日本人を歓迎しているとしか思えません。足元湧出なので当然お湯は底から上がってくるのですが、浴槽を歩いていると、たまにかなり熱い湧出点を踏むことがあり、火傷しそうになるので、ちょっと注意が必要かも。

 
あまりに爽快で素晴らしい湯加減だったので、テンションが上がってしまい、記念に自画撮りちしゃいました。
お湯は無色透明でほぼ無味無臭(敢えて言うなら、槽内に生えている苔の匂いが少々)、目の前は海ですが、不思議なくらいに塩気が全く感じられず、どちらかといえば重曹的な知覚を有していました。pH9.3ですのでかなりはっきりとしたアルカリ性で、アルカリ&重曹という組み合わせゆえに、ツルスベの強い浴感です。槽内には苔がちょっと生えており、湯中で動くとこの破片が舞い上がりますが、気になるほどではないかと思います。

 
こちらは小さいほうの浴槽。私の入浴時にも何人かの訪問客がやってきましたが、熱いお湯が苦手な欧州人や子供はこちらを選んでいました。こちらも足元湧出ですが、温度は若干ぬるめの39.2℃。お湯の特徴は大きな浴槽とほぼ同一でしたが、浴槽内には苔や藻みたいなものが底にたくさん沈殿しており、ちょっと気持ち悪かったので、こちらではあまり入浴しませんでした。

 
浴槽横の岩組み防波堤を上ると、そこからは北極海(グリーンランド海)の絶景が広がっていました。岩は大して高くないので簡単にのぼれちゃいます。大きな浴槽は42℃ですから、長く浸かっているとやがてのぼせてきます。のぼせかかったら、この岩にのぼって海原を眺めながら体をクールダウンさせ、ちょっと寒くなってきたらまたお湯に浸かる・・・、そんなことを何度も繰り返しながら、たっぷり2時間はここでの湯あみを楽しみました。
防波堤も日本のような無機質なコンクリのカミソリ堤防やテトラポットではなく、天然の岩を積み上げたものであるため、周囲の風景にうまく溶け込んでいます。こうした景観と実用性の両立は是非日本でも実践していただきたいものです。

さて北極海を臨むこの温泉はどのくらい北極に近いのでしょうか。GPSで調べるとここは北緯65度52分(西経19度44分)であると表示されました(N65º52.934 W19º44.171)。北極線は北緯66度33分ですから、その差は41分、1分は約1.85kmですから、北極圏まではわずか76km弱ということになります。しばしば北極圏観光の際に利用されるアラスカのチナ温泉リゾートは北緯65度03分ですから、今回訪れたグレッティスロイグの方が北極に近いわけです。では、このグレッティスロイグは世界最北の温泉のなのかといえば、残念ながらアイスランド国内にはまだ北に位置する温泉があるらしく、西部フィヨルドの"Nauteyrarlaug"(N65°55.031, W22°20.505)や北東部のHúsavíkにある"Ostakarið"(N66º03.324, W17º21.079)などはいずれもグレッティスロイグより北で湧出しています。次回のアイスランド訪問時には絶対に両方とも制覇してやる!
それはともかく、このグレッティスロイグは温泉にうるさい日本人でも十分満足できる素晴らしい露天風呂でした。おすすめです。


"Enjoy Iceland"内の紹介ページ
地図

8:00~23:00
500KR
浴槽のみで各種備品類は一切なし

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイスランド クヴェラヴェトリル(Hveravellir)温泉、そしてF35号キョルル(Kjolur)走破

2011年08月11日 | アイスランド
今回の旅行で大いに参考にさせていただいたのが「アイスランド観光文化研究所」。このサイトを読んでいればガイドブックなんて買う必要もないように思われるほど詳細な説明が記述されているのですが、内陸部に関する箇所を読んでみると、

人間の居住を一切赦すことのないアイスランド内陸部ハイランド地帯への旅行は、決して忘れることのない経験になるだろう。氷河と、樹木のまったくない山々を背景に、荒涼とした砂漠と緑の草地、そして広大な溶岩大地が織りなすコントラストが地の果てまで続く。無機的な世界に滝や露天の温泉が砂漠の中のオアシスのようにアクセントを添えている。
しかし、この壮大な自然は多くの危険をも含んでいる。ガイドを伴わないこのエリアへの旅行には、事前の十分な情報収集と準備が要求される。極一部の地帯を除いて、内陸部の山道は橋のない川がほとんどで、ごつごつした砂礫地帯が多く、一般の乗用車や平地用のバスでも入り込むことはできない。44インチ(約145cm)もの大きな車輪を装備した4WDのスーパージープやマウンテンバスのみが進入を許されるのだ

というように、はじめに誘惑しておきながら、後半で脅かすような警告の文言が並べられており、行ってみたいけど一人じゃ不安で無理なのかもしれないと、旅行計画時には内陸部への立ち寄りを半分諦めておりました。しかしこの文章を読み進んでゆくと、F35号「キョルル(Kjölur)」というルートに関しては、

このルートの途中には川や滝があるが、橋梁が施されている現在では大概の車輌での通行が可能である。

という一文が記されているではありませんか。私が借りる車はSUVですから、余程ひどい天気でなければ多分大丈夫だろうと判断し、実際に走破してみることにしました。なぜこのルートを選んだのかといえば、魅惑の内陸部を走行しながら南部から北部へ短絡できることのみならず、途中にクヴェラヴェトリル(Hveravellir)という温泉があって露天風呂で入浴できるからなのです。


【9:00 ロイガルヴァトン(Laugarvatn)付近の農家民宿"EfstiDalur"出発】
(地図)

この宿については既に記事にしていますので、宜しければこちらをご覧ください。

【9:10/30 ゲイシールの売店】

開店まもない売店にてお昼用のサンドウィッチやジュース・水などを購入。F35号を北上する際、もし給油が必要ならば、ここが最終のGSです。


ゲイシールやグトルフォスなど、ゴールデンサークルの名所を通過。運転席からちらっと見たら、まだ朝早いので観光客の姿もまばらです。
まだこの辺りの35号はちゃんと舗装された道なのですが・・・

【9:45 未舗装路突入】

グトルフォスから数キロ北上したあたりで遂に未舗装路となりました。ここから約190kmにわたる長距離ダート走行のはじまりです。


辺り一帯は生命の息吹がほとんど感じられない、礫ばかりが広がる荒涼としたモノトーンの大地。その中でニョロニョロと蛇のような筋を描いているのがF35号。道路というより、礫砂漠の上の轍を踏み固めただけ、といっても過言ではないような感じ。


この日は朝から生憎の雨天。舗装路なら問題なく走れますが、砂利道は当然ながら路面が泥濘と化し、凸凹だらけの道路には水たまりが連続するため、泥しぶきを浴びて車体はたちまち全身泥パック状態になってしまいました。
しかも標高が高くなるにつれて、雨雲の中に突っ込むような形になり、濃霧のため視界が悪くなっていくばかり。この時点で半分泣きそうな私。にもかかわらず、ミラーを覗くと、後ろから一台の車が「テメェ遅ぇんだ、とっととどけよ」と言わんばかりに車間を詰めて煽ってくるではありませんか。視界不良のため後続車に譲るポイントがなかなか見つけられず、しばらく煽られ続けながら、ようやく適当な場所を見つけて退避したのですが、なんとその車はSUVでもジープでもなく、スバルのインプレッサでした。インプ乗りはどこでもアグレッシブな人が多いみたい…。
なお、この辺りで一か所、渡河地点がありました。でも川幅は狭いので、大して気にはなりませんでした。


【10:15/30 氷河湖クヴィータゥヴァトン(Hvitarvatn)】
(地図)
 
しばらく走っているうち、霧がたまに薄くなると左手に乳白色の湖が見えてきました。「アイスランド観光文化研究所」によれば、

左手にヨーロッパで2番目に大きなラングヨークトル氷河(950平方㌔)が創り出した氷河湖クヴィータゥヴァトンへ到着。湖の西にはアイスランドで2番目に大きい氷河ラングヨークトル(標高1355m)が聳え、湖にはラングヨークトル氷河から崩れ落ちた氷塊が漂う。湖の傍には平らな草地クヴィータゥルネスが広がる。ここにはツーリスト用のハットがあり休憩がとれる。

とのことですので、避難小屋の前に車を止めて辺りを歩いてみましたが、この天気じゃ何らの眺望も得られませんでした。晴れていればきっと湖の向こうに美しい氷河を望めたに違いありません。景色を楽しみにしていたので残念です…。私は雨男だから仕方ないかぁ。


車に戻って北上を再開。人家なんて皆無、草すら生えない不毛の荒れ地が果てしなく広がっています。月面ってこんな感じなのかしら…。日本では決して出会えない景色ですね。雨が降っているのに植物が自生できないのは、この大地を覆っているのは目の粗い礫ばかりであり、雨水が礫の隙間から急速に地中深くへ入り込んでしまうため、地表付近で水分を保持できないからなんだそうです。


でも所々で草が生えている個所もあり、そこではヤギが草をはんでいました。こんな荒れ地で生きていけるんですから、相当鍛えられた屈強なヤギなんでしょうね。

 
荒野の中をひたすら北上。お昼に近づくにつれ、徐々に霧が薄くなり、雨脚も弱くなって、天候が回復基調になってきました。画像では道路の幅員は狭隘であるかのように見えますが、実際にはSUV程度ならちょっと気を付ければ問題なくすれ違えるほどの幅が確保されています。ただしバスなどの大型車両が相手ですと徐行あるいは一時停止を余儀なくされるかも。


【11:45 クヴェラヴェトリル(Hveravellir)到着】
地図

ちゃんと前進できているのか、もしかしたら同じところを堂々巡りしているのではないかと疑わしくなるほど、似たような不毛の荒野がひたすら続く道を走っていると、グトルフォスから約90kmの地点で前方に突如として三叉路が現れ、その真ん中には黄色い道しるべが立っていました。右へ折れるとこのままF35を北上して1号線のアークレイリー方面へ、左はクヴェラヴェトリル(Hveravellir)へ、とその道しるべは示していましたので、ここを左折します(というか直進に近い感じ)。
分岐から数キロ西へ走るとやがて小屋が目に入ってきます。ここが今日の第一目的地であるクヴェラヴェトリル。小屋には軽食コーナーの他、トイレ(有料)があります。到着したのがちょうどお昼時だったので、小屋の中はランチを求める観光客でギッシリ。

さて私がここを訪れた目的はただ一つ、温泉露天風呂(現地ではpoolと表現されています)に入ることです。入浴は有料で、300KRを軽食コーナーにて支払います。なお300KR支払えば入浴の他、トイレも利用可なんですが、あくまで自己申告制ですから、特にトイレに関してはちゃんと支払っている人がはたしてどれだけいただろうか…)。

 
この一帯は国内屈指の地熱地帯となっており、いわゆる日本の地獄谷のような感じで、あちこちから熱湯がボコボコと湧いています。温泉ファンとしては、いきなりお風呂に入るのではなく、その源泉を自分の目できちんと見ておきたいので、早く入浴したいという心を抑え、まずは地熱地帯を見学することにしました。
看板の下には自転車が停めてありますが、あのF35を自転車で走破する屈強な人間が意外と多いんです。山がちな日本では考えられないほどヨーロッパではサイクルスポーツが盛んでして、私も以前ドイツやオーストリアなどで人里から遠く離れた田舎を運転中に、小学校低学年と思しき子供を連れた親子が自転車でツーリングしている光景を目にしてビックリしたことがありますが、そんな自転車熱はここでも同様でして、老若男女を問わず、車体の両側にバッグをぶら下げて荒野をひたすらツーリングする逞しい人々に多く遭遇しました。欧州人の体力ってすごいですね。

 
地熱地帯には木道が整備され、訪問者はその上を歩いて散策することができます。


地面から温泉が湧出する光景は、いつどこで見ても温泉好き人間の心を興奮させてくれます。お湯が迸る様のみならず、その周辺の成分析出(石灰華)も立派です。

 
噴気孔の中でも面白かったのが、富士山を小さくさせたような形状のもので、成分の析出が綺麗な円錐を形作っており、硫黄で黄色くなったてっぺんから勢いよく音を立てて水蒸気や硫化水素ガスを噴出させていました。またその奥には青白い色のお湯を湛えた神秘的な湯溜りもあり、雪渓が美しい遠方の山々と絡めて眺めていると、絵画のような素晴らしい景色となり、ずっと見ていても飽きることを知りません。


地熱地帯を一周したところで、いよいよ入浴することに。木道入り口付近に軽食コーナーとは別の小屋が建っており、その傍に入浴できる浴槽が用意されています。その小屋は鍵が掛かっているため入室不可。でもこの小屋以外に付近には建物はありません。従って、水着への着替えは車の中で済ますか、ちょっと離れた軽食コーナーの小屋に隣接したトイレ(シャワーあり)を借りるか、あるいは浴槽の傍で青空の下、すっぽんぽんになって更衣するかのいずれかになります。でも前2者は、浴槽からちょっと歩かねばならず、この時の外気温はたった9℃しかありませんから、寒風ふきすさぶ中を水着一丁で移動するのは結構つらく、このため多くの入浴客は浴槽の傍のウッドデッキにあるベンチに荷物を置いて、老若男女を問わず、公衆の面前ですっぽんぽんになって着替えていました。ものぐさな私も勿論この方法で着替えましたが、一応着替えポンチョみたいなものを持参していたので、完全全裸になるような事態は避けられました。

 
同時に20人は入れそうな大きさの浴槽は、余計な設備が一切なく、開放感も眺望も抜群。周囲には可憐な高山植物の花も咲いています。お湯は先ほど見学した源泉からホースで引いています。

 
湯口のホースは2本あり、一本はぬるいお湯が常時投入され、もう一本は激熱のお湯が不規則に出たり止まったりしています。湯船の温度は37~38℃くらいですが、激熱の源泉が流れ込む時には一気に40℃以上まで上昇します。火傷するのでなるべく湯口のホースには近づかないように。


実際に入ってみました。浴槽はかなり深く、身長165cmの私が直立すると胸のあたりまでお湯に浸かります。また石灰が自然に浴槽をコーティングしちゃっている上に、苔が生えているため、槽内はとっても滑りやすく、足元には十分な注意が必要です。お湯はほぼ無色透明ですが若干濁り気味で、湯中には苔の小さな破片が漂っています。はっきりとした硫黄由来のタマゴ臭と味が感じられ、浴槽のみならずお湯自体の浴感もヌルスベ感の強いものとなっています。計測し忘れてしまいましたが、多分アルカリ性だと思います。
大自然の絶景に囲まれた開放感あふれるこの露天風呂、湯加減も長湯向きなので、いつまでも入っていたくなりました。いや、どうしても長湯したくなる事情が…。というのも、7月下旬なのに外気温が9℃しかなく、しかも山の強い風が吹いているので、このお湯から出るとメチャクチャ寒いのです。入浴客はお湯から出ると、あまりの寒さにみんなギャーギャー騒ぎ、小刻みに震えながら大慌てで着替えていました。そんな様子を見た私は、大和男児の意地を誇示すべく、湯上がりも慌てることなく寒風に耐えながら泰然と着替えたのですが、やはり付け焼刃の意地はすぐに刃こぼれしてしまうらしく、その後まもなく頭痛と悪寒に襲われてしまいました。あぁ情けない…。


【12:55 クヴェラヴェトリル出発】

湯上がりにサンドウィッチを頬張った後、再びF35号に戻って北上を再開です。


天気はとっても変わりやすく、この頃には気持ちよい青空が広がり始めました。荒野の向こうには雪渓を載せた青い山脈が連なっています。あまりの美しさに、車を止めて夢中でカメラのシャッターボタンを押しました。


たまにヤギが道を塞ぐことも。ここは慌てないでヤギが通り過ぎるのを待ちます。
走れども走れども、灰色か茶褐色の砂礫の荒野がひたすら広がるばかり。もしこの世の果てがあるのならば、それはこの地を指すのではないのかしら…。


【13:40/50 展望台】
 
やがて進行方向右手に湖が見えてきました。ブランダ水力発電所のダム湖です。このダム湖を見下ろす展望台で小休止。


湖畔の丘で走ってきた道を振り返ってみました。道は遥か彼方へ伸びており、その先は地平線の奥へと消えています。こんな道を一人で走ってきたのか…


この一帯に広がる荒野は「オイズクールヘイジ荒地」と称するんだそうです。


この展望台で止まっていたのは、いずれもSUVで、左からスズキ・トヨタ・日産(私の車)。ここは日本じゃありませんよ。本当に笑っちゃうくらいにこの道は日本のSUVだらけでした。


展望台からしばらく走ると、ロックフィル式ダムの真上を走行して、川の対岸へと渡ります。


この辺りまで来ると、ダム関係の車が往来するためか、未舗装ながら今までよりも路面状態が良くなり、80~90kmで飛ばしたくなるほどのコンディションが続きました。右手に緑の山の稜線が続くようになり、一部区間で舗装路も現れ、やがて牧場が広がるブロンドゥダールルに到着。クヴェラヴェトリルからブロンドゥダールルまでは70km強。ここでF35号は終了しますが、更に732号、731号と進んで、緑に覆われた牧歌的な景色の中を走っていきます。

【14:30 1号線との合流地点】
14:30、遂に1号線(環状道路)との交差点に到達しました。1号線は走りやすい舗装路面。アスファルト舗装のありがたみを実感しました。これにてキョルル走破達成!
壮大かつ荒々しい大自然の絶景を延々と走ることができ、この上なく貴重な体験となりました。こんな感動的な道を運転できたなんて、本当に幸せです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイスランド 間欠泉ゲイシール(Geysir)と大迫力の滝グトルフォス(Gullfoss)

2011年08月11日 | アイスランド
前回に引き続き、温泉入浴とは関係のない記事が続きますが、今回取り上げるゲイシールは温泉であることには違いないので、どうかご勘弁を。

レンタカーを借りた当日は、まず午前中にクヴェーラゲルジ(Hveragerdi)の山奥にある温泉の川レイキャザルール(Reykjadalur)へ行き、午後にアイスランド屈指の観光名所、間欠泉のゲイシール(Geysir)と大迫力の滝グトルフォス(Gullfoss)を訪れました。
ゲイシールとグトルフォスは定番観光ルート「ゴールデンサークル」に含まれているので、既に多くの方によってネット上にその旅行記が公開されています。従いまして文章も写真撮影も下手な私が今さらここで紹介することでもないのですが、せっかくですので、画像だけでも紹介させてください。


●ゲイシール(Geysir)
(地図)
英語で間欠泉は"geyser"と表現しますが、その語源となったのがアイスランドのゲイシール。


37号線を走っていると、前方に白煙が立ち上っているのが見えました。あれがゲイシールだな。

 
一帯は公園(無料)となっており、ゲート前にはインフォメーションセンターを兼ねたレストラン&土産店がありました(9:00~19:00、夏期は~22:00)。土産店はかなり大規模で品揃えも豊富ですから、ここで主な土産物は一式揃ってしまいそうです。なおGSもあり、ここからキョルル方面へ35号線を北上する場合は、ここが最終のGSとなります。

 
公園内は地熱地帯となっており、あちこちに熱湯を煮え滾らせた穴があいていて、それぞれから濛々と白い湯気が上がっています。

 
園内には欧米各地から観光客が集まり、様々な言語が飛び交っているのですが、日本人も多いのか、漢字で「危険」と書かれたプレートがあちこちに設置されていました。100℃もあるのならば、沸騰しているわけですね。入浴なんて絶対に無理。


のんきに歩いていると、前方でいきなり間欠泉が噴き上がりました。ここは観光地名としてはゲイシールですが、実際にゲイシールと名付けられた間欠泉は現在ではあまり噴き上がらず、頻繁に噴き上がっているのはこのストロックル間欠泉です。

 
数分のインターバルののち、湯面がグラグラしはじめ、いつになったら噴き上がるのかと観衆をイライラさせた頃にいきなりドバっと噴き上がります。噴き上がるインターバルや高さはその都度異なりますが、数分待てば必ず噴き上がります。噴き上がるのはほんの一瞬ですので、じっと凝視して貴重な瞬間を見逃さないように。

私が撮った動画をYou Tubeにアップしてみましたので、よろしければご覧になってください。デジカメで録画したため、風の音が鬱陶しいのですが、1:40あたりから湯面が怪しい動きを始め、2:30で一気に吹き上がります。


  
これはストロックル間欠泉からちょっと上がったところにある源泉のひとつ"Konungshver"です。ここは噴き上がりませんが、お湯が流れる方向には石灰棚が形成されています。試しに湯温を測ってみたら84.2℃もありました。触ったら火傷しちゃいますね。

 
これが本来のゲイシール間欠泉。かつてはストロックルなんか目じゃないほど高く噴き上がっていたそうですが、1990年頃から勢いが失われて噴出が止まってしまったんだとか。Wikipediaには「現在は平均して1日3回ほど、最大で60mほどの噴出が見られる」との記述がありますが、残念ながら私はその現象を目撃することはできませんでした。
でもこれだけ多くの温泉源泉が集まっているところは、日本でもなかなかお目にかかれませんから、温泉ファンの私としてはアドレナリンが分泌しまくる大興奮ポイントでした。


●グトルフォス(Gullfoss)
(地図)

ゲイシールから約10km東で轟音を響かせながら落ちているのがグトルフォスという巨大な滝で、アイスランドでも屈指の規模なんだそうです。たしかに実物を目にすると、その迫力に圧倒されてしまいました。こんな小さい画像ではその迫力が全然伝わらないので残念です。

 
川が滝となって落ちてゆくそのすぐ傍まで立ち入ることができます。膨大な水量が一気に落ちてゆく様を眺めていると、自分まで滝に呑み込まれてしまいそうです! 


いつまでも眺めていたい絶景。日本では決して見ることができない光景ですね。自然って凄い!
ちなみに滝つぼの傍にはシグリットという名の一人の女性の胸像が設置されているのですが、20世紀初頭にイギリスの企業がここへ水力発電所を建設しようとしたところ、彼女はこの計画に反対し、もし建設が断行されれば私はこの滝に身を投じるぞと、まさに捨て身の姿勢で企業に挑み、この熱意によって滝が守られ現在に至っているんだそうです。


なお滝の入り口には小規模ながら、インフォメーションとカフェが設置されています。

文末ですが、ゲイシールでお会いし、その後グトルフォス観光をご一緒させていただいた、ストックホルム駐在の某電機企業T社のH様ならびにご家族の皆様、その節はいろいろとありがとうございました。おかげさまで楽しく想い出に残る旅ができました。この場を借りて御礼申し上げます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイスランド レンタカーで一人ドライブ

2011年08月10日 | アイスランド
アイスランドを旅するならレンタカーを利用するのが一番。鉄道は皆無なので利用できませんし、バスも本数が少ないので利用しにくい。となれば、やっぱりレンタカーで自由気ままに行動したほうが便利です。でも海外でレンタカーを借りて運転するには何かと不安な点もあるでしょうから、ここでは私の経験談をお話しさせていただこうかと思います。

●予約
アイスランドには世界規模の大手企業から地元の中小企業まで多くのレンタカー会社があり、ネットで調べればゴロゴロ出てきます。どこが良いのかはわかりませんが、私は料金がちょっと高くても安心を得たかったので、大手のAVISを利用しました。大手ゆえの安心感、日本に窓口がある点、そして私が求めていた条件で比較したら大手の中では最も安かったからです。大手でしたら他にHERTZEUROPCARなどがあり、いずれも日本で予約可能です。なおAVISの場合、なぜか3日間以上の利用を求められました(つまり当日のみや1泊2日では借りられない)。なお料金は総じてかなり高めで設定されていますので、予算的にある程度の覚悟は必要。


●車種選択
レイキャヴィクから日帰りできるゴールデンサークルを周遊する程度なら、トヨタのヴィッツ(海外では「ヤリス Yaris」という名前)で問題ありませんが、長距離やちょっとでも内陸部を運転するなら、迷わずSUVタイプやジープのような4駆車を選んだほうが吉。なにしろ凸凹の未舗装路が多く、橋の架かっていない川では直接川に車を突っ込んで渡河しなきゃいけない箇所もあるので、普通の乗用車では通行不可な道もあります。
ちなみに今回私が借りたのは日産「キャシュカイ(日本名デュアリス)」でした。とっても良い走りをしてくれましたよ。さすが日本車です。


この国で面白いのが、日本車の圧倒的な多さ。アメリカと違って欧州はそんなに日本車は多くありませんが(シェアはせいぜい1割強程度)、この国は例外でして、私の実感では見かけた車の約5~6割を日本車が占め、残りをVW等のドイツ車・ルノー・現代・起亜・フォードが埋めているような状況でした。とりわけ内陸部で必須な4駆車はスズキのグランドビターラ(日本名エスクード)が多く、この国におけるスズキ車シェアは、インドやハンガリー程ではないにせよ、それに近いものがあるのではないかと思われるほどです(SUVに限定した話ですが)。頑丈さ、燃費の良さなどで評価されているのかもしれませんね。

また欧州らしくない点として、意外とAT車が多いことが挙げられるかもしれません。欧州の車はほとんどMTですから、レンタカーでATを確保するのは結構大変ですが、この国はアメリカ人旅行者が多いからか、他の欧州各国と比べてAT車率が高く、事前予約時に確保さえしておけばあっさりとAT車をゲットすることができるようです。私が借りた車もATでした。また欧州の他国でATを借りるとかなり高額な料金を請求されますが、この国では若干高い程度で、MT車と著しく違うようなこともないようです(当然ながら会社によって異なるかと思いますが)。こうした点は日本人にとって嬉しいですね。


●ドライブ中に用意しておくと良いもの
人それぞれだと思いますが、私個人が用意していて「あぁよかった」と実感したものを列挙してみます。

【ガイドブックや地図】
この辺りは当然ですね。ガイドブックに関しては日本人が海外へ旅行する時につい頼ってしまう「地球の迷い方歩き方」はなぜかアイスランドを取り上げておらず、同社によるグラビア中心の「アイスランド 地球の鼓動が聞こえる…ヒーリングアイランドへ (地球の歩き方GEM STONE)」や日経BP企画の「旅名人ブックス59 アイスランド・フェロー諸島・グリーンランド第4版 (旅名人ブックス)」などがある程度です。いずれも旅情を誘う素晴らしい編集となっていますが、個人旅行に必要な細かい情報はあまり載っていません。そこでぜひ活用したいのが"Lonely Planet Iceland"、つまりロンプラです。ご存知の方には釈迦に説法ですが、海外ではおなじみのこのガイドブック、当然全編英語ですが情報量は半端じゃなく「地球の●き方」なんて目じゃありません。でもグラビアやカラーページがとっても少なく、どこに何が記してあるかわかりにくいので、事前に読みこんでおき、必要なページに付箋を貼っておくことをおすすめします。

地図に関しては現地のホテルや観光案内所、レンタカー営業所で無料の地図が入手できるので、それを活用するといいかと思いますが、私のような不安症の人間は事前に情報を仕入れて予習をしておきたいので、そんな場合は洋書取扱いの書店で地図を買っておくことをお勧めします。私はフライターク・ベルント社(オーストリア)のMap-Iceland (Country Road & Touring)を新宿の紀伊国屋で購入し、出発前に入念なルート確認を重ねました。この地図には観光地の他、宿泊施設やGSなど主要施設がマークで記されているため、現地運転中でもとても役立ちました。

【GPS(カーナビ)】
標識過剰な日本と違ってアイスランドは道路標識が必要最低限しかなく、行先表示(道しるべ)にしても交差点にいろい標識がちょこっと立っているだけなので、それを見逃しちゃうとたちまち道に迷ってしまいます。そこで役に立つのが自動車用のGPS、つまりカーナビです。AV機能と一体化したタイプが主流な日本と違って、海外では盗難防止のため持ち運びが可能な形状となっており、機能も地図表示も簡易なものですが、さすがに文明の利器だけあり、これがあるととっても便利。
今回私がレンタカー会社にて借りたのはGARMIN社のGPS。初期設定は当然ながら現地語ですが、設定変更によりあらゆる言語に対応でき、なんと日本語も可能。表示のみならず音声ガイドまで日本語です。ホテルなど対象を絞った検索や速度取り締まりの情報提供、目的地までの距離なども表示されるため、知らない土地を運転するに当たっては非常に重宝しました。


【FMトランスミッター】
今回も一人旅なので話し相手がいません。となれば、ドライブ中はどうしても音楽が恋しくなります。もちろんAMやFMのラジオを受信できますが、現地語は全くわかりませんし、音楽だって自分が好きな曲が流れるとは限りませんから、iPodのような携帯音楽プレイヤーは必須です。私が借りた車にはBluetooth機能がついていたのですが、持参した私の旧式iPodはBluetooth非対応…。そこで活躍したのがUSBポート付きのFMトランスミッター。FMトランスミッター自体は皆さんお馴染みかと思いますが、USBポート付きというのが肝心なところでして、これによってiPodはもちろん、スマートフォンもデジカメも、そして上記のGPSも充電できてしまうわけです(もちろん機器に応じたUSBケーブルも必要ですが)。かなり便利でした。
ちなみに一人で長距離運転すると、眠くなる、あるいは寂しくなる、なんて状態に陥りやすいので、アゲアゲのアップテンポな曲がおすすめ。また完全に個人的な趣味ですが、古典落語をiPodに入れておくと眠気知らずで運転できました。落語を聞くには想像力が必要ですから、自然と頭が働き、いつの間にか眠気も解消されるんでしょうね。


●運転実践
運転で注意することを列挙するとキリがありませんが、あえて言うなら…

・右側通行(はじめのうち気をつけておけば、意外にもすぐに慣れます)

・標識は欧州各国と共通。追越禁止、侵入禁止、自車or対向車優先、行き止まりなど、日本と図柄が異なるものは事前に予習を。欧州全般になってしまいますが、交通ルール等に関してはこちらをご参照あれ。

・最高速度は、舗装路90、未舗装路80、街や集落との緩衝区間70、街や集落50or30です。その他場所による制限もあり。特に街中での制限速度は厳守(これは欧州共通ですね。街や集落に入ったら、きっちりと制限速度まで落としましょう)。舗装路については、多くの人が100前後で巡航しているみたいでした。かく言う私も100でクルーズをセットした区間が多かったのですが、それでも後ろから抜かされることがしばしば…。

・ネズミ捕りやオービスに注意。ネズミ捕りはレイキャヴィク~ケフラヴィーク空港間で実際の現場を目撃しました。またオービスに関しては設置個所の前に…

↑このマークがプリントされた看板が立っているので、それに気をつけていればよいのですが、迂闊にも私は見落としてしまい、制限速度70のところを90で走り、見事に赤いフラッシュが焚かれて「記念撮影」されてしまいました。ちなみにその場所はここのトンネル内です。まだ「請求書」は届いていませんが、いずれ払わなきゃなぁ…。皆さんもご注意を。

現場のトンネル入口でこんな画像を撮影しておきながら、すっかりオービスの標識を見落としていましたんです。本当にマヌケな私…。

・道路状況の情報は常に最新のものを! 未舗装路が多く、また自然災害もよく発生する土地柄なので、いつ道路が通行止になるかわかったもんじゃありません。最新のロードコンディション情報を提供するサイトがありますから、ネットに接続できる環境があれば、頻繁に確認することをおすすめします。
なお↑リンク先のマップにて「4x4」と表示されている道は、車高の高いオフロード対応の4駆車でないと走っちゃダメよ、という意味です。

4駆車でないと通行できない道については、こんな案内板が立っていることもあります。看板の左側では、轍が消えて道が消失している状況や、思いっきりえぐれた轍が写っている画像が紹介されており、右側では普通乗用車に×がつけられています。

・ヨーロッパではどこにでもありますが、交差点はラウンドアバウト(ロータリー)になっている箇所が多く存在しています。信号要らずで交差点の交通を捌ける合理性が個人的には大好きなのですが、日本では滅多にお目にかかれないので、慣れないとどのように運転してよいかわからないかもしれません。ま、北海道民でしたら、旭川の常盤ロータリーや釧路の幣舞橋などのロータリーがあるので本土の人間より慣れやすいかと思いますが、具体的にどのようなものかはwikipediaの記事をご覧いただくとして、大原則としては、ロータリーを廻っている車が優先、そしてロータリーから出るときはウインカーを出して進みたい道へとそれていきます。


●給油方法
車で旅行するなら必ずお世話になるのがGS。アイスランドのGSは24時間営業あるいは無人営業のところも多く、有人のGSは日本のコンビニみたいな機能も有しているためとっても便利です。基本的にはセルフです。ただし地方部へ行くと給油したくても100km以上離れないとGSが無いという場所もありますから、余裕をもって給油しておくことをおすすめします。以下、アイスランドで一番多い"N1"というGSにおける給油方法を箇条書きにしてみます。他社もほぼ同様。
1:まず支払機にクレジットカードを挿入(挿入の向きなどは機械にイラストあり。アイスランド以外で発行したカードならば自動的に英語表記に切り替わります)
2:カードの暗証番号(PIN)4桁を入力し、"Lagi"ボタン(緑色)を押す
3:給油希望金額を入力し、"Lagi"ボタン(緑色)を押す。ここでの数値は事前に購入量を決めておきたい方のためのものですから、満タン希望でしたら20000など、思いっきりデカい数値を入れておけばOK。多く入力しても実際に請求されるのは給油した量だけですので心配無用。
4:もし1台の支払機で複数のポンプを管理している場合は、ポンプ番号を入力
5:支払機から一旦カードを取り出す
6:"READY"と表示されたらノズルを手にとって給油開始(くれぐれもガソリン車にディーゼル(軽油)を入れないでくださいね。ノズルは日本のセルフと同じくオートストップです)
7:給油終わったら再び支払機にカードを挿入して清算。レシートが出てきます。

さぁ、安全運転でレッツゴー!!






コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイスランド ロイガルヴァトン(Laugarvatn) 温泉プール FONTANA

2011年08月09日 | アイスランド
レイキャヴィクから日帰りで有名観光地を周遊できる超定番ルート「ゴールデンサークル」上にある湖畔の町ロイガルヴァトン(Laugarvatn)に今年(2011年)6月、新しい温泉温浴施設"FONTANA"がオープンしました。この開業したばかり施設にさっそく訪れてみました。

 
公式サイトには場所に関する詳しい説明がなく、付近にも特に看板が出ていなかったので、一体どこにあるのかしらと町をウロウロしていたら、湖畔に画像のような低くて平べったい建物を発見。敷地内には"FONTANA"と記された旗がはためいていたので、ここが目的地なんだと確信し、車を駐車場に止めて、中へ入ってみました。入口にすら施設名は表示されていないので、結構わかりにくいかもしれません。


エントランスホールは軽食コーナーを兼ねており、ここでランチをとることもできます。道路からは低い建物のように見えましたが、それは道路より一段低いレベルに建てられているからであって、館内は天井が高く、ガラスを多用していることもあって、明るく開放感があってきれいです。受付で料金を支払うとロッカーの鍵が渡されるので、それを手にして男女別の更衣室へ。なおタオルや水着のレンタルもあります。

 
ちなみにエントランスホールのゲート付近にはこんな模型が展示されていました。以前はこのような素朴な小屋が当地に存在しており、湖畔に湧く温泉の蒸気を利用した天然のスチームバスを楽しんでいたようです。

 
中央の姿見や洗面台を囲むように円形にロッカーが配置された更衣室。オープンしてまだ2か月も経っていませんから、当然ながらとっても綺麗。ロッカーは受付でもらった鍵に記されている番号のものを使います。
更衣室の隣にはシャワー室がありますから、利用者はプールへ入る前に全裸になって全身をくまなく洗い、それから水着を着用しましょう。更衣室とシャワー室は一体となっており、全裸での移動が可能。ここを含めアイスランドのプールや温浴施設に共通して言えることなのですが、シャワー室と更衣室の間には足ふきマットやスノコなどが無いため、更衣室の床はいつもビショビショ。私が利用した時は、係員のお兄さんが水切りワイパーで懸命に脱衣所の水を排出していました。


プールはすべて屋外です。湖畔に立地しているため、とっても眺めがよく、気持ち良いです。

 
温泉水を利用したプール槽は3つあり、なかでも目を引くのが、敷地を横切るかのような長さを有するこの槽。深さは場所によって変化しますが、基本的には浅めにつくられており、子供が遊んでも危なくないような構造です。湯温は34℃と表示されていますが、実際にはもうちょっと低かった気がします。


細長い槽より湖畔側には、長方形でやや小さいながらも深く作られているプールがありました。その深さは1.15mあり、泳いでも問題ない構造ですが、長さが足りないので、しっかり泳ぎたい人には物足りないでしょうね。温度は32℃と表示されており、たしかにその位の温度でした。この時の外気温は12℃でしたから、このプールに入ってから外に出ると、めちゃくちゃ寒いんですよ…。

 
外が寒いのにわざわざぬるいお湯に浸かって風邪をひくような真似はしたくない、という御仁にはこちらのホットタブをどうぞ。半円形の浴槽には39~40℃のお湯が張られており、これでも日本人にはぬるめですが、体を温めるには何とかなるかと思います。他のプールよりちょっと高い位置に設けられているために眺めが若干良く、しかも外気温が低い日だったため、多くのお客さんはこのホットタブに集中していました。

さて肝心のお湯の質ですが、施設側の説明によれば天然の温泉(おそらく造成泉)を使用しているとのことでして、無色透明で微タマゴ臭と微塩味が感じられるのですが、それをはるかに上回っていたのが、温泉ファンの憎き天敵である塩素臭でした。かなり塩素臭が強いのです。またお湯は間違いなく循環されているでしょう。浴感にもこれといった特徴はなく、このお湯は本当に温泉なの?と疑いたくなるほどでした。正直なところ、このお湯にはガッカリです。

  
お湯は期待外れでしたが、落胆した私のハートを癒してくれたのがこのスチームバス。こちらは正真正銘、地熱による温泉蒸気がそのまま引かれて室内に放出されており、地熱の恵みを存分に堪能することができます。スチームバスは3室並んでおり、お好きな部屋を利用できます。施設側の説明によれば室温は40~50℃であるとのこと。
室内には常にボコボコという蒸気の噴出音が響き、足元や腰掛の下から白い蒸気が立ち上っています。一応室内の床や腰掛には黒いゴムシートが敷かれていますが、たまに気まぐれな蒸気がお尻を直撃することがあり、これが結構熱いので、利用の際には入口傍に用意されているマットを使ったほうがいいかと思います。室内には仄かに硫化水素のような匂いが漂っていましたが、これはれっきとした温泉由来のものかもしれませんし、あるいは床などに敷かれている黒いゴムシートから発せられている匂いである可能性も捨てきれません。
このサウナ棟にはこれらのスチームバスの他、深くて小さなプールに面したところにはフィンランド式の高温サウナ(80~90℃)も一室設けられています。

 
プールの隣には熱湯が湧き出る源泉井があり、プールからも見ることができます。プールやスチームバスで使われているお湯や蒸気はここから引っ張っているのでしょうね。

レイキャヴィク・エクスカーション社ではさっそくこのFONTANAとゴールデンサークルを組み合わせたツアーを今夏から催行開始させており(SRE74 The Golden Circle & Fontana Steam Bath)、湖畔の風光明媚な立地も手伝って、今後はゴールデンサークルの新たな観光名所として名を馳せるのかもしれませんが、率直な感想を申し上げれば、時間があれば立ち寄っても良いのでは?という程度のもので、温泉とはいえ所詮はプールと蒸し風呂だけですから、ブルーラグーン、ミーヴァトン・ネイチャーバスのような広い露天風呂を期待すると、その想像を裏切られてしまうことになるでしょう。温浴槽(プール)はいずれも使い勝手が中途半端なので、地熱蒸気のスチームバスをメインにした施設なんだと考えると良いかと思います。私のような蒸し風呂が好きな方や、お子さんを安全に温水プールで遊ばせたいという方には、もってこいな施設でしょう(12歳以下は無料ですし)。


所在地 Hverabraut 1 Laugarvatn  地図
電話 +354-486-1400
ホームページ

5月15日~9月30日→11:00~21:30
10月1日~5月14日→14:00~20:30
(終了時間はいずれも最終受付時間)

大人2100KR、13~16歳1050KR、12歳以下無料
タオル貸出・水着貸出:各500KR
ロッカー・ドライヤー・シャンプーあり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする