上総亀山「参温泉」の3軒目です。1軒目「七里川温泉」と2軒目「亀山温泉ホテル」については各ページをご参照あれ。
笹川湖上流の県道沿いには清水渓流広場というちょっとした公園が設けられており、そこには3軒のペンションのような建物が建っています。いずれも「濃溝温泉千寿の湯」の関連施設で、県道に最も近い棟(上画像)は宿泊棟、その隣は食堂、そして一番奥の川岸に接した建物が温泉棟となっています。県道沿いの電光看板には「源泉かけ流し」と表示されており、「日帰り入浴できます」とプリントされた幟もはためいているので、どんなお湯なのか、入ってみることにしました。
こちらが温泉棟です。玄関前にはボートを転用した足湯が設置されていましたが、訪問時は空っぽでした。
東京近郊の日帰り入浴施設らしからぬ、こじんまりとしたアットホームな造りです。館内には食堂を兼ねた休憩室があります。
建物自体が小さめなので脱衣所も狭いのですが、手入れはよく行き届いていて清潔です。室内には冷水タンクと紙コップが用意され、湯上りの水分補給には最適。こういう細かな配慮はありがたいですね。
お風呂は内湯のみで、民宿のお風呂みたいなシンプルな造りです。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が4基設置されており、浴槽は1つで4~5人サイズでしょうか。窓からは自然あふれる笹川湖最上流の景色が望めるんだそうですが、あいにく訪問時はすでに日が暮れており、景色を楽しむことはできませんでした。
木製の湯口(お湯が出るところだけステンレス)から出てくるお湯は、浴槽の縁に這わせてある樋を流れながら浴槽へと注がれていきます。樋の途中には穴があけられており、そこからもお湯が注がれます。そしてその浴槽に張られたお湯は縁から静かにオーバーフローしていきます。湯口の木箱にはバルブが内蔵されていますが、客が操作することはNGのようです。湯口直下に置かれた温度計は40℃を指していました。
お湯は微かに紅茶色を帯びた透明で、まるやかながら明瞭なタマゴ臭とタマゴ味、そして重曹味とほろ苦さが感じられます。またモール臭に似て非なる香ばしい匂いも仄かに漂っていました。弱いながらもはっきりとした重曹泉的なツルスベ浴感があり、お湯に体を沈めてじっとしていると肌にゆっくり気泡が付着します。
源泉温度が低いので加温されていますが、程ほどの温度に抑えられているため、いくらでも長湯できそうな実に気持ち良い湯加減でした(熱いお湯が好きな方には物足りないかも)。ぬるめの重曹泉は私の好みのストライクゾーンど真ん中なので、この時もじっくり長湯させていただきました。また先客の方は、何度も入ったり出たりを繰り返すことにより、やはり長湯を楽しんでいらっしゃいました。
源泉湧出量が限られている上に加温もしているのに、常時放流式の湯使いを実現させているのは立派だと思います。個人的には気に入りました。房総の鉱泉は個性的で奥が深いんですね。
温泉法上の温泉(冷鉱泉)(温泉法第2条別表の重炭酸そうだの項による)(温泉法別表では何故か重炭酸ソーダ(炭酸水素ナトリウムの別称)のソーダが「そうだ」と平仮名表記されています)
15.7℃ pH8.5 22L/min(自然湧出) 溶存物質0.763g/kg 成分総計0.763g/kg
ナトリウムイオン198.4mg/kg(89.52mval%)、塩素イオン75.6mg/kg(21.58mval%)、炭酸水素イオン350.8mg/kg(58.26mval%)
加温あり、加水・循環・消毒については記載無いがおそらく該当なしと思われる
ナトリウムイオン198.4mg/kg(89.52mval%)、塩素イオン75.6mg/kg(21.58mval%)、炭酸水素イオン350.8mg/kg(58.26mval%)
加温あり、加水・循環・消毒については記載無いがおそらく該当なしと思われる
JR久留里線・上総亀山駅から君津市コミュニティーバスの香木原行に乗車し「清水渓流広場」バス停下車すぐ(所要約12~16分、200円)
千葉県君津市笹1954-17 地図
0439-39-3791
10:00~21:00 火曜定休
800円
シャンプー類・ドライヤーあり、貴重品はフロント預かり
私の好み:★★
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●おまけ 久留里線のキハ30
かつて関東圏では八高線や相模線で当たり前のように乗車できたキハ30・35ですが、いまではこの久留里線や譲渡先の関東鉄道で最後の活躍を見せるのみとなってしまいました。しかも関東鉄道では早々の引退が決定しており、久留里線でもキハE130への更新が予定されているため、その雄姿は過去帳入りしてします。そこで私のヘタクソな画像で申し訳ないのですが、キハ30の記憶をとどめておくため、その姿をここに残しておきたいと思います。下手な私に走行中の姿は撮影できないので、車両の部位に注目してみました。
上総亀山に停車中。
上総亀山はホーム有効長が短いため、3両以上つないでいる場合、ホームからはみだす車両はドアカット。
外吊り両開きのドアは日本では珍しい。
ドアを車内から見たところ。戸袋窓の上には「手をださぬよう」にという注意書きあり。
ドア開閉ボタン
ロングシートが並ぶ車内。冷房はないので、夏は窓を全開に。天井では扇風機がフル回転。車内には余計なものが無いのですっきりしています。
運転台。国鉄車両らしい大きな受話器や「タブレット再度確認」というシールが目を惹きます。
「キハ30 100」のプレート
昭和の通勤車両のシンボル、グロベン。
このような車両が2011年の今日まで現役であり続けていることは奇跡なのかもしれません。