温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

松崎温泉

2011年08月28日 | 青森県
 
温泉公衆浴場の宝庫である平川市の西端、弘前市境に近い地区にあるのが松崎温泉です。以前は薬局を併設した珍しい温泉として一部ファンの間で存在が知られていたようですが、昨年(一昨年?)の春にちょこっと改装されてリニューアルオープンしたらしく、私は5年前に一度行ったきりで改装後の様子を知りたかったので、某日行ってみることにしました。
道路沿いのサインや建物外観はあまり変わっていないようですが、よく見ると玄関上の表記が「智光温泉松崎」から「松崎温泉」に変わっていたり、薬局が閉じられていて浴場専業になっていたりと、小さな変化が確認できました。


あえてマニアックな視点で外観的な変化を挙げると、駐車場脇の源泉施設がピカピカに更新されていることでしょうか。平川市の温泉施設はこの温泉の他、当ブログで取り上げた大光寺温泉鷹の羽温泉のように、各所で源泉施設が一斉に更新されており、おそらくこれは行政の主導で行われているものと思われます(私の勝手な想像ですが、外観から判断するに、渋谷のシエスパ爆発事故を受けた、可燃ガスの曝気対策でしょうか)。

 
券売機で料金を支払います。受付のお婆ちゃんは以前と変わず愛想がとても良く、こちらも思わず笑顔になります。
館内はとてもリニューアルしたようには思えず、以前のままの鄙びた雰囲気が漂っていました。強いて言うなら照明器具や自販機が新しくなっているかな? ガラスのショーケースには入浴用具の他、カップラーメン、そしてアタリメや干しタラなどの乾物がたくさん並べられていました。


玄関脇には大広間(休憩室)があるのですが、こちらは完全に以前のままで、薄暗い室内には誰もいませんでした。

  
更衣室は以前より明るくなっているかも(記憶が曖昧なのでいい加減なことしか言えません。ごめんなさい)。シンプルながら綺麗で清潔です。でも使いまわせる備品はちゃんと再利用されており、ガラスに印字された理髪店の住所は旧町名、電話番号も下4桁しか記されていないものでした。

 
浴室は基本的な構造は変わっていませんが、随所に変化点が見受けられます。まず浴槽ですが、以前は大きなものがひとつ据えられているだけでしたが、現在ではその浴槽に仕切りが設けられ、4~5人サイズの小さな高温槽と広めの低温槽に分けられていました。また以前はお風呂椅子を横にして浴槽縁の切り欠けに嵌め、これによってオーバーフロー量を調整していましたが、改修後はそれが取り払われ、今ではごく自然に浴槽縁からお湯をオーバーフローさせていました。
洗い場のカランも新しくなっており、シャワー付きのサーモスタット水栓が12基用意されています。

お湯はほぼ無色透明ですが、ごく僅かに靄がかかっているようにも見えます。特に高温槽はその傾向が強いようでした。成分総計16.01g/kgという津軽平野の温泉では屈指の高濃度で、しかもその殆どを食塩が占めているため、加水されているもののかなりしょっぱく、お湯に体を沈めるとすぐに湯疲れし、体力が奪われてフラフラしてしまいます。常連さん曰く、お湯から上がって更衣室のベンチで15分じっと座っているけど、ちっとも汗が引かないんだよ、とのこと。実際、この方のみならず他の常連さんも長椅子でグッタリしていました。汗っかきな私は重症でして、湯上りは玉のような汗がしばらく止まらず、肌はベトベトし、シャツが着替えを要するほどグッショリ濡れてしまったほどです。こうした濃い食塩泉は、暑い夏場に入ると体に負担を与えやすいのですが、冬の厳寒期になると卓越した発熱・保温効果を発揮し、信じられないほど湯冷めせず、いつまでもポカポカ感が持続するので、厳しい冬が続く津軽には心強い味方となってくれるに違いありません。松崎温泉は冬に入ってこそ、その良さを実感できるのでしょう。

ただでさえ温泉激戦区である当地には近年「からんころん温泉」もオープンし、界隈の温泉浴場はますます競争が厳しくなる一方ですが、お湯の濃さではこの松崎温泉が他を圧倒していますから、使い勝手、お湯の濃さ、などのファクターによって上手い具合に各浴場が棲み分けできるといいですね。


61.9℃ pH8.0 湧出量不明 溶存物質15.98g/kg 成分総計16.01g/kg
ナトリウムイオン5131.5mg/kg(86.13mval%)、塩素イオン9111.1mg/kg(97.90mval%)

弘南鉄道弘南線・館田駅より徒歩15分(約1.4km)
青森県平川市松崎西田27-1  地図
0172-44-8251

7:00~22:00 第1火曜定休
350円
100円リターン式ロッカー・ドライヤーあり、その他は販売

私の好み:★★
コメント
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