レイキャヴィクから日帰りで有名観光地を周遊できる超定番ルート「ゴールデンサークル」上にある湖畔の町ロイガルヴァトン(Laugarvatn)に今年(2011年)6月、新しい温泉温浴施設"FONTANA"がオープンしました。この開業したばかり施設にさっそく訪れてみました。
公式サイトには場所に関する詳しい説明がなく、付近にも特に看板が出ていなかったので、一体どこにあるのかしらと町をウロウロしていたら、湖畔に画像のような低くて平べったい建物を発見。敷地内には"FONTANA"と記された旗がはためいていたので、ここが目的地なんだと確信し、車を駐車場に止めて、中へ入ってみました。入口にすら施設名は表示されていないので、結構わかりにくいかもしれません。
エントランスホールは軽食コーナーを兼ねており、ここでランチをとることもできます。道路からは低い建物のように見えましたが、それは道路より一段低いレベルに建てられているからであって、館内は天井が高く、ガラスを多用していることもあって、明るく開放感があってきれいです。受付で料金を支払うとロッカーの鍵が渡されるので、それを手にして男女別の更衣室へ。なおタオルや水着のレンタルもあります。
ちなみにエントランスホールのゲート付近にはこんな模型が展示されていました。以前はこのような素朴な小屋が当地に存在しており、湖畔に湧く温泉の蒸気を利用した天然のスチームバスを楽しんでいたようです。
中央の姿見や洗面台を囲むように円形にロッカーが配置された更衣室。オープンしてまだ2か月も経っていませんから、当然ながらとっても綺麗。ロッカーは受付でもらった鍵に記されている番号のものを使います。
更衣室の隣にはシャワー室がありますから、利用者はプールへ入る前に全裸になって全身をくまなく洗い、それから水着を着用しましょう。更衣室とシャワー室は一体となっており、全裸での移動が可能。ここを含めアイスランドのプールや温浴施設に共通して言えることなのですが、シャワー室と更衣室の間には足ふきマットやスノコなどが無いため、更衣室の床はいつもビショビショ。私が利用した時は、係員のお兄さんが水切りワイパーで懸命に脱衣所の水を排出していました。
プールはすべて屋外です。湖畔に立地しているため、とっても眺めがよく、気持ち良いです。
温泉水を利用したプール槽は3つあり、なかでも目を引くのが、敷地を横切るかのような長さを有するこの槽。深さは場所によって変化しますが、基本的には浅めにつくられており、子供が遊んでも危なくないような構造です。湯温は34℃と表示されていますが、実際にはもうちょっと低かった気がします。
細長い槽より湖畔側には、長方形でやや小さいながらも深く作られているプールがありました。その深さは1.15mあり、泳いでも問題ない構造ですが、長さが足りないので、しっかり泳ぎたい人には物足りないでしょうね。温度は32℃と表示されており、たしかにその位の温度でした。この時の外気温は12℃でしたから、このプールに入ってから外に出ると、めちゃくちゃ寒いんですよ…。
外が寒いのにわざわざぬるいお湯に浸かって風邪をひくような真似はしたくない、という御仁にはこちらのホットタブをどうぞ。半円形の浴槽には39~40℃のお湯が張られており、これでも日本人にはぬるめですが、体を温めるには何とかなるかと思います。他のプールよりちょっと高い位置に設けられているために眺めが若干良く、しかも外気温が低い日だったため、多くのお客さんはこのホットタブに集中していました。
さて肝心のお湯の質ですが、施設側の説明によれば天然の温泉(おそらく造成泉)を使用しているとのことでして、無色透明で微タマゴ臭と微塩味が感じられるのですが、それをはるかに上回っていたのが、温泉ファンの憎き天敵である塩素臭でした。かなり塩素臭が強いのです。またお湯は間違いなく循環されているでしょう。浴感にもこれといった特徴はなく、このお湯は本当に温泉なの?と疑いたくなるほどでした。正直なところ、このお湯にはガッカリです。
お湯は期待外れでしたが、落胆した私のハートを癒してくれたのがこのスチームバス。こちらは正真正銘、地熱による温泉蒸気がそのまま引かれて室内に放出されており、地熱の恵みを存分に堪能することができます。スチームバスは3室並んでおり、お好きな部屋を利用できます。施設側の説明によれば室温は40~50℃であるとのこと。
室内には常にボコボコという蒸気の噴出音が響き、足元や腰掛の下から白い蒸気が立ち上っています。一応室内の床や腰掛には黒いゴムシートが敷かれていますが、たまに気まぐれな蒸気がお尻を直撃することがあり、これが結構熱いので、利用の際には入口傍に用意されているマットを使ったほうがいいかと思います。室内には仄かに硫化水素のような匂いが漂っていましたが、これはれっきとした温泉由来のものかもしれませんし、あるいは床などに敷かれている黒いゴムシートから発せられている匂いである可能性も捨てきれません。
このサウナ棟にはこれらのスチームバスの他、深くて小さなプールに面したところにはフィンランド式の高温サウナ(80~90℃)も一室設けられています。
プールの隣には熱湯が湧き出る源泉井があり、プールからも見ることができます。プールやスチームバスで使われているお湯や蒸気はここから引っ張っているのでしょうね。
レイキャヴィク・エクスカーション社ではさっそくこのFONTANAとゴールデンサークルを組み合わせたツアーを今夏から催行開始させており(SRE74 The Golden Circle & Fontana Steam Bath)、湖畔の風光明媚な立地も手伝って、今後はゴールデンサークルの新たな観光名所として名を馳せるのかもしれませんが、率直な感想を申し上げれば、時間があれば立ち寄っても良いのでは?という程度のもので、温泉とはいえ所詮はプールと蒸し風呂だけですから、ブルーラグーン、ミーヴァトン・ネイチャーバスのような広い露天風呂を期待すると、その想像を裏切られてしまうことになるでしょう。温浴槽(プール)はいずれも使い勝手が中途半端なので、地熱蒸気のスチームバスをメインにした施設なんだと考えると良いかと思います。私のような蒸し風呂が好きな方や、お子さんを安全に温水プールで遊ばせたいという方には、もってこいな施設でしょう(12歳以下は無料ですし)。
所在地 Hverabraut 1 Laugarvatn 地図
電話 +354-486-1400
ホームページ
5月15日~9月30日→11:00~21:30
10月1日~5月14日→14:00~20:30
(終了時間はいずれも最終受付時間)
大人2100KR、13~16歳1050KR、12歳以下無料
タオル貸出・水着貸出:各500KR
ロッカー・ドライヤー・シャンプーあり
公式サイトには場所に関する詳しい説明がなく、付近にも特に看板が出ていなかったので、一体どこにあるのかしらと町をウロウロしていたら、湖畔に画像のような低くて平べったい建物を発見。敷地内には"FONTANA"と記された旗がはためいていたので、ここが目的地なんだと確信し、車を駐車場に止めて、中へ入ってみました。入口にすら施設名は表示されていないので、結構わかりにくいかもしれません。
エントランスホールは軽食コーナーを兼ねており、ここでランチをとることもできます。道路からは低い建物のように見えましたが、それは道路より一段低いレベルに建てられているからであって、館内は天井が高く、ガラスを多用していることもあって、明るく開放感があってきれいです。受付で料金を支払うとロッカーの鍵が渡されるので、それを手にして男女別の更衣室へ。なおタオルや水着のレンタルもあります。
ちなみにエントランスホールのゲート付近にはこんな模型が展示されていました。以前はこのような素朴な小屋が当地に存在しており、湖畔に湧く温泉の蒸気を利用した天然のスチームバスを楽しんでいたようです。
中央の姿見や洗面台を囲むように円形にロッカーが配置された更衣室。オープンしてまだ2か月も経っていませんから、当然ながらとっても綺麗。ロッカーは受付でもらった鍵に記されている番号のものを使います。
更衣室の隣にはシャワー室がありますから、利用者はプールへ入る前に全裸になって全身をくまなく洗い、それから水着を着用しましょう。更衣室とシャワー室は一体となっており、全裸での移動が可能。ここを含めアイスランドのプールや温浴施設に共通して言えることなのですが、シャワー室と更衣室の間には足ふきマットやスノコなどが無いため、更衣室の床はいつもビショビショ。私が利用した時は、係員のお兄さんが水切りワイパーで懸命に脱衣所の水を排出していました。
プールはすべて屋外です。湖畔に立地しているため、とっても眺めがよく、気持ち良いです。
温泉水を利用したプール槽は3つあり、なかでも目を引くのが、敷地を横切るかのような長さを有するこの槽。深さは場所によって変化しますが、基本的には浅めにつくられており、子供が遊んでも危なくないような構造です。湯温は34℃と表示されていますが、実際にはもうちょっと低かった気がします。
細長い槽より湖畔側には、長方形でやや小さいながらも深く作られているプールがありました。その深さは1.15mあり、泳いでも問題ない構造ですが、長さが足りないので、しっかり泳ぎたい人には物足りないでしょうね。温度は32℃と表示されており、たしかにその位の温度でした。この時の外気温は12℃でしたから、このプールに入ってから外に出ると、めちゃくちゃ寒いんですよ…。
外が寒いのにわざわざぬるいお湯に浸かって風邪をひくような真似はしたくない、という御仁にはこちらのホットタブをどうぞ。半円形の浴槽には39~40℃のお湯が張られており、これでも日本人にはぬるめですが、体を温めるには何とかなるかと思います。他のプールよりちょっと高い位置に設けられているために眺めが若干良く、しかも外気温が低い日だったため、多くのお客さんはこのホットタブに集中していました。
さて肝心のお湯の質ですが、施設側の説明によれば天然の温泉(おそらく造成泉)を使用しているとのことでして、無色透明で微タマゴ臭と微塩味が感じられるのですが、それをはるかに上回っていたのが、温泉ファンの憎き天敵である塩素臭でした。かなり塩素臭が強いのです。またお湯は間違いなく循環されているでしょう。浴感にもこれといった特徴はなく、このお湯は本当に温泉なの?と疑いたくなるほどでした。正直なところ、このお湯にはガッカリです。
お湯は期待外れでしたが、落胆した私のハートを癒してくれたのがこのスチームバス。こちらは正真正銘、地熱による温泉蒸気がそのまま引かれて室内に放出されており、地熱の恵みを存分に堪能することができます。スチームバスは3室並んでおり、お好きな部屋を利用できます。施設側の説明によれば室温は40~50℃であるとのこと。
室内には常にボコボコという蒸気の噴出音が響き、足元や腰掛の下から白い蒸気が立ち上っています。一応室内の床や腰掛には黒いゴムシートが敷かれていますが、たまに気まぐれな蒸気がお尻を直撃することがあり、これが結構熱いので、利用の際には入口傍に用意されているマットを使ったほうがいいかと思います。室内には仄かに硫化水素のような匂いが漂っていましたが、これはれっきとした温泉由来のものかもしれませんし、あるいは床などに敷かれている黒いゴムシートから発せられている匂いである可能性も捨てきれません。
このサウナ棟にはこれらのスチームバスの他、深くて小さなプールに面したところにはフィンランド式の高温サウナ(80~90℃)も一室設けられています。
プールの隣には熱湯が湧き出る源泉井があり、プールからも見ることができます。プールやスチームバスで使われているお湯や蒸気はここから引っ張っているのでしょうね。
レイキャヴィク・エクスカーション社ではさっそくこのFONTANAとゴールデンサークルを組み合わせたツアーを今夏から催行開始させており(SRE74 The Golden Circle & Fontana Steam Bath)、湖畔の風光明媚な立地も手伝って、今後はゴールデンサークルの新たな観光名所として名を馳せるのかもしれませんが、率直な感想を申し上げれば、時間があれば立ち寄っても良いのでは?という程度のもので、温泉とはいえ所詮はプールと蒸し風呂だけですから、ブルーラグーン、ミーヴァトン・ネイチャーバスのような広い露天風呂を期待すると、その想像を裏切られてしまうことになるでしょう。温浴槽(プール)はいずれも使い勝手が中途半端なので、地熱蒸気のスチームバスをメインにした施設なんだと考えると良いかと思います。私のような蒸し風呂が好きな方や、お子さんを安全に温水プールで遊ばせたいという方には、もってこいな施設でしょう(12歳以下は無料ですし)。
所在地 Hverabraut 1 Laugarvatn 地図
電話 +354-486-1400
ホームページ
5月15日~9月30日→11:00~21:30
10月1日~5月14日→14:00~20:30
(終了時間はいずれも最終受付時間)
大人2100KR、13~16歳1050KR、12歳以下無料
タオル貸出・水着貸出:各500KR
ロッカー・ドライヤー・シャンプーあり