津軽平野にたくさん点在する温泉公衆浴場のひとつです。駅から近く、また家族風呂もあるようですから、何かと利便性は良さそうです。いかにも青森県公衆浴場らしい飾り気が無くおとなしい外観。
玄関にある券売機で料金を支払います。受付前の休憩スペースでは、常連の爺様婆様が長椅子にゴロンと横たわっていました。
数年前にリニューアルされたらしく、更衣室は広くて清潔、使い勝手良好です。
銭湯らしく浴室にはカランがズラリとたくさん並んでおり、数えてみたら22ヶ所ありました。いずれもシャワー付きの混合栓です。青森県の公衆浴場は、どんな新しい施設でも昔ながらの押しバネ式カランを採用する傾向にありますが、こちらでは家庭でもよく使われる蛇口式のごく一般的なカランが設置されていました。この方が使いやすいですよね。
浴槽は左から大きな槽、2人サイズの浅めの槽、くるぶしまでしか浸からない浅い小さな槽の順番に3つが並んでいます。3本の塩ビパイプが突き出た湯口には湯の花を漉し取るために白いナイロンの網がかぶせられ、その中には赤い固形物がギッシリと溜まっていました。
加水されているものの湯加減は熱め。加水が手伝っているためかお湯の投入量は多く、浴槽の縁からふんだんにオーバーフローしています。お湯は薄い黄色を帯びた透明、津軽平野の温泉にしては薄い塩味、ほぼ無臭。
内湯から屋外に出ると、リニューアルの際に増設された露天風呂が据えられています。浴槽は御影石風の石板貼りで5~6人サイズ。県道に面している上、周囲は住宅であるため、露天風呂は板塀に囲まれており、景色を眺めることはできませんが、風はちゃんと流れてきますから、熱い内湯でのぼせた体を冷ますにはちょうど良いスペースだと思います。露天の上には梁が渡されているのですが、この梁や柱に用いられている材木には建設時に付いちゃったと思しき足跡がたくさん残されており、ちょっとガッカリ…。
外気の影響か加水が多いのか、内湯よりも露天の方が入りやすい湯加減でした。当然こちらも掛け流しで浴槽縁からしっかりお湯がオーバーフローしており、内湯同様に湯口にはネットが被せられていますが、網の目が粗いのか、あるいは外気に冷やされるためか、内湯より露天の方が湯中の湯の華が多く、小豆色をした大小の浮遊物がたくさん舞っていました。
露天浴槽の脇には一人サイズの水風呂もありました。井戸水を利用しているのでしょうか、水が溢れる流路の石板タイルは赤く染まっており、ここの地下水は金気が多いのかもしれません。
一見するとごく普通の公衆浴場ですが、館内の設備は使い勝手がよく、お湯はしっかり掛け流し、しかも露天風呂も用意されているというなかなかの充実ぶりです。こんな良質な温泉浴場が当たり前のようにたくさん存在している青森県って天国のような土地ですね。
館田源泉
ナトリウム-塩化物温泉 58.8℃ pH7.76 419L/min(動力揚湯) 溶存物質4.555g/kg 成分総計4.555g/kg
ナトリウムイオン1592mg/kg(97.01mval%) 塩素イオン2435mg/kg(93.87mval%) 加水あり・加温循環消毒なし
弘南鉄道弘南線・館田駅より徒歩8分(約600M)
青森県平川市館田前田278-3 地図
0172-44-8565
夏期5:00~22:00、冬期6:00~22:00
300円(朝8:00までは200円)
100円リターン式ロッカー・ドライヤーあり
私の好み:★★