家庭内映画館

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「犬の首輪とコロッケと」・・・(772)

2013-04-06 01:36:44 | Weblog
「犬の首輪とコロッケと」犬の首輪とコロッケと
監督・原作:長原成樹
出演:鎌苅健太、ちすん、中村昌也、宮下雄也、池田純矢、他
2011年・日本・85分<レンタル>

<STORY>
大阪・生野区で毎日食卓にコロッケとキムチしか出さない在日韓国人の父親のもとに生まれたセイキは、ケンカや窃盗に明け暮れ、少年院に入れられてしまう。やがて少年院を出たセイキは、友人から紹介されたミチコのために真面目に生きることを決意。芸人を目指していた相棒のタツヤに誘われお笑いの道へ進むが、そんなセイキに対してミチコはある秘密を隠していた...

吉本興業の芸人・長原成樹が自伝小説を自らのメガホンで映画化。
原作は以前に読みました。私くらいの世代の関西人なら”ヤンキースのセイキ”として有名な人ですが
若い人や関西以外の地域の知名度はどんなものなのでしょうか?ちなみに「探偵ナイトスクープ」に出てる人です。

大阪を舞台にした不良映画ってことになると、どうしても井筒監督の「ガキ帝国」「岸和田少年愚連隊」なんかと比べてしまうのですが
当然比べ物にならないレベルの出来でした。
まぁ素人監督が撮った作品であるので比べるのは酷ですが、それは観客には関係ありませんので...

基本的には実話ですので、作られたドラマに比べるとお話がどうしても退屈です。
個人的にはもっと青春バイオレンスみたいなものを期待してましたが、はっきり言って今作は「ラブストーリー」です。
実話で悲恋ですのでこういう言い方は良くないですが、映画の感想としてあえて言わせてもらうとまったくの期待ハズレでした。
それと、不良映画に善悪っていうのも変ですが「ガキ帝国」なんかは”良い不良vs悪い不良”的な構図がありましたが
今作では特にそういう大きな軸となる抗争みたいなものは描かれてないので、ただただ主人公のセイキが”悪”なんです。
80年前後の生野の在日という状況がどういうものなのか、同じ大阪でも世代も環境も違う私にはちょっとわかりませんが
不良少年が好き勝手生きたお話なので、なかなか感情移入が難しいです。

原作者が監督すると客観視が出来ないのか?イマイチな感じがありますが(村上龍みたいに...笑)
今作も正にそんな印象を強く受けます。良いお話的に描かれてますが、冷静に観ると決してそんな話では無いですね。