家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

「今宵、フィッツジェラルド劇場で」・・・(286)

2007-11-03 16:13:32 | Weblog
「今宵、フィッツジェラルド劇場で」A PRAIRIE HOME COMPANION
監督:ロバート・アルトマン
出演:メリル・ストリープ、ウディ・ハレルソン、トミー・リー・ジョーンズ、ギャリソン・キーラー、ケヴィン・クライン、リンジー・ローハン、ヴァージニア・マドセン、ジョン・C・ライリー、マヤ・ルドルフ、リリー・トムリン、他
2006年・アメリカ・105分<レンタル>

<STORY>
ミネソタ州セントポールのフィッツジェラルド劇場で、長年親しまれてきたラジオショウ「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の、最後の公開生放送が始まろうとしていた。私立探偵を気取った用心棒ノワール、名司会者キーラー、カントリーシンガーのヨランダとロンダのジョンソン姉妹、カウボーイソングデュオのダスティとレフティらが、次々と楽屋入りする。やがてショウが始まり、白いトレンチコートの美女が現れる...

名匠ロバート・アルトマン監督の遺作。
全体に漂う”終焉”の匂い、そして映画のテーマは”死”でしょうね...
ただ映画全体を貫いているのは決して哀しみではなく、人生の素晴らしさだと思います。

ラジオショーの最終回、舞台上と楽屋を交互に映し出しながら人生の悲喜こもごもを描いていきます。極端に言ってしまうと「何も起こらない」といっても過言ではないくらい淡々と、楽しくそして切なくショーが進んでいきます。
監督の病状やその他詳しいことは私は知りませんが、コメンタリーに監督が参加してるので今作が遺作になるとは本人も思ってなかったかもしれません。それなのに遺作としてこれ以上ないくらいのテーマの作品を撮ったのには何か運命的なものを感じますね。

ちなみに舞台となっている「プレイリー・ホーム・コンパニオン」っていうのは実際にあるラジオショーだということですので、きっと知ってるのと知らないのとでは映画の見方も違ってくるでしょうね~。

凄い面白いとか傑作だとか名作だとかは言いません。
ただアルトマン監督の遺作は是非観ておきたいと思う方にとってはとても大切な1本になると思います。
終焉を描いてるのとは裏腹に決してセンチメンタルにならず監督の代表作「マッシュ」にも似た淡々とした感じが逆に涙を誘います。
アルトマンファンの方は是非ご覧になってください。

どうでもいいことですが...ヴァージニア・マドセンと「レザボア・ドッグス」のマイケル・マドセンが実の兄妹だと恥ずかしながら今回始めて知りました...世の中広いです(笑)