家庭内映画館

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「狼よさらば」・・・(14)

2005-07-14 01:40:59 | Weblog
「狼よさらば」監督:マイケル・ウィナー/出演:チャールズ・ブロンソン他/音楽:ハービー・ハンコック/1974・アメリカ・94分<セルDVD>

ブロンソンの代表作「DEATH WISH」シリーズの1作目。
街のチンピラに妻を殺され、娘を廃人にされた男”ポール・カージー”が銃を手に独り自警団として街のダニどもを次々に血祭りにあげてゆく...多分高校生くらいの頃にテレビ放映で観て以来、オリジナル全長版としては初めて(!)観ました。
昔観た時は何と言うか”必殺仕事人”というか、警察だけでは対処できない悪人たちを殺す正義の味方、という印象があったのですが...今回観直してみて一番思ったのは「悪を倒す」という単純な話では無いのではないか?ということでした。自らが囮になって強盗を誘い、殺す。警察に張り込まれている時も抜け出してまた強盗を殺していましたしね...兵役拒否者であったりどちらかというと平和主義者の様な描かれ方をしていますが、途中でガン・マニアだった父親のことが語られるように実は「内なる狂気を秘めた男」だったのではないでしょうか?

邦題に「狼」という言葉が使われているように、まさに「羊の皮をかぶった狼」が悪人に対する”復讐”をしていく内にその暴力性に目覚めていったんだと思います。
何より妻を殺した犯人を探したり、殺したりするわけでは無く真犯人はまったくの野放しですからね~。
”街のダニどもを一掃する!”という大義名分のもとに、己の欲求を剥き出しにしていったのでしょうね。

そして、その”暴力性”や”狂気”のようなものは実は誰もが心の奥底に持っていて、それはいつどんな形であらわれるかも知れないということを描きたかったのでは?と思います。
あと、銃社会に対する警鐘の意味もあったのかも知れませんね。

そして「まだまだ終わらないよ~」っていう印象的なラストシーンで幕を閉じます。
実際、その後数本の続編が作られます。2作目の「ロサンゼルス」(これもDVD買ったのでまた感想書きます)、3作目の「スーパー・マグナム」までは観た憶えがありますが...まだ何本かあるみたいですね。機会があれば観てみようかと思います。