脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

ソクラテスは言う

2011-04-21 | Weblog
スポーツの世界でよく「考えろ」とコーチから言われる。
しかし考えろと偉そうには言っても、その考える方法は教えてはくれない、当たり前だ、なぜならそういう奴に限って本当に物事を考えてはいない、考える力などないからだ。
スポーツをしていると考えさせられることがしばしばある。
それは競技と言うことだけではなくその競技を通して自分の生き方や、その人生のあり方など考えさせられることが、多々あるのだが、アメリカではスポーツをその今やっている時間だけでとらえるのではなく、自分の人生の全体を見た時に、自分は今どの位置にいるのかということを確認して、将来このスポーツが、今自分にどういう意味でかかわっているのかと言うことを問うのがスポーツのかかわり方で、こういう考え方はだいぶ前からある。
最近フットボール(サッカー)なんかは、こういう考え方をとりこんでいると言うが、それはそのサッカー選手や引退した人などのコメントから分かるのだが、よくいう三浦選手なんかは本当に考えている。本当に考えているからこそ、社会的なコメントを求められてもきちんとそれに対して、自分の立場から的確なコメントができると思っている。
本当に何かを考えている人間のコメントというのは深みがある。
単純な言葉をならべたり、誰かに言われたことをバカの一つおぼえみたいに言うのではなく、物事を客観的にとらえ、今世の中がどう動いているか、そして今自分はその世の中で何をするのが自分の目的なのかと言うことをきちんと見据えていると思う。
偉そうに考えろといっても、自分にその引き出しがなければ考えることなどできない。
たぶんその考えろなんて偉そうに言う奴に限って自分の引き出しの限界を知らない、知ろうともしないと思うのだが、本当に自分たちは社会とか教育についてきちんと自分の立場から、堂々とした意見が言えるかどうか、こういうクラブというのは子供と関わっているので、特に教育と言うことに関しては、ある程度自分の考え方と言うのをもっていなければならない。
もし人に考えろと言うのであれば、当然ではあるが自分の引き出しを広げることが第一不可欠であり、今のスポーツというものを考えるのであるならば、その競技においてだけというよりも、その競技者がこの競技を通して、どういう影響を与えられるかということを考えなくてはならないのではないだろうか。

私はこのスポーツにはソクラテスが必要だと思っている。
ソクラテスとは何だと言っているようでは話にならないが、ソクラテスと言うのは産婆法という独特の対話で、若者と対話し啓蒙して言った有名な哲学者であるが、私が思うに今子供に必要な力は対話していく力であり、単に知識を詰め込むよりも、むしろ自分の足りなさを知り考えさせるということが必要で、その対話能力をスポーツを通して養うことができると信じている。
今心のつかれた子供たちが多いことに気づかされる。
いじめなんていうのはまさにそうだが、このカオスの時代において、今まででは考えられなかったような不安やストレスが子供にのしかかってきているのは事実である。
この「考える力」というのは以前にも何度も述べて来た、人間が本当に窮地や絶望におちいった時、考えることをやめてしまったらだめだ、人間は考えることによって救われる。よく文学や哲学の言葉に励まされ勇気づけられると言うことがあるが、まさにそれらは我々が考えたあげくに与えられた力であり、そしてそのことが生きる力になるということを言ったが、こういう時代であるからこそ「考える力」というのは必要であり、この「考える力」が生きる力であり、こういう力を我々は養わなくてはならないのではないだろうか。

少なくともでかい声であいさつをしたり「です」「ます」と言う一応敬語らしき言葉をつけて、年上の人間にへいこらすることが、教育的な配慮だと思っていたら、これはおかしいことだ、こういうシステムはかえって歪を生み出す。
アスリートは犬ではない、私から言わせてみればこういうことは犬のしつけで、今の時代では人権侵害である。
あいさつすることは大事だが、しかしでかい声をだせと言ったり、いかめしい雰囲気で威圧するなどというような行為は明らかに問題で、運動部と言うのは聞いた話だけでも、監督のいやみ、暴言などパワハラがあると思うのだが、そういうことを問題にして、システムをかえていかなくてはスポーツ本来の目的や力が損なわれるのではないかと思っている。



















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