うちのクラブには30代から50代のおっさんたちが多く、5年以上在籍してくれている。5年以上でおっさんが多いというのはうちのクラブがフィットネス感覚でできるということであるが、この前あるおっさん会員の人が興味深いことを言っていた。「ボクシングを続ける理由は仕事のストレスや体力づくりのため、上手になればなるほどジムに来るのが楽しくなってくる。いろいろと教えてもらうことで支えられている一面もあるんです。」
自分がボクシングをやっていたので言うが、格闘技は団体スポーツに比べてコミュニケーションを重視しないので、基本的にはコミュニケーション能力が育たない。しかしもしスポーツ教育とか言うのであれば、そのディスアドバンテージにおいてどうコミュニケーション能力をどう育てていくかというということを考えることも大事なことで、それがスポーツで学べる醍醐味である。ボクシングなど格闘技は基本的に強くなりたいと思って始める人がほとんどだ。でも私個人の意見では人間は弱い、強くなろうとしても本当に強くなれるはずはない。私はボクシングをやってきてわかったことは自分は弱いということだ。自分を特別視して俺は強い俺はえらい感を出すと猿のようなヒエラルキーができる。いわゆる虚勢や見栄の張り合いで、そういうヒエラルキーでは仲間意識程度のことは学べても、決して健全なコミュニケーション能力を養うことはできないだろう。うちのクラブはどことなく文化部のような雰囲気がある。いわゆる格闘技にあるようなそういう雰囲気はない。おそらく私自身自分が弱いとわかって自分自身を受け入れているから、しょうむないことで人と張り合ったり、気を張ったりする必要がない。そういう雰囲気がジムにあるので女性やおっさんたちにとってやりやすいのだだろう。基本的にうちのクラブは弱い人間の集まりだ。しかし人間は弱いから支えあったり、協力することが大切であることを知っている。うちのクラブはヘタレ大歓迎であるが、そういう弱者の集まりだからこそ互いを成長させることができるコミュニティであり、その気負わない雰囲気の中でこそ養われるコミュニケーション理解というものは存在し、それがボクシングの技術的にもかかわりにおいてもお互いの成長につながると思っている。基本的にうちのクラブは強くなれではなく、その人の弱さを受け入れてともに成長することを目的としたボクシングクラブである。おかげさまでうちのクラブの会員の人たちはたくさんのことを協力してくれているので、ジムは全体で上手になっていくボクシング共同体として機能しているが、それはひとえにみなさんのご協力とレベルの高さによるものだであり、本当にそのことには感謝している。
reference Adfred Adler " the science of living" A timeless wisdom collection book
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