マイケルサンデルはMeritocracy(能力主義) について、そのインテリ上層部の人たちが、自分たちこそが男女平等や人種問題を理解し、気をつけていると自負しているとした上で、ignorant な階級の人たちこそがそれらを理解しないとし、差別をしている傾向があると指摘している。
確かにそう言われてみたらそうとも言えるだろう、インテリ層がignorant な人たちを見下すことはどこの世界でもありがちなことだ。
しかし能力主義ではないけれども今世の中を正しくみようとするならばignorantではだめだ、ある程度のインテリジェンスが必要であると思う。確かにサンデルの言うメリトクラシーの人たちはそういうignorantな人たちを見下してはいるのだろうが、LGBTや 男女平等やあるいは人種差別宗教などはある程度知識ないと相手を理解できない問題であり、違う考えや異質なものを受け入れるのは単に寛容さといったことだけでは限界があるだろう。
MOBもひとつのコミュニティである。コミュニティには当然そういう人たちも参加してくるのだから、特に管理者はそういったことをよく理解してその組織やコミュニティを管理していく必要がある。コロナ禍においてもコロナはこわいとか気をつけようと警戒するのではなく、しっかりと情報を集めて何が正しいかそしてどう行動すべきかということを判断する、そのためには日ごろからコロナに関心を持って理解しようとすることは管理者に必要なことである。
さらにここに集まる人たちも同じくニュースなどに無関心ではなく日ごろからそういう話題にもしっかりと関心を持って自分の身は自分で守る、そして日本人の美徳でもある、人に迷惑をかけないようにするという気持ちを持つことは大事なことだ。少し厳しいことを言うがコロナに無関心と言うのはコミュニティに対して無関心と言ってもいい。カラオケやライブハウスなど一番行ってはいけないようなところに行って、次の日平気でトレーニングする、そして感染して、そういう知識がなかった、知らなかったとあっけらかんと言うなんて、これはまわりに対する裏切りでもある。私は前にジムには学校生活をまじめにおくってきた人たちが大多数で、彼ら彼女らは何をしていいのか悪いのかと言う判断がしっかりしているので、決めたことが正しければ積極的に守ってくれるので動かしやすいと言ったことがあるが、それだけではなくうちのクラブの人たちはジムを単なる練習場としてとらえていない、人が集まるコミュニティとして人間関係の中でジムをとらえてくれていて、大事に考えて配慮してくれているおかげで健全でかつ秩序が保たれているが、私は本当にそのみなさんの配慮には頭が下がる思いである。
これからはひとりびとりがコロナに関心を持って、ある程度の知識をもった上で、思いやりの気持ちを持って人に感染させないように配慮すること、そのことが求められることであり、100%感染を防ぐことはできないが、それでもなるべくみなさんがここに来て感染しないように努めていきたいと思っている。
参考文献 「実力も運のうち、能力主義は正義か」 マイケル・サンデル