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名古屋場所の見どころ

2011-07-09 10:30:00 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 まらずもう界の勢力地図を塗り替えかねない、名古屋場所がいよいよ目前に迫ってきた。横綱・雲虎、大関・玉椿、毛呂乃の1横綱2大関体制だった土俵も、名古屋場所後には大きく様変わりしている可能性がある。大関の2名はともに横綱昇進がかかり、特に先場所全勝の玉椿に寄せられる期待は大きい。さらに新関脇の摩羅の川が大関に挑戦。場所後には昇進ラッシュとなりそうだ。

 今場所の軸は綱獲りの玉椿。ひところの無気力相撲は影を潜め、改心したかのように場所前も意欲的。自身、「横綱に昇進するだけでは意味がない、横綱としてふさわしい成績を上げ、横綱相撲を取り、まらずもうの歴史に大きく名を残すことが自分の使命」と言い切り、横綱“昇進”は単なる通過点と語る。先場所全勝していることもあり、決定戦で見せた土俵態度からしても、期待度は高い。力士1年目では14連敗を喫するなど、入門以来鬼門となっている名古屋での綱獲りとなったが、「横綱たるもの、苦手があってはいかん、苦手克服の好機」とこれまた頼もしい。大相撲の大横綱、貴乃花が、はじめての全勝優勝を決め、翌場所、鬼門とされ、それまで優勝経験もなく、前年は負け越していた九州で全勝、完璧な成績で横綱昇進を決めたという事例を思い出さざるを得ない状況だ。

 それにしても、「鬼門・名古屋」の壁は厚い。大相撲以上に暑さ・寒さがこたえる競技のまらずもう。名古屋場所の厳しさは、「過去、名古屋場所で幕内優勝者が出たことはない」という事実が雄弁に物語っている。例年にもまして寝苦しい夜が続くことが想定される今年の7月、過去誰もなしえなかった「真夏の本場所で幕内優勝」の快挙とともに、玉椿は綱を締めることができるのか。これに対するはもうひとりの大関、毛呂乃。先場所も14勝の好成績で、今場所の成績次第ではこちらも横綱。4尺まらから繰り出すコークスクリュー勃起、ダッチとのめくるめくプレイはあまりに有名だが、それに加えて注目されるのが妨害能力。先場所も毛呂乃は各力士を妨害、優勝争いをコントロールして見せた。自身が喫した1敗も、自らの妨害能力を証明せんがため、最強のまら、すなわち自分自身のまらを自分で食い止めて見せたにすぎない。横綱・雲虎や前場所全勝の摩羅の川からいとも簡単に元気を奪い、あれだけやる気のなかった玉椿のまらを元気にしてしまった先場所。優勝のカギとなるのは毛呂乃のまら。そして毛呂乃はそんなまらを四六時中握り続けている。やはり、毛呂乃こそがカギを握っていると言うべきだろう。そんな2人の昇進基準は、「あくまで本場所の内容次第」ではあるが、玉椿は先場所の全勝が大きく、優勝できずとも13勝以上の成績なら審議対象になるだろう。一方の毛呂乃は先場所優勝していないため、今場所は優勝が絶対条件。14勝以上での優勝なら昇進はほぼ確実か。

 大関を狙う若武者・摩羅の川は新関脇ながらこの2場所30戦を29勝1敗の好成績で取り終え、満を持しての大関獲り。巷に広がる「直前3場所33勝」という目安には、たった4勝で到達してしまう。さすがに負け越しての昇進はないが、2ケタ勝った時点で、大関は間違いないだろう。場所後は2横綱2大関、3横綱1大関など、さまざまな状況が想像されるが、最も確率が低いのは、「横綱大関の顔ぶれが今までと全く変わらない」ということだろう。上位の顔ぶれは、なんらかに変わるはずだ。

 そしてこの変化の波は、今場所だけではとどまらない。先場所全勝して新三役となった汚痔の山は、今場所大関への足がため、来場所大関挑戦の運びとなりそう。新入幕を15戦全勝で飾り、関取昇進後いまだ負けなしの30連勝。十両、平幕を1場所で通過、このまま小結(今場所)、関脇(来場所)さえも1場所で卒業しかねない勢い、連勝がどこまで伸びるのかに加え、優勝も期待できる実力者。この暑い中、老獪な策士がどのような策を講じてくるのか、興味は尽きない。

 ・・・と、ここまで上位陣を見渡してくると、もっとも影が薄いのは横綱・雲虎ということになってしまう。横綱昇進して4場所目、いまだ横綱としての優勝がない焦りに加え、一般会社員が、小額の野球賭博でも警察に書類送検されたという不穏なニュースも不安材料。加えて6月から長期的な不調の波にはまっており、一時は「目標はまず1勝」とまで弱気な発言を見せていた。それでも番付発表の日を境に徐々に復調の兆し。このあたり、さすが横綱。本場所となれば、15日間に集中し、安定した相撲をみせてくれるのではないか。だが、勢力を塗り替えんとする他の力士の流れに呑み込まれてしまうという不安もぬぐえない。今場所こそ、存在感を示したいところだ。

 新入幕はモンゴル出身の「半立ち王子」蒼狼と、味のある相撲で人気の月乃猫。蒼狼は「70%立ち5回、半立ち5回」を目標に掲げ、これで10勝を目指せそうだが、いかんせん日本の夏は未経験。苦戦もありうるか。経験では月乃猫が勝る。元・朝乃立の朝広東親方と同期生の苦労人が、待望の入幕を果たした。同期生の引退後に入幕、ウサギとカメにたとえられるが、まらずもう力士にとってカメに擬せられるのはまたとない勲章。すぐに登り詰め、果てていった朝乃立に対し、「入門以来、2場所を除いてすべて1点勝ち越し」と“ギリギリ”の状態をながーくながーく維持してきた月乃猫。同期生の朝広東親方が、どのような解説をするかも注目。

 新十両ではノーパン大王・飛埒王が、その名の通り3枚目に大ジャンプ。大相撲八百長騒動の影響で、大幅昇進となった今場所、1場所で入幕も狙える位置に付けた。大相撲は場所後、幕内2名の増員が決定しており、これはチャンス。だが本人に浮かれたところはみじんもない。はじめての15日連続取組、「先場所6勝1敗だったけど、15戦したら負け越してた」と語る飛埒王、その実力がついに明らかになる。インタビューでも二言目には「ノーパン」「ノーパン」とうるさいノーパン大王。負け越してもそうそう幕下落ちはないだけに、パンツにとらわれることなく、のびのびとした相撲を取ってほしい。

 幕下上位でも池男王子・家満が新十両をうかがう。また、22世紀から艶右衛門(えろえもん)が幕下付け出しでデビュー。生殖能力の落ちた22世紀から、21世紀のまらずもうを視察に訪れたえろえもん。時空を超えての取組だけに、場所を勤めおおせるか心配もされるが、ひみつ道具の数々で我々を驚かせてくれる相撲を期待。三段目でが今濡、序二段では金精山が優勝候補か。また、序ノ口で負け越した萬海、河豚狸らも幸運な序二段昇進。この運を生かすことができるか。

 まらずもう名古屋場所は、横綱への自覚あふれる新生・玉椿を中心に、いよいよ明日、幕を開ける。

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