(玉椿) 「あ、さっき琴金舟さんから春場所の千秋楽は不戦敗にしてくれ」ってメールがきたよ」
― 負けちゃいましたか。結果はざんねんですが、なんとなく宙ぶらりんな感じだったから、はっきりかたがついてよかったですね。
(玉椿) 「ちなみにこんな報告文だったよ」
お疲れ様です。
琴金舟の千秋楽勝敗ですが、勝敗自体は文句なく勝ってはおりましたが
事情が事情とはいえ今回はダイジェスト形式を使うなど取組姿勢に難があると言わざるを得ない場所でした。
そんな状態で勝利報告するのはまだいいのですが、報告したら15枚目以内での全勝の規定で十両に上がることになります。
やはりこれで十両に上がるのは個人的に納得がいかないところが大きいので
随分悩みましたが不戦敗の扱いで届け出させていただきます。
来場所きっちり報告を行える状況で満を持して十両に上がった方が私としても、見ている方にとっても
納得がいくと思います。
以上よろしくお願いいたします。
― ……なるほどなるほど。文中に『報告したら15枚目以内での全勝の規定で十両に上がることになります』ってのは水曜日の記事を読んでなかったんですかね。
(玉椿) 「まあ、読むひまもないくらい忙しかったんだろう」
― ま、報告がもらえただけでもありがたいですよね。
(玉椿) 「ほんとそうだよ」
― で、きょうはなんでわざわざ記事を立てたんですか?
(玉椿) 「まらずもうって大相撲ルールをベースにしてるけど、こまかいところでルールがずれてんだよね。で、琴金舟さんは大相撲にくわしいから、どうしても協会と琴金舟さんのあいだでルールの認識がずれちゃうんだよな。今場所はけっこうそのずれが目立ったから、いちおう協会の考え方を書いとこうかな、と思ってさ」
― 十両の昇進規定とか、優勝規定とか、たしかに琴金舟さんと協会とで認識がすこしずれてましたね。
(玉椿) 「トラブルの芽ははやめに刈り取っておいたほうがいいだろ。ほかにもいくつか説明しといたほうがいいかなって点もあったんで、こうやって記事にするよ」
<八番相撲について>
(玉椿) 「まず、琴金舟さんの十四日目の報告なんだけどさ。報告遅れのぶんを休場扱いにして、八番相撲をとりたいって言ってきたんだ。琴金舟さんのメールを引用すると……」
(2)3/26 14日目 7番相撲(3番目が無効の件は8番相撲を取って1休を消すという体裁を取ります)
※ご存じかもしれませんが、八番相撲を1休以上している力士が取る場合は1休消えてその取り組みの結果が反映されます
― えーと、そもそも八番相撲ってなんですか?
(玉椿) 「幕下以下のお相撲さんって基本的に一場所あたり七番土俵に上がるだろ」
― そうですね。
(玉椿) 「大相撲ではさ、人数が奇数だったり休場がでたりで対戦カードが組めなくなるケースも多いからさ、その場合数合わせのために八番とってもらう場合があるんだ。だいたい序ノ口下位か幕下上位で成績のよくないやつが選ばれる」
― へえ。そんなルールがあったんですね。
(玉椿) 「ただし、まらずもうでは八番相撲は原則として採用してない。琴金舟さんが入門するときにメールで説明もしてる」
むかし、うっかり八番目を報告してきた序ノ口力士がいました。大相撲には八番相撲というルールもあることはありますが、まらずもうでは採用していません。さいしょから七番目までを星取表につけ、八番目の相撲については参考記録としてブログに記事をのせるという対応をとります。いいとこどりではく、さいごの八番目を切り捨てます。お気をつけください。
― なんで採用しないんですか? 大相撲に合わせてもいいんじゃないですか?
(玉椿) 「まらずもうはひとりでやる競技だから出場力士数の数合わせをする必要なんてないだろ。それに安易に認めちゃうと、今場所成績悪くて、もう1勝くらいしときたいから八番相撲取りまーす、ってなりかねないだろ」
― まあ、今回の琴金舟さんのケースは「今場所成績悪いから」ってのとは違う気もしますが、たしかにルールで線引きしろって言われると難しいですね。
(玉椿) 「琴金舟さんの八番相撲を認めた場合、ほかの力士に『あいつはよくて、なんでおれはダメなんだ』って言われたときに説明できる明確な基準をつくらなくちゃいかん。そんなルールつくれる気がせん」
― たしかに。
(玉椿) 「そもそも八番相撲ってのは、あくまでも全体の取組数調整のために起こるもので、力士個人の都合による措置ではないんだ。休場分を埋め合わせたいから出場したいです、ってのはちょっと無理がある」
― なるほど。
(玉椿) 「それに今回報告が遅れた分は、たんに報告がないものとして扱われるだけで、そもそも休場扱いにはしていなかった。あの時点での成績は、あくまでも5勝0敗であって、5勝0敗1休ではないから、残り二番はふつうに土俵に上がる権利があったんだ。それをわざわざ休場扱いにして八番相撲という体裁をとる必要性もわからん」
― ふむ。
(玉椿) 「大相撲の運用でも、八番相撲をとるのは2勝5敗以下の力士が選ばれることになってる。八番相撲のおかげで勝ち越し扱いになるのは公平性からして問題が大きすぎるからな。ましてや優勝や昇進にかかわるような力士に八番相撲を取らせることはありえない。」
― じゃあ、まらずもうでは八番相撲を認めることは今後も絶対にないんですか?
(玉椿) 「まあ、絶対にか……と言われると自信はないな。わしが想定してなかったような『これは八番相撲にすべきだろ』ってケースがないとも限らん。そんときはまた記事にしてちゃんと説明するが、よほどのことがなければ認められんと思っといてくれ。まあ、八番相撲の話はこれくらいかな。で、つぎの話だが……」
― まだ話が続くんですか? ちょっと記事が長すぎるんでまた今度にしませんか?
(玉椿) 「そうだな。またにするわ」
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