千秋楽協会御挨拶のお言葉を、とマイクを渡された毛呂乃理事長。力士・関係者一同が固唾をのんで見守る中、理事長から静かに発せられた言葉は、たった一言。
「もう終わりにしましょう」
今場所、大相撲では大関・稀勢の里との全勝対決を制した横綱・白鵬が十四日目ではやくも優勝を決め、全国民の注目を集めた一方、まらずもうは十四日目にして「優勝者なし」が決定してしまった。三賞力士もなく、十両以下の力士にも優勝もなく、若手の力士の台頭もなく、なんの見どころもない千秋楽になってしまったことに、静かな怒りを燃やす毛呂乃理事長。毛呂乃の学生時代からの盟友・一本糞親方はこんな険しい表情の毛呂乃は初めて見たと前置きしつつ「大相撲が優勝をかっさらうのを終わりにしましょう、と。今後はまらずもうが優勝を制覇する、と」と毛呂乃の心中を慮る。
理事長の厳しい言葉に、水を打ったように静かになる館内。今場所は大相撲にすべての話題をさらわれてしまったが、来場所こそは毛呂乃理事長のもとで全員一丸となり、まらずもうの復活をめざそう。力士一同がそう心に誓うのであった。
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