ミセの出格子に写る夏の日差しが「ホンモノ」です。カンカン照りのオモテの通りに出歩く人の姿はありません。と、言うことはミセにはお客様はまったくいません。かふぇ布屋、本日は(も)開店休業状態です。レンタサイクルで出かけられた昨夜のお客様もあまりの暑さに早めにお帰りになりました。本格的な猛暑の日が続いていますので、この時期に来られる方は、体調管理を万全にお越しください。さて写真のベビーピンクのかわいいお店がレストラン「ラニオン」。丸太町を東に鴨川を越えてすぐの南側にお店があります。外観が例の「プチメック」等のフランス風なので気になっていました。まだ若いご夫婦(だと思う)が切り盛りしている小さなレストランですが、しっかりした料理やデザートもさることながら、奥様(?)のサービスがキビキビして小気味がいい。しかもオーダーはフランス語で通している。うーーん、ちょっと吃驚。僕たちのぎこちないサービスと中途半端なオーダーの通し方とエライ違う。影響されやすい単純な僕は、帰って暫くはミセで「シルブプレ」を連発するも根本が違うので三日坊主で終わります。近くに行かれたら是非どうぞ。
何年ぶりかで見る祇園祭巡行は思いのほか時間が経ってしまい、気になるお店のランチタイムは全て終了している時間になりました。こういったとき我々の間で険悪な雰囲気になります。目的がある時は、あのお店、このお店と決めているうちの奥さんは、こういう時「どこにするの?」と攻めてきます。空腹も重なり二人とも不機嫌ななか、ふと思いついたのが「晦庵河道屋」。キョースマという雑誌の今月号に誰かの推薦で「みぞれそば」なるモノがあったのを思い出しました。蕎麦屋は昼も閉めないのでこの案にうちの奥さんも賛成してくれて一件落着。麩屋町三条のお店に向かいます。この時間の蕎麦屋は人も少なくいい雰囲気で、奥のお庭が見える部屋に通されます。うーん渋い。ものすごく分厚い昔のクーラーがついていますが、窓は開放されていて自然な風が抜ける中、まづビール。そして写真の「みぞれそば」。名前からして夏らしい。茶そばの上にたっぷりの大根おろしと鶏の山椒焼き。冷たいビールが又美味。ここの蕎麦は、何処そこの十割蕎麦とか言われる方には向きませんが、このひなびた雰囲気でいただく「みぞれそば」は大変結構でした。そして今日の第二の目的がこの後、待っています。
桜の喧騒が終わり、GWの人出が終わり、今日は静かな京都・・・と思いきや朝から布屋周辺をヘリコプターが飛びまわっています。又御所に誰か来てるのかなと思っていたら、我が母親が大きな声で「皇太子さんが来たはる」とつぶやいて目の前を通り過ぎてゆきました。やっぱりね。ただ事ではないヘリの音でした。さて実はあちこちの写真を色々撮りためていますが、諸般の事情で中々投稿できないため収拾がつかなくなってきた現状です。この「宝泉」も実は3月に行った時のモノです。下鴨神社の北、洛北高校前の交差点から少し南の住宅街の中にある和菓子のお店です。とある財界人のお屋敷を利用したお店ですが入口の門を入ると(少し勇気がいる)母屋があり臆することなく玄関を開けると親切な女性の店員さんがお座敷に案内してくれます。これが京都のお屋敷という感じで広い庭を眺めながら座敷で、ぷるんぷるんのわらび餅をいただきます。うちのような町家の小さな坪庭ではなく、スケールの大きな庭を眺めて京都を味わいます。そしてトイレの中まで寸分の隙がなく、例によってうちの奥さんが「勉強になるわ」とつぶやきます。
暖冬のせいで梅の開花がはやく、今年の北野天満宮の梅花祭(2月25日)は大変な人出だったようです。前日泊まられて、早めに行かれたお客様が昼過ぎ戻ってこられ、舞妓さんのお手前でお抹茶を頂くのを楽しみに来たのに、あまりの長蛇の列で、諦めましたとの事。長蛇の列といえば、天神さんの前にある「とようけ茶屋」です。こちらは年間を通じていつも行列です。先日来た我が友人は、はじめ何の行列か解からなかったとのこと。天神さんに程近い所にある豆腐屋の「とようけ屋山本」が12,3年前に始めたこのお店は、値段の割りにすごくお得な湯豆腐を食べさせてくれるお店で、写真の湯豆腐御膳で¥1050。お店で売られている豆腐や飛竜豆、湯葉をふんだんに使ってあります。これでは行列ができて当たり前。あまりいつも行列なので行きそびれてたが先日やっと行きました。2時45分に行っても行列。暫く並んでいると3時きっかりに行列の最後尾のところで「本日の営業終了」の看板を立てるではないか。危ないところ。そういえば東京・人形町の「玉ひで」で親子丼を並んでいて僕のすぐ後ろで「はい、ここまで。」と列を区切ったのを思い出しました。何処でもお値段の割りにお値打ちは皆さんよくご存知ですね。
基本的に洋食が好きとみえて、洋食屋さんには結構行きます。でも多いのが月曜休みのお店。今回登場の洋食「ぼんじゅーる」も月曜と第3火曜がお休み(うちと同じ日が休み)ですが、月曜祝日でも休まれるので、月曜祝日営業、翌火曜休みの我々が、やっと火曜日に行って来ました。(ややこしい話)烏丸六角東入るのオフィス街の中にあるお店で本来はランチタイムに行くべきですがなにぶん時間的に無理なので夜に伺いました。入口でメニューを検分したところ夜はハンバーグやビーフカツを主体にしたコース風のようです。うーん「えいっと」入店。コックコートに赤いチーフのご主人が、「コース仕立てでお時間がかかりますけど」と言われつつ席へは同じくコックコートの奥様が案内。ビーフカツとロイヤルハンバーグのコースをオーダー。先ずオードブルと称して「海老コロッケ」。次に「トマトのスープ」そしてメインの「和牛のカツ」「サラダ」「ライス」洋食とあるが写真の皿の盛り付けはフレンチスタイル。ビーフカツはポーションこそ小さいが選ばれた肉を使いこだわりを感じます。ボトルワインの赤を1本頼み、二人で¥6800はお安いのでは・・。聞けばオープンは1951年。なんと50年を超える老舗ではないか。今のご主人が2代目だそうで、高松出身の先代はなんと店の2階で趣味的な「讃岐うどん店」をやっているとの事。ゆったりとごはんを頂いた帰り今度は2階も訪ねてみようということになりました。
カルパッチョのサラダ・りんごの冷製スープ・穴子の飯蒸し・あさりの酒蒸し梅風味・ハムと白菜のグラタン・手羽中のピリ辛唐揚・小柱と野菜のゼリー寄せ・小海老とお餅のかき揚げ・京風冷やしうどん・白和えの最中・牛タンの塩焼き・鰹のタタキ・フルーツのカマンベールチーズ和え・サツマイモのスティック・マグロのサラダ・赤地鶏の生ハム添え・焼きおにぎり・トマトのカナッペ・ピザ・デザート3種の全20種が少しづつ供されておひとり¥2500。烏丸仏光寺を東に少し行くと写真の営業中の札しかかかっていないお店があります。看板類は一切ありません。去年の春にお泊り頂いた4人組の女の子に教えてもらったお店に、家族4人で行ってきました。(ちなみに上記メニューは彼女たちから頂いたモノ。)娘の仕事終わりと息子の教習所に合わせて予約したので21時スタートで23時少し前にお店を出た我々はお腹が一杯で、翌朝までお腹が空きませんでした。1月にも行かれたお客様がいて、女性3人組は残念ながら残してきたとのこと。ゆっくりお酒を飲むという感じではないが、お腹を空かして行ったほうがいいです。「びすとろ希味(のぞみ)」というお店。
烏丸仏光寺を西に入った京町家にお住まいだった知人の両親は高齢でもあり御商売を廃業されてしまいました。その京町家が昨年ブーランジュリー カフェダイニングとして再生されたのでやっと先日お邪魔してきました。間口が相当広い総2階の大正時代の町家です。幸いランチの時間が午後3時までと長いので、民宿の掃除を終えてからでも間に合います。自転車を店前において中に入って圧倒されます。なんと2階部分を取っ払ってあり、屋根の野地板が見える店内は、非常にうまくテーブルがレイアウトしてあります(すごい席数)。庭に面する席は少しグレード感があり、店内は女性客が楽しそうに食事をしています。ここは自家製焼きたてパンがお替り自由でパスタランチで¥1000。周りが女性客ばかりで納得。京町家を利用した店舗として「布屋」の対極にあるシャンデリアが下がっているインテリアで、ふたりでうーん、うちももっとテーブル一杯入れたらお客さんたくさん入れるやろなーと、絶対しないだろう事を話していました。何しろ最近出た「京都を買って帰りましょう」というムック本に紹介されてるコメントが「夫婦ふたりでのんびりやっていて和める」なんて書かれています。布屋のことを良くご存知なライターの「N」さんの執筆で、この本の500円はお値打ちです。
昔から言われることは正しいですね。「節分は寒い」。今日は節分前日の2月2日、今年は暖冬のおかげで町家暮らしもたいそう楽でしたが、今朝は雪。ずっと暖かかったので結構こたえます。でもこれが普通なんだから。寒さも1日だけみたいで明日からは又暖冬に戻るようです。さてこの間神戸で焼きそばを食べてきましたが、京都でもおいしい焼きそばがあります。広東餐館「鳳飛」。うちから自転車で15分くらいの北大路堀川を少し北に行った西側。一度うちの息子と行きましたが彼いわく「このミセ中華料理屋らしくないな。」一見昔ながらの民家風ですが、昔の京都にあった中華料理屋はこんな感じが多かった。大三元や第一楼、平安楼。床がタイルで茶系の店内はなぜか落ち着きます。多分このミセは紫明にある「鳳舞」に関係あるのでは・・。そんなことを思いつつ、焼きそばと餃子。メニューはそんなに多くはありませんが、ひとつづつ丁寧に作られるし、お店のおばちゃんも庶民的でいい感じです。もう少し近かったらいいんですが、冬場はちょっと行くのが寒いですね。
今日は立冬。昨日までの暖かい日から一転して木枯らし1号が吹く寒い一日でした。暑くもなく寒くもない、いい気候の時はホント短いですね。さて、ここ3日間のお客様はハワイから表千家のお茶会にお越しの5人のグループです。3泊とも貸切なので、毎日朝から和やかに過していただいています。オモテの間がリビング的な利用が出来る5人の貸切がうちのベストです。毎日キモノでお茶会に出向かれていますがお天気で何よりでした。さて日本料理屋の2軒目は北山駅に程近い「乃し」。最近北山に引越しされて、以前に比してお店も風格が出てきましたが、ここで値上げをしない潔さに良心を感じます。10月の献立はまづ先付けに「白粥が入った茶碗蒸しにぷりぷりのイクラ添」(写真)「汲み上げ湯葉にすだちのゼリー添」「造り三種」「鯛の身丈松茸添」「鯵の鮨」「鰆の幽庵」「蕪の銀餡かけ」「季節のごはん」そしてデザートは「無花果と柿のシャンパンゼリー」これで¥5000。とてもゆったり出来る座敷とちょっと素人ぽい女将さん、そして、この値段でいいのと思わせるお料理。いい場所に移転すると簡単に値上げしてしまう店にはぜひこの心意気を見習って欲しいですね。
その昔ホテルに入社した頃だから27,8年前に3年ばかしそのホテルの別館に勤務していたことがあります。嵐山の渡月橋から川沿いに上ってゆくと旅館や料理屋が並んでいます。かの有名な京都「吉兆」を越して突き当たりにお寺の門みたいなホテルが見えてきます。ホテル「嵐亭」(らんてい)。ホテルとは名ばかりの日本風の旅館です。ホテルマンではなく旅館マンも3年ほど経験しました。フロント勤務ですが、あるときはお布団ひきから、舞妓さんの手配から、料理場とのやり取りやら、色んな事を学びました。そこで懐石料理について多少学んだわけで、これは今も結構役に立ちます。前置きが長くなりました。先日、以前から気になっていた「御所雲月北店」を訪ねてきました。古い町家を改修したお店でいただく野菜を主体にしたお料理はゆったりと頂けます。先付けは「ゴマ豆腐」そして「土瓶蒸し」「しめ鯖」「豆乳なべ」「造り三種(鯛うす造り、イカ、焼き鱧)」「かますの焼き物」「煮物(なす、生麩、小芋)」「穴子のてんぷら」「焼きおにぎりの椀物」(写真)そして「わらびもち」で¥5000。変な居酒屋でもこれ位かかるのに比べてなんと良心的な価格。しかも焼き物は料理長自ら炭火で仕上げてくれるという演出まであって大変結構でした。小さなお店なので要予約です。