半透明記録

もやもや日記

チェコ映画祭り

2012年06月01日 | もやもや日記





昨日はユキさんと、【チェコ映画祭り】を開きました。チェコの映画やアニメーションなどをいくつか観ましたよ。私のコレクションが役に立つ日がようやく来たぜ! うへへへへ!


昨日観たのは、チェコ映画の名作『ひなぎく』、チェコアニメーション『ガリク・セコ短編集』と『チェコアニメ傑作選II』からポツポツと数作品。どれも面白かったです。ユキさんがガリク・セコの「本棚の世界」にウケていたのは、ちょっと意外でしたが、でもよく考えればそう意外でもないかな。あれは私も好きです。ユーモラスな作品ですよね。


さて、『ひなぎく』を久しぶりに観直してみて、今回私は少し認識を改めました。
この作品については「女の子映画の決定版!」とか「ポップでキッチュな☆」とか「これを観て元気にならない女の子はいない!」なんていう文句で紹介されていることが割と多いのですが、私はどうしてもそこに納得がいかなかった。このしっくりこない感じはなんだろう? とずっと疑問に思っていたのです。とりわけDVDのパッケージの裏にも書いてある「これを観て元気にならない女の子はいない!」の部分には、ものすごく引っかかりを感じておりました。私は全然元気にならないんだけど、むしろものすごく悲しくなってしまうんだけど、どうして? え?? 私がもう女の子じゃないからなの…??


 『ひなぎく』1966年 チェコ


冒頭から、列車の車輪が回る影像とさまざまな爆撃の場面が繰り返され、暇つぶしに男をたぶらかし、小銭を盗み、場所もわきまえず乱痴気騒ぎを起し、名前も持たず住民票もなく何者でもないまま何者になるべきなのかも分からず、もっと楽しいことを、ただもっと楽しく幸せなことを求めてこの刹那を弾けるように生きる二人の女の子は確かに可愛らしい。けれども、彼女たちは自分たちがダメダメだということも自覚している。このままでは幸せになれない。じゃあ、どうしたらいいの? それが本当の心からの言葉にはなり得ないと分かっていながら、自分たちで壊した皿の破片を並べるという不完全なお片づけをして、自分たちが好きな色と形のワンピースのかわりに新聞紙でできたスーツを着て、「私たちはいいこ。だから幸せ」とつぶやいてみる。落ちるシャンデリア。そして再び回る車輪と爆撃影像。

私には、どうやって「これを観て元気に」なったらいいのか分かりませんでした。けれども、今回あらためて観て、ユキさんとあれこれ話し合っているうちに、私は少し暗い方へ考え過ぎていたかもしれないと思ったのです。あの結末はたしかに痛ましいもののようではあったけれど、同時に恐るべき反骨精神、自由と幸福を願う魂の力強いあらわれだったのかもしれない。彼女たちは押しつぶされたとしても、「何かを求める心」をすっかり譲り渡したりはしないということか。それが「何か」を知らなくても、嘘は嘘だし、お芝居はお芝居に過ぎないと知っている。…そう考えると、燃え上がるようなものは感じるな。

うーん、でもまだまだ考える余地がありますね。特にラストの新聞紙スーツの意味するところを考えてみたい。あれはどういう意味ですかね? 言論の自由と正義を求める象徴であるべきはずの新聞紙によって体をぐるぐる巻きに拘束される皮肉。っていうことでしょうか? あるいは、大衆の声(常識、規律)を反映するものとしての新聞紙に全身を覆い尽くされ強制されていることを意味しているのでしょうか? だめだ、私にはまだ読み解けないわ……


ともかく、『ひなぎく』はやはり名作であることを確認しました。恐ろしいほどに洗練された映画であることは間違いないですね。画面を眺めているだけで、ぽつりぽつりと交わされる意味ありげで言葉少なな台詞を聞いているだけで、胸の真ん中がメラメラするような作品です。




そういうわけで、充実した半日を過ごせました(^_^)
それにしても、お昼に連れて行ってもらったパスタ屋さんの「ウニとイクラのパスタ」があまりにおいしくて、1日経った今も味覚を思い出しています。おいしかったなあ。お店は前もそうだったけど、満員だったなあ。次はエビとクリームソースのが食べてみたいですね。と、さりげなく次回の催促(^_^;) ユキさん、どうもありがとうございました~☆




それから、ユキさんからは、チェコ土産をいただいたのでした(^o^)☆
猫の栞です。カワイイ! ブルーグレイの背景に猫! これでまた私の猫グッズが充実しましたわ♪ ありがとうございました~♪♪ ユキさんがチェコで作ってきたという骸骨の操り人形も見せてもらいましたが、なかなかイカしてましたね。目玉が恐ろしげながらも愛嬌のある表情で素敵でした。お人形を作るのは楽しそうかも。チェコ、行きたいよ、私も!


旅行に行きたい。と思いつつ、帰りの阪急梅田駅。



ホームの床がつるっつるのぴっかぴかなのが、いつもとても気になる。なんでこんなつるつるなんですかね?









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2 コメント

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おつかれさまでした~♪ (ntmym)
2012-06-01 22:11:21
yukiさん、昨日はどうもお邪魔しました!

>それにしてもひなぎくのお洒落はもはやオカルトでした。

ハハハ!
分からないような、分かるような(笑)
しかし実際とんでもなくお洒落な映画ですよね~。その上あれこれと深く考えさせられる内容でもあって、本当に痺れる映画です。
アニメについては、他の作家の作品も見たりしましょう。チェコアニメの人材の豊富さはすごいですし!

それから、チェコ以外にも面白い映画がまだまだありますので、一緒に開拓していけたらいいですね☆
また近いうちに遊びに行きましょう~(^o^)
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楽しかったです! (yuki)
2012-06-01 18:54:37
昨日はありがとうございました。
あれからまたチェコアニメを見てました。
何だか、まだ自分の中の整理がついてなくて、ただ見たって感じです。
しかし、それでいいのかもしれないなと。

それにしてもひなぎくのお洒落はもはやオカルトでした。
あんなに可愛くて素敵で、それでいて強い!
でも、きっとアタシ達の若かりし頃もそんな感じだったんじゃないかと。
何故かバブル期の日本を思い出します。

>特にラストの新聞紙スーツの意味するところを考えてみたい。

そこです!あたしもそこをあれこれ考えてました。
何故にあたしがあの映画で爽快かと思ったかは、まさに最後のそこのシーンなんです。
結局めちゃくちゃにしたとしても、何かに組み込まれてる事実。
それをシャンデリアで潰すって事で自由の表現とは実は非常に痛い戦いというか。
身を削ってそれでも何にこのエネルギーは向かうのかとか…。
自分が考える事のできる範囲での騒ぎはまだ枠の中だという事なんではないかと。

それをぶっ潰してこそ真価を発揮できるように思いました。

あたしもまだ思案中ですが、あのシーンが分かればあたしも何かまた変わるんじゃないかと思ってます。

踊らされてる世の中なら踊り狂おうじゃないかと変に強気になれたのも事実です。

あたしはチェコの映画をもっと見たいです。
またオススメありましたらご一緒して下さい。

長々と失礼いたしました。
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