半透明記録

もやもや日記

秘境

2005年06月26日 | もやもや日記
NHKの「世界遺産100」というミニ番組でベネズエラ、ブラジルにまたがる広大なギアナ高地の一角に広がるカナイマ国立公園というところを紹介していた。ここには世界最大のエンジェルフォールと呼ばれる滝があり、その落差はなんと979mにもなるらしく、流れ落ちる水は地上に辿り着く前に霧状に飛び散っていた。山頂の生態系は独特で、跳ねることも泳ぐこともできない原始のカエル(真っ黒で可愛い)や、色鮮やかな見たこともない植物が生きている。
この映像はとても刺激的だった。私にはまるで天国と同じくらいに非日常の世界だった。なんという美しさだろう。私はほんの一部を誰かが撮ってきた映像を通して覗いてみただけに過ぎないけれど、山の高いところに住む真っ黒なカエルがきっと今も岩場を這って歩いているんだと思うと、気持ちが解放されていくのを感じる。重要なのは、誰が見ていようといまいと、厳然としてその美しい場所が存在するということだ。ただ存在するだけの美しさ。別の目から見れば、我々の社会も美しく見えるだろうか。何もかもただ存在するというだけで美しいと思えたらいいのに。
私はカエルになりたい。

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