半透明記録

もやもや日記

珊瑚色のエイ

2012年05月20日 | 夢の記録





今朝の夢。『デュラララ!』と『つり球』がミックスされたような内容でした。たぶん青春もの。登場人物は少年と、その友達と、女の子。いずれも高校生らしい。


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僕と友達は港にいた。夜だった。空も海も黒々として、一面に無数の小さな星が白く光っていた。

僕は彼にホラ貝の置物を贈る。それは、貝の真ん中がくりぬかれていて、そこにロウソクを立てられるというものだった。しかもホラ貝らしく吹いて鳴らすこともできた。

彼はとても気のいい奴なので、受けとったホラ貝に喜び、薄紫色のつるつるした先端に口をつけて勢いよく吹き鳴らした。空に響く音に添うように、僕は海に飛び込んだ。

夜の暗い海のなかはとても深く静かで、波の抵抗を受けることもなくスイスイと泳いで行くことができる。向こうからエイの群れがやってくる。それは珊瑚のように赤い色をしたエイで、頭部やヒレのところにはひらひらとした羽飾りのような房がついていた。たくさんの珊瑚色のエイが僕のそばを通り過ぎて行くのだが、エイたちは皆、低い声で歌を歌っているのだった。友達の鳴らしたホラ貝に合わせて歌っているのかもしれない。

エイの歌をしばらく聞いた後、僕は海からあがる。すると友達はいなくなっていて、同じ場所に女の子が座っていた。彼女もまた僕らの大事な友人だった。僕の体から水がぽたぽたと滴り落ちるのと一緒に、眼鏡の片方のレンズが外れる(僕は眼鏡をかけている)。すると彼女が「眼鏡のレンズって、意外とすぐに外れちゃうよね」と笑って、彼女もまた眼鏡をかけているのでそのレンズをひとつパキっと外して、僕に寄越した。僕と彼女は互いに片方のレンズを交換して、自分の眼鏡に付け直した。度が合わないのにも構わず。

こうして僕は彼女の片目を手に入れ、彼女は僕の片目を手に入れたつもりになった。前よりもより分かり合えるようになった気がした。しかし、そのとき僕と彼女が分かりたかったのは、実のところ、ホラ貝を持ったままいなくなってしまった彼のこと、彼が何を考えているのかを知りたかったのであった。

「君は何を考えているの?」
「どうして僕らには、それが分からないんだろう?」

彼がそこにいたらいい一人分の空間をあけて、彼がいないことを思いながら僕と彼女はただ黙って座り、黒々とした空と海を眺めた。



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もっと長くて小説みたいだったのですが、印象的だったのはこういう場面でした。夢を見ている間にあっと思ったのは、「眼鏡の片方のレンズを誰かと交換する」というところ。私は以前にもこれと同じ状況を夢に見ていることに気がつきました。登場人物は違っていたと思いますが、「あっ、これは前にも見たぞ!」と思って目が覚めそうになりました。何か意味を感じられそうな気がしています。

これは新たな「続きの夢」かもしれません。大きな珊瑚色のエイというのも、かつて何度も夢に現われた「大きな長い羽根をもつ鳥」の変形のように感じますしね。







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