ずいぶん昔のTV番組ですが、新幹線の開発について特集したものをみる機会がありました。
それで私は、これまでは「新幹線のチケットってもう少し安くならないものかしら…」などと思っていたのですが、番組終了後には少々高くても仕方ないよねと思うくらいに、その開発やメンテナンスに携わっている人たちの努力には感動させられたわけです。
時速200キロで走る新幹線は、開発当時、その200キロというスピードを出すのはそれほど難しいことではなく、それをどうやって停車させるか、ということのほうが大きな問題だったそうです。へ~、意外! で、あれやこれやのアイディアを出すのですが、どうしてもすんなり停まることができない。そこで、発想の転換ですよ。
「じゃ、停まらなければいいんじゃない?」
な、な、なるほど!! 新幹線の路線内に人が侵入できないようにしたり、車体の下に障害物を払いのける裾のようなものをつけたりなど、新幹線には工夫がいっぱい。そして、新幹線の営業が済んだ深夜、メンテナンスのための特別な列車が線路の状態をチェックし、傷んだレールを研磨、補修したりするそうです。なんというきめの細やかさ。泣けますね。こういうたゆまぬ努力の結果、運行開始以来ほとんど無事故という偉業(中越地震のとき、ちょっと脱線したくらい? というか、走行中に地震に見舞われて脱線だけで済むとか、凄すぎます)が成し遂げられるのですね
このように常に技術の向上と安心・安全を目指して日夜がんばっている人たちって、ほんとうに素晴らしいなあ。こういう人たちのおかげで、私などは便利で快適な生活を満喫できるというものです。ありがたい、ありがたい。
技術開発、建築、建設関係のドキュメンタリーって、人間の美しさを改めて教えてくれるので、私は好きです。まあ、技術を磨いた結果、研究の結果のすべてが必ずしも人類に平安をもたらすものではないかもしれませんが、多くの人々は「なにかもっと良いものを!」と願って努力しているわけで、それぞれの成果が何をもたらすのかはともかく、その蓄積は人類の力を拡張し続けていることには違いないでしょう。
このあいだナショナル・ジオグラフィックで特集していた「空母で暮らす人々」(←正確なタイトルは忘却)という番組も凄かったです。空母には、なんと6000人近い人が暮らしているんだそうですよ! とにかくでかい。甲板には戦闘機が着陸したりもしますしね(まあ、空母ですから)。その戦闘機はもの凄いスピードで空母に向かって突っ込んでくるのですが(スピードがないとかえって危険らしい)、それをガッと受け止めるのは、なんと伸縮性のあるワイヤーだったりして。機体下部のフックにワイヤーを引っ掛けて停まる。意外にもローテク…! びっくりしますね。
しかし、小さな町くらいの規模はある巨大な船を海に浮かべるなんて、人間のやることって、実に凄まじいと言わざるを得ません。
この凄まじさ。常軌を逸した考えを具体化してしまう凄まじさ。こういう凄まじさには、言いようのない恐ろしさを感じると同時に、震えるような、一緒に飛び出したいような情熱にもまた襲われるのでした。
とにかく、理系の人、技術者、職人さんの方々には頭が上がりません。
科学と技術の世界に生きる人々に、不滅の栄光あれ!
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