”<魔女のジェリー>を欲しがっているやつがいる。(……)ひょっとしたら、悪魔のものは悪魔に返すべきじゃないだろうか? A&B・ストルガツキー『ストーカー』より”
まったく何だってこんなことになったのか。
ゾーンのブツはもう十分だったはずだ。(おれは過去に手に入れた品々を思い出した。<悪魔のスープ>、<蚊の禿パン>どれも扱い辛いものばかりだ。)
畜生! おれはもううんざりしてるんだ!
と、傑作『ストーカー』の主人公シュハルトの真似をしてみる。しかし、私の心は一向に晴れなかった。そもそも事は、実家から何か柑橘類の果物が2つ送られてきたことから始まる。送られてきてからも、しばらく放置していた私は、食べようと皮をむいてから、その実がすでに乾燥し始めていることに気が付いた。あの時、そのまま食べるべきだったんだ! だが私は、どういうわけかそれをジャムにしてみたいと思った。
瓶いっぱいに詰まったオレンジ色のジャム。
中身がひとしきり冷めた頃、陽を受けてきらきら光る瓶を眺めながら、私はヨーグルトの中へと勢いよくジャムを投下した。私はマーマレードが好きだ。だが、自分で作ったのは初めてだった。一口食べてみると、とてもうまかった。苦みが口の中に広がる。苦みが口の中に広がる。広がる。
苦い! 苦過ぎる! 私の後頭部は、苦さのあまりじんわりと痛んできた(ゾーンのブツを口にするといつもこうだ)。なんてことだ! なにが悪かったんだ。どこで間違えたんだ。私は瞬時に恐慌状態に陥ったが、なんとか口の中身を飲み下すことができた。……落ち着け。食えない程ではない。
しかし、今回のはいつものよりもひどいな。今はなんとか食うことができたが、瓶にはまだたっぷり詰まっている。とりあえずKにも勧めたが、やつは無言で笑みを浮かべただけだった。まあ仕方がないだろう、気持ちは分かる。落とし前は自分でつけなきゃならん。
*****
そんなことがありまして、苦ジャムと格闘の日々です。格闘中は、上記のように、ついシュハルトになってしまいます。『ストーカー』ブーム再燃の気運が高まっております(私の中では)。
私はマーマレードが好きなのですが、それが本当にマーマレードである場合だけです。うう、苦いよう。ハチミツも加えて、なるべくそっちの味に集中して食べるようにしています。頑張った甲斐があって、あと2回くらいで食べ終えられそう(写真参照)。やったぞ、成功だ。
ちなみに、『ストーカー』のゾーンという特別な地域で手に入るという「魔女のジェリー」は、触れるといかなるものをもゴムのようにグニャグニャにしてしまう恐ろしい品物。怖いですね~~。
まったく何だってこんなことになったのか。
ゾーンのブツはもう十分だったはずだ。(おれは過去に手に入れた品々を思い出した。<悪魔のスープ>、<蚊の禿パン>どれも扱い辛いものばかりだ。)
畜生! おれはもううんざりしてるんだ!
と、傑作『ストーカー』の主人公シュハルトの真似をしてみる。しかし、私の心は一向に晴れなかった。そもそも事は、実家から何か柑橘類の果物が2つ送られてきたことから始まる。送られてきてからも、しばらく放置していた私は、食べようと皮をむいてから、その実がすでに乾燥し始めていることに気が付いた。あの時、そのまま食べるべきだったんだ! だが私は、どういうわけかそれをジャムにしてみたいと思った。
瓶いっぱいに詰まったオレンジ色のジャム。
中身がひとしきり冷めた頃、陽を受けてきらきら光る瓶を眺めながら、私はヨーグルトの中へと勢いよくジャムを投下した。私はマーマレードが好きだ。だが、自分で作ったのは初めてだった。一口食べてみると、とてもうまかった。苦みが口の中に広がる。苦みが口の中に広がる。広がる。
苦い! 苦過ぎる! 私の後頭部は、苦さのあまりじんわりと痛んできた(ゾーンのブツを口にするといつもこうだ)。なんてことだ! なにが悪かったんだ。どこで間違えたんだ。私は瞬時に恐慌状態に陥ったが、なんとか口の中身を飲み下すことができた。……落ち着け。食えない程ではない。
しかし、今回のはいつものよりもひどいな。今はなんとか食うことができたが、瓶にはまだたっぷり詰まっている。とりあえずKにも勧めたが、やつは無言で笑みを浮かべただけだった。まあ仕方がないだろう、気持ちは分かる。落とし前は自分でつけなきゃならん。
*****
そんなことがありまして、苦ジャムと格闘の日々です。格闘中は、上記のように、ついシュハルトになってしまいます。『ストーカー』ブーム再燃の気運が高まっております(私の中では)。
私はマーマレードが好きなのですが、それが本当にマーマレードである場合だけです。うう、苦いよう。ハチミツも加えて、なるべくそっちの味に集中して食べるようにしています。頑張った甲斐があって、あと2回くらいで食べ終えられそう(写真参照)。やったぞ、成功だ。
ちなみに、『ストーカー』のゾーンという特別な地域で手に入るという「魔女のジェリー」は、触れるといかなるものをもゴムのようにグニャグニャにしてしまう恐ろしい品物。怖いですね~~。
ハーモント名物、ゾーン特産品「魔女のジェリー」ならぬ「魔女のジャム」。
次回作は何だろう。楽しみだな。(ってご本人はちっとも楽しくなさそうだけど)
でも、「ストーカー」を読んでおいたおかげで、妙なものを作っちまっても、ゾーンの特産品に置き換えて自分を慰められるので良かったですよ。
はは。は。楽しいなあ。
次は何かな~。
<黒い飛沫>とか? どんなものだか見当もつかないですけど……;
<悪魔のキャベツ>ってのもあるな。これはいけそう(って、不吉な;)