半透明記録

もやもや日記

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見つからない

2014年03月12日 | もやもや日記




今日はとても晴れて暖かかったので、息子をベビーカーに乗せて日課の散歩のついでに図書館へ行った。館内では息子が大声を出すので、借りた雑誌を外の公園のベンチでペラペラとめくる。息子はベビーカーの中からあっちこっちを指差して何かしゃべっている。うんうん、今日は暖かいねー、あ、スズメがいるねーと私は生返事。5分ほどそうしていると、隣のベンチに座るおじいさんがニコニコしながら話しかけてこられた。

「可愛いなあ。感受性が強いんかなあ。うちの娘もなあ、いつもスマホばっかりいじってて。少しは孫の相手しろって言うんやけど」

私は「そうですか」と笑顔でうなずくものの悲しくなって、雑誌を返してトボトボと帰った。


おじいさんのおっしゃることに間違いはない。母親は子の面倒をちゃんと見なくては。私は雑誌などを眺めている暇はないじゃないか。息子が何か話しているんだから、目を見てきちんと答えてあげないと。歩き始めればすぐにどこへでも飛び出して行ってしまうのだから(とも言われた)、いつも真剣に相手をしてあげないと正しい母親とは言えない。とまでは言われなかったけれど、つまりそういうことだよな。考え過ぎだろうか。

正しい母親になりたい。でもそれはどういうものなのかはいまいちはっきり分からない。でも少なくとも私の態度は正しくないな。いつもニコニコ穏やかに全力で向き合うべきなのに、そんな簡単で当然なことができない。
息子とずっとふたりきりでいると、時々ひどい孤独感を覚えることがある。私がそう感じていることを知ったら、息子はきっと悲しむだろうなあ。許しておくれ。でも私にもどうしたらいいのか、どうしてそうなるのか分からないんだ。私は身に余る幸福の中にありながら、時々疲れて一息つきたくなってしまうんだ。これほどの幸福の中にありながら、私は内側から何もなくなっていくような気がしてしかたないことがあるんだ。

ところで私の息子は丈夫で丸々として可愛くて人見知りもしない自慢の息子だが、それらは全て彼の生来の性質によるものであって、私の手柄はどこにもない。もしも母親が私でなければ、もっと良い子だったんじゃないだろうか。1日24時間、1ヶ月31日、常に全力で楽しそうに優しげに接することができたら、彼も満足して夜中に泣きわめいたり朝からパンやバナナを投げつけたりしないんじゃないだろうか。

見つからない。1年経っても全然見つけられない。
「うちの子が一番と思って大人になるまで育てろ!」という小児科の先生の言葉はいつも念頭にある。毎日毎日言い聞かせている。けれども、「私は息子にとって一番の母親だろうか?」という疑念は日に日に大きくなるばかり。自信がない。見つけられない。

トボトボとうつむいたまま家に帰り着き、息子におやつを食べさせる。ボーロをガツガツ食べた後、お皿も、中身の入ったマグも、タオルも、息子は全部床に投げつけて、その後はまた泣きだした。昨晩の10時からずっとこの調子。3、4時間ごとに怒り狂っている。抱っこしてもミルクを飲ませてもどれだけご飯をたくさん食べさせても、腹が減った腹が減った眠れない眠れないと泣きわめくのだった。



しかし、本当に私まで泣き言を言っても始まらないので、自信がなくても、たとえ今は何の能もないばかりかちょっとした気遣いすらできないしょうもない母親だとしても、少しでもマシになれるように努力するしかないではないか。事実として、私が楽しそうにしている時は、息子もやはり楽しそうである。息子の世界には今は私しかいないんだ。それはなんと心細く退屈で、気の毒なことだろう。
しっかりしなきゃな。