5月26日に血洗島でオオサンショウウオという記事を載せたが、その後どうなったであろうか?気になるところではあるが、今回はサンショウウオがらみで毎日新聞京都支局長榊原氏の思い出話を転載。
以下コピペ。
支局長からの手紙:山椒魚事件 /京都
7月9日14時0分配信 毎日新聞
鴨川河川敷で先日、国の特別天然記念物・オオサンショウウオが発見されたという記事を読んで、20年以上も昔のできごとを思い出しました。
大阪本社の社会部にいたそのころ、(詳細は忘れましたが)やはりどこかでオオサンショウウオが見付かりました。それをある記者が記事に仕立ててきたのですが、デスクが「だれか、識者の談話を取れ!」と、その場に居合わせた何人かの若手記者に指示したのです。
私たち(当時は私も若手でした)は「オオサンショウウオの生態? そんなもの、だれが詳しいのだろう」と首をひねるばかり。
手がかりがつかめないまま締め切りが刻々と迫ります。しかし、デスクの指示は絶対です。
焦りが深まったとき、一人が叫びました。
「そうや! 井伏さんがいい」
「黒い雨」などの名作がある作家の井伏鱒二さん(1898~1993)のことです。この文豪には「山椒魚(サンショウウオ)」という、ペーソスあふれる作品がありますよね。
私たちは資料室に駆け込み、作家の住所録をひっぱりだしました。
そして、今まさに井伏宅にダイヤルしようとしたとき、デスクの雷が落ちました。
「お前たち、そんな馬鹿なマネはやめろ!」
たまたまサンショウウオを主人公にした小説を書いていたから、という短絡的発想。そもそも、井伏さんの作品をまともに読んだこともなさそうな無教養な連中が、天下の大文豪にトンチンカンな質問をぶつけようとしている。
文人肌のデスクにはそんな行為が、たまらなく恥ずかしかったようです。
そりゃそうだ。今なら私だってそう思います。「猫の珍種が発見された」といって、夏目漱石にコメントを求めるようなもんですから。
ばかばかしくも、ほろ苦い思い出ですが、この山椒魚事件以来、各紙の「識者談話」がやけに気にかかるようになりました。同じ事実を報じた記事でも、どんな識者コメントが添えられるかで意味ががらりと変わってしまいます。それが新聞製作の面白さでもあり、難しさでもあります。
紙面に並んだ識者談話を見るたび、「よく、こんな鋭いコメントを引き出せたなぁ」「なんだか、ありきたりの談話ばかりだなぁ」と、“若手記者”たちの苦労を思ってしまうのです。
でも、返す返すも残念。あの時、デスクが雷を落とさなかったら、井伏さんはどんなコメントを寄せてくれたでしょうか。聞いてみたかったなぁ~。【京都支局長・榊原雅晴】7月9日朝刊
>うん、私も井伏氏の談話聞きたかった口です♪
>血洗島のサンショウウオのその後がわかりました。
以下
深谷市血洗島の高橋竹徳さん(66)が市内矢島の小山川で捕獲した「チュウゴクオオサンショウウオ」は、十二日に東松山市岩殿の県こども動物自然公園に引き取られることが決まった。
今回のチュウゴクオオサンショウウオは赤茶色で体長一三〇センチ。五月二十日に捕らえられたが、ワシントン条約で飼育が規制されているため、羽生市のさいたま水族館に相談していた。同水族館が所管である環境省に問い合わせをし、環境省が県こども動物自然公園にあっせんした。
高橋さん方では、とりあえず大型水槽でチュウゴクオオサンショウウオを飼っている。高橋さんは「近くの子どもたちがよく見に来ている。県こども動物自然公園に引き取られることが決まってよかったが、ちょっとさみしい気もする」と愛着を感じている様子だった。こども動物自然公園側では「健康状態などで特に問題がなければ、展示する方向で考えている」と話している。
以下コピペ。
支局長からの手紙:山椒魚事件 /京都
7月9日14時0分配信 毎日新聞
鴨川河川敷で先日、国の特別天然記念物・オオサンショウウオが発見されたという記事を読んで、20年以上も昔のできごとを思い出しました。
大阪本社の社会部にいたそのころ、(詳細は忘れましたが)やはりどこかでオオサンショウウオが見付かりました。それをある記者が記事に仕立ててきたのですが、デスクが「だれか、識者の談話を取れ!」と、その場に居合わせた何人かの若手記者に指示したのです。
私たち(当時は私も若手でした)は「オオサンショウウオの生態? そんなもの、だれが詳しいのだろう」と首をひねるばかり。
手がかりがつかめないまま締め切りが刻々と迫ります。しかし、デスクの指示は絶対です。
焦りが深まったとき、一人が叫びました。
「そうや! 井伏さんがいい」
「黒い雨」などの名作がある作家の井伏鱒二さん(1898~1993)のことです。この文豪には「山椒魚(サンショウウオ)」という、ペーソスあふれる作品がありますよね。
私たちは資料室に駆け込み、作家の住所録をひっぱりだしました。
そして、今まさに井伏宅にダイヤルしようとしたとき、デスクの雷が落ちました。
「お前たち、そんな馬鹿なマネはやめろ!」
たまたまサンショウウオを主人公にした小説を書いていたから、という短絡的発想。そもそも、井伏さんの作品をまともに読んだこともなさそうな無教養な連中が、天下の大文豪にトンチンカンな質問をぶつけようとしている。
文人肌のデスクにはそんな行為が、たまらなく恥ずかしかったようです。
そりゃそうだ。今なら私だってそう思います。「猫の珍種が発見された」といって、夏目漱石にコメントを求めるようなもんですから。
ばかばかしくも、ほろ苦い思い出ですが、この山椒魚事件以来、各紙の「識者談話」がやけに気にかかるようになりました。同じ事実を報じた記事でも、どんな識者コメントが添えられるかで意味ががらりと変わってしまいます。それが新聞製作の面白さでもあり、難しさでもあります。
紙面に並んだ識者談話を見るたび、「よく、こんな鋭いコメントを引き出せたなぁ」「なんだか、ありきたりの談話ばかりだなぁ」と、“若手記者”たちの苦労を思ってしまうのです。
でも、返す返すも残念。あの時、デスクが雷を落とさなかったら、井伏さんはどんなコメントを寄せてくれたでしょうか。聞いてみたかったなぁ~。【京都支局長・榊原雅晴】7月9日朝刊
>うん、私も井伏氏の談話聞きたかった口です♪
>血洗島のサンショウウオのその後がわかりました。
以下
深谷市血洗島の高橋竹徳さん(66)が市内矢島の小山川で捕獲した「チュウゴクオオサンショウウオ」は、十二日に東松山市岩殿の県こども動物自然公園に引き取られることが決まった。
今回のチュウゴクオオサンショウウオは赤茶色で体長一三〇センチ。五月二十日に捕らえられたが、ワシントン条約で飼育が規制されているため、羽生市のさいたま水族館に相談していた。同水族館が所管である環境省に問い合わせをし、環境省が県こども動物自然公園にあっせんした。
高橋さん方では、とりあえず大型水槽でチュウゴクオオサンショウウオを飼っている。高橋さんは「近くの子どもたちがよく見に来ている。県こども動物自然公園に引き取られることが決まってよかったが、ちょっとさみしい気もする」と愛着を感じている様子だった。こども動物自然公園側では「健康状態などで特に問題がなければ、展示する方向で考えている」と話している。