映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

マネー・モンスター

2016-06-23 | 映画 ま行
今週はちょっと余裕ができたので、「帰ってきたヒトラー」と「マネー・モンスター」を見てきました。
どちらも非常に見ごたえがあり、最後まで目が離せませんでした。
たまたま選んだ2本だったのですが、
片やドイツを舞台に政治を、もう一方はアメリカを舞台に金融をテーマにしているにもかかわらず、
共にテレビ業界を中心に、ネットでつながる普通の人々、観客として映画を見ている私たちに
「これでいいのか?」と迫る強いメッセージを感じました。
(次回「帰ってきたヒトラー」をアップするつもりです)

現在進行中のEU残留・離脱をかけた国民投票の開票結果は明日午後にははっきりするようですが、
その裏では残留・離脱のどちらかに賭け通貨や株の大型売買が繰り広げられ、巨額のマネーが
動いているんでしょうね。
読みが当たればデカいけれど、外れたら…お金は「モンスター」ですねぇ~。

       **********************

            マ ネ ー ・ モ ン ス タ ー

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  < ストーリー >
司会者リーのお遊びトークと企業情報で人気の経済エンタメ番組「マネー・モンスター」。
デリバリーを装った男が生放送中のスタジオに乱入。拳銃を手にリーを人質にとり番組をジャック
したのだ。「銀行に預けるよりかたい」というリーお勧め、躍進するIBIS社の株に全財産を
つぎ込んだが、突如の暴落ですべてを失ったと言う。テレビを通じ何が起こったのか説明を求める
犯人カイル、リーと番組ディレクターのパティは世界中の視聴者が見守る中、情報を集め
暴落の裏にあるからくりに迫っていく。
        
          番組の司会者リーを演じるのはジョージ・クルーニー
 
本作の監督は女優のジョディー・フォスター。
すっかりマネーゲームと化した金融投資の悲劇を見ごたえあるエンタメに仕立てた手腕は流石です。

金融商品を購入するときは「リスクがありますよ~」「自分の判断で購入していますよね?」
「余裕資金ですね?」とか念押しされますものね。
全財産をすった犯人カイルの側に立てば気の毒というしかないですが、暴落前に株価がグングン
上昇していた時は「俺って才能あるかも?って有頂天だったんじゃないのか」という一言、
厳しいけれど納得の台詞です。
 
   番組のディレクター、パティを演じるのはジュリア・ロバーツ。てきぱきした指示が
           
番組ディレクターのパティが暴落の原因を探る中で、
IBIS社のアルゴリズムを作った韓国人のプログラマーやアイスランドのハッカーを動員し
監視カメラの映像や情報を集める緊迫のシーンは凄いと同時に怖さを感じました。

そして、ことの顛末をいろんな場所のテレビで固唾をのんで見守る人たち。
煽る者、興味本位で現場に近づく者、SNSに情報を流す者、などなど。
でも事件が一段落すると、何事もなかったように、またサッカーボードゲームに戻ったシーンや、
マネーゲームの黒幕のぶざまな姿を加工して動画を続々とYoutubeにアップするのは
苦笑いというか、動画アップはやりそうだからねぇ。
         
               IBIS社のCEOと広報担当coo 
そんな中、ライブ中継を必死に続けるリーとパティ、映像を撮り続けたカメラマンの絆、
リーと犯人との間に生まれた感情の変化に対し、「金を儲けて何が悪い」と悪びれることなく
言い放つIBIS社のCEOの姿と犯人の結末に、言いしれない虚しさを覚えました。

ちょっと寝不足気味だったのですが、どういう終わり方なのか?
展開の面白さに2時間弱見入ってしまいました。

   
  ***** 見た 映画 *****

 6月22日 「帰ってきたヒトラー」@TOHOシネマズ川崎

 6月23日 「マネー・モンスター」@TOHOシネマズ海老名


ミケランジェロ・プロジェクト

2015-11-27 | 映画 ま行
2年ほど前、ミュンヘンに住む脱税容疑者のアパートを捜索したところ1500点に及ぶ絵画が発見され、
元々はナチス・ドイツが国内の美術館や個人収集家から略奪した可能性があるものだというニュースに
驚かされました。
本作を見て、このニュースを思い出しググってみると・・・!
ピカソやマチス、シャガールの作品等、1330億円相当の価値がある絵画が、がらくたと一緒に半世紀
以上放置され、脱税容疑者の男は生活費を稼ぐため、定期的に作品を売却していたというのです。
この男の父親は宣伝相ゲッペルス(本作にも登場します)に認められ、ヒトラーの美術館のディーラー
として働き、戦後ドレスデン爆撃で焼失したと話していたとか。
まさに、この映画で描かれている戦争に翻弄された美術品の一部で、モニュメント・メンに発見され
なかった作品群ということになりますわね。
1500点を隠しておけるアパートにも驚きますが、一体全体どれだけの美術品がドイツへ運ばれたのやら?
画家として挫折したヒトラーのコンプレックスのなせる業?
権力の象徴として手に入れたかったのか?
はたまた金銭的価値のため?

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        ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ ・ プ ロ ジ ェ ク ト 
             THE MONUMENTS MEN  

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 < ストーリー >
ヒトラーの命を受け、ドイツ軍は侵攻した欧州各国の美術品を略奪。それに強い危機感を抱く
ハーバード大学付属美術館の館長ストークスはルーズベルト大統領を説得し、美術品や
歴史的建造物を保護し、持ち主に返却する部隊モニュメンツ・メンを結成する。美術専門家、建築家、
彫刻家、美術商、歴史家ら米・英・仏のメンバー7名は、ナチスが持ち去った美術品を求め
ヨーロッパ各地を奔走するが・・・。

  
            
日本語タイトルは「ミケランジェロ・プロジェクト」。原題は「モニュメンツ・メン」。
モニュメンツ・メンとは、第二次世界大戦中の1943年から戦後の1951年までにわたり活動した、
連合軍の「記念建造物(モニュメンツ)・美術品(ファイン・アーツ)・公文書(アーカイヴズ)」部隊
所属の兵士たちを指すそうです。
まぁ、「モニュメンツ・メン」じゃ何の事だかわからないし、最後までこだわって探し出すのが
ミケランジェロの聖母子像だからこういう題名になったんでしょうね。
他にも馴染みのある美術品がいろいろ登場します。
  
  真ん中:英国から参加したドナルド。演じるのは「ダウントン・アビー」の伯爵様 ヒュー・ボネヴィル。
  ミケランジェロの聖母子像に特別の思いを抱いているが…。 

作品中、思わず「あっ」っと息をのんだ場面がありました。
レスキューされた作品の中にルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」の絵があったのです。
母の趣味だかなんだか、子供のころ我が家にこの絵のポスターが飾ってあったのです。
モニュメント・メンの活躍がなければ、行方不明か、場合によっては焼却されていたかも。
そうだったなら、うちの家に飾られることもなかったのかな?っと思った次第です。
    ←クリックすると大きくなります。

映画の展開は、戦争ものではありますが深刻すぎず、彼ら7人の友情や美術品に対する深い思いが
ユーモアも交えつつ描かれ、史実をもとにしたとはいえ楽しめるよう脚色された作品に仕上がっています。

洋の東西を問わず、宗教にもこだわらず、古代の遺跡や中世の街を訪れるのが好きです。
静寂の中、かつての繁栄や人びととの暮らしに思いを馳せしばし佇む。
先日、ISの手によってシリアのパルミュラ遺跡が爆破映像を見て、少なからずショックを受けました。
2011年3月にシリア・ヨルダン旅行に申し込み荷作りをしていたのに…チュニジアに始まった
民主化運動「アラブの春」が徐々に東へ進み、2月末旅行は中止となり行くことはできませんでした。
東日本大震災の直前で、どのみち旅行どころではなくなりましたが、いつか…と思っていたのに。
数千年守り続けられていた遺跡が一瞬で崩れ落ちる映像に、なんてことを…と言葉を失いました。

「戦争の最中、多くの若者が命がけで戦っている時に、絵画の心配か?」や「仲間の命を失っても
価値のある行いだったのか?」というトルーマンの問いかけに「Yes」と答えるストークス。
『絵画や彫刻、建築物には数十年、数百年、数千年前の人びとの歴史が詰まってる。
文化や芸術を守ることは命を紡ぐことなんだ。戦いの最中、文化や芸術を慮ることは理解されないかも
しれないが、いずれ分かる時が来る。失われてしまってからでは遅いのだ。』
っというメッセージは重く深い。
* 映画の中で、ドイツ人は美術品を略奪し平気で焼却すたように描かれていますが、ヒトラーの命令を
  無視し、保護した方たちもいたそうです。

本作はあまり評価されていないようですが、美術品を守るために命を懸けた人たちがいたことを
知れてよかったです。私はこの映画、好きです。

ケイト・ブランシェット演じるフランス人キュレーターとデイモン演じるグレンジャーとのエピソードも
よかったです。
      

戦後何年か経ってミケランジェロの聖母子像を見にくる年老いたストークスを演じているのは
ジョージ・クルーニーの実の父親だとか。あまり似ていないような?
息子のほうが随分と濃いですわ。

そういえば、近々公開のヘレン・ミレン主演「黄金のアデーレ 名画の帰還」もナチスに奪われた
クリムトの絵画返還を求め国を訴えた女性のストーリーだとか。
是非見たいと思っています。



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ミッション:インポッシブル  ローグ・ネイション

2015-08-18 | 映画 ま行
土曜日、横浜桜木町にあるブルク13で見てきました。一番大きな劇場は満員でした。
あの音楽を聴くと…テンションあがりま~す
予告編の後、いよいよか!っと期待が高まったところで、製作会社のロゴが出たのですが、
J・J・エイブラムスの「BAD ROBOT プロダクション」のロゴの前に「アリババ・ピクチャーズ」のロゴと
「チャイナ・ムービーチャンネル」の文字が入りました。
      
アリババってジャック・マー氏の始めた中国のネット企業で昨年ニュヨーク証券取引所に上場、
エンタメにも進出しているのですね。
チャイナ・ムービー・チャンネルはCCTVの映画部門なんでしょうか?
CCTVは「中国中央電視台」。中国の国営テレビ局で、世界各国で現地のレポーターや司会者を採用し
一見中国のテレビ局とわからないような感じで英語はもとより、フランス語、スペイン語、ロシア語、
アラビア語等、各国でニュースなどを配信しています。
中国のマーケットは大きいからハリウッドも資金を出してくれるならウエルカムなのでしょうが、
「ミッション:インポッシブル」というこれぞハリウッド!という映画にも中国の会社が製作参加していることに、ちょっと複雑な気持ちになりました。
映画はプロパガンダにはうってつけのメディアだから、娯楽を通して何らかの戦略があるのかしらん?と
勘ぐってしまいます。
本作では中国シーンは全くなく、ほとんどがオーストリア、モロッコ、ロンドンが舞台でした。


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       ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
               Mission:Impossible Rogue Nation 

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< ストーリー >
指令を受ける為レコード店に立ち寄ったイーサンは敵に拉致されてしまう。敵の美女イルサにに助けられ
るが、所属するIMFは解体されイーサンはCIAから国際手配されることに。CIAやKGBをはじめとする
各国の元エリート諜報部員が結成した無国籍組織「シンジケート」の暗躍に気付いたイーサンは、
仲間であるベンジーの助けを得てオーストリア首相暗殺を阻止すべくオペラ劇場に乗り込む。
再会したイルサからモロッコの発電所地下施設に鍵となるデーターファイルの存在を知らされ…。

「Rogue nation ならず者国家」というとクリントン政権下で初の女性国務長官に就任したオルブライトさん
を思い出します。本作ではnationと言いつつ、国家ではなく組織/シンジケートを指しているようです。
予告編で見た、飛び立つ飛行機に素手で張り付いて…というシーン、クライマックスで登場するとばかり
思っていたら、冒頭でガツ~ン!と、掴みはOK!
まぁ、次から次へと息つく暇もなくアクションシーン満載です。見終わって、ちょっと疲れました。

何だかよくわからない「シンジーケート」の企てにより追い詰められ、所属組織IMFを失い国際手配され
孤立無援となるイーサン。
「IMF」って…イーサンは「国際通貨基金」所属だったっけ?そんなはずはないわね~。
IMFはImpossible Mission Forceの略でCIAの秘密組織?って設定だったんですね。紛らわしいわ
な~んて言ったら「常識でしょ?」っと「ミッション・インポッシブル」ファンの方々からお叱りを受けるかも。

オーストリアのオペラ劇場では「トゥーランドット」の幕が開く。
オペラの舞台裏で繰り広げられるスナイパーとの死闘。
楽譜が出て、打楽器の大きな音が入るところで銃を撃つって…?以前そんなシーンを見たぞー…。
何だっけ?どうもヒッチコックへのオマージュってことらしいです。

続いて突然モロッコ・カサブランカへ。
2年前モロッコへ行ったので、私テンションあがりましたー!
カサブランカは空港もある都会です。羊がのんびりメェ~なんて、あれはアイト・バン・ヘドゥかな?
そうなんです、意外にも(失礼しました)モロッコには映画の街があるんです。→ワルサザード
古くは「アラビアのロレンス」から「スター・ウォーズ」「グラディエーター」「ハムナプトラ」「バベル」など
モロッコで撮影された映画はいっぱいあるようです。
本作ではバイクでの激しいチェイス@モロッコ。
 
続いて発電所の地下で、厳重なる難攻不落の施設からデータファイルを盗み出します。
なぜモロッコに?なぜあんな所にあんなかたちでデータファイルが隠されているのか、全くわからないけど
なんだか凄いんだなぁ~感は伝わりました。

トム・クルーズも、イルサ演じるスウェーデン女優レベッカ・ファーガソンも、体を張った激しいアクション。
ほぼ不死身です。
  
                  
ゴツイ女優さんだなと思ったいたのですがこんな可憐な映像も。
     美人さんです。

前作以降、デスクワークを離れ危ない橋を渡ることになったベンジーを演じるのは
英国の個性派俳優サイモン・ペグ。
           
           実は私は彼のファンです。後ろはCIA長官を演じるアレック・ボールドウィン。

手をかざすと車のロックが解除されたり、人の歩き方・雰囲気で認知するシステムとか、
発電所地下の秘密のシステムとか…近い将来、あんなことができるようになるのかなぁ?




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 ***** 見た 映画 *****

 8月15日 「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」@横浜ブルク13

物語る私たち  Stories we tell

2015-04-13 | 映画 ま行
現在30代半ばのサラ・ポーリー。
2003年の「死ぬまでにしたい10のこと」で23歳で余命2カ月と宣告され、事実を隠して
残される夫と娘たちのために10のことをこなしていく若妻を主演。
その後2006年27歳で「アウェイ・フロム・ハー」を監督。
認知症を患い介護施設に入所した妻の変貌に狼狽え苦悩する夫を描く重厚なドラマを、
20代の女優さんが監督するとは!っと驚かされました。
そして本作は、彼女の出生の秘密を探るドキュメンタリー作品です。
全く、才能あふれるサラ・ポーリーには毎回驚かされます。

    *****************************

         物 語 る 私 た ちStories we tell
 
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「出生の秘密」って、日本ではタブーな話題。一昔前百恵ちゃんの「赤いシリーズ」を思い出します。
ところが、以前アメリカ人の友人に「私は養女なの。どうも実の両親は10代で養子に出したらしいのよ。
でも今の家庭に迎えられ私はとても幸せよ。育ての両親に感謝してるわ」っと笑顔でさらっと言われ、
聞いたわけでもないのに私の方がドギマギしたことを覚えています。
本作を見ても、アメリカやカナダでは、日本ほど「血縁」にこだわっておらず、それほど憚られる話題
というわけではないのかなぁ?

  
    サラ・ポーリー              母ダイアン
サラの母ダイアンは誰からも愛される明るくチャーミングな女優さん。
最初の結婚で2人の子供をもうけるも離婚。
舞台俳優と再婚し3人の子供に恵まれ、サラは末っ子。
サラが11歳の時、母は若くして亡くなり、上ふたりの子供が家を出て、サラは父に育てられた。
そんなポーリー家のお決まりのジョークは「サラだけパパに似ていないね」というもの。
(これ、ジョークにならんでしょう?)
そしてサラは自分の出生を、母ダイアンの人生を探り出す。
母を知る人たちにインタビューするうちにダイアンの秘密の恋が明らかに。 
  
      
           兄2人、姉2人、真ん中のプラチナブロンドがサラ              

知らない方が幸せなこともある。
自分自身傷つくかもしれないし、育ててくれた大好きな父を傷つけることになるかもしれない母の過去。
母の人生を紐解くうちに、本当の父が別にいたことを知る。
見ているこちらまでドキドキしました。
そして本当の父もかつてゴールデングローブ賞を受賞した演劇人であることがわかる。

ともするとシリアスでヘビーになりそうなテーマを、湿っぽくならず軽やかに描く手腕は流石です。
どうもサラ本人は当初描きたくなかったようだけれど、育ての父は手記を書き、
演劇人の実の父はこれこそ描くべきテーマだとやはり経緯を文章で綴る。
だったら私が自分でというふうに見受けられました。
文学でも私小説というジャンルがあるけれど、演劇をする人たちってやはり自分の稀有な経験は
作品にという発想になるのかなぁ~っと思いました。

育ての父も、実の父も、兄弟たち、母の友人たち、みんなが語る母の人生。
奔放なところのあった母だけれど、みんなが母を愛していたこと、
そしてみんながサラを、家族を愛していることが伝わってくる素敵なドキュメンタリーなのでした。

     
           サラと育ての父…このお父さんが良い方です。

でもまぁ…サラ自身30歳を超え、お母さんが亡くなって久しいからできたことだよね。
お母さんが生きていたら…、サラが20歳前後だったら…こんな風にはならなかったよね。


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 ***** 見た 映画 *****

 4月13日 「不機嫌なママにメルシィ!」 DVD フランス映画

ミリオンダラー・アーム

2014-12-09 | 映画 ま行
広告業界を描くTVシリーズ「マッド・メン」で主演を務めるジョン・ハム主演。
スーツとタバコが似合う、渋~いイケメンです。
マダム・マロリーの魔法のレシピ」と相次いで公開されたインドがらみのディズニー作品。
でもこちらはインド初のメジャーリーガーを発掘したエージェントの実話を基にした作品ですから。
テレビで何度か予告CMを見ましたが、あまり話題にもならなず公開は終了したようです。
やはり日本でメジャーな役者さんが出演していないと観客動員は難しいようです。
公開間もなくレディースデイに映画館で見たのですが観客はまばら。
なかなか面白かったのに・・・。
やっぱり「ミリオンダラー何たら」というとイーストウッドの「ミリオンダラー・ベイビー」を
思い出しちゃうからねぇ。原題が「Million Dollar Arm」だからしょうがないけど…。残念。


     *********************

          ミ リ オ ン ダ ラ ー ・ ア ー ム

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 < ストーリー >
大手スポーツエージェントから独立し自分の会社を立ち上げたJB・バーンスタインは、キャリアの危機。
頼みの綱のNBA選手に逃げられ、一発逆転を狙って野球未開の地インドでコンテスト形式の
スター発掘番組を製作し、クリケットの投手を野球に転向させメジャーリーグに売り込もうとする。
勝ち残った2人の青年とマネージャーを連れて意気揚々と帰国したバーンスタインだったが…。

トム・クルーズの「ザ・エージェント」とブラッド・ピットの「マネーボール」を足して2で割って
カレー粉を振りかけたような映画…って、悪い意味ではないないですよー
   
         

11月半ばに鑑賞後、書きかけのまま置いていたのですが、昨日の日経夕刊に間もなく公開の
野球映画2本「バンクーバーの朝日」「KANO/1931 海の向こうの甲子園」が紹介され、
その中で本作にも触れられていました。
野球に詳しい映画評論家の芝山幹郎氏の弁として、
 「野球には幸福の追求というアメリカの善の部分がある。3作品が移民、植民地、商売のダーク
  サイドを描きながら、善の部分が浮き彫りにされるのはそのためだ。アメリカのマイナー
  リーグに残っているような野球の幸福感が、それぞれをどこか感じのよい映画にしている」
っと引用していました。
「野球」ってアメリカでは歴史とか文化とか地域とかを巻き込んだ他のスポーツとは違う
特別なものなのでしょうね。
ヨーロッパや南米では「サッカー」でしょうか。
 
インドでは英国の影響のもと球技は「クリケット」のようですね。
アニメ「巨人の星」もインドでは野球ではなくクリケットの話に変えられたそうですから。
日本はもとよりアジアで有望な人材を確保するには高額な契約金が必要ってことで
クリケットで投げられるなら野球でも投げられるだろうというかなり破れかぶれな思いつき。
でも、やり投げとフィールド・ホッケーの選手って?!

     
            インド各地でピッチングコンテスト。右端:アラン・アーキン
           

ここで「マダム・マロリー」の時のような文化の衝突が。
選手を発掘するまでのインド編ではインドパワーに押され気味。
クリケットで良いピッチャーだからといって、野球がすぐにできる訳はなく、
アメリカに渡ってからは文化の違い+新しいスポーツ野球で成果を上げるというプレッシャーと、
家族の、インドの期待に押しつぶされそうになるインド人の若者リンクとディネシュ。
スポンサーとの契約で、短期での成果を求められるJBとの不協和音。
万事休すかと思われたところで、自分の成功しか考えていなかったこと、リンクとディネシュの
不安な思いに全く気付いていなかったことに思い至り考えを改めるJB。
共に試練に立ち向かっていくなかで家族のような関係になっていく。

「マイナーリーグに残っているような幸福感」とは選手を育てメジャーへというファンの支えと
それに答えようとする選手たちの一体感でしょうか?
実話だからメジャー選手になるという結末はわかっているにもかかわらず、
登場するピッチングコーチやスカウトマンらとともに、いつのまにかリンクとディネシュ、
そしてJBを応援し、涙ぐんでしまいました。
「一体感」はカタルシス
スポーツ映画の王道です。 でも、実話です。
        
リンクを演じたのは「ライフ・オブ・パイ」で主役パイを演じたスラージ・シャルマです。
ディネシュを演じたのは「スラムドッグ$ミリオネア」で主人公ジャマールの兄を演じたマドゥル・ミッタルでした。

ビル・パクストン、アラン・アーキンが脇を固めています




*近日公開の「バンクーバーの朝日」の予告編を見て涙があふれました
 予告編で泣いてるようじゃあ、映画館で本編を見たら…サングラスを持参しなくては



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マダム・マロリーの魔法のレシピ The hundred-foot journey

2014-11-19 | 映画 ま行
最近のディズニーは、インドがお好き
先日見た「ミリオンダラー・アーム(次回アップします)」も本作同様ボリウッドコラボの
ディズニー映画でした。
インドは年間映画製作本数がハリウッドを凌ぐ映画好きというお国柄に加え、
中国に迫る12億5千万人という巨大マーケットを意識してのことでしょうか?

料理大国フランスに強烈なスパイスを武器に殴り込み!

インドでもウニ、生で食べるんですね~。

***********************

    マダム・マロリーの魔法のレシピ
               THE HUNDRED-FOOT JOURNEY  

    ***********************


 < ストーリー >
南フランスでミシュラン1つ星の老舗レストランを経営するマダム・マロリー。
夫を亡きいまも、最高の味とおもてなしで星を増やすのが彼女の悲願だ。
ある日、彼女の店の真向かいに、新天地を求めロンドン経由でこの地にたどり着いた
インド人一家がインド料理店を開業する。格式高い名門フレンチと派手で賑やかなインド料理店。
対照的な2つの店では、食材やお客をめぐってバトルが勃発。
インド人一家の次男で亡き母から料理の手ほどきを受けスパイスを自在に操る天才料理人のハッサンは
フランス料理にも興味津々。ある日ハッサンが作ったフランス料理を食したマダム・マロリーは・・・。


題名を見てダスティン・ホフマンの「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」みたいな
ファンタジーを想像しましたが、さに非ず。
グローバルな現代社会で起こる文化の衝突と和解からの融合を、食をテーマにユーモアを交えて描く
ヒューマンドラマです。
原題は「THE HUNDRED-FOOT JOURNEY」で「100フィート(=30m)の旅」。
老舗フレンチレストランとインド料理店を隔てる100フィート/30mの距離のことです。

   
      萎れたアスパラガスを手に、お怒りモードのマダム・マロリー
            
            マダムに食材を買占められ怒り心頭のインドのパパ・・・後でしっかり仕返します。
ヘレン・ミレンの高慢でプライドの高いマダムぶり。
インドを代表する俳優オム・プリのインドの頑固おやじっぷり。
当初いがみ合い、意地を張っていたふたり。すったもんだがありまして、ハッサンの料理の才を
知ったマダムはミシュランの星奪還の切り札にしようと自分のレストランに迎えることに。
文化や人種が違えども、才能あるものは認めます。
反目していたマダムとインドの頑固おやじが徐々に互いを認め歩み寄ってゆく過程と、
呼応してハッサンが料理の腕をあげてゆく過程が楽しいです。
  
        天賦の才を持つハッサンとスーシェフのマルグリット
    双方恋心を抱きつつ、助けあいながらも…料理の世界ではライバル、火花が散ります。

そして・・・パリへ進出するすることになるハッサン。
パリの最先端の料理として紹介されるのは、やはり液体窒素なんかを使ったモレキュール(分子)料理。
エルブリの秘密」を見た時にも感じましたが、
料理というより化学実験室。一度食べてみたいとは思いますが、こういうのばかりだとちょっと…ね。
ハッサンも果たしてこれが自分の追求したい料理なのか?と悩み大きな決断を下すことに。

ミシュランの星なんて気にしない。地元の新鮮な食材で勝負したい。
っというハッサンの結論は、料理って奇をてらったものではなく、星の数でもなく、
もっと家庭的なあたたかいものではなかったか?と問うフランス料理界への批判が籠っているのかな?

ミシュランの星を失ったシェフが自殺したなんてことも耳にするほど、ミシュランの星の数は
料理界で絶対的な権威なのでしょうね。
何故タイヤ会社のミシュランが料理ランク本を発行しているのか?を調べたことがあります。
1900年フランスには3000台以下しか車がなく、自動車、ひいてはタイヤの販売促進のために
自動車所有者に地図、タイヤの修理や交換方法、ホテル、ガソリンスタンドの場所といった
お役立ち情報を載せて無料で配った冊子だったとか。
つまり、車に乗って出かける郊外のレストランを載せていたってことでしょう。
  …それぞれ分野で非常に美味しい料理
  …遠回りをして訪れる価値がある極めて美味な料理
  … それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理
というランク付けだそうです。

ハッサンの店なら、フレンチとインディアンを融合した新しいジャンルの料理を目玉に、
車に乗って味わうために遠出する価値のある店になる日も近い?
やっぱりーーは気になるか~。

宣伝では、知名度の高い名女優ヘレン・ミレンを前面に押しはやむをえませんが、
ハッサンを演じたマニシュ・ダヤルとマルグリット役のシャルロット・ルボンに注目したいです。
マニシュ・ダヤルは目がいいわぁ~
これからの活躍に期待してます! 写真がないのよ
シャルロット・ルボン…どこかで見たことが…そう、「イブ・サンローラン」で
サン・ローランのミューズ役で出演していたのでした。綺麗な人だなぁ~っと思っていましたが
バンダナ巻いてシェフのユニフォーム姿とすぐには結び付きませんでした。

 
             


チャゲ&飛鳥の曲で「はじまりはいつも雨」ってのがありましたが、
インド人一家が何か新しいことを始める時はいつも雨でした。
何か意味があるのかしら?


 

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 ***** 見た 映画 *****

 11月18日「6才のボクが、大人になるまで」@TOHOシネマズ川崎

昔々、アナトリアで

2014-09-26 | 映画 ま行
レンタルショップで2011年カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞した映画です。
2時間40分弱、かなり長いトルコ/ボスニア・ヘルツェゴビナ製作の作品です。
見終わってわかったのですが、本作のヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督はカンヌ国際映画祭の常連で
2002年「冬の街」でグランプリを、2008年「スリー・モンキーズ」で監督賞を、
今年は「Kis Uykusu」でパルム・ドールを受賞という、輝かしい受賞歴を
お持ちでした。
「Kis Uykusu」は劇場公開されるのでしょうか?


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          昔 々 、 ア ナ ト リ ア で

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 < ストーリー >
暗闇の中、草原にヘッドライトを点けた3台の車が近づいてくる。
警察官、検事、検死医、軍警察官に発掘作業員たちが殺人容疑者のふたりを連れて、死体の捜索に
やってきたのだ。容疑者の証言はのらりくらり、一行は死体を埋めた場所を捜し、夜を徹して
草原を移動する羽目になる。疲れて立ち寄ったある村で、容疑者は警察官の更なる取り調べに
とうとう正確な場所を教える。死体を回収し一行は街に戻り、医者は遺体の検死を行う。

2時間40分のうち、実に冒頭1時間20分は暗闇の中、遺体を求めて草原を何度も移動。
一行は容疑者に振り回される。その間、雑談をしながらそれぞれの日常、家族の話、
友人の妻の死など、一見取り留めのないような会話が交わされる。
何度も振り回され、疲れ、苛立ち、怒りを露わにする者、なだめる者。

1時間25分経過したところで遺体を発見。
遺体を掘り出し、車に乗せ、街へ戻り、1時間45分経過したところでやっと翌朝街に到着。
画面は一転し暗闇から朝になる。
映画の実に70%が夜のシーン。ヘッドライトの明かりと、立ち寄った村での明かりのみ。
村でも突然停電になりランプが運ばれてくる。

ここから一気に事件の真相に迫るのか?と思いきや・・・。

 検死医 
         検事
      
なんとも不思議な…というか、今まであまり見たことがない映画です。
トルコはアナトリア地方の緩やかな美しい草原のなか、分かったようなわからないような。
事件に関する説明もあまりなく、容疑者の自白のみ。しかし、彼が犯人なのかも疑わしい。
死んだはずの男が登場したり(幻覚ね)、死んだ男を見たという人まで現れる始末。
検死でわかった事実も、明らかにはされない。
事件の謎を解き明かすサスペンスというよりは、
遺体捜索に関わった人々の、現在と過去、光と影、生と死がメインの物語。

特に検事と検死医の会話で何げなく語られる検事の友人の妻(おそらく検事の妻)の話、
被害者の妻と容疑者の関わり、立ち寄った村の村長の美しい娘を通して、
トルコという異文化社会の女性の立場・考え方が描かれています。
登場する女性はふたり。ふたりとも一言も語らず。

日頃、事件が起こり、経過が語られ、最後に事件の全容が明らかになるという映画を
見慣れているせいか、ここまで曖昧なままで終わる映画に戸惑いを禁じ得ません。
文化の違いを感じつつ、文化が違っても人間の本質は変わらないのかなぁとも思ったり。
リンゴが転がって川を流れていくシーンや
村長の娘が暗闇のなかランプと紅茶を運んでくるシーンは新鮮で、
曖昧模糊としているけれど、なんだか気になる…好きな映画です。

村長の娘が本当に清楚で美しく、男たちが次々に目を見張るその表情がおかしかったです。
髭を生やしたむさくるしいおじさんばっかりの中で登場したからという訳ではなく、確かにこの娘さんは美しい!
私も目を見張りました。
そしてトルコのハンサムの形容が「クラーク・ゲーブル」であることに驚きました。
何を隠そう、私は昔からゲーブルファンです。
髭がトレードマークだからかな?検事を演じる俳優さん、ゲーブルに…似てないぞ。


パルム・ドール受賞の「Kis Uykusu」をはじめ、ヌリ監督の他の作品を見てみたいです。

でも、やっぱり事件の真相が気になるなぁー😩



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 ***** 見た 映画 *****

 9月 19日 「ダラス・バイヤーズクラブ」 DVD

 9月 21日 「オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~」 DVD ロバート・レッドフォード主演
    
         「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」 DVD

 9月 22日 「柘榴坂の仇討」@109シネマズMM横浜 
 
 
 9月 24日 「イブ・サンローラン」@角川シネマ有楽町

 9月 25日 「エージェント・ライアン」 DVD

         「昔々、アナトリアで」DVD トルコ映画

ママはレスリング・クイーン  Les Reines du ring

2014-08-08 | 映画 ま行
非常にインパクトのあるポスター!
前回ヒューマントラストシネマ有楽町に行った時に見た予告編と劇場に貼ってあったポスターを見て
見た~いと思ったフランス映画です。
爆笑して、ほろっとして、元気になれる映画です
4人のフランス女優さんは、身体はってます。

   
左端、「カラミティ・ジェス」演じるオドレイ・フルーロさんは「最強のふたり」で助手を演じていた方とは
全く気が付きませんでした。
右から二人目「ワンダー・コレット」演じるナタリー・バイさんは御年66歳
若々しくスリムなボディーでプロレス技も繰り出します。


    ***********************

        マ マ は レ ス リ ン グ ・ ク イ ー ン

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 < ストーリー >
北フランスの町。事件を起して服役していたシングルマザーのローズは、出所後スーパーの
レジ係の職を得て、養父母に育てられている息子ミカエルと5年ぶりに再会するが、
成長した息子にどう接してよいかわからず、悩む。息子がプロレス好きであることを知ったローズは、
なんとか親子関係を修復しようとプロレスラーになることを決意する。
チーム結成の為スーパーの同僚たちに声をかけ、往年の名レスラーにトレーナーを依頼。
メキシコの強豪チームとの対戦にむけ、猛特訓を開始する。


息子との関係修復、夫の浮気、恋愛依存、容姿コンプレックスと、それぞれ問題を抱えるなか、
まさかのレスリングに挑戦し、技を覚え、自分自身をキャラ付けしショーとして盛り上げていく過程で
自信を付け自分を取り戻し、友情を育んでゆく。
そして、そんな彼女たちを町のヒーロー、いえヒロインとして住民たちが後押しし、
町全体で一丸となって盛り上げる。

テンポの良い会話、笑い満載の、心温まるストーリー。
アメリカ映画とは違うおっとりほんわかとした雰囲気の中でのスポコン展開がいいですね。

リメイクの話もあるようですが、ハリウッド映画になると雰囲気が変わっちゃうだろうな~。
誰が演じることになるのか?見たいような、見たくないような・・・。

公開館は少ないですが、お奨めの映画です。



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 ***** 見た 映画 *****

 8月 1日 「ハウス・オブ・カーズ vol.1,2,3」DVD ケヴィン・スペイシー主演の政治の裏側ドラマ

 8月 2日 「ママはレスリング・クイーン」@ヒューマントラストシネマ有楽町

 8月 3日 「ハウス・オブ・カーズ vol.4,5」 DVD

 8月 4日 「ハウス・オブ・カーズ vol.6」 DVD

 8月 5日 「サンシャイン 歌声が響く街」@ヒューマントラストシネマ有楽町

マレフィセント Maleficent

2014-07-19 | 映画 ま行
子供の頃見たディズニーアニメの「眠れる森の美女」の絵が好きでした。
オーロラ姫の美しさと3人の妖精の可愛らしさ。
そして両手を広げ緑の炎をバックに黒のマントを翻し呪いをかけるマレフィセントの禍々しさ。
         
ディズニーランドの「ファンティリュージョン」でマレフィセントが龍になるシーンにワクワク。
なのに・・・本作のあの魔法の国?のキャラたちはいったい?
日本人の良しとするキャラとアメリカ人がイメージするキャラって随分隔たりがありますね。
それに、あのかわいい3人の妖精を実写化するのは…イメージが壊れましたわ
でも、歴代のオーロラ姫を演じる子役たちとエル・ファニングちゃんのかわいいこと!
そして尖がった頬骨のアンジ―は…マレフィセントにピッタリ。
まさに、アンジ―の、アンジ―による、アンジ―のための映画…ですね。

 

    ****************************

           マ レ フ ィ セ ン ト Maleficent

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 < ストーリー >
ある王国のプリンセス、オーロラ姫の誕生祝賀パーティーに招待されなかったマレフィセントが
現れる。13歳の誕生に姫が永遠の眠りにつくという呪いをかける。彼女は何故そんな呪いをかけたのか?謎に包まれたマレフィセントの過去に一体何があったのか?

いつからこんなに童話の世界を実写化するようになったのでしょう?
技術の進歩で魔法の世界を映像化することが可能になったからなのでしょうね。
1998年「シンデレラ」を基にした「エヴァーアフター」あたりから、主人公の葛藤が描かれ、
2010年「アリス・イン・ワンダーランド」2012年「赤ずきん」「白雪姫と鏡の女王」「スノーホワイト」と闘うお姫様が次々登場~。
ストーリーをこんなに変えちゃっていいんかい?
そして、大ヒットの「アナと雪の女王」と本作では童話の世界の、いやディズニー映画のお約束、伝家の宝刀「王子様のキス」まで無力に。

「真実の愛」とは?な~んて、今さら何を言うの?
散々ぱら「王子のキスで目覚め、幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」というストーリーを刷り込んだ挙句、王子のキスでは目覚めません。そんなものは「真実の愛ではないんだよね」っと相次いで主張されてもね~。
んなことわかったうえで「王子のキス」という「お約束」を受け入れてきた私たちへの裏切りじゃないですか?!
まぁ、いまどき白馬に乗ったタイツ姿のチャーミング王子を夢見る少女じゃいられな~い。

        
マレフィセント(maleficent)って「有害な、悪事を働く」って意味ですよ。
元々はとってもいい子だったのに…こんな名前、あんまりだわ!
呪いをかけるような屈折した人格になった元凶はステファン(オーロラ姫の父で国王)じゃないのよ

まぁまぁ落ち着いて。
誰もが知っている童話を基に、こんなお話どうよ?って今風にアレンジしてみたんじゃない?
そんな目くじら立てなくっても…っという声が聞こえてきそうですが、
実はね、あのお話の裏にこんな話があったのよ…とばかりにCGを駆使した美しい映像で見せられると
勝手にこんな話作っちゃっていいのかなぁ~っと反発したくなるのです。

残酷な描写もある昔話を、ロマンチックなお伽話に作り変え、
またまたこんな勧善懲悪話にしたディズニー。
う~ん、童話として子供たちに語るにはどのお話がいいのかな~?




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 ***** 見た 映画 *****

 7月 15日 「スノーピアサー」 DVD

ムード・インディゴ うたかたの日々  L'ECUME DES JOURS/MOOD INDIGO

2014-04-17 | 映画 ま行
オドレイ・トトゥとロマン・デゥリスのロマンティックなDVDパッケージと
最強のふたり」のオマール・シー出演作品という事で、迷わずレンタル決定!
前半は期待通り「アメリ」のようなファンタジックな作品だったのですが後半は一変。
気が付くとほぼモノクロ映像で、悲しい結末を迎えるのでした。

映画の冒頭、
「これは本当の話だ。なぜなら、すべて僕が想像したことだから ボリス・ヴァイン」という
メッセージが流れます。
しかし、そのあと「本当の話」とは思えない何だかわけのわからないカラフルかつキュートな映像に
翻弄されました。

ボリス・ヴァインはフランス人作家で詩人。本作の原作者です。
前衛的な作風の作家さんだそうですが、存じませんでした。1959年39歳の若さで急死なさったそうです。
彼の作品は多言語に翻訳不可能、映像化不可能といわれているそうです。
それを果敢に映像化したのは
今までに1968年ジャック・ぺラン主演で、また2001年「クロエ」の題名で永瀬正敏、ともさかりえ主演でも
映画化されていますが、両方未見です。


   ***********************

        ム ー ド ・ イ ン デ ィ ゴ 
                     うたかたの日々

   ************************

       
         ハネムーンの車がガラス張り?透明ですごい!

 < ストーリー >
働かなくても十分な財産があり気ままに暮らすコランは、友人のパーティーでクロエに出会い恋に落ちる。
幸せなふたりは結婚しハネムーンに出かけた先で、クロエのが体調を崩す。クロエは肺にスイレンが咲くという
奇病におかされていることがわかる。財産が底をつき、治療費を稼ぐために仕事を始めるコランだったが、
思うようにいかず、クロエは日に日に弱っていき…。

何はともあれ、本作のフランス映画独特の雰囲気をこちらでどうぞ。       
     



登場するダンスも通貨も架空のもの。カクテルピアノなどという機械も登場します。
友人シックが心酔する「パルトル」って、サルトルを模した人物ですよね?
この映画のテーマって…? 幸せの絶頂から、妻が突然の不治の病に侵され不幸のどん底へ。
本作は幻想的な悲恋話なのか?高等遊民コランの転落物語なのか?
コランが従事する訳のわからない労働は何を意味するのか?
どうも原作者のボリス・ヴァインはかなり破天荒で過激な方のようで、
「若さ」礼讃し「老い」は醜いというようなことを仰っているそうです。
そういう意味ではクロエは老いることなく若く美しいまま亡くなるのは美学なのかも。

         
           幸せの絶頂  右端がオマール・シー

意思の疎通が可能なおじさんネズミは何を意味するのか?謎の多い映画です。
弁護士で料理人を演じるオマール・シー、存在感があります。

原作を読むと謎は解けるのかしら?
あの映像がどのような文章で綴られているのか…気になるところです。

「A列車で行こう」に始まり、デューク・エリントンの曲がいろいろ流れます





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 ***** 見た 映画 *****

 4月16日 「ムード・インディゴ うたかたの日々」DVD


メビウス

2014-04-11 | 映画 ま行
ジャン・デュジャルダンとセシル・ドゥ・フランス主演という事でDVDにて鑑賞しました。

ジャン・デュジャルダンはアカデミー主演男優賞を獲得した「アーティスト」で一躍メジャーになった
フランス人俳優。
「アーティスト」ではちょっと老けて見えたので40代後半くらいかな?と思ったら現在41歳。
この方、御髪がちょっと後退していますが、とってもチャーミングでセクシー!です
セシル・ドゥ・フランスは「モンテーニュ通りのカフェ」「ヒア・アフター」「シスタースマイル ドミニクの歌
などに主演しているベルギー女優さんです。
 
フランス映画界で活躍しているお二人ですが、本作はロシア人のスパイ映画です。

           ******************

                   メ  ビ  ウ  ス

           ******************  

 < ストーリー >
ロシア連邦保安庁の諜報員グレゴリーは資金洗浄疑惑のあるロシアのビジネスマン・ロストフスキーを
追っている。スイスで金融トレーダーをしている米人アリスは、リーマンショックに関わりアメリカに
入国を禁じられている。グレゴリーの部下はアリスに接触し、ロストフスキー逮捕に協力すればアメリカに
帰れるようにしてやるという話を持ちかける。敏腕トレーダーのアリスはスパイになることを承知し、
ロストフスキーにデリバティブ取引でのロンダリングを提案し、信用を得る。
身分を偽ってアリスに近づくグレゴリー。アリスにはCIAとの繋がりがある。
アリスに不信感を持つロストフスキーの部下が彼女の身辺を嗅ぎまわるなか、図らずも恋に落ちてゆく
アリスとグレゴリー。果たしてふたりの運命は?

          

舞台はモナコにモスクワ、ブリュッセルで、言葉もフランス語にロシア語、そして英語です。
フランスのスパイ物は、ハリウッドとも英国とも違う独特の雰囲気があります。
派手なアクションとか大がかりな罠とか、そういうのじゃなくてなんだかセクシーで切ない。

ジャン・デュジャルダン扮するロシアのスパイグレゴリーは過去のあるミステリアスで寡黙な役どころ。
仲間にはアリスとの関係を隠し、アリスには自分の素性を隠し、思いもよらずターゲットの
アリスと恋に落ち、どんどん深みにはまっていく。
危険な香りを漂わせながら、任務と恋の狭間で苦悩する彼の視線や表情が渋い。大人の男や~。

そして、ロシア情報局とCIAが入り乱れての驚きのエンディング。
切ないな~。
ハリウッド映画のような派手さはないけれど、しっとりとしたレトロな雰囲気のある映画でした。



因みに、「TSUTAYAだけ!」でレンタル可能です。
最近「TSUTAYAだけ!」が多くないですか




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眼には眼を  1957

2014-01-08 | 映画 ま行
子供の頃TVで見た映画で、何とも後味の悪い映画がありました。
主人公が砂漠を超え、体力を消耗しながら歩き続け、あの山の向こうには
街があると最後の力を振り絞って山の頂に着いたところ・・・
延々と砂漠が広がっていた~というストーリーでした。
小学生だった私に「砂漠は怖~い!」というトラウマを刻み込んだ映画です。
タイトルも主演俳優も思い出せず、数十年ずっと心の片隅に恐怖体験として
巣食っていたのでした。

お正月明け、TSUTAYAさんに行き復刻名画の棚を見ていたらこの映画が目につきました。
「眼には眼を」はずっと戦争映画だと思い込んでいたのですが、どうも「眼下の敵」と
まぜこぜになっていたようです。
主演が共にドイツ俳優クルト・ユルゲンスだったからかもしれません。
子供の頃から彼のファンでした。
こういうインテリジェンスを感じる鋭いお顔がなんですわ~。

DVDカバーを見てこれだ~!っと。
ずう~っと心に引っかかっていたのはこの映画だと見る前に確信しました。
見てみると、「砂漠」ではなく「岩山」で、彼は一人ではなくずっと二人で
岩山の道を歩いていたのでした 

     *********************

          眼 に は 眼 を  OEIL POUR OEIL

      ******************** 


 < ストーリー >
砂漠の国シリアの病院で医師として働くフランス人ヴァルテル。
勤めを終え家で寛いでいるところに一台の車が止まり病気の妻を診察して欲しいという。
疲れていることもあり、車で20分の病院に行くことを勧め眠りについた。
翌朝、車が故障し歩いてきた女性患者が盲腸と誤診され、適切な処置を受けられず
手遅れで亡くなったことを知る。その日から、深夜に無言電話がかかり、ヴァルテルは
誰かに尾行されていることに気が付く。そして・・・。

 
                               ダンディーなユルゲンスの…御髪が~!
そうだったそうだった、こういうストーリーだったわぁ
これぞ、サスペ~ンス!

もしあの時ちょっとでも話を聞いて診ていれば…、
もし車が故障していなければ…、
もし当直の医者が誤診をしなければ…、あの女性患者は死ぬことは無かったかも知れない。
不幸が重なった残念な結果。
医者ヴァルテルに法的な責任はないが、倫理的にヴァルテル本人も良心の呵責を感じている。
そして、この「良心の呵責」によって、彼は深みにはまっていく。

見ているこちらも、
妻を亡くした夫の悲しみやヴァルテルに恨みを持つ気持ちもわからないではないし、
ヴァルテルの対応に落ち度がないことも良心の呵責を感じるのもよく理解できる。
果たして夫は復讐をしようと周到な計画に立って行動しているのか?
ただ行き場のない気持ちをぶつけようとしているだけなのか?
行き詰まる心理戦が始めはゆっくり、そして一気に加速する。

フランス人の医師が、異国シリアの地で言葉もままならず、地理も不案内な中、
文化の異なる異教徒に囲まれ、車も失い、自分に恨みを抱いている男と砂漠を彷徨う。
          
妻を亡くした男は自分だけ助かろうとしたのか?捨て身の行動だったのか?
人を呪わば穴二つ。
アラブ人たちの装束や行動、音楽、砂漠に上空を舞うカラスや猛禽類が恐怖を煽ります。

「目には目を、歯には歯を」はハムラビ法典だと思っていましたが、旧約聖書の出エジプト記にも
同じ表現「Eye for eye, tooth for tooth, hand for hand, foot for foot.」があるのですね。
そしてこれは、復讐を肯定しているのではなくて、拡大報復禁止の戒めの教えなのだそうです。
刑罰の上限を明らかにすることで復讐に歯止めをかけるための規定なのだそうです。
つまり、やられたらやり返せ!倍返しだー!っはあかんよ~って教えってことですね。
この歳になるまで、すっかり誤解していました。
どうもイスラムやアラブに対して、私たちは偏見を刷り込まれているようです。
(そもそもハムラビ法典は紀元前18世紀のバビロニアの法典でイスラムの教えじゃないです。)


この映画の邦題は何故「目」じゃなくて「眼」だったんでしょう?
物を見る器官として「眼」を使い、視点、考え方など視覚以外の「見方」を「目」と
使い分けるらしいです。(眼=eye 目=view) *「人力検索はてな」より
だから「eye for eye」は「眼には眼を」なのでしょうね。

非常に見応えのある名作です。
「あの映画はなんだったのか?」という積年の疑問に答えが出てうれしいです。


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 ***** 見た 映画 *****

 1月4日 「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」 DVD 1972年ルイス・ブリュネル監督のフランス映画
                           アカデミー外国語映画賞受賞作品

 1月7日 「SUITS シーズン2 vol.5~6」 DVD アメリカのTV法廷ドラマ

もうひとりの息子

2013-12-17 | 映画 ま行
本作は2012年に製作され、昨年の東京国際映画祭で東京サクラグランプリと最優秀監督賞
に輝いた作品です。
ずっと見たかったのですが、単館系作品が横浜の映画館にかかるのは東京での公開から
3か月~1年後 横浜ジャック&ベティでやっと見ることができました。
今も見たい映画が2本あるのですが、新宿と六本木の単館上映のみ。
いつ見れるかなぁ~?

本作は18年後に赤ちゃん取り違えが発覚、二つの家族の苦悩を描くストーリーですが、
最近60歳男性の出生時取り違え事件が大きなニュースになったのは記憶に新しいところです。
また、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した是枝監督の「そして父になる」も
赤ちゃんの取り違えを描いた作品でした。
偶然なのかしら?


  *************************

       も う ひ と り の 息 子
             LE FILS DE L'AUTRE / THE OTHER SON

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 < ストーリー >
イスラエルのテルアビブで暮らすフランス系ユダヤ人一家の一人息子ヨセフは、兵役のために
健康診断を受ける。その結果、家族は血液型から息子と血がつながっていないという衝撃の
事実を知ることになる。出産をしたハイファの病院で、空襲を逃れるために避難した際、
パレスチナ人家族の息子ヤシンと取り違えられたことが判明し・・・。

      
                二人の母親
取り違えられていたというだけでも、とても受け入れられないことなのに…、
壁で隔てられたイスラエルの子供とパレスチナの子供の取り違えだったなんて!
壁の内側に閉じ込められ、仕事もままならず厳しい暮らしを余儀なくされているパレスチナの家族。
イスラエル軍の高官である父、医者の母という恵まれた環境のイスラエルの家族。
取り違えがなければ全く接点のなかった二家族。
両者は戸惑い、狼狽え、悩み、葛藤する。
              
       (左)ミュージシャンを目指すイスラエル家庭で育ったヨセフ。
            (右)医者をめざしフランスの大学に合格したパレスチナ家庭で育ったヤシン。
こういう時、必ず父親は母親に「母親なのに気が付かなかったのか?」と非難する。
「無茶言わないでよ!あなただって気付かなかったでしょ?」っと言いたくなります。
まさかそんなことが起こるなんて、誰も予想だにしないものね~。
取り違えでユダヤ人じゃないとラビに拒否され、兵役も取り消され悩むイスラエルのヨセフ。
仲の良かった兄にイスラエル人は敵だと退けられるパレスチナのヤシム。
18年間信じていた自分のアイデンティティが根底から覆され途方に暮れる息子たち。
狼狽え、成す術のない父親たち。
         
そんな中、両方の息子を受け入れ、優しく迎える母親たちに支えられ、
次第に近づき仲良くなる息子同士。
敵対する場所で、周りの反応に傷つきもがくお互い同士が唯一分かり合える存在なのかもしれません。
双方の幼い妹たちが「新しいお兄ちゃん」と2人をすんなり受け入れていることに救われます。
宗教や民族、政治的対立など大人の事情に囚われず、素直な妹たちに希望が見えます。

いったいどういう結末になるのか?気になっていたところにちょっとした事件が起こり
ハラハラしましたが、穏やかな結末です。
自分を見失わず、未来に向かって歩もうとするヨセフの言葉に救われました。
知らない方が幸せであったろう事実を知り、この家族を、二人の息子を取り巻く状況は
過酷なものになるかもしれないけれど、自分の足で立とうとする18歳のふたりなら大丈夫
なんじゃないかな?
「そして父になる」のようにふたりが6歳とか子供だったら、夫々のコミュニティを巻き込んで
もっと大変なことになっていたでしょう。

一個人同士なら仲良くなれるのに…ね。

一つ疑問に思ったのは、日本人同士の取り違えならあまり似ていないねという程度でしょうが、
イスラエル人とパレスチナ人は顔では判断できないのか?ということです。
どうなんでしょう?





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 ***** 見た 映画 ・ TVドラマ *****

12月13日 「ダニーのサクセス・セラピー NECESSARY ROUGHNESS シーズン1①~④」DVD TVドラマ

 12月14日 「ダニーのサクセス・セラピー NECESSARY ROUGHNESS シーズン1⑤~⑧」DVD

      「天使の分け前 THE ANGELS' SHARE」DVD ケン・ローチ監督の英国映画
  

モネ・ゲーム  GAMBIT

2013-05-31 | 映画 ま行
最近なかなか映画館に足を運べなくて・・・。
久々にコリン・ファースとアラン・リックマン、キャメロン・ディアス主演の本作を見てきました。
以前から楽しみにしていたのですが・・・

私、BBCのTVドラマ「高慢と偏見」を見て以来、コリン・ファースのファンなんです。
ファンだけど•••、いやファンだからこそ敢えて言います。
正直なところ、本作はコメディーなのに笑えなかった。
コリン・ファースもアラン・リックマンも、コメディーってタイプじゃないですよね。
コリンが出演しているから見た「聖トリニアンズ女学園」でも映画自体は面白かったのですが、
コリンのコメディはいま一つ。
アカデミー主演男優賞を受賞した(英国王のスピーチ)コリンにこんなこと言うのはなんですが、
笑えないのよ~。

キャメロン・ディアスも、テキサス訛りの陽気なカウガールって、
もうこういうキャラはそろそろ若手に譲った方がいいような。
スタンリー・トゥッチも、いま一つ実力を出せずに終わった感じ。

4人とも大好きな俳優さんたちなのですが、なんとも残念。
違うテイストの作品で再度共演してほしいです。


     ************************

             モ ネ ・ ゲ ー ム
                    G A M B I T

     ************************


 < ストーリー >
印象派の巨匠モネの代表作「積みわら」の連作には、消えた1枚が存在した。
英国の美術鑑定士ハリー(コリン・ファース)は、消息不明のこの名画を使って、
大富豪のライオネル・シャバンダー(アラン・リックマン)を騙し大金を騙し取る大掛かりな詐欺を企てる。
ライオネルをおびき寄せるため、テキサスのロデオ・クイーン(キャメロン・ディアス)を絵画の持ち主に
仕立て贋作を買わせようとするが、予想外の展開に・・・。


本作は1967年製作の「泥棒貴族」のリメイクなのですね。
詐欺師にマイケル・ケイン、ナイトクラブの踊り子にシャーリー・マックレーン、
引っかけられる中東の富豪にハーバート・ロム(「ピンク・パンサー」シリーズのドレフェス警部)。
  
                               左がハーバート・ロム@ピンク・パンサー
どうもこちらの方が面白そうな感じです。
見てみたい(昔TVで見たかも?)のですがDVD化されていないようです。


原題の「GANBIT」は「術策、仕掛け」。チェス用語でもあるようです。

この大仕掛けに、とぼけた日本のビジネスマンの一団が何度も登場するのですが…、
重要な役どころです。
そいうえば、ピカソの「ひまわり」をオークションで購入し「死んだら棺桶に入れて一緒に焼いてくれ」
なんて、トンでも発言で顰蹙を買った日本人の方いらっしゃいましたっけ。

日本の景気が良かったバブルの頃、映画の中で日本人を揶揄する描写が結構あって、
何だかなぁ~っと思いつつそれはそれで仕方がないのかなぁとは思いましたが、
今の経済状況なら、そういう対象になるのは日本人じゃなくて中国人なんじゃないのかなぁ?                       

1999年の「ノッティングヒルの恋人」の中でも、サヴォイホテルにきた日本人で笑いを取ってましたね。
本作でも、ロンドンで一番高級なホテルとしてサヴォイホテルが登場しますが、
あんなフロントや従業員って…サヴォイホテルの品位に関わらへんか~?


本作はアメリカでは未公開のようですね・・・なんで?


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 ***** 見た 映画 *****

 5月28日 「モネ・ゲーム」@TOHOシネマズ海老名

みんなで一緒に暮らしたら 

2013-05-09 | 映画 ま行
予告編を見てちょっと興味をひかれたのですが見逃してしまった作品です。
二組の夫婦と親友の男性、年老いた男女5人がそれぞれ問題を抱えながらも、共同生活を始める
というストーリー。

かつ、て反戦運動の闘士だったり、
レオタード姿でエクササイズビデオ「ワークアウト」で大ヒットを飛ばしたジェーン・フォンダが、
75歳の今もスリムなお身体を保っているのに驚きました。
お腹、ぺったんこだもんね~

いくら仲良し5人組とはいえ、一緒に住むとなると・・・難しい。



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    み ん な で 一 緒 に 暮 ら し た ら  

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 < ストーリー >
アルベールとジャンヌ(ジェーン・フォンダ)夫婦、ジャンとアニー(J・チャップリン)夫婦、
そして一人暮らしのクロードの5人は40年来の友情で結ばれた仲間たち。
アルベールは初期の認知症、ジャンヌは病気が思わしくなく余命を宣告されている。
ジャンとアニーは喧嘩ばかりで、アニーは孫の為に庭にプールを作ると言い出す。
独身のクロードは今も若い女性に夢中で、趣味の写真撮影も女性のヌードばかり。
そんな時、クロードが心臓発作で入院。一人暮らしを心配する息子に老人ホームへ入れられる。
こんなところに置いておけないと、4人はクロードを救出し共同生活を始めるが・・・。

    
年老いて、一人になったら?
認知症の連れ合いを残して自分が先に逝くことになったら?
TVドラマ「グレイズ・アナトミー」や「アウェイ・フロム・ハー」のように
認知症になった妻や夫が自分を認識してくれず、施設の認知症患者と恋に落ちて楽しそうにしていたら?
年老いてからそんなの、辛すぎるよね~

ちょっと身につまされる内容もありますが、そこはそれ、コメディータッチで湿っぽくはならないですし、
あっと驚くクロードを巡るジャンヌとアニーの関係にもビックリですが、やっぱりおフラ~ンス。
昔の話でもう時効でしょう~という感じですが、いやぁこの事実を知った後も
共同生活を続けられるって、ありえないんじゃないのかな?
     
自分の余命が短いと知ったジャンヌは、認知症の症状が出てきた夫を一人残すことを
心配し、共同生活を働きかける。
年寄りばかりでなく、犬の散歩係として雇ったドイツ人青年ディルクが民俗学を専攻していると知り
自分たちの共同生活をリサーチしてはと、共同生活に誘いこむ。
         
みんなが元気でいるうちはいいけれど・・・、
誰かが、寝たきりで介護が必要になったり、認知症になったりしたら・・・現実には無理だよね~。

ジャンヌは認知症の夫アルベールのために共同生活をお膳立てしたんだろうけれど、
彼女亡き後の共同生活はどうなっていくのかなぁ?
ドラマだけれど・・・心配せずにはいられませんわ。




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 ***** 見た 映画 *****

 5月 8日 「リンカーン」 @TOHOシネマズ海老名