「食の安全」がこれほどまでに危機的状況に陥ったことがあったでしょうか?
製造年月日の改ざんに始まり、
産地偽造に、品質表示偽造、
中国産の毒(メタミドホス)入り餃子に三笠フーズのカビ・農薬汚染米の食用転売、
メラミン入り粉ミルクは対岸の火?日本は関係ないだろうと思っていたのに・・・
とうとう日本にも飛び火、
と、枚挙に暇が無い。
毒入りが出た頃から、
大騒ぎになった製造年月日の改ざんや肉の表示偽造が、さほどひどい事に思えなくなってしまった。
「命に係わるわけじゃなし・・・」って随分ハードルが低くなったしまったもんだねぇ
。
この映画を見ると、ファーストフードのハンバーガーを食べるのも躊躇するかもしれません。
「世の中には知らないほうが幸せなことがたくさんあるんだよ」という映画のコピーの言葉通り、
ハンバーガー好きの方は見るのを止めておきましょう。
な~んて書いたら、かえって気になって怖いもの見たさに呼ばれちゃったりして
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ファーストフード・ネイション FAST FOOD NATION 2006
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< ストーリー >
カリフォルニア州アナハイムにあるハンバーガー・チェーン“ミッキーズ”の本社。
マーケティング部長のドン(グレッグ・キニア)は、大学が行った各社の肉パテ分析結果から
自社の牛肉パテに糞便性大腸菌が混入していたと社長から聞かされ、
調査のためコロラド州コーディにある精肉工場に赴く。
劣悪な労働条件の下、下請けの精肉工場で酷使されるメキシコからの不法移民。
店舗では、安い時給で働く高校生アルバイトたち。
視察した工場に問題はなさそうだったが、元の契約牧場主や工場関係者から話を聞くうちに
「食の安全性」だけでなく、現代社会が抱える問題があぶり出されていく。
ジャーナリストのエリック・シュローサーのルポルタージュ「FAST FOOD NATION」
日本語タイトル「ファーストーフードが世界を食いつくす」を原作につくった、
ドキュメンタリーではなくドラマです。
真っ向勝負のドキュメンタリーでは業界からの風当たりが強すぎるってことでしょうか?
これまたショッキングだった「スーパー・サイズ・ミー」とは違う切り口で、
ファーストフード業界を舞台に、食の安全性・格差社会・外国人労働者(不法移民問題)などの
複雑に絡み合った問題を描いています。
早い・安い・そこそこ美味いと三拍子そろって便利なファーストフード。
日本でも若者を中心に、今やすっかりなくてはならない存在です。
ここでは「ファーストフードがいかん」と告発するのではなく、
コスト削減で利益を上げようとする企業の姿勢を問うています。
利益を上げるために、徹底したコスト削減を行い、メキシコからの不法移民を低賃金で使い捨てる。
給料の高い熟練者を雇わず、未経験者に短時間で作業をさせるため、
腸を切り離すときに誤って腸を破ってしまい肉に便が混ざることで大腸菌が混入する。
問い詰めるベンに工場責任者(ブルース・ウイリス)は、
「パテを生で食う奴がいるか?高温で焼いてしまえば、大腸菌なんて問題ないさ」
とバーガーにかぶりつく。
えぇ~!そりゃ生では食べないけど、入ってるって知ってたらそんな
絶対食べられへんよ・・・
また商品開発部では、薬品や香料を使って新製品のバーガーを開発中。
今やどんな味でもニオイでも人工的に作れないものはないらしい。
「食品の裏側ーみんな大好きな食品添加物」の著者安部司氏のデモンストレーションをテレビで見て、
コーヒーフレッシュの使用を止めました。
「安い」「便利」「見た目がキレイ」を追求するために入れる添加物。恐ろしい~。
今の世の中、日本でも高校生のアルバイト労働力なくしてはスーパーもコンビニも、
ファーストフードショップも立ち行かない。
映画の中の高校生店員は低賃金でやる気無く、床に落としたパテを拾って焼き、
バーガーに入れたり、
気に入らない客のバーガーに唾を入れたり、暇つぶしに店を襲うなら早朝がいいなんて話をしている。
アメリカ映画やドラマで描かれる労働問題といえば、メキシコからの不法入国。
経営者は不法ということで足元を見て劣悪な環境の中、低賃金でこき使う。
事故が起こって働けなくなったら、麻薬をやっていたなど言いがかりをつけ切り捨てる。
アメリカでの生活を夢見て、命を懸けて国境を越えてやってくるメキシコ人たち。
次々やって来る不法移民に、経営者側が労働力不足になることはない。

* 映画とは全く関係ありません。丸の内界隈に出現した牛をモチーフにしたアートです。
この映画で一番ショッキングなのは、牛の、及び解体作業です。
当然のことではあるけれど、日々スーパーにで並ぶ綺麗に切り分けられパックになった肉や切り身の魚しか目にすることがないと
「肉を食べるには動物を殺さなくてはならない」という実感がない。

や牛の元の姿と、パックに入った肉、
両者は全く切り離され、その間の工程に思いを馳せることがない。
突然切り身になるわけはなく、どこかで誰かがあのように解体作業をして下さっているお陰です
ちょっとショッキングではあるけれど「ノーカントリー」で殺し屋が使っていたあの「プシュー」ってやつを
眉間に撃つ。
足を切断し、皮を剥ぐ、内臓と肉を分け、各部位に切り分ける。
たけし一家を描いた「菊次郎とさき」だったと思うんだけれど、
ある日お姉ちゃんが飼っていた
のピーちゃん?を締めて鍋にするエピソード。
「ピーちゃんが…」と泣いていたお姉ちゃんは、泣きながら「美味しいね」と言って
食べていたと記憶している。
11月公開の妻夫木聡主演「ブタがいた教室」は小学校で飼っていたブタのPちゃんを食べるかどうか、
クラスを二分し、TVでも議論を呼んだ実話に基づく映画です。

誰もが食べることで命を繋いでいる以上、その作業を切り離して残酷と見なすのはおかしいですよね。
動物の死によって人間の命が支えられていることを思い、
食事の前には改めて手をあわせ「ありがとう。いただきます
」と言って食べることにします。
この映画がもう一つ問うているのは、消費者の食に対する姿勢だろうと思います。
驚くのは、有名俳優が多数出演していること。
グレッグ・キニア・・・・サブリナ、恋愛小説家、リトル・ミス・サンシャイン、
ブルース・ウイリス・・・言うまでもなくダイ・ハードシリーズ
イーサン・ホーク・・・・いまを生きる、ガタカ、恋人までの距離
クリス・クリストファーソン・・カントリー音楽の大御所、スター誕生
アヴリル・ラヴィーン・・今をときめくアイドル歌手
ポール・ダノ・・・・卒業の朝、リトル・ミス・サンシャイン、ゼア・ウイル・ビー・ブラッド
などなど。
有名俳優の出演にもかかわらず、
2006年カンヌ国際映画祭・コンペティション部門で議論を巻き起こしたにもかかわらず、
残念ながらアメリカでの興行成績はいま一つだったようです。

***** 今週 見た 映画 *****
9月22日 「ディナー・ウィズ・フレンズ Dinner with Friends」 DVD
デニス・クエイド、グレッグ・キニア主演
「恋は突然に Catch and Release」DVD
ジェニファー・ガーナー主演
9月23日 「ファースト・フード・ネイション FAST FOOD NATION」 DVD
9月26日 「ため息つかせて Waiting to Exhale」 DVD
katさ~ん、見ましたよ~。
確かに仕事を持った4人の女性の恋愛・友情ストーリー。
「セックス・アンド・ザ・シティー SATC」と雰囲気似てました。
これを見るとSATCがいかに特殊な世界の話で非日常かがわかりますね。
製造年月日の改ざんに始まり、
産地偽造に、品質表示偽造、
中国産の毒(メタミドホス)入り餃子に三笠フーズのカビ・農薬汚染米の食用転売、
メラミン入り粉ミルクは対岸の火?日本は関係ないだろうと思っていたのに・・・
とうとう日本にも飛び火、
と、枚挙に暇が無い。
毒入りが出た頃から、
大騒ぎになった製造年月日の改ざんや肉の表示偽造が、さほどひどい事に思えなくなってしまった。
「命に係わるわけじゃなし・・・」って随分ハードルが低くなったしまったもんだねぇ

この映画を見ると、ファーストフードのハンバーガーを食べるのも躊躇するかもしれません。
「世の中には知らないほうが幸せなことがたくさんあるんだよ」という映画のコピーの言葉通り、

な~んて書いたら、かえって気になって怖いもの見たさに呼ばれちゃったりして

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ファーストフード・ネイション FAST FOOD NATION 2006
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< ストーリー >
カリフォルニア州アナハイムにあるハンバーガー・チェーン“ミッキーズ”の本社。
マーケティング部長のドン(グレッグ・キニア)は、大学が行った各社の肉パテ分析結果から
自社の牛肉パテに糞便性大腸菌が混入していたと社長から聞かされ、
調査のためコロラド州コーディにある精肉工場に赴く。
劣悪な労働条件の下、下請けの精肉工場で酷使されるメキシコからの不法移民。
店舗では、安い時給で働く高校生アルバイトたち。
視察した工場に問題はなさそうだったが、元の契約牧場主や工場関係者から話を聞くうちに
「食の安全性」だけでなく、現代社会が抱える問題があぶり出されていく。
ジャーナリストのエリック・シュローサーのルポルタージュ「FAST FOOD NATION」
日本語タイトル「ファーストーフードが世界を食いつくす」を原作につくった、
ドキュメンタリーではなくドラマです。
真っ向勝負のドキュメンタリーでは業界からの風当たりが強すぎるってことでしょうか?
これまたショッキングだった「スーパー・サイズ・ミー」とは違う切り口で、
ファーストフード業界を舞台に、食の安全性・格差社会・外国人労働者(不法移民問題)などの
複雑に絡み合った問題を描いています。
早い・安い・そこそこ美味いと三拍子そろって便利なファーストフード。
日本でも若者を中心に、今やすっかりなくてはならない存在です。
ここでは「ファーストフードがいかん」と告発するのではなく、
コスト削減で利益を上げようとする企業の姿勢を問うています。
利益を上げるために、徹底したコスト削減を行い、メキシコからの不法移民を低賃金で使い捨てる。
給料の高い熟練者を雇わず、未経験者に短時間で作業をさせるため、
腸を切り離すときに誤って腸を破ってしまい肉に便が混ざることで大腸菌が混入する。
問い詰めるベンに工場責任者(ブルース・ウイリス)は、
「パテを生で食う奴がいるか?高温で焼いてしまえば、大腸菌なんて問題ないさ」
とバーガーにかぶりつく。
えぇ~!そりゃ生では食べないけど、入ってるって知ってたらそんな

また商品開発部では、薬品や香料を使って新製品のバーガーを開発中。
今やどんな味でもニオイでも人工的に作れないものはないらしい。
「食品の裏側ーみんな大好きな食品添加物」の著者安部司氏のデモンストレーションをテレビで見て、
コーヒーフレッシュの使用を止めました。
「安い」「便利」「見た目がキレイ」を追求するために入れる添加物。恐ろしい~。
今の世の中、日本でも高校生のアルバイト労働力なくしてはスーパーもコンビニも、
ファーストフードショップも立ち行かない。
映画の中の高校生店員は低賃金でやる気無く、床に落としたパテを拾って焼き、
バーガーに入れたり、
気に入らない客のバーガーに唾を入れたり、暇つぶしに店を襲うなら早朝がいいなんて話をしている。
アメリカ映画やドラマで描かれる労働問題といえば、メキシコからの不法入国。
経営者は不法ということで足元を見て劣悪な環境の中、低賃金でこき使う。
事故が起こって働けなくなったら、麻薬をやっていたなど言いがかりをつけ切り捨てる。
アメリカでの生活を夢見て、命を懸けて国境を越えてやってくるメキシコ人たち。
次々やって来る不法移民に、経営者側が労働力不足になることはない。


* 映画とは全く関係ありません。丸の内界隈に出現した牛をモチーフにしたアートです。
この映画で一番ショッキングなのは、牛の、及び解体作業です。
当然のことではあるけれど、日々スーパーにで並ぶ綺麗に切り分けられパックになった肉や切り身の魚しか目にすることがないと
「肉を食べるには動物を殺さなくてはならない」という実感がない。


両者は全く切り離され、その間の工程に思いを馳せることがない。
突然切り身になるわけはなく、どこかで誰かがあのように解体作業をして下さっているお陰です

ちょっとショッキングではあるけれど「ノーカントリー」で殺し屋が使っていたあの「プシュー」ってやつを
眉間に撃つ。
足を切断し、皮を剥ぐ、内臓と肉を分け、各部位に切り分ける。
たけし一家を描いた「菊次郎とさき」だったと思うんだけれど、
ある日お姉ちゃんが飼っていた

「ピーちゃんが…」と泣いていたお姉ちゃんは、泣きながら「美味しいね」と言って
食べていたと記憶している。
11月公開の妻夫木聡主演「ブタがいた教室」は小学校で飼っていたブタのPちゃんを食べるかどうか、
クラスを二分し、TVでも議論を呼んだ実話に基づく映画です。

誰もが食べることで命を繋いでいる以上、その作業を切り離して残酷と見なすのはおかしいですよね。
動物の死によって人間の命が支えられていることを思い、
食事の前には改めて手をあわせ「ありがとう。いただきます

この映画がもう一つ問うているのは、消費者の食に対する姿勢だろうと思います。
驚くのは、有名俳優が多数出演していること。
グレッグ・キニア・・・・サブリナ、恋愛小説家、リトル・ミス・サンシャイン、
ブルース・ウイリス・・・言うまでもなくダイ・ハードシリーズ
イーサン・ホーク・・・・いまを生きる、ガタカ、恋人までの距離
クリス・クリストファーソン・・カントリー音楽の大御所、スター誕生
アヴリル・ラヴィーン・・今をときめくアイドル歌手
ポール・ダノ・・・・卒業の朝、リトル・ミス・サンシャイン、ゼア・ウイル・ビー・ブラッド
などなど。
有名俳優の出演にもかかわらず、
2006年カンヌ国際映画祭・コンペティション部門で議論を巻き起こしたにもかかわらず、
残念ながらアメリカでの興行成績はいま一つだったようです。

***** 今週 見た 映画 *****
9月22日 「ディナー・ウィズ・フレンズ Dinner with Friends」 DVD
デニス・クエイド、グレッグ・キニア主演
「恋は突然に Catch and Release」DVD
ジェニファー・ガーナー主演
9月23日 「ファースト・フード・ネイション FAST FOOD NATION」 DVD
9月26日 「ため息つかせて Waiting to Exhale」 DVD
katさ~ん、見ましたよ~。
確かに仕事を持った4人の女性の恋愛・友情ストーリー。
「セックス・アンド・ザ・シティー SATC」と雰囲気似てました。
これを見るとSATCがいかに特殊な世界の話で非日常かがわかりますね。