映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

ボーン・アルティメイタム

2007-11-30 | 映画 は行
12月5日あたりにアップしようと書き始めましたが、一気に書いてしまったのでちょっとフライング。
勢いが大事なので、連続アップでいっちゃいましょう。

今回はちょっとテイストを変えてます。
感想などコメントに残していただければ嬉しいです。


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 ボーン・アルティメイタム  THE BOURNE  ULTIMATUM 2007 

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あくまで好みの問題ですが、マット・デイモンは好きなタイプじゃございません。言っちゃった…成田でお出迎えする熱狂的ファンの皆様ごめんなさいませ。

「何で主役やのん?悪役の顔やんか。笑った顔に品が無い」などと勝手なことを言っていたのに、この映画の来日キャンペーンで「SMAP×SMAP」に出ているのを見て意見を変えることにいたしました。
普通映画でみるとカッコいいのにインタビューを見ると、「あれれ?いま一つ…」という俳優さんが多いなか、驚いたことにマット・デイモンは素の方がカッコいいのよ。
「笑顔もなかなか、いいやんか!」でも、これって俳優としてどうなのよ?

とにかく、見ていなかったボーンシリーズ二作のレンタルDVDを借り、3作目に向けて準備。

「ボーン」って骨じゃなくて苗字なのね、から始まり、よく判らないオープニングから次第に引き込まれおさらい完了。



「いや~、なかなか面白いやんか。」
「クレイグ・オーエンはこんなちょい役スナイパーでええのんかいな。」
「それにしてもちょっとしたヨーロッパ観光気分やな。フランス、ドイツ、スイスにイタリア、ロシアにインド。歴史を感じる街並みやね。」
「私はだぁ~れ?でも言葉はオッケーなのね。一体何ヶ国語しゃべれんの?身体能力もすっごいな~。めっちゃ強いやん。」
よ~し、準備オッケーとばかりに、いざ最終章、究極の「アルティメイタム」へ。

やはり「そこはどこ?あなたは、だぁ~れ?」から、目まぐるしく舞台は変わる。
ロシア、イタリア、イギリス、フランス、スペイン、モロッコのタンジール、やっと危険なヨーロッパ・地中海周遊のたびを終え、帰ってきたのはニューヨーク。
上空から写す街並みの美しさは旅行会社のコマーシャル以上に「行ってみたい」という気にさせる。

パリでは殺されたマリーの兄にご対面。
この兄を演じるは「グッバイ、レーニン!」で孝行息子を、「ラヴェンダーの咲く庭で」でジュディ・デンチが恋心を寄せるこれまた記憶喪失のヴァイオリニストを演じた、ドイツ期待のダニエル・ブリューレ。
ドイツ映画じゃ主役なのになんともなぁ…。そういえば、これまたマット・デイモン主演の「グッド・シェパード」で東側のちょい役スパイを演じたマルティナ・ゲデックもドイツの大女優。
「マーサの幸せレシピ」や「善き人のためのソナタ」主演で美しかった。

「ハリウッドは何様やねん?やっぱり言葉の壁があるんかな?」なんて思っていたら、次から次へと息つく暇なく畳み掛けるアクション。

「一体あんたは何ヶ国語しゃべれんねんな?」なんてどーでもよくなってしまうほど、「ロッキーを超え、人間離れしたダイ・ハードをも超え、ターミネーター2の何にでも変身する未来から来たサイボーグT―1000の域に達してるやないかいな。」
次から次に現れる刺客を、千切っては投げ、爆破現場から、大破した車の中からすっくと立ち上がり何事も無かったかのように次なる敵を追いかけるお姿は、すでにロボット。
対するCIAも、最新テクノロジーを駆使し、世界中に駐在する局員を動員するも、たった一人に振り回される。

1998年ウィル・スミス主演の「エネミー・オブ・アメリカ」を見たとき、
「もうプライバシーなんてあらへんなぁ。どこにおっても見つかるわ。恐ろしい世の中や」と感じた以上に、この10年間で技術は進んでおりました。

アングロサクソン5カ国(米・英・カナダ・豪・ニュージーランド)の諜報機関で運営されている全世界通信傍受システム「エシュロン」を使って、電話・ファックス・携帯電話・メールなどに目を光らせているのです。

迂闊に「*ロ」(エじゃないぞ!テですよん)とか
   「自*」(戒・粛・信はいいけど満や慰や爆はあかんよ!)なんて書いたりしゃべってりしたら、とんでもないことに巻き込まれるかもよ。映画でここまでってことは、現実はもっと凄いことになってるんやろな。
思わず帰りの道すがら、駅やショッピングモールで監視カメラを探してしまいましたがな。くわばら、くわばら。

今回の悪役は、私の好きな♪デビッド・ストラザ―ン。



マッカ―シーの赤狩りに対抗したエドワード・マーローを描いた「グッドナイト&グッドラック」でアカデミー賞にノミネートされました。渋~い。
なんてうっとりしていたら、あらま!もう一人の悪役はアルバート・フィニーじゃあ~りませんか。
オードリー・ヘップバーンと「いつも二人で」に出ていた頃はスリムで爽やかだったのに…「オリエント急行殺人事件」でポアロを演じた時は別人かと目を疑ったが、以降着実に体重としわを増やしておられるご様子、善玉は「エリン・ブロコビッチ」までかなぁ。貫禄、貫禄。

さてさてこの三部作の「オチ」じゃなかった「結末」はいったいどないするつもりやねんと思っていたら、
「洗脳されて殺人マシーンに」って、
どこかで見たストーリーやなぁ・・・
「あっ、『マンチュリアン・キャンディデイト 影なき狙撃者』やんか」

  * この映画については近いうちにアップします。
  * 朝鮮戦争時、捕虜になったアメリカ兵が洗脳されて・・・という当時としては驚きの斬新なストーリーです。

状況がわからないまま、ここまで引っ張っておいて、1962年製作映画と同じ結末って、
「どないなっとんねん」とちゃちゃを入れたい気持ちもあるけれど、
それ以上に次々繰り出されるスピード感あふれるアクション!と、
その場にいるような臨場感・緊迫感にあふれたカメラワークに、
見終わった後すっかり満足、
勢い余って「書くぞ~!」とパソコンに座った次第です。

感情が昂ると、第一言語の関西弁がぽろぽろ出てきます。
お読み辛い点は御容赦のほど。(関西弁についての御意見等がありましたらコメントお願いいたします。)

でもこのエンディングは最終章でなく、まだまだ続編有りかもという暗示かしら?
10年、20年後、スタローンやブルース・ウイリスに続けってか?!
それまで身体を鍛えておこうね、マット。

まだまだ公開中です。
劇場の大画面で気分転換しませんか?


王様の剣

2007-11-29 | アニメ
原点であるアメリカTVドラマの次に選んだ1本目の映画は、ディズニーのアニメーションです。

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           王様の剣     1963

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「ディズニーアニメで一番好きなのは何?」と聞かれたら何をあげるでしょうか?

「白雪姫」?「不思議の国のアリス」?「くまのプーさん」?「ジャングルブック」?
新しいところでは「アラジン」が好きだが、一番のお気に入りは「王様の剣」なのです。
「はぁ?何それ」という声も聞こえてきそうだけれど、イギリスのアーサー王伝説(岩に刺さった剣「エクスカリバー」を抜いた者がイギリスの王になるアーサー王と円卓の騎士の物語)を基にしたディズニーの長編アニメーション映画なんです。知ってます?



「白雪姫」「バンビ」「眠れる森の美女」「不思議の国のアリス」などに比べて極端に知名度が低~い。1963年製作とほかのアニメより随分遅れて作られたからなのか、アーサー王伝説自体が日本人にあまり馴染みが無かったからなのか。

小学校三年生か四年生の時、学校の映画鑑賞会で近くの映画館に行って一度見ただけだったけれど、記憶の中に深く深~く刻み込まれ、もう一度見てみたいという思いが、その後もずっとくすぶっていた。

ビデオやDVD、インターネットの無い時代、今のように気軽に探して見る術は無く、大人になって
「王様の剣っていうディズニーアニメを知っている?」
と友人に尋ねてみても「何それ?」とけんもほろろ、何の反応も無く誰一人知らなかったことが悲しかった。
「あれは一体何だったの?まぼろしか?」と自分の記憶を疑ったほどだ。
 
10数年前5600円と(今の感覚からすればとんでもなく高い!)ビデオを発見!、どうしても見たくて清水の舞台からジャーンプ!(ちっちゃい舞台やな~)思い切って購入、子供と共に見た。
数十年の思い入れが強すぎたからか、子供相手に「良いでしょう?面白いでしょう?」と同意を強要し子供そっちのけで興奮してしまった。
「これよこれ、ず~と見たかったのはコレ!記憶は間違ってなかった~。正しかったんだ~。」
映像もCGではない、温かみのあるタッチで、いいんだなぁ~これが。

原作は1938年T・H・ホワイトの
「永遠の王―アーサーの書  The Once And Future King 」
アニメでは使用人扱いされていた少年ワートが魔法使いで予言者のマーリンと出会い、岩に突き刺さった剣「エクスカリバー」を抜いてイギリス王になるまでのお話で、その後の戦いやランスロットとグネヴィアをめぐる恋愛はショーン・コネリー、リチャード・ギアの「トゥルーナイトFirst Knight」、キーラ・ナイトレーの「キング・アーサー」や「キャメロット」などにお任せするといたしましょう。

積年の思いを込めて、気合入りまくりで見たときに比べ、改めて落ち着いて見てみると、学校の映画鑑賞会に選ばれた理由がわかりました。

他のアニメの「王子様とお姫様が幸せに暮らしましたとさ」というhappily ever afterのお伽話ではなくて、非常に教育的な内容だった…のだ。

子供の頃はマーリンの魔法で魚・リス・鳥に変身する冒険や、悪い魔女のマダムミームとマーリンとの魔法対決に気を取られ、肝心のメッセージをすっかり無視しておりました。(先生、ごめんなさい)



マーリンは魚やリスに変身し困難を乗り越えるレクチャーで、
「腕力より知恵を使え」
「過去から学べ」
「本を読め」
「知識も知恵も偉大な力だ」
「志を高く持て」
と説き、魔法使いでありながら問題解決に魔法を使わせたりはしないのだ。
(ドラえもん、のび太を甘やかしてはいか~ん。)
これらの言葉を当時しっかり胸に刻んでおけば・・・反省。

こういった冒険を通して主人公が成長していくストーリーは、児童文学、いやRPGといわれるロールプレーイングゲーム(コスプレではありませんよ)でも王道です。
「マリオブラザーズ」も「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」も、「ロード・オブ・ザ・リング」「ハリー・ポッター」も「桃太郎」や「一寸法師」もざくっと分類すれば(し過ぎ?かも)概ね同じストーリーといってもいいのではないかしら。

洋の東西を問わず、時代を超えて、こういう前向きな冒険譚はうけるのね。

それにしても最近の外国アニメはディズニーを含めてCGを使った動物ものや自動車・ロボットものが花盛り。人間を主人公にしているものもマイノリティーに配慮したアニメっぽいものばかり。
1998年の「ムーラン」は巨大な中国市場を視野に入れて創られたと聞いたことがあるが、次のターゲットは一体?新興著しいインドでしょうか?

もう一本学校の映画鑑賞会で観た記憶に残る映画は、ずっとアメリカ製と思っていたイギリスの人形劇、国際救助隊の「サンダーバード」でした。2004年に実写版が出て、「こんなのサンダーバードじゃない、イメージを壊すな~」とがっかりさせられた。

今の学校で映画館鑑賞会ってあるのかしら?
いつでも安くでDVDが借りれる時代、いやいや、ゲーム機でDVDが見れるんだから、子供がマイDVDプレーヤーを持っているっていう状況で、わざわざ学校が鑑賞会をする必要はもうないのでしょうね。
何十年も一つのアニメに執着するなんてこと、ありえないんだろうなぁ。
これって幸せなことなのかしら?

懐かしのアメリカTVドラマ

2007-11-22 | TVドラマ
大阪生まれの大阪育ち、神奈川で暮らしてはや20数年、
大阪弁と標準語を自由に操る「バイリンガル?」になりました。

以前、某オンライン雑誌に3ヶ月、映画の記事を書いてからあっという間に半年が過ぎてしまいました。

やっと重い腰を上げ、一歩ずつの意味を込め、
「イッチニ、イッチニ」なら12月12日やろが…という横槍を物ともせず、
12月まで待ったら、またまたどっかと腰を下ろしてしまいそうなので、
11月22日(何故か良い夫婦の日?)にスタートすることにしました。

週1回を目標所存です。

映画のブログと言いながら、初回は私の映画好きの原点ともいえるアメリカTVドラマから始めます。

宜しくお付き合い下さいませ。

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もの心がついて最初に見た映画は御多分に洩れずディズニーのアニメ、
「アリス」だったか「バンビ」だったか。
実写ではやはりディズニーの「黒ひげ大旋風」だった。
今でも、いくつかの場面と父に連れられて大阪梅田の映画館で見たことをはっきりと覚えている。

今でもこんなに映画が好きなのは、父の影響だ。
二人でよくアメリカのテレビドラマを見た。

昭和30年代生まれの私は、テレビ世代の走りである。

           
40年代からはアメリカテレビドラマの全盛期、戦争ものから西部劇、ファミリーもの、動物もの、探偵ドラマに青春もの、コメディーにシリアス、様々なドラマを毎週ワクワク心待ちにしていたものだ。

父のお気に入りは、
サンダース軍曹の「コンバット」
若かりしクリント・イーストウッドが出ていた「ローハイドー」
ロバート・フラーの「ララミー牧場」
黒沢良のナレーションで始まる「アンタッチャブル」
片腕の男を追うデビッド・ジャンセンの「逃亡者」
テーマソングが今も記憶に残る「サンセット77」
指令テープが白い煙とともに消滅する「スパイ大作戦」等、
同世代の方なら、記憶にしっかりと刻み込まれているのではないでしょうか?

私はといえば、
コリーの「名犬ラッシー」
当時憧れの地ハワイが舞台の探偵ドラマ「ハワイアン・アイ」
矢島正明吹き替えの「ナポレオンソロ」
フレッド・マクマレーの「パパ大好き」
ウオルト・ディズニー自ら案内役を務めた「ディズニーランド」
ヒッチコックが熊倉一郎の吹き替えで前口上をやる「ヒッチコック劇場」
アルファルファの「ちびっ子ギャング」
いわずと知れた「奥様は魔女」
エドワード空軍基地が舞台で、壷から出てくるセクシーな「かわいい魔女ジニー」
ドクトル・スミスとロボットのフライデーが印象的な「宇宙家族ロビンソン」
サリー・フィールドが尼さんで空を飛ぶ「いたずら天使」
イルカの「わんぱくフリッパー」
毎週土曜日午後の放送時間に間に合うように一目散で家に帰って見た「おかしなモンスター一家」(アダムズファミリーではなく「The Munsters」)
              
高層マンションに執事がいた「ニューヨークパパ」
「愉快なブレディー一家」「タイムトンネル」等など数え上げればきりがない。

今改めて振り返ってみると、当時は全く気にならなかったアメリカの世相が見えてくる。

ほとんどの作品の出演者はすべて白人で、黒人やアジアンはごく稀だった。
「ハワイアンアイ」の運転手に「ちびっこギャング」の男の子ぐらいだった。
公民権運動以前のことで、マイノリティーを優遇する差別是正措置「アファーマティブアクション」などあるわけもなく、白人しか出てこない作られた世界を日本人である私は何故か違和感なく受け入れていた。

久しぶりに再放送を見ていたら、「奥様は魔女」のサマンサはタバサにレンタルオムツを利用していた。
昭和40年代後半のことだ。日本で紙おむつが登場したのは昭和60年頃からだ。

「ブレイディー・バンチ」のタイトルでリメイク映画も造られた「愉快なブレディー一家」は、それぞれ父が男の子3人、母が金髪の女の子3人の子連れで再婚しお手伝いさんのアリスを加え新しい家族を築くホームドラマだった。70年代前半の日本では考えられないようなシチュエーションだ。
当時アメリカではすでに親の離婚・再婚が珍しいことではなかったということか。

これらのドラマを今もう一度見直せば、もっともっと面白いことに出会えそうだ。


*追伸*
先日、日経夕刊のコラム「TVウオッチ」にマンガコラムニストの夏目房之介氏が昔の海外TVドラマについて書いておられるのを読んだ。

「報道ステーション」を見てのコラムだったのだが、 
「これら米国TVドラマは日本の親米化教育のため、タダで放映された」と番組キャスターが言っていたとか。
でもそのおかげで今の日本のアニメの隆盛があるとコラムを結んでいた。

今もって懐かしくこのコラムを書いている私は、アメリカの政策にまんまと乗せられていたってことね。