映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

小さな村の小さなダンサー

2010-09-28 | 映画 た行
金曜日、日比谷に出る用があったので帰りに映画~。
そう、シネスイッチ銀座は金曜日がレディースデイで¥900です。
流石に入り口には列ができてました。

原題は「MAO'S LAST DANCER」(毛沢東主席の最後のバレエダンサー)です。

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       小さな村の 小さなダンサー MAO'S LAST DANCER

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中国山東省の小さな田舎町から北京、そしてアメリカへ渡り、亡命を果たした
実在のバレエダンサー、リー・ツンシンの自伝を基にした映画です。

       
                              リトル・ダンサー
バレエといえば2000年公開の英国映画「リトル・ダンサー」が思い出されます。
大好きな映画です。
心に渦巻く怒りとか不満をぶつけるようにパワフルに踊る主演のジェイミー・ベル君がいい~
当時は14歳、「ジャンパー」など映画で見ることはあるけれど最近踊る場面が無いのが残念。

貧しい炭鉱町でバレエなんて女がするもんだ、男はボクシングという偏見の中、踊る歓びを貫き
ロイヤル・バレエの舞台でスポットライトを浴びる「リトルダンサー」のビリー・エリオット。
一方のリー・ツンシンは山東省の田舎の学校に通う11歳。
毛沢東の文化政策で運動神経のいい子供たちを集めて英才教育を施すプログラムに訳もわからず合格し
親元を離れバレエの道を歩まざるを得なくなるが、持ち前の負けん気と才能に絶え間ぬ努力、
加えて彼の才能を伸ばしてやりたいと指導してくれる教師に出会い才能を開花させる。

13億人を越える中国の全土から厳しい選抜によって集められる子供たち。
小さな少年が家族や村人たちの期待を一身に背負い英才体操学校に入学、寮生活を送るも、
その後のテストで退学になるドキュメンタリーを見たことがあります。貧しい生活から切り詰めて
学資を送ってくれているのに・・・と小さな胸を痛めている姿が過酷でした。
チャン・ツィイーも、確か舞踊の英才教育を受けていたような。

それにしても、ここ50年に中国の変貌振りには驚きを禁じえません。
60年代の文化大革命。革命という名の暴力を伴う権力闘争とその後の4人組体制。
下放で農村へ送られたり、突如糾弾され自己批判を強要したり、吊るし上げ・暴行・殺戮など。
この映画の中では古典バレエの演目が体制に相応しくないと演目を革命ドラマにさせたり(バレエに合わんやろう)、
リーは渡米にあたって「親族に元資本家はいないか?」などと問い質されます。
でも、あの体制下でバレエを認めてたってことが不思議です。
「リトルダンサー」の英国ですら労働者階級からすればバレエはブルジョワ的と反感をもたれていたのに・・・。

あの時代、中国からアメリカへ渡った人のカルチャーショックはどれほどのものだったでしょう。
80年代アメリカで本土中国(台湾・香港ではなく)から来た3人の中国人に出会いました。
二人は中年のバイオの研究者、もう一人は大学院生、素朴で真面目な方々でした。
本映画のリーの歩みを見て、
国費でアメリカに来ていたあの方達もかなりのエリートだったんだろうこと、
文化大革命という大変な時代を乗り越えてこられたんだろうなぁと実感、
そして天安門事件をどのようにむかえられ、いま現在どうしておられるのかなぁ~?

今年の春、日本人監督による「亡命」というドキュメンタリー映画を見ました。
文化大革命や天安門事件で政府に投獄され、後にヨーロッパやアメリカに亡命し
現在も中国に返ることが許されない方々へインタビューしたものです。
ひどい扱いを受け、語ることをはばかられるような状況を目にしたにもかかわらず、
今も望郷の念絶ち難く、異国の地で過ごす複雑な思いを語っておられました。
    
    家を出る時家族で撮った写真を大切にしているリー

一旦アメリカで自由を謳歌し恋人ができちゃったりした日には、もうあんな窮屈な体制に
戻ることなんてできないよねぇ。
でも自分の亡命の決意が、家族は勿論のこと国際問題にまで発展するってどれほど大変なことだったんでしょう?
リーが西洋バレエのお手本としてビデオを見ていた「ミハイル・バリシニコフ」もソ連から
アメリカへの亡命組。 今では役者として「セックス・アンド・ザ・シティー」のTV最終エピソードで
キャリーを振り回す恋人の芸術家を演じておられました。


経済的に飛躍的な発展を遂げているとはいえ、未だ人権(言論・報道・表現・信仰などの自由)が
認められていない中国。
自分の意思とはいえ帰国も許されず、家族の安否もわからず、国を相手に個人で立ち向かった
リーの勇気と苦悩はどれほどのものだったのでしょうか?

中国の田舎から北京へ、そして海を渡ってアメリカへ、現在はオーストラリアで活躍しておられるようです。





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 ***** 見た 映画 *****

 9月12日 「海角7号 君想う、国境の南」DVD 台湾映画 60年後日本から届く手紙。

 9月13日 「17歳の肖像」DVD 英国映画 17歳の少女をたぶらかすこの男は許せん。

       「アンナと過ごした4日間」DVD これは果たして愛なのか?

フラッシュフォワード

2010-09-27 | TVドラマ
今、AXNで放送中の「フラッシュフォワード」を毎週楽しみに見ています。
カナダのSF作家ロバート・J・ソウヤーの小説を基にしたドラマで、「恋に落ちたシェークスピア」で
シェークスピアを演じたジョセフ・ファインズ主演です。

<ストーリー>
世界中の人々が同時に137秒間意識を失い6ヶ月先の未来を見るうという謎の現象が起こる。
FBIロサンゼルスの捜査チームがそのブラックアウトの謎を解き明かそうと捜査を始める。


一体何故こんなことが起こったのか?
どうも物理実験の影響らしい(エンドロールに物理監修なんてあります)のですが
どういう結末になるのかな?と非常に興味を魅かれてます。

そして昨日放送された第9話のタイトルは「ケイコ (原題はBelieve)」。
ケイコを演じるのは竹内結子です。
本作出演でハリウッド進出なんて騒がれていたので楽しみにしていたのですが・・・

ケイコは東大を首席で卒業。ロボット工学など3つの修士号をもつ優秀な研究者という設定ですが
会社ではお茶くみしかさせてもらえず、職場でジミー・ヘンドリクスの動画を見ながら
ギターの練習をしている。
就職が決まって「これでウエイトレスをしなくて済む」と喜ぶ母は、家で就職祝いの
サプライズパーティーを開き、結婚相手にと考える男性をも招待しケイコに結婚を迫まる。
一方ケイコはいろんなことに嫌気が差して手首の内側に「信」の漢字のタトゥーを入れる。

はぁ~?
これ、世界の100を超える国と地域で放送されるらしいんですが、この日本の描き方って
まずくないですか?

日本の会社の就職面接もあんな暗~いイメージで、いくら優秀でも日本社会で女性の扱いは
こんなもんだみたいな誤ったイメージを世界に発信することになりはしないでしょうか?
「女性は君一人なんだからお茶くみするのは当然でしょ?」って発言はセクハラであり
パワハラでしょう。
今の日本の会社でいくらなんでもこんなことはありえない。

ケイコの家が不思議な造りとか、日本人として出演している人達が日系人であろうことや
発音が少々変くらいのことは仕方がないとしても、一体いつの時代設定なんだよ?みたいな
女性描写には驚きました。
フジヤマ・ゲイシャ・ニンジャに代表されるイメージを今も信じているような
人たちがこんな描写を見たら・・・、やっぱりねェ~なんてことになっちゃうよ。

映像の力はあなどれません。
ちょっと心配になり、つぶやいてしまいました。

因みに、竹内結子起用は日本のマーケットを意識して、日本の人気女優さんに出演をオファーしたとか。
次回の第10話は、準主役のディミトリ(演じるジョン・チョーは韓国系)の殺害の謎を解くため香港に飛ぶ。
これは中国の巨大なマーケットを狙ったものなんでしょうか?

な~んて書いていたら、こんな情報をゲット!
アメリカのABCネットワークで放映されていた本作は、シーズン1を限りに打ち切られたそうです
復活を熱望する人たちが頑張っておられるようですが果たしてどうなるのでしょうか?



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彼女が消えた浜辺

2010-09-26 | 映画 か行
アルゼンチン映画に続き、イラン映画です。
イラン映画で思い出すのは1997年製作の「運動靴と赤い金魚」。
アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるも、受賞はなりませんでした。
私にとって謎の国イランの日常を垣間見、靴をめぐり幼い兄・妹の兄弟愛と親への気遣いに
涙しました。 これ、いい映画なんですよ~。
久々に見てみたいなぁ~とビデオ屋さんでレンタルしましたが、アマゾンで購入だと
何故か定価のほぼ2倍だとのこと! どういうこと?!
   

本作も勿論単館上映、ヒューマントラスト有楽町(有楽町駅前イトシアビル4F)で鑑賞です。
上映が始まる前にお向かいのイタリアンでランチしました
曇りで涼しい日だったのでテラスでいただきました。
     こんな景色を見ながら


   ********************
 
           彼女が 消えた 浜辺

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 < ストーリー >
テヘランから週末を楽しもうと3組の家族、ドイツ人と離婚したばかりの男性、
そしてエリという
名前の美しい女性が浜辺の避暑地にやってきた。
幹事のセピデーは離婚し帰国した友人の再婚相手にとエリを誘ったのだった。
子供が溺れた騒ぎが収まりホッとしたのもつかの間、エリがいないことに気付く面々。
懸命の捜査を行うが彼女の姿はどこにもない。溺れたのか?事件に巻き込まれたのか?
ひとりで帰ってしまったのか?果たして・・・。

    
イランの女性は美しい~!エキゾチックなお顔立ちに見とれます。セピデー(左)とエリ

浜辺に建つ別荘を舞台にした舞台劇のような映画です。
歌って踊って、ジェスチャーゲームに興じ、見合い(?)の二人をひっつけようとからかう仲間達。
イランの人ってとっても陽気です。

別荘予約の手違いで旅行はトラブルの幕開け。これから起こる事件を暗示しているかのよう。
そして、楽しい旅行は一転、とんでもない事態が起こる。

最後まで見るとエリ失踪の理由が明らかとなり「あぁ、やっぱり・・・」と、その思わせ振りな演出に
ちょっと疲れを感じるのですが、ミステリー仕立てでみんなの不安、焦りからくる心の変化を見せられ
「こういう状況になったら、そりゃ~こんな風になるよなぁ」と共感。

エリが消えた後、彼女の素性について何も知らなかったことに気付く面々。
エリを誘い旅行を企画したセピデーも、子供の幼稚園の先生ということしか知らないって・・・、
「そんなんで旅行に誘うか~?」とか、「結婚相手にどうかなんて引き合わせるか~?」と思いつつ、
登場人物たち同様、こちらまで狐につままれたような気分。

そして、彼女の身を案ずるが故の不安、責任感からくる言い争い。
夫や友人達から責められるセピデー。
このくらいいいだろうとついた小さな嘘が、状況を益々悪化させ、夫々がエゴをむき出しにしてゆく。

思いもよらぬことが起こったとき、果たして冷静に行動できるかなぁ?
誘わなければ・・・あの時一緒に子供を見ていれば・・・無理に引き止めなければ・・・
などなど、ずっと聞こえる潮騒の音が不安や苛立ちを掻き立てるのに効果的です。

イランでなくても、私たちの身近でも起こりうる不慮の事故。
ちょっとした心の緩み、間の悪さから思いもよらないことが起こるって、なんともやりきれないなぁ。

エリの置かれた立場については、やはり日本とイランの文化の違いに少々戸惑いも感じますが、
姦通罪で石打ち刑判決を受けた女性を巡って国内外でゆれ、刑執行停止になるも絞首刑の可能性も
残っているっているというイランでは、エリやセピデーの行動は非難されても仕方ないのかなぁ?
このあたり、セビデーの狼狽振りや夫の怒りが日本人には伝わり難かったかなと感じました。




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 ***** 見た 映画 *****

 9月16日 「千年の祈り」DVD 中国人父娘@アメリカの葛藤ドラマ 

 9月17日 「くもり ときどき ミートボール  CLOUDY WITH A CHANCE OF MEATBALLS」DVD
         アニメーション フリントの発明で島はとんでもないことに!?

 9月18日 「プライド アンド グローリー」DVD エドワード・ノートン、コリン・ファレル主演
           ニューヨークのポリースストーリー
       
 9月19日 フェアリーテイルシアター「ロビン・ウイリアムズのカエルの王子さま」
                   「スーザン・サランドンの美女と野獣」
 
 9月20日 「ジェームズ聖地へ行く」DVD エルサレムを目指すアフリカ人青年の話  

瞳の奥の秘密

2010-09-16 | 映画 は行
本年度アカデミー賞最優秀外国語賞受賞を取ったアルゼンチン映画です。
アルゼンチンの映画を初めて見ました。

サスペンスというだけで、どういうストーリーか知らずに見たのですが・・・、
最後までグイグイ引き込まれ、見終わった後ちょっと席を立てないほどの衝撃を受けました。
感動というよりも「胸にど~んと重いものを引き受けた感じ」とでも言いましょうか、
帰りの電車の中でもそんな想いを抱えながら帰りました。



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              の 奥 の   秘密
               EL SECRETO DE SUS OJOS

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 < ストーリー >
刑事裁判所を引退したベンハミンは、25年前にブエノスアイレスで起きた忘れられない事件を
小説に書こうとブエノスアイレスに戻ってくる。
それは銀行員の新妻がレイプの果てに殺されるという凄惨な事件だった。
小説を書き進めるうち、様々な思いや疑問が浮かび・・・。

     

是非見ていただきたい作品です。
これほど話の展開に驚き、どうなるの?と目を見開きドキドキしたのは久しぶりです。
あれもこれも「話したい・書きたい」けれども・・・それをやっちゃあこのドキドキを感じて頂けなくなるので
グッと堪えます
見応えがあるというのは太鼓判です って、配給会社のまわし者ちゃいまっせ。
何でこの映画が単館上映なんやろなぁ~???


25年前、1974年のアルゼンチンって・・・? ちょっとWikipediaをチェック!
なんと、エビータで有名なエバ・ペロンの夫ファン・ペロン大統領の死後、あとを引きを受け、
ファン・ペロンの3番目の妻イザベラ・ペロンが世界初の女性大統領になった年で、
治安・経済共に悪化し政情不安からかなり無茶なことがまかり通った時代だったようですね。


一つの事件が、多くの人の人生を狂わせる。
殺人事件の犯人の、被害者の夫の、捜査官や検事補の、夫々の秘めた想い。
時の流れは解決にならず、事件は25年を経た今も静かに深く続いている。

事件を追うベンハミンは、
被害者のアルバムに写る一人の男の瞳の先に邪悪な心を、
そして妻を殺された銀行員の瞳にその愛の深さを感じ、
見ている観客はベンハミンの瞳の奥に秘められた愛を感じる。
「目は口ほどにものを言い」というけれど、まさに「瞳は語る」んやねぇ。
愛する者と時を共にすることができない二人の男のまったく異なる愛の形。
行き場を失くした愛は憎悪へと姿を変え、出口の無い愛は心の底でくすぶり続ける。
瞳の奥に秘めた想い・・・重いなぁ~。
隠れた思いを悟られないように、皆様お気をつけあそばせ~。

凶悪犯に対する「刑罰」は終身刑が相応しいのか?死刑なのか?についても考えさせられる映画です。


***   ちょっとネタばれかな ? 御注意を ***






何度も出てくる「A」が打てないタイプライター。
何なんだろう?と思っていたら、最後にこの小道具の意味がわかります。
「A」が打てないタイプライターにかんしゃくを起こしながら使っていた彼が、最後に「恐れ TEMO」に
「A」を加えて「愛 TEAMO」に変えるシーンにはへぇ~!
スペイン語ではそんな言葉遊びができるんや~!
っと、全くわからないスペイン語をまたまたチェック すると・・・、
「Te amo」は「愛」だけれど軽々しく使えないような「深い愛」を意味するらしいんです。
普通の愛(ってどんなんや?と思いつつ)は「Te quiero」というそうです。
スペインよりは南米のほうが使用頻度が高いらしいけれど、「Te amo」はとびっきりの想いのこもった愛ですね。
それがわかってストーリーを思い返してみるに、あぁ~「Te amo」。
確かに・・・25年抱え続けた愛がやっと・・・。

この映画はおそらく私の今年ベスト1になると思います。


アルゼンチンはラテンの国、愛情表現も激しいのか?と思ったのに・・・あにはからんや。
口に出すことも、キスすることも、抱きしめることも無く、その思いをそっと胸に、
そして瞳の奥に仕舞い込む。それが「Te quiero」じゃなくて「Te amo」なんでしょうね。
アカデミー賞取ったからって、間違ってもハリウッドリメイクはして欲しくないなぁ~。

主演のベンハミン演じるリカルド・ダリンさんの渋いこと渋いこと
同じラテン系でも、ペネロペの夫ハビエル・バルデムとは違う、ギラギラしていないダンディーさ。
濃い顔に慣れていない日本人は、いえ私は、あの瞳と髭で見つめられたら・・・アカ~ン。



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 ***** 見た 映画 *****

 9月15日 「彼女が消えた浜辺」@ヒューマントラスト有楽町

        「瞳の奥の秘密」@TOHOシネマズシャンテ

ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー

2010-09-14 | 映画 な行
誰もが憧れる街、ニューヨ~ク。
11人の監督がニューヨークを舞台に、さまざまな人生を切り取って描くモザイクのような映画です。
チラシには「ラブ・アンサンブル・ムービー」と書いてありますね。
微妙に絡む11の話、それぞれに主役・準主役級の役者さんが大勢出演しています。

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       NEW YORK, I LOVE YOU

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この映画の予告編によると、「人は一生のうちで約3万人の人に出会う」そうな。
家族(親子・兄弟・夫婦)・友人・恋人・隣人・同僚・先輩・後輩などなど。
現在の世界人口はまもなく69億人に達しようとしています。
1年に1億4千万人が産まれ6千万人が亡くなり、1分に152人1日で22万人1年で
8千万人増えているそうです
その中で出会うのは3万人、会う確率は単純に計算して23万分の1ですか?
その出会いから生まれる恋はー奇跡
 出会いは偶然?必然?
 恋は奇跡?それとも運命?
」と予告は続きます。

そないに大層な~。でもまぁ、一期一会、出会いは大切にいたしましょう。

本作はニューヨークで起こる様々な出会いを切り取ったコラージュのような映画です。
チラシはビッグアップルNYをかたどったコラージュになっており、
「NY I YOU」とタイトルが隠れてます。上手いな~。
街の上空からひとりの人にぐっとフォーカスして、そのひとときを動画に撮ったって感じ。
その後彼らがどうなったか?・・・それはご想像にお任せしますっとばかりに、ちょこっとだけ
夫々のエピソードは関連があるような、ないような。

そんな中、気になったエピソードが二つ。
一つは、最後の老夫婦のエピソード。

  94歳で現役ってすごい!イーライ・ウォラック(右)
長年連れ添った夫婦が、言いたいことを言い合いながら、さり気なくお互いに相手を思いやる仕草が・・・
こういう爺ちゃん婆ちゃんいいねぇ~。

もう一つは、元オペラ歌手を演じるジュリー・クリスティーと足の悪いホテルのボーイを
演じるシャイア・ラブーフのエピソード。
あれは何十年もの時を経たオペラ歌手の回想なのか?白日夢なのか?
不思議な雰囲気を醸し出していました。

現在69歳のジュリー・クリスティーは老いて尚、お美しい。
「トロイ」や「ネバーランド」で復活、「アゥエイ・フロム・ハー」で主演し、
ゴールデングローブ賞など多くの賞を獲得。
          
女優さんが若いときに美しいのは当たり前ですが、年を重ね皺が増えても気品を湛えた美しさ、
あこがれです。




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 ***** 見た 映画 *****

 9月12日 「海角7号 君想う、国境の南」DVD

 9月13日 「17歳の肖像」DVD

       「アンナと過ごした4日間」DVD 

カールじいさんの空飛ぶ家  UP

2010-09-11 | 映画 か行
休み明け、旅行後、間があくと文章を書く気力が萎えてしまう私です
あれやこれや書きかけであと少し手を加えればアップできるのに・・・チンタラ
おしゃべりは好きだけれど、元々筆不精なんです。

そんな気持ちを上げようと、「カールじいさんの空飛ぶ家」を鑑賞。
この映画の原題は「UP アップ」なんです。
私のやる気玉にも風船付けて飛ばした~い   喝~!

  

                           

      カールじいさんの空飛ぶ家   UP

                          

 < ストーリー >
カール・フレドリクセンは78歳のおじいさん。
空飛ぶことを共に夢みた幼馴染のエリーと幸せな結婚生活を送ったが、病気で彼女を亡くし
一人で暮らしていた。ある日、ちょっとしたトラブルから老人ホームに強制収容されることになり、
「いつか南米を冒険しよう」というエリーとの約束を果たすため、無数の風船をつけ
家ごと伝説の場所「パラダイスの滝」への冒険の旅に出る。
ところが、思いがけず自然探検隊員の少年ラッセルが家のポーチにしがみついていた。
果たして二人の冒険の行方は・・・?

「カールおじさん」じゃなくて「カールじいさん」ね。
それにつけても、おやつはカ~ァルって、おじさんだったら畑でとうもろこし収穫せんと

先日「トイ・ストーリー3」を見て思いもよらず涙し、
「ピクサー作品って子供向けじゃなくて大人の心の虚をつくな~」ニクイね~!
そういえば昨年多くの映画ブロガーさんがベスト10に選んでおられたなぁと、本作にも挑戦です。
そして、これまた涙

オープニングの夫婦二人の馴れ初めから別れまでを映像だけで一気に見せ、
二人の夢と絆、そして愛する妻を亡くしたカールじいさんの深い悲しみと夢を叶えてあげられなかった
悔恨の情が伝わってきます。
じいさん家の周りが再開発でぽつ~んと一軒とり残された姿は、まさに童話の「ちいさいおうち」。
あのお話の最後、おうちは田舎に移されそこで幸せに暮らすという結末でしたが、
本作は南米の滝の近くに安住の地を求めて移動する途中、とんでもはっぷんの大冒険を経て、
安住の地は場所にあるのじゃなくて心を許せる人とのつながりの中にあるというメッセージ
でしょうか?

カールじいさんの周りに集まるのは、自然探検隊員の少年ラッセル、幻の鳥ケヴィン、
わんこ仲間からはみ出すダグ。孤独な心が引き合い団結して戦うという構図。
旅の途中、カールじいさんとの会話の中でアジア系の風貌のラッセルはお父さんとの関わりを話す。
・忙しくてなかなか会えない
・道路の縁石に座ってしたゲーム
・お母さん?を名前で呼ぶ  などなど。
最後の表彰式でお父さんの代わりをカールじいさんが勤めたり、二人でゲームってことは・・・
ラッセルの家族についてはっきりとは語られませんが、お父さんは○○○○○ってことでしょうか?

子供たちも楽しめ、童話「ちいさいおうち」や「トイ・ストーリー3」同様大人の心にもグッとくる
ストーリー。
       
                              こんな風に飛べたらいいね~
       
しかし、どう考えても冒険家マンツさんはおいくつですかー?
カールじいさんたちが子供の頃憧れた冒険家ってことは100歳越え?なのに、
じいさんと対等に、いやそれ以上にエネルギッシュって・・・ん?

DVD鑑賞なので特典映像を見ることができたのですが・・・
ピクサーのスタッフはあの風景を描く為、実際に南米のギアナ高地に登山しておられたのでした。
アニメのって言ったら叱られそうですが、実写でないアニメにリアリティーを出すために
そこまでするのか~!というのはちょっと驚きでした。かなり大変な登山でした。
ピクサーの心意気に脱帽です。

ピクサー作品って必ず短編作と二本立てなんすかね?
本作では「晴れ ときどき くもり」。な~んか得した気分です 
「トイ・ストーリー3」の「ナイト&デイ」の方が好きかな。


そして、久々アップしようと、ボタンを押そうとしていたら なんという偶然!
NHKBSハイビジョンで「世界の名峰 アウヤンテプイ」を放送しているやないですか!!!
アウヤンテプイにある世界最大の落差979mを誇るのが「エンジェルフォール」本作の舞台です。
アメリカ人パイロット、ジミー・エンジェルが1937年発見し、彼の名前に因んでつけられたそうです。
いやぁ~、自然はとんでもないものを創りあげるもんですねぇ~。
生態系もとってもユニークです。
ガイドさんの案内で、麓から4日かけて頂上へ、そこからもう四日経ってもエンジェルフォールまでは
まだまだ。
麓の村から滝までの番組の全行程は2週間だそうです。ひぇ~!
悠久の時間が創りあげた美しい大自然を堪能するには、大変な行程を堪えぬかんとあかんなぁ。
番組はまだ続いています。
 
  wikiより 本物の滝とテーブルマウンテン


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 ***** 見た 映画 *****

 9月  日 「カールじいさんの空飛ぶ家」 DVD

 9月 7日 「ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー」DVD

 9月10日 「小さな村の小さなダンサー」@シネスイッチ銀座

箱根の美術館

2010-09-03 | 国内旅行
8月最後の週末。
行く夏を・・・いやドッカと居座る高気圧、盛夏・猛暑の中、近場の小旅行を決行。
もういいかげんちいさい秋を見つけたいよ~なんて、汗を拭き拭き美術館めぐり@箱根・・・
あらっ、ススキを見つけました。

   箱根といえば関所です。
    何故か中国人・韓国人に加え、ロシア人が団体で。
  日本に来て箱根観光ってチョイスは?ポピュラーなんでしょうか?リピーター?

       
       元箱根の関所近く、芦ノ湖から富士山がくっきり。

            不動滝@湯河原

   
    暑い時に滝は最高!マイナスイオ~ン。 水がちべたい!  

箱根にはいっぱい美術館・博物館があるんですねぇ~。
一泊二日の旅なので、その中の3つの美術館を周りました。
「かぼちゃ美術館」、「星の王子様ミュージアム箱根サン=テクジュぺリ」と
「箱根ラリック美術館」です。

湯河原にある「かぼちゃ美術館」って御存知ですか?
たまたま宿泊したのが湯河原の温泉旅館だったので名前にに惹かれて立ち寄りました。
「かぼちゃ」で連想する美術といえば・・・?
 その上「ドット(水玉)」とくれば・・・?
そう、世界的に有名な前衛芸術家草間弥生さんでございます。
       パンフにあったお写真
  
館長御自分の別荘にコレクションを公開しておられる小さな私設美術館で、
大通りを入った路地にあり見逃しそうになりました。

「草間弥生に愛をこめて」とあるように、館長さんの草間さんへの愛とかぼちゃに溢れております。
海外で偶然草間弥生さんに4回遭遇し、運命的なものを感じましたと気さくにお話してくださいました。
       
湯河原にこんなに沢山の草間作品があろうとは知らず(約70点所蔵らしい)
他にクリムト、横尾忠則、池田万寿夫などの作品も展示されています。
何故かバルタン星人や他のキャラの被り物もありました。
エンドレスミラールームと名付けた壁・天井一面鏡の部屋(トイレを改造)では
自己を見つめてくださいとの事でした。
合わせ鏡なので延々と続くトンネルのような状態で、吸い込まれそうな感覚がします。
  天井を向いてパチリ


仙石原では「星の王子様ミュージアム箱根サン=テグジュぺリ」へ。
まぁ~、ここだけ別世界。
建物にお庭、チャペルに街並みが、おフラ~ンスの雰囲気です。
お人形さんのような外国人モデルさんがカメラクルーを従えて秋のモードで撮影中でした。
ミュージアムの中は、サン=テグジュぺリの生い立ちからその一生を写真や手紙などの資料で克明に紹介しています。
ここに行けば「サン=テグジュぺリのすべてがわかる」って感じです。
     
  右のバラのパンフレットを開けるとミュージアムの見取り図です  

その後、すぐ近くにある「箱根ラリック美術館」へ。
フランス生まれの宝飾・ガラス工芸の巨匠ルネ・ラリックのため息の出るような作品を集めた美術館です。
美しいものをいっぱい拝見、目の保養させていただきました~。
          
何故か「星の王子様ミュージアム」以降、携帯カメラの不調で建物など写真が取れず
パンフレットや入場券で失礼します。両館ともステキな雰囲気だったのに・・・トホホ。

9月からは元の生活に戻らねば・・・
毎年、あんなこともこんなことも、片付けもしようと意気込む夏休みは、大したこともできず、
あれれ・・・?何やってたっけ?と自己嫌悪に見舞われつつ、終了~。
成長せえへんなぁ~なのでした。



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