映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

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私が選んだ2007年の10本

2007-12-28 | その他
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    私の選んだ今年の10本
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最新作を映画館で、
旧作をDVDやテレビで、
今年1年でいったい何本の映画を見ただろう、ということで数えてみました。

1月9日、レンタルDVDで見た「グッドラック・アンド・グッドナイト」を皮切りに、
古いものでは小津安二郎の「東京物語」(美しい上品な日本語を話しておられます)
アニメーション1本(ちなみに「レミーのおいしいレストラン」。レストランでねずみって?でもいい話でした。アニメをあなどったらあかんぜよ)
ミュージカル3本(「ドリームガールズ」「レント」「ヘアスプレー」)、
ホラー1本(これまた古い、子供の頃一人でトイレに行けなくなったトラウマの「たたり」。名作です)、
ドキュメンタリー12本、
12月26日水曜日、レディースデーを利用して、渋谷で「チャプター27」川崎で「再開の街で」の2本を最後に(大掃除はええのんかいな?)、
全部で104本見てました。

そこで、
この時期、あっちでもこっちでも一年を締めくくる重大ニュースとかベスト何とかばやりなので、
独断と偏見により今年見た映画の中で私の好きな10本を選んでみました。

う~、難しい・・・104本から10本って1割弱やもんね。

なかなか順位を決められないので、あいうえお順で御勘弁を。(「優柔不断やなぁ~」の声あり?)

・「華麗なる恋の舞台で Being Julia」
    中高年女性を勇気付けてくれる、痛快な映画やなぁ。
    まだまだ、若い娘にゃ負けへんよ。

               

・「キングダム Kingdom」
    いやぁ、見応えあるわ。大切な人を奪われた憎しみの連鎖がテロを生むんやね。
    平和は遠いなぁ。

・「クイーン Queen」
    王室をこんな風に描いてええの?日本の皇室では考えられへんわ。
    でもエリザベス女王は流石です。チャールズに王位は無理やろなあ。

          
 
・「選挙」  日本映画です。
    川崎の市会議員補欠選挙に密着したドキュメンタリー。
    候補者の奥さんのぶち切れた一言がナイス!
    政治の世界と任侠の世界ってよう似てるなあ。
    刺客だの弔い合戦だの、造反に埋蔵金、いつの時代の話やねんな?

・「ダーウィンの悪夢  Darwin's Nightmare」  別のブログに投稿済
    ビクトリア湖に放したナイルパーチが様々な影響を及ぼす恐ろしさ。
    日本でも白身魚として食しているということは、他人事やあらへんな。

              
 
・「ブラッドダイアモンド Blood Diamond 」  別のブログに投稿済
    アフリカの問題を描く社会派ドラマ。デカプリオがいい!

・「へアスプレー Hairspray 」
    ぽっちゃりの主人公がめっちゃかわいくて歌も踊りもうまい!
    カラフルでキュートなミュージカルかと思ったら公民権運動の社会派。

 

・「ミリキタニの猫 The Cats of Mirikitani」
    日系のホームレス芸術家じいちゃん80歳の、戦争に翻弄された波乱万丈の人生を追ったドキュメンタリー。
    最後に驚くべき感動の再会が。よかったねえ。
    舞台挨拶でも元気に歌を歌っておられました。

・「善き人のためのソナタ Das Leben der Anderen」
    アカデミー外国語映画賞受賞のドイツ映画。
    冷戦下、言論の自由を認めない監視国家の恐ろしさと切ない悲劇。

     

あらら、9本しかないじゃない?
はい、最後の1本が決められない・・・ので次の11本、つまりベスト20を選びます。

 ・ 「再開の街で」
 ・ 「ザ・ロード・トゥー・グアンタナモ」
 ・ 「シッコ」
 ・ 「世界最速のインディアン」
 ・ 「ダイ・ハード 4.0」
 ・ 「ドリームガールズ」
 ・ 「ホリディ」
 ・ 「ボーン・アルティメイタム」
 ・ 「リトル・ミス・サンシャイン」
 ・ 「レント」
 ・ 「レミーのおいしいレストラン」

ご自身の心に残った映画は何だったでしょうか?
コメントお待ちしております。

このセレクションに対し、
「あの映画が入ってないぞ」とか
「え~、何でこれが入ってんの?」など、御不満等あるかと存じますが、あくまで私の好きな映画ということで御理解のほど。

あと数日で新しい年を迎えます。
来年もつたないブログではございますが、お付き合いいただきます様、よろしくお願いいたします。
良いお年を!

    
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ホリディ

2007-12-20 | 映画 は行
*** ハッピー・ホリデイ! ***

クリスマスを来週に控え、あちらこちらで工夫を凝らしたイルミネーションを見かける今日この頃、今年春に封切られた「ホリディ」を選びました。

「ホリディ」も「ラブ・アクチュアリー」もアメリカやイギリスではクリスマスに合わせて公開されていたのに・・・
残念ながら日本ではシーズンオフ公開でいま一つ盛り上がりに欠けました。
やっぱりこの季節にやってくんなきゃ~。

         


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  ホリディ   THE HOLIDAY  2006
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この映画は間違いなく、女性による(ナンシー・マイヤーズ)、女性の為の映画です。

あっ、読むのを止めようと思ったそこのあなた、ちょっとお待ちを。

             

アクターズスタジオ創設者の一人で、「荒野の七人」「続夕日のガンマン」「ゴッドファーザーパート3」など数多くの映画に出演し存在感のあるイーライ・ウォラック(92歳!)が隣に住むハリウッドの脚本家アーサーを演じ、渋~い、いい味を出して、甘いラブストーリーをキリッと引き締めてます。
現在のハリウッドの映画製作姿勢をさりげな~く批判したりなんかして。
名前は知らなくても、お顔を見れば絶対見覚えがあるはずです。

ダスティン・ホフマンも懐かしのあの映画にひっかけて、ちょこっとカメオ出演しています。

「ホームエクスチェンジって、本当にやってる人いるの?」
という疑問に答えるべく、実際にネットで見てみました。

あるわあるわ、扱っているサイトだけでもHomeExchange.comやhomelinkなど様々、一つのホームページに世界中数千もの家が登録されてます。
古いものでは1953年設立って半世紀を越える歴史があるものもある。

日本で登録している方を見てみると、
リタイアした御夫婦や日本在住の外国の方が多く、大きなお家や麻布・六本木のマンションって・・・我が家じゃあ無理ね。

見ず知らずの人が自分の家に泊まり、家具・電化製品・車まで使われるとなると、箪笥や引き出しの中を見られたら?と心穏やかではいられないだろうし、掃除と片付けもしなくっちゃと、出かけるまでに疲れてしまう。
電化製品の使い方などは、表示の言葉がネックになりそうだ。

主人公のアマンダも言葉の不自由がないところ、ということでイギリスを選んでました。

主人公二人(キャメロン・ディアスとケイト・ウインスレット)の、性格、家、仕事、ライフスタイルなど、アメリカとイギリス対比が面白い。

クリスマスだというのに暖かいLA、ハリウッドの豪邸にプール、壁一面のDVDコレクション、モノトーンの家具に車は環境に配慮した?レクサス。
これぞアメリカのイメージ。
映画予告の製作会社を経営し、浮気をした恋人を問い詰めてぶっ飛ばすガッツ溢れるアマンダ。

一方のイギリスは雪が降り、童話「ちいさいおうち」に出てくるようなメルヘン調の暖炉があるこじんまりした家で、隣に羊が放牧され、教会に湖と牧歌的、棚には本がぎっしり、車はやっぱりミニクーパー。
 
新聞社の結婚コラムの編集者で、二股をかけたあげく別の女性と婚約したひどい男にずるずる利用されるアイリス。

クリスマス休暇の二週間、家を交換し、新しい出会いにより少しづつ変わっていく二人。

イギリスに行ったアマンダは、
子連れの男やもめアイリスの兄グラハム(ジュード・ロウ)に出会い、両親の離婚後15歳から涙ひとつ流さず、いえ流せず、肩肘張って生きてきたけれども、優しい気持ちを取り戻す。

一方LAのアイリスは、
隣人の脚本家アーサーに「映画には主演女優とその親友が登場する。君は主演女優なのになぜか親友役を演じている。」と言われ、「自分の人生なのだから主演女優にならなくっちゃね。3年通ったセラピストはそんなこと言ってくれなかった」と立ち直るきっかけをつかむ。
同じくひどい恋人に振り回される作曲家のマイルズ(ジャック・ブラック)と同じ痛みを感じ、慰めあい、励まし支えあって、次第に心を通わせる。

               

環境を思い切って変えるというのは傷ついた心を癒してくれるということなのね。

冒頭でアイリスがシェイクスピアの言葉を引用しています。

「愛に出会えば旅は終わる。 Journeys end in lovers meeting.」

二人の旅は新たな出会いで終わったのね。

「愛は盲目。Love is blind.」ってジャニス・イアンの歌かと思ってたら、これまたシェイクスピアの言葉だったんだ・・・。

今回のジュード・ロウは正統派美男子。
ドアを開けてこんな人が立ってたら、誰だって恋に落ちるでしょう。
でも残念ながらドアを開けたらジュード・ロウが・・・なんてこと現実にはありえない。
万が一、億が一あったとしても、あちらにも選択権があるわけで、こちらもキャメロン・ディアスじゃないもんね。
「ルックスだけじゃないんだぜ。演技派なんだぜ」ってことをアピールしたいのはわかるけど、わざわざ髪の毛抜いたりして汚れ役なんてやらなくてもいいんじゃない、ジュード。
せっかくの天の恵みは大事にしましょう。もったいない。
シャーリーズ・セロンしかり、二コール・キッドマンしかり。

いつもの切れキャラのイメージが強いのか、ジャック・ブラックの笑顔がちょっと怖い。レンタルビデオ屋さんで次々と映画音楽を口ずさんで解説する場面では本領発揮、こんな彼氏とDVDを借りに行ったら楽しいだろうな。

アマンダの仕事である映画予告に出演しているのは、
最近なにかとお騒がせの若手人気女優リンジー・ローハンと
「スパイダーマン」シリーズで友人を演じるジェームス・フランコ。
この映画のためだけに作った予告編「ディセプション 策略」、贅沢やな~。
本編作ってもいいんじゃないの?

そういえばホームエクスチェンジの映画は他にもありました。
1996年の「カウチ・イン・ニューヨーク」。
ウイリアム・ハート扮するニューヨークの精神科医がパリの新聞に広告を出し、パリジェンヌのジュリエット・ビノシュとアパートを交換、
勿論恋に落ちるのでした。

でもたった十年で新聞広告からネット検索へ!
技術の進歩はすっごいなぁ。私達のライフスタイルも確実に変化してますものね。

あと十年経ったらいったい・・・?



******** お ま け *********

このシーンはソフトバンクの携帯CMとかぶりませんか?

      
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不都合な真実

2007-12-14 | ドキュメンタリー
年末恒例の今年を象徴する文字が清水寺で発表されました。
予想はしていたけれどやっぱり「偽」。
一年を象徴する文字が「偽」って・・・どうなのよ。
はからずもマスコミを賑わしてしまった会社にとっては、まさに「不都合な真実」が次々と白日の下にさらされた訳ですね。

ここ数年各国での異常気象は、我々人類にとっての「不都合な真実」が姿を現し、生活スタイルを変えるという決断を迫られているということなのでしょうか?


      

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   不都合な真実  INCONVENIENT TRUTH  
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連日バリ島で開かれている国連気候変動枠組み条約締約国会議(長っがい名前やな)での国際的な対応の進展(駆け引き?バトル?)が報じられ、環境問題への関心が高まっている中、10日ノーベル平和賞授賞式がノルウェーの首都オスロで開かれ、アル・ゴア前米副大統領と「気候変動に関する政府間パネル」が賞を受け取った。

4日、環境NGOが環境問題に消極的な国に毎日贈る不名誉な「本日の化石賞」に日本が選ばれたという報道に、
「なんでやのん?アメリカちゃうの、中国は?」と一人ごちたのは私だけではないでしょう。

ゴア氏はノーベル賞受賞演説の中で、
「クライシス」を中国や日本で使われている漢字で書くと「危機」となる。
その漢字は、今こそ危険に立ち向かい、目を背けてきたことに取り組む時を意味していると力説(「世界で一番受けたい授業」出演時にも言ってました)、
EU、日本、オーストラリア新政府の取り組みに敬意を示し(日本入ってて良かった~)、
足を引っ張るアメリカ、中国に対し、非難し合うことを止め思い切った温暖化対策に取り組むよう求めた。
こんなにはっきり名指しで言っちゃって大丈夫なの?と、大きなお世話ながら心配してしまった。

それにしても、ゴアって波乱万丈です。

あのあり得ない成り行きで現大統領ブッシュにまさかの敗北、
政界を引退し環境問題一筋とはいえ、
一体誰がアカデミー賞、引き続きノーベル平和賞受賞を予想したでしょう?
いや、御本人が一番驚いていらっしゃるかも。

それにしても「ドリームガールズ」のビヨンセやジェニファー・ハドソンを差し置いて、オリジナル歌曲賞まで「不都合な真実」の主題歌「I Need to Wake up」が持っていくなんて!納得いきませんが。

映画は、ゴア氏の1960年代後半から注目し取り組んできた環境問題が、ライフワークとなるまでの歩みと、
豊富な科学的データ、グラフ、映像、時にはアニメーションを使って、これまで世界中で1000回以上行ってきた地球環境の変化と危機を伝えるスライド講演に、ゴア氏がナレーションを付けたものです。

さすが元政治家、人前で話すのがうまい!柔らかな物腰、ユーモアを交え、ここという時の力の入れ方。説得力ある~。

実際の環境危機についてのショッキングな詳細はDVDで御確認を。
エンドロールで「この映画を見るよう友人に薦めましょう」なんて出てくるのです。薦めましたよ~。

でも本当の所はどうなんでしょう?

専門家といわれる方がたの中にも温暖化に否定的なことをいう方もいらっしゃるし、
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」という環境に優しいはずの行動が間違っているという本がベストセラーになったり、
環境問題に関心がなくっても環境問題に積極的に取り組む企業の株は買いだとか、配慮しない企業の製品は買わないようにしようとか、
無関心を含め、賛否両論、結構エキセントリックです。
ゴアだって公共の輸送機関を使おうと言いながら、移動に自家用ジェットを使っているじゃないかとか、豪邸の光熱費はすごいぞ、なんていう批判も耳にします。

「地球が危ない」とか「Save The Earth」なんていう標語もあるけど、それも言うなら「人類が危ない」でしょう。
地球46億年の歴史を1年に例えると、
恐竜の出現は12月12日、絶滅が12月26日(たった15日)、
ホモ・サピエンスの出現が12月31日午後11時42分(紅白歌合戦の勝敗を決する頃でしょうか)、
人類の歴史は地球の歴史からすればほんの一瞬にすぎないそうです。

                    
人間の活動・存在そのものが地球環境にとってはよろしくない訳で、「地球を救う」なんて、おこがましくてちゃんちゃらおかしいということになりそうです。
人類が滅びれば、地球はゆったりとした時間の流れの中で浄化されていくでしょう。
こらこら、どこぞの食品会社の社長みたいに「遺憾でございます」と第三者発言をしている場合じゃござんせん。

今年の夏の猛暑や、年末になっても買ったばかりのダウンを着たいのに着る気にならない程のこの暖かさを考えれば、やっぱり温暖化は「不都合な真実」ですよね。

「小さなことからこつこつと」(西川きよしか?!)身近なことから始めましょう。
とりあえず、「過度なクリスマスイルミネーションは止めましょう」なんて言ったら石が飛んでくるかも・・・。
「早寝早起き」「健康の為にも歩こう」(どっちも辛いな)、
「デパートやショッピングモール、公共輸送機関(電車やバスね)の冷暖房はゆるめにしましょう」、これなら賛同を得られそう。
       
映画の最後で、「生活スタイルを変える用意は出来ましたか?」のメッセージのあと具体的な提言が続く中、
「環境問題に取り組む政治家に投票しよう」
「もし政治家達が耳を貸さないなら、自ら立候補しよう」
って、御本人はキッパリと出馬を否定しておられるけれどやっぱりゴア氏の選挙キャンペーンなのかしらと思ってしまう。
アカデミー賞とノーベル平和賞を引っさげて立候補すれば、当確は間違いなしでしょう。
ヒラリーやオバマじゃあ、保守的なアメリカで大統領になるのはやっぱりまだまだ難しいだろうし・・・。

まさか「あのブッシュ」に負けたことはトラウマになってはいないでしょうね?

でもおそらく、もうアメリカ一国の政治の世界で国益だ、経済界・支援団体との折衝だで妥協するよりも、もっと崇高な地球規模での取り組みや啓蒙に、情熱と使命を感じて活動することにゴア氏は生きがいを感じて行動しておられるということがこの文章を書いているうちにわかったような気がします。

                         








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イン・ハー・シューズ

2007-12-06 | 映画 あ行


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「イン・ハー・シューズ」 In Her Shoes  2005
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キャメロン・ディアス主演というだけで、セクシーな軽~いラブコメというイメージがあるのは何故だろう?
「メリーに首ったけ」や「チャーリーズ・エンジェル」のイメージが強いのかしら?

              

「イン・ハー・シューズ」はそんなキャメロン・ディアスと、オーストラリア出身で「シックスセンス」「アバウト・ア・ボーイ」「リトル・ミス・サンシャイン」などで存在感をアピールしているトニ・コレット主演で、姉妹の葛藤と仲直りを描くシリアスドラマです。

                        

弁護士としてキャリアを積んでいるが外見が良くないとコンプレックスをもつ姉と、スタイル抜群、セクシーで美人だが難読症でお馬鹿さん、仕事も無く家族のお荷物である妹(勿論こっちがディアスです)を軸に、フロリダで一人余生を送る祖母、再婚した父、継母、姉の恋人がからんで、話が展開する。
ここで元気でしっかり者の祖母を演じているのは、あのキュートでセクシーだったシャーリー・マクレーンです。登場したときは、手のしみに少なからず驚いたが、そんなことすぐに気にならなくなる。新たな恋にときめくチャーミングなおばあちゃんです。

前半は雪の降る寒いフィラデルフィア、後半は光溢れる暖かいフロリダの「活動的高齢者の為の退職後のコミュニティー retirement community for active seniors」が舞台です。

フィラデルフィアが舞台といって思い出すのはもちろん「ロッキー」。
ロッキーが駆け上がってバンザイのポーズをとる、あのフィラデルフィア美術館前庭の階段を、この映画でもぼろぼろに傷ついた姉がわんこ連れて駆け上がりロッキー同様どん底からの立ち直りをアピールする。

            

「ロッキー」のあのシーンは復活の象徴ですものね。
その後、買うだけで履かなかった高価なハイヒールを、取り出して履きデートに行くのです。

タイトルは put oneself in ~'s shoes「人の立場になって考える」という意味の英語のイディオムから来ています。
フィラデルフィアからフロリダに舞台が移ると共に、対照的な姉妹の立場も逆転し、思いもよらなかった相手の立場に変わっていく。

姉は弁護士をやめ犬の散歩のアルバイターに、妹は困ったチャンのプータローから施設のボランティアで介護をした盲目の元大学教授の手助けで難読症を少しずつ克服、祖母の助けを得て自分の得意な分野で自立する道を見つける。(どんなビジネスかは見てのお楽しみ)

最初よく判らなかったこのタイトルが、ストーリーにピッタリであることに気付いた。
この元大学教授とのやり取りが良いんだなぁ。自分に自信が持てなかった彼女の頑なな心を開き、前向きに導いていく。

各人が母の、妻の、そして娘の死について真実を明らかにせず、それぞれの思いを抱いているなかで、「ハニーバン」という犬が死の真相を知る鍵となる。
すべてを知りながら幼い妹をかばい重荷を背負い込む姉、
何も知らない無邪気な妹、
自分が死に追いやったと負い目を感じる夫(姉妹の父)、
娘を助けようとしたが理解されず孫娘たちからも遠ざけられた母(姉妹の祖母)、
二人がフロリダに行き祖母と暮らす中で真実が明らかになっていく。

そんな彼らを温かく、時にはおせっかいを焼くコミュニティーの老人たち。全員本当にこのコミュニティーに住む方々がエキストラとして出演したとか。
なかなかどうして、うまい!

妹とのことが原因で別れた元恋人、同じ法律事務所で働く弁護士仲間の新たな恋人との関係も丁寧に描かれている。徐々に彼のよさに気付き引かれていく過程(私もサイモンに惹かれました)、妹のことを話したら彼を失うのではと心配し悩み心を開かない彼女、そんな彼女にいつ悩みを打ち明け心を開いてくれるのかと悩む彼。
母の、妻の、娘の死の秘密が明らかになり、皆が長年抱えてきたものから解放され、お互いを赦せるようになる。
見終わった後、胸が篤くなるお奨め映画です。


落ち込んだ時、日本の女性は食に走るか、買い物に走るか、と相場はだいたい決まっている。一方、西洋の映画やテレビドラマの中には靴のコレクションに走る女性がよく登場する。
この映画でも「こんな素敵な靴は、押入れに仕舞いこんじゃだめ。」と言う妹に、「落ち込んだとき、慰めに靴を買うの。私に服は映えないし、食に走ると太るでしょ。靴ならサイズは変わらないでしょ」と言っている。

決まって出てくるブランドは香港のデザイナー「ジミー・チュー」だ。
「プラダを着た悪魔」にも、「アグリー・ベティー」「セックス・アンド・ザ・シティー」にも「ジミー・チュー」の名前が出る。そんなに素敵な靴なのかしら。
マルコス大統領夫人イメルダじゃないが、クローゼットの扉を開けると靴コレクションがギッシリだったりする。
最近では日本でも、ワイドショーなんかで「箱にポラロイドで取った写真をつけて管理しています」などと、靴コレクションを誇っておられる、いわゆる「セレブ」といわれる方々もお見受けするが、大多数はそんなことしなくても記憶できるくらいの数でしょう。

前々から「どうして靴なんだろう?」疑問に思っていたが、この映画をきっかけにカナダ人のある方に聞いてみました。

彼女曰く、
欧米の食事は前菜に始まりデザートで締める。
デザートが無かったり、美味しくないといくらメインデッシュが素晴らしくても失敗ということになるらしい。
ファッションにおける靴がコース料理のデザートにあたるらしい。
いくらヘアスタイルやメイクが完璧で、ドレス・アクセサリーがきまっていても靴がダメならぶち壊しということになるようだ。つまり、頭の先から足元までトータルでコーディネートしているのに、公民館なんかで自前の靴を脱がされ、緑や茶のビニールのスリッパに履き替えさせられるのは我慢がならないということらしいのです。
それほど「靴」に対する思い入れが強いということなのでしょう。

日本人庶民は、食後にデザートは必須とは思わないし、靴がコーディネートの鍵を握るという意識は低いような気がするのですが、そんな風に考えるのは私だけでしょうか。
もともと一日中靴を履き、ベッドでも机に足を上げても靴のままで平気な文化と、玄関で靴を脱ぐ日本の文化では、靴の持つ意味が違うのでしょうね。

この映画の中で面白い表現を見つけました。
We are in like Flynn.です。大文字FのFlynnって?不倫じゃないですよ。
何と「海賊ブラッド」主演、往年の美男子エロール・フリンなのです。大富豪ハワード・ヒューズの半生を描いた「アビエイター」でジュード・ロウが演じていました。この方、私生活ではかなり問題があったようです。

                   

で、意味はと言うと、in like Flynnで「運がいい」「受け入れられて」「進んでいる」ということです。「エロール・フリンが未成年少女と関係した容疑で起訴されたにもかかわらず、無罪となり人気も落ちなかったというところから来ている」と辞書にも出ているんだなぁ。
1943年の流行語大賞てなところなんだろうけど、こんな不名誉なことで名前が残るってまったくもってお気の毒です。ブラッド船長ファンとしてもまことに遺憾でございます。

   **** お ま け ****

 「ジミー・チュー」のお店は表参道ヒルズにあるそうです。
  華奢なピンヒールのオシャレ~な靴、でも最低7~8万はするそうですよ。
  デザートがこのお値段って、メインディッシュは一体…?
  

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