アカデミー賞7部門にノミネートされアカデミー作曲賞獲得、
キーラ・ナイトレイ出演作なのに、CMも少なくひっそり公開されているのは何故なのでしょう?
知り合いのYさんに関内の横浜シネマリンのチケットを頂き、
調べてみたら「つぐない」上映中!ということでダッシュ!
こんなことがあるのでしょうか?初めて行った小さな映画館のトイレで知人Iさんに遭遇!!!
同じ日の同じ時間に、数ある映画館の中で同じ場所、それもトイレで会う確率って、
めっちゃ低くない~?!
などとおバカなことを考えながら鑑賞。
***********************
つぐない ATONEMENT
***********************
原作はイギリスのブッカー賞作家イアン・マキューアンのベストセラー『贖罪』。
「贖罪」「つぐない」「あがない」「罪滅ぼし」「埋め合わせ」、
う~ん、やっぱりキリスト教的な意味を持つタイトルなんでしょうね?
第二次世界大戦前、夏のイングランド。
上流階級の娘で作家になることを夢見る13歳のブライオニー。
ケンブリッジ大学を卒業したばかりの姉セシーリア。
使用人の息子で幼なじみ、2人の父の援助を受け、ケンブリッジを卒業し医学を志すロビー。
以前からロビーに恋心を抱くブライオニー。
身分が違うとロビーと距離を置いていたセシーリアだが、ある出来事をきっかけに、
お互い惹かれていることに気付く。
それを見つめ、うろたえるブライオニー。
ロビーの手違いで、出すつもりの無いセシーリアへの手紙をたまたま目にし、二人の密会を目撃してしまうブライオニー。
好きな人が、自分ではなく姉と只ならぬ関係であることを知り、ショックを受ける。
彼女の歩き方、劇作家としていとこ達への演技指導する様、表情などから彼女の少女らしい一途な潔癖さがうかがえる。
まさにそんな時に事件が起こる。
夜、幼い双子の従兄弟が家に帰りたいと行方不明になり、懐中電灯を手に全員で暗闇の中を探す。
双子の姉が、レイプされているところに出くわしたブライオニーは「犯人を見た」と言い、
警察にロニーが犯人だと証言する。
行方不明の双子を見つけ出したにもかかわらず、ロニーは犯人として逮捕され刑務所へ。
その後刑務所から出る為に従軍する道を選びフランスの戦場へ。
ロニーと引き離されたセシーリアは家を出て看護婦になる。
出兵前にロニーと会い、「私のところへ、もどってきて」と海のそばの別荘の写真を渡す。
この後、映画は二つの構造になっています。
ブライオニーの書いた小説の話と年老いた彼女が語る真実と。
最後まで見て、観客は今まで見ていたのは現実に起こったことではなく、
ブライオニーの、セシリアとロニーへの
せめてもの「つぐない」として書いた小説であることがわかる。
幼さゆえの潔癖さと嫉妬が生んだ罪。
自分の一言がどんな結果を生むか想像できるはずもなく、
大人になって自分の言った嘘で二人の運命が大きく変わってしまったことを悔い、詫びるわけだけれど、
当時13歳の彼女がついた嘘は嫉妬による悪意のある嘘だったのか、
それともショッキングなシーンを目撃し、混乱し姉を守ろうという意識が働いたのか?
その両方が入り混じったものだったのか?
後になって言っても詮無いことだけれど、
もしあの時噴水での二人の様子を目撃しなければ・・・
もしもう一通の手紙が届いていれば・・・
もし図書館に入らなければ・・・
もし双子が家出をしなければ・・・と思わずにはいられない。
人生の歯車は、些細なことで方向を変えられてしまうことがあるのですね~。
悲しいな~。
子供がついた嘘で周りの大人の運命が悲劇へと変わっていく映画といえば、
オードリー・ヘップバーン、シャーリー・マクレーン主演の白黒映画「噂の二人」。
原作はリリアン・ヘルマンの「子供の時間 CHILDREN'S HOUR」。
親友ふたりが営む私立女子寄宿学校で、先生に叱られた少女が嘘をつく。
ふたりの仲が怪しいという言葉に、子供がそんな嘘をつくはずが無いという大人の思い込みから、
悲劇の結末へ。
こちらで描かれるのは少女の「つぐない」ではなく、
子供の残酷さ、身勝手さ、「子供がそんな嘘をつくはずがない」という大人の思い込み、
広がった噂に翻弄され、集団による精神的暴力の怖さを描いている。
告発する時のこの少女の目とブライオニーの目がそっくりなのに驚きです!
ブライオニーを演じるシアーシャ・ローナンも撮影中は13歳、
迫真の演技でアカデミー助演女優賞にノミネートされましたが、
先週の「フィクサー」ティルダ・スウィントンのよりも、個人的にはこちらが受賞すべきだったのではと思います。
晩年のブライオニーを演じるのは、ヴァネッサ・レッドグレイヴ。
77歳になったブライオニーは作家になり21作目を発表する。
それはセシリアとロニーの物語。
病院で看護婦見習いを始めた時から書き始め、認知症初期と宣告され、やっとの思いで完成。
彼女にとっては処女作であり絶筆となる一作。
数十年を、彼女の人生を懸けて仕上げた作品だったということから、
彼女の悔恨と悲哀の、想像を絶する辛く暗い人生がうかがわれます。涙が・・・
セシリアとロニーのみならず、彼女も人生が変わってしまった。
誰一人幸せになっていないというのが、何とも切なく、悲しいなあ~。
とっても、文学的で、イギリスの美しい風景も楽しめる作品でした。
第二次世界大戦でフランスといえば、ノルマンディー上陸はよく知られていますが、
ダンケルクでチャーチル指揮のもと、
あらゆる船を動員した史上最大の撤退作戦があったなんて知りませんでした。
観覧車やメリーゴーランドが出てきて、何なのこれは?はて?状態でした。
タイプライターの音を使った音楽といえば、ルロイ・アンダーソンの「The typewriter」、
誰もが耳にしたことがある軽快で明るい音楽だけれど、
この映画では、タイプを打つ音が緊張感とこれから何かが起こるということを
暗示するように使われているのには驚きでした。
戦場のシーン(だったかな?)とつぜん流れたドビッシーの「月の光」もよかった~。
ロビー役のジェームズ・マカヴォイは前回見た「ラスト・キング・オブ・スコットランド」以来ですが、
ラッセル・クロウに似ていると感じているのは私だけ?
ちなみに、二人ともタイプじゃありません。(ファンの方、すみません~)
キーラ・ナイトレーは「ベッカムに恋して」とか、「パイレーツシリーズ」みたいな元気印の方が合っていると思うけどな~。
お姫様とか令嬢というのは・・・ちょっと
あくまで個人的な意見です。(石が飛んできそう、失礼しました)
***** 今週 見た 映画 *****
4月21日 「リトル・チルドレン」 DVD
4月22日 「あるスキャンダルの覚書」DVD ジュディー・デンチ、ケイト・ウインスレット
「靴に恋して」 DVD スペイン映画
「グレイズ・アナトミー」シーズン1①②③
4月24日 「プロヴァンスの贈り物」DVD ラッセル・クロウ、マリオン・コティアール主演
「トスカーナの休日」男性版?
「グレイズ・アナトミー」シーズン1④⑤
キーラ・ナイトレイ出演作なのに、CMも少なくひっそり公開されているのは何故なのでしょう?
知り合いのYさんに関内の横浜シネマリンのチケットを頂き、
調べてみたら「つぐない」上映中!ということでダッシュ!
こんなことがあるのでしょうか?初めて行った小さな映画館のトイレで知人Iさんに遭遇!!!
同じ日の同じ時間に、数ある映画館の中で同じ場所、それもトイレで会う確率って、
めっちゃ低くない~?!
などとおバカなことを考えながら鑑賞。
***********************
つぐない ATONEMENT
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原作はイギリスのブッカー賞作家イアン・マキューアンのベストセラー『贖罪』。
「贖罪」「つぐない」「あがない」「罪滅ぼし」「埋め合わせ」、
う~ん、やっぱりキリスト教的な意味を持つタイトルなんでしょうね?
第二次世界大戦前、夏のイングランド。
上流階級の娘で作家になることを夢見る13歳のブライオニー。
ケンブリッジ大学を卒業したばかりの姉セシーリア。
使用人の息子で幼なじみ、2人の父の援助を受け、ケンブリッジを卒業し医学を志すロビー。
以前からロビーに恋心を抱くブライオニー。
身分が違うとロビーと距離を置いていたセシーリアだが、ある出来事をきっかけに、
お互い惹かれていることに気付く。
それを見つめ、うろたえるブライオニー。
ロビーの手違いで、出すつもりの無いセシーリアへの手紙をたまたま目にし、二人の密会を目撃してしまうブライオニー。
好きな人が、自分ではなく姉と只ならぬ関係であることを知り、ショックを受ける。
彼女の歩き方、劇作家としていとこ達への演技指導する様、表情などから彼女の少女らしい一途な潔癖さがうかがえる。
まさにそんな時に事件が起こる。
夜、幼い双子の従兄弟が家に帰りたいと行方不明になり、懐中電灯を手に全員で暗闇の中を探す。
双子の姉が、レイプされているところに出くわしたブライオニーは「犯人を見た」と言い、
警察にロニーが犯人だと証言する。
行方不明の双子を見つけ出したにもかかわらず、ロニーは犯人として逮捕され刑務所へ。
その後刑務所から出る為に従軍する道を選びフランスの戦場へ。
ロニーと引き離されたセシーリアは家を出て看護婦になる。
出兵前にロニーと会い、「私のところへ、もどってきて」と海のそばの別荘の写真を渡す。
この後、映画は二つの構造になっています。
ブライオニーの書いた小説の話と年老いた彼女が語る真実と。
最後まで見て、観客は今まで見ていたのは現実に起こったことではなく、
ブライオニーの、セシリアとロニーへの
せめてもの「つぐない」として書いた小説であることがわかる。
幼さゆえの潔癖さと嫉妬が生んだ罪。
自分の一言がどんな結果を生むか想像できるはずもなく、
大人になって自分の言った嘘で二人の運命が大きく変わってしまったことを悔い、詫びるわけだけれど、
当時13歳の彼女がついた嘘は嫉妬による悪意のある嘘だったのか、
それともショッキングなシーンを目撃し、混乱し姉を守ろうという意識が働いたのか?
その両方が入り混じったものだったのか?
後になって言っても詮無いことだけれど、
もしあの時噴水での二人の様子を目撃しなければ・・・
もしもう一通の手紙が届いていれば・・・
もし図書館に入らなければ・・・
もし双子が家出をしなければ・・・と思わずにはいられない。
人生の歯車は、些細なことで方向を変えられてしまうことがあるのですね~。
悲しいな~。
子供がついた嘘で周りの大人の運命が悲劇へと変わっていく映画といえば、
オードリー・ヘップバーン、シャーリー・マクレーン主演の白黒映画「噂の二人」。
原作はリリアン・ヘルマンの「子供の時間 CHILDREN'S HOUR」。
親友ふたりが営む私立女子寄宿学校で、先生に叱られた少女が嘘をつく。
ふたりの仲が怪しいという言葉に、子供がそんな嘘をつくはずが無いという大人の思い込みから、
悲劇の結末へ。
こちらで描かれるのは少女の「つぐない」ではなく、
子供の残酷さ、身勝手さ、「子供がそんな嘘をつくはずがない」という大人の思い込み、
広がった噂に翻弄され、集団による精神的暴力の怖さを描いている。
告発する時のこの少女の目とブライオニーの目がそっくりなのに驚きです!
ブライオニーを演じるシアーシャ・ローナンも撮影中は13歳、
迫真の演技でアカデミー助演女優賞にノミネートされましたが、
先週の「フィクサー」ティルダ・スウィントンのよりも、個人的にはこちらが受賞すべきだったのではと思います。
晩年のブライオニーを演じるのは、ヴァネッサ・レッドグレイヴ。
77歳になったブライオニーは作家になり21作目を発表する。
それはセシリアとロニーの物語。
病院で看護婦見習いを始めた時から書き始め、認知症初期と宣告され、やっとの思いで完成。
彼女にとっては処女作であり絶筆となる一作。
数十年を、彼女の人生を懸けて仕上げた作品だったということから、
彼女の悔恨と悲哀の、想像を絶する辛く暗い人生がうかがわれます。涙が・・・
セシリアとロニーのみならず、彼女も人生が変わってしまった。
誰一人幸せになっていないというのが、何とも切なく、悲しいなあ~。
とっても、文学的で、イギリスの美しい風景も楽しめる作品でした。
第二次世界大戦でフランスといえば、ノルマンディー上陸はよく知られていますが、
ダンケルクでチャーチル指揮のもと、
あらゆる船を動員した史上最大の撤退作戦があったなんて知りませんでした。
観覧車やメリーゴーランドが出てきて、何なのこれは?はて?状態でした。
タイプライターの音を使った音楽といえば、ルロイ・アンダーソンの「The typewriter」、
誰もが耳にしたことがある軽快で明るい音楽だけれど、
この映画では、タイプを打つ音が緊張感とこれから何かが起こるということを
暗示するように使われているのには驚きでした。
戦場のシーン(だったかな?)とつぜん流れたドビッシーの「月の光」もよかった~。
ロビー役のジェームズ・マカヴォイは前回見た「ラスト・キング・オブ・スコットランド」以来ですが、
ラッセル・クロウに似ていると感じているのは私だけ?
ちなみに、二人ともタイプじゃありません。(ファンの方、すみません~)
キーラ・ナイトレーは「ベッカムに恋して」とか、「パイレーツシリーズ」みたいな元気印の方が合っていると思うけどな~。
お姫様とか令嬢というのは・・・ちょっと
あくまで個人的な意見です。(石が飛んできそう、失礼しました)
***** 今週 見た 映画 *****
4月21日 「リトル・チルドレン」 DVD
4月22日 「あるスキャンダルの覚書」DVD ジュディー・デンチ、ケイト・ウインスレット
「靴に恋して」 DVD スペイン映画
「グレイズ・アナトミー」シーズン1①②③
4月24日 「プロヴァンスの贈り物」DVD ラッセル・クロウ、マリオン・コティアール主演
「トスカーナの休日」男性版?
「グレイズ・アナトミー」シーズン1④⑤