映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

「トリノ エジプト展」と「黄金の都 シカン」@上野

2009-09-30 | 展覧会
8月から「行くぞー!」と気合をいれていたのに・・・気が付いたら後1週間で終わりやないのー!
そうです、「トリノ・エジプト展ーイタリアが愛した美の遺産ー」@東京都美術館
「門外不出のツタンカーメン、上野で公開中」
「世界屈指の古代エジプト・コレクション、日本初上陸!」って魅惑的な言葉が躍ってます。
これはやっぱり行っとかんとあっか~んと、上野のお山まで出かけました。
         
      会場はこちらで~すの→を目印に前進。

29日火曜日にもかかわらず、「トリノ・エジプト展」は入場制限、15分待ち。
3日、4日の最終日は一体どんなことになるのやら、今日来ておいてよかったと思ったのもつかの間、
館内はぎっしり。
音声ガイドをつけた人たちは解説が終るまで展示物の前にじっとしておられるわけですね・・・。
これが渋滞の原因じゃあないでしょうか?

大きな期待を抱きすぎたのか、
3年前上野の国立科学博物館で開催された「大英博物館 ミイラと古代エジプト展」で
3Dでのミイラバーチャルツアーなんてのを体験しちゃってたからか、
巨大遺跡とか黄金のマスク~みたいな一般的なエジプトのイメージとはちょっと違いました。

  <お土産>
         
        ミイラの缶ペンケースと凛々しいにゃんこのストラップ
      この筆箱持ってたら引かれる?

ここまで来たなら「黄金の都シカン」@国立科学博物館も見ておこうとハシゴしました。

     

インカ帝国滅亡から遡ること約500年前、
9世紀から14世紀にかけてペルー北海岸のバタングランデに黄金国家の都があったと考える
南イリノイ大学の島田泉教授(泉さんといっても男性ですよ)は1978年から調査を開始。
1991年から墓の発掘を開始し、ミイラや多くの黄金製品を中心とした副葬品を発掘、
この地を「月の神殿」を意味する「シカン」と名付け、現在も発掘継続中。
教授のチームの30年に亘る発掘の業績をビデオ映像と博士の解説、遺物の展示、3Dシアターでたどります。
南米の出土品のお顔立ちはなかなかひょうきんでかわいらしいです。
しかし逆さまに埋葬ってどういう意味があったのでしょう?ミステリー?
      
 こちらのお土産は¥300のガチャポン。 蜘蛛のが欲しかったのに・・・何故かナスカの地上絵
              
 階段状の隙間があり光が漏れる展示物の台が、落ち着いた雰囲気を醸し出す。
 展示物を区切るのが、ダンボールで作った箱をレンガのように積んで見せているのもいいです。

島田博士の発掘風景を見ていると、考古学者って大変な仕事だなぁ~と実感。
自らシャベルで堀り、一つ一つ丁寧にブラシで細かい作業が続く。気が遠くなる~。
こちらは10月12日まで開催中。


二つの展覧会を回って、午後2時半。飲まず食わずで、お腹へったぁ~

上野の森美術館では「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」展
国立西洋美術館では「古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」展を開催中。

う~ん、ちょっと後ろ髪ひかれたけれど、2つ回ったらいっぱいいっぱい。
今週は始まったばかり、一週間乗り切るためにも、速やかに帰宅いたしました。

次回は映画の話題で


 
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世界は分けてもわからない

2009-09-27 | 
今回は読み終わったばかりの本のご紹介です。

講談社現代新書から出た、福岡伸一氏の「世界は分けてもわからない」です。
15万部突破のベストセラーであることを知らず、本屋さんで何気なく手に取り、なんとなく購入しました。
このタイトルからでは、どういったジャンルの本か予想が立ちませんよね~。
国境に関する政治ネタ?みたいなタイトルですが、実は科学ミステリーです。

       
        福岡伸一ハカセはこんな方     

プロローグでは、うつ状態と関連があるセロトニンの原料トリプトファンの話題から、
脳内で起こっていることについて。
第1章で、視線や視野から膵臓のランゲルハンス島へ。
第2章で、突然ある絵画の話に移る。

一体この本はどういう構成なのか?と不思議に思いながらも、夫々の話が面白くって止められない。

第3章では、食品に含まれる防腐剤ソルビン酸のリスクについて、恐いなぁ~と感じ、
第4章で、未来の医療として期待されるES細胞がガン細胞と紙一重であることに驚き、
第5章で、移植:トランスプランテーションから境界についての話に、臓器移植に思いを馳せ、
第7章で、空目・空耳の例を挙げ脳や目のいい加減な認識回路について唖然とする。

そして第8章の1980年コーネル大学で起こった世間を揺るがす出来事の話が始まると
今まであまり関連があると思われなかったプロローグから7章までの話がジグソーパズルの
ピースを埋めるかのように一気に繋がり、最後までまるで推理小説を読んでいるかのような
ワクワク感に包まれました。

科学読み物はもともと好きなのですが、「この先どうなるのー?」と先を読みたい気持に駆られ
素人にもわかりやすい語り口に助けられ短時間で読了しました。


「あなたの脳を揺さぶる福岡ハカセの科学ミステリー!」のコピー通り、
日頃だらけている分、かなり脳みそ揺さぶられました。

しかしながら、研究者、ポスドクといわれる方々の日々の努力と研鑽には頭が下がります

現在は福岡氏の前作「生物と無生物のあいだ」を読んでます。
こっちの方がちょっと難しいですが、
野口英雄の衝撃の実像に触れる話題から始まり、一つの発見が認められるまでの手順、
DNAの二重らせん発見の裏話など、かなり引き込まれています。



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グッド・バッド・ウィアード

2009-09-25 | 映画 か行
チラシのカラフルさと予告編のインパクト、キャッチフレーズが気になり、見ようかどうしようかと
悩んでいた本作。
チョン・ウソンのファンYさんのお誘いで、朝一番(終映間近で一日一回上映のみ)見てきました。

○ × ? ○ × ? ○ × ? ○ × ? ○ × ?

     THE GOOD , THE BAD , THE WEIRD

× ? ○ × ? ○ × ? ○ × ? ○ × ? ○

 < ストーリー >
時は1930年代、場所は混沌とした中国は満州の荒野。
一つの地図を巡って、宝物を掘り当てようと
コソ泥のユン・テグ、馬賊のボスパク・チャンイ、二人を追う賞金稼ぎのパク・ドウォン、
満州馬賊に盗賊、日本軍が入り乱れて地図の争奪戦を繰り広げる。
果たしてお宝を手にするのは誰か?お宝って?


監督が1966年の「続・夕陽のガンマン The Good, the Bad and the Ugly」に
影響を受けて
作ったキムチ・ウエスタン。上手いこと言うなぁ~。
韓国から見たら満州は確かに西部、画面にもウエスタンの文字が出てました。

CGなし、スタントなしの100%リアルアクションと知り、ちょっとビックリ!
ってことは・・・
ロープにつかまってひらひら舞いながらウィンチャスター銃を撃つチョン・ウソンも、
スーツを着て馬に乗り疾走するイ・ビョンホンも
二人乗りバイクを駆り、ひょうきんに走り回る(これはスタント要りませんが)ソン・ガンホも、
皆さん御自分でアクションこなしたんですねぇ
                
          

「ムチャクチャデイイノダ!」のキャッチフレーズ通り、大きな筋はあるけれど、
「楽しけりゃいいじゃん!」というポリシーを貫き通したエンターテインメント。
列車強盗あり、銃撃戦あり、
チョン・ウソンはひたすらクールにカッコ良く、
イ・ビョンホンは冷酷な悪役に徹してセクシーに、
ソン・ガンホはお笑い担当かと見せかけてなかなかどうして、したたかに。

韓流ファンではないのですが、たまたまイ・ビョンホン出演作3本をここ数ヶ月で鑑賞。
「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」「G・I・ジョー」に本作、全て悪役なのに、
その鋭い目で睨みつける姿がとっても妖しくセクシ~。
チョン・ウソンのほうが整った美しいハンサムさんですが、セクシーさではイ・ビョンホン一押しですわ。
3作とも、逆三角形、腹筋割れのマッチョな上半身をこれでもかーと見せつけました。
お見事と言うしかないほどの鍛え様
これって、ファンの期待に答えているのか?ナルシストなのか?
(ファンの皆様、けなしているのではなくて、感心のあまり褒めているのですよ~

なかなか面白かったです。
西部劇って、かつては男性観客動員ジャンルだったのに・・・、
キムチ・ウエスタンの観客は全員女性でした。
        


韓国での観客動員数600万人を突破したこの映画、
ちょっと調べてみたらこんなニュースを発見。
キム監督は「満州の原野を疾走する彼ら3人のように誇らしい韓国人になりたい」と、
本作広告モデル料を独島保護活動に寄付する意思を明らかにした。
独島(ドクド)とは日本名竹島です。
日本と韓国の間で長年にわたって所有権を争っている問題の島です。
「キム監督の意志を受けて、独島の名称が誤って表記されている地図を正し、海外の主要メディアに
独島の広告を掲載するなど、正しい独島情報を伝えることに寄付金を使っていく計画」とか。
「誤って表記されている地図」って、「竹島」になっているってことですね。
「独島の歌」があったり、国を挙げて自国の領土であることを主張しているホットな韓国に比べ、
いま一つ関心の低い日本。

う~ん、こんなエンタメ映画の話題として領土問題が顔を出すとは・・・。
非常に複雑な気分です。


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 ***** 見た 映画 *****

9月23日「男と女の不都合な関係 THE UGLY TRUTH」@TOHOシネマズ海老名

9月24日「グッド・バッド・ウィアード」@109シネマズMM横浜

     「プール」@109シネマズMM横浜 

9月25日「THE COVE 入り江」@有楽町 

ココ・シャネル

2009-09-20 | 映画 か行
あまたある伝記物の本や映画は、大きく分けて二通り。
困難を乗り越え成し遂げた功績を称え賞賛するものと、
偉人として確立しているイメージと異なる面を描き、「実はこんな面もあった」とか
「えっ、こんな人だったの・・・」ちょっとしたショックを与えるもの。
「人間、野口英雄」を描いた渡辺淳一の「遠き落日」を読んだ時のショックは大きかったです。
でも、誰しも無くて七癖、非の打ち所の無い聖人君子よりも、少しくらい欠点のある人のほうが
人間臭くて魅力的かも。

今年は本作と、公開したばかりのオドレィ・トトゥ主演のフランス版「ココ・アヴァン・シャネル」
そしてもう一本「シャネルとストラビンスキー」の公開も控えているそうで、
なんだかシャネルの当たり年?
どうも、今年は帽子のアトリエ開業から丁度100年!だったり、生誕125年!だったりするらしい。
因みに、誕生日は8月19日って!うちのわんこと同じです    失礼しました。

果たして、シャネルの実像に一番近いのはどの映画なんでしょう?

       
  ココ・シャネル 本作        フランス版「ココ・アヴァン・シャネル」


                              

   ココ・シャネル    COCO CHANEL

                               

 
本作はアメリカ・フランス・イタリア合作のTV映画

 < ストーリー >
1954年、パリ。15年の沈黙を破り、復帰コレクションを行うココのオートクチュール店には
たくさんの評論家や顧客が詰めかけていた。しかし、コレクションは失敗。
落胆するココと、ビジネス・パートナーのマルク・ボウシエ(マルコム・マグドゥーエル)。
ココは、孤児からお針子となり、デザイナーとしての地位を築いた日々を回想し、
再度コレクションに挑む。


  
   晩年のシャネル御本人 煙草を離さない
             
              晩年のシャネルを演じるシャーリー・マクレーン

大した女性です。
彼女がいなかったら今のファッション界はどうなっていたんでしょう?と思えるほど、
ことごとく女性の服に対する固定観念を打ち破り、革命をもたらした方なのですねぇ。
「古い価値観にとらわれない女性像」がシャネルのブランドポリシーだそうです。

装飾過多で大きなな帽子をシンプルにし、コルセットを捨て、スカート丈を短くし、
軽く動きやすい服を目指した。
戦時下で材料不足の時には男の下着用生地ジャージでゆったりした服を作り、
喪服のイメージしかなかった黒をスタイリッシュに着こなす

 
  ジャージを着こなすシャネル        真珠と黒のドレスに煙草、クール!

才能にあふれこれだけの美人ときたら、男がほっとかないよね~。
孤児院で裁縫を習い、愛人生活で上流社会が何たるかを学び、才能を認め後押ししてくれる
カペルを愛し、帽子から服・香水へとビジネスを広げるココ。
   
 カペルとラブラブな頃の若きシャネル カペルを演じるフランス俳優さん

辛い悲しい生い立ちも、全てファッション界で不動の地位を築くには必要不可欠なものだったと
いえるでしょう。
ハングリー精神に、自尊心と野心が加わって見事に才能開花です。


ところで、この映画はこの後、再起を図るまでの15年については全く触れられていません。
しかしながら、大成功の後のこの沈黙の15年にこそ、ココの70歳を越えたカムバックへの
原動力と執念があるように思います。
労働条件の改善を求めた従業員のストライキに店を閉め引退。
第二次大戦中、年下のドイツ将校と恋仲になり戦後「ナチスに魂を売った売国奴」と非難をうけ
フランスを追われスイスへ。
カムバックコレクションの失敗にも、死後スイスに墓があるのもそれが影響しているようです。
ヨーロッパではいま一つだったココを救ったのは、アメリカでの人気とシャネルスーツ(ブレードの縁取りがあるスーツ)のヒットです。
やっぱり、この15年にも触れて欲しかったです。
フランス版ではこのあたりは描かれているのかな?


「シャネル」といえば、かのマリリン・モンローの「寝る時に纏うのはシャネルの5番」
なんてセクシーな有名な台詞がありましたが、ココの言葉にはどれも説得力があります。

・「流行は色あせるが、スタイルは普遍なの」
・「20歳の顔は自然の贈り物、50歳の顔はあなたの功績」
・「かけがえのない人間となるためには、いつも他とは違っていなければならない」
・「美しさは女性の「武器」であり、装いは「知恵」であり、謙虚さは「エレガント」である。」
・「女は40を過ぎて始めておもしろくなる。」
・「香水をつけない女性に未来はない」
・「人間は成功でなく失敗で強くなるの。私は逆流を遡って強くなった」

いい女になるには、
「流行は追わず、謙虚に知恵を使った装いを心がけ、失敗をバネに、顔に責任を持て」ってことでしょうか?
花粉症で、匂いの強い香水にはくしゃみが出る私に、果たして未来はあるのか?


終演間際ということで、館内はかなり空いておりました。
ほとんど女性で年齢層も高い。
一つおいて左に座ったおばさまは、前半寝息を立てておられました・・・これ見て寝るか?!
やはり一つおいて右に座った年配女性、途中からずっと泣いていらしたような・・・
な・の・に・・・ 、いいところで携帯のチャクメロ高らかに鳴らしました・・・
でも、見終わって立ち上がったとき、丁寧に謝罪のお言葉をいただきました。はい。


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***** 見た 映画 *****

 9月15日 「ココ・シャネル」@109シネマズMM横浜

 9月16日 「グレイズ・アナトミー シーズン4 ③④」DVD 

 9月17日 「グレイズ・アナトミー シーズン4 ⑥⑦」DVD

 9月18日 「グレイズ・アナトミー シーズン4 ⑧」DVD

 9月19日 「トスカ(オペラの映画化)」@鎌倉芸術館小ホール

 

ラースと、その彼女

2009-09-15 | 映画 ら行
劇場公開を見逃してしまった本作、やっとDVDで鑑賞しました。

「独身の男性が等身大の女性の人形を恋人といって連れ歩く」
これだけ聞くと、何だか怪しげな危ない映画?と誤解を生みそうなストーリー。
実は、心に傷を負った男性が、その傷を乗り越えて新たな一歩を踏み出す、
不思議な、でもあったか~く、切ないストーリーです


                        

    ラースと、その彼女
             LARS AND THE REAL GIRL

                        

 < ストーリー >

小さな田舎町に暮らすラースは、純粋で優しい青年で誰からも好かれている。
ずっと彼女がいないことを兄夫婦をはじめ、周りの人たちは心配していた。
そんなある日、ラースが「彼女を紹介する」と兄夫婦のもとに連れてきたのは、
ネットで注文した等身大のリアルドール、ビアンカだった!
兄夫婦や町の人たちは驚きながらも、ラースを傷つけないようにビアンカを受け入れはじめる。そして…。

    
       ビアンカが、キターーーー!

シャイで優しいごく普通の青年ラース。
執拗に食事に誘う兄嫁の過剰とも思える干渉と、何でリアルドール購入?!と少々戸惑いました。

雪深い小さなコミュニティー。
突然現れたビアンカに、兄夫婦の驚き、狼狽ぶりったら。
ふざけているとか、頭がおかしくなったしか思えないですよね~。
町の人たちも予想どうりの反応で、面白がったり、気味悪がったり。
でも以外にしっかり者?の兄嫁は、機転を利かせ心理学者でもあるという町の女医に連れて行く。
      

「偶像崇拝は神への冒涜」なんて爺ちゃんの発言には笑ってしまいました。
しかし「猫に服を着せてる妹」「UFOにはまってるあなたの甥」「手癖の悪い前の奥さん」とか、
おかしいといえばおかしい人なんて、世の中には一杯いる。
ペットに話しかける人・・・私も時々やってるかも?

「ありのままを受け入れなさい。ビアンカが来たのには理由がある」という女医。
女医さんとのカウンセリングで、
長年に渡りラースの心に罪悪感や孤独感があり、人との親密な関係を頑なに拒んでいることが
徐々に明らかになる。
自分を産んだことで母が命を落としたこと、
妻を亡くしたことで人嫌いとなった父、そんな父を嫌って家を出た兄。
お腹にいる時お母さんが編んだという毛布を「ライナスの毛布」みたいに、ずっと身に着けている。
義理の姉の妊娠で出産への恐怖が引き金となり、今まで心の奥底にしまってきた思いが、
抑えられなくなってしまったラース。

エルビス・プレスリーが双子だったって御存知ですか?
双子!であったことを聞いた時、じゃあそっくりなお顔のお兄さんはどうしていらっしゃるの?
と思いましたが・・・、30分早く生まれたお兄さんは死産だったそうです。
自分だけが生き残ったという罪悪感をエルビスも持っていたそうです。


元々ラースがとても心優しい、いい青年だったからでしょう、兄夫婦を始め、
周りの人たちも優しくラースを見守り、人形ビアンカを人間として、ラースの恋人として接し、
ビアンカをボランティア活動に連れ出したり、店で雇うようになる。
この女性達の対応が凄~くいいんです!優しいだけじゃなくて、厳しいことも言う。
ビアンカを通して、少しずつ周りの人たちと係わりを持ち出すラース。

「大人になっるってどういうこと?」と問うラースに、
「自分のためではなく、みんなのために正しいことをするのが大人だ。愛する人を裏切らず、
家族を大切にすること。自分の過ちを認めること」だと答える兄。
ビアンカと過ごした時間は、ラースが心の傷を乗り越え、大人になるための通過儀礼だったのですね。

そしてある決断を自ら下すラース。

可愛い同僚マーゴの存在も、ラースを現実の世界に引き戻す大きな力です。
マーゴのテディベアの心肺蘇生のシーンが超カワイイ

ラースを取り巻く人たちの優しさに、そっと抱きしめられるような映画でした。

それにしても、ラースのあのピンクの下着は・・・変!

主演のライアン・ゴズリング始め、どの役者さんもピッタリの配役でした。
ライアン・ゴズリングって、草刈正雄に似てません?

義姉カリンを演じるエミリー・モーティマーのハスキーな声と表情に優しさが溢れてます。
              
   キュートなエミリー・モーティマ    美しいパトリシア・クラークソン
  
バーマン医師役のパトリシア・クラークソンは何て上品な美しさなのでしょう。
主役ではないけれど、ず~と前から気になる女優さんです。



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 *****  見た 映画  *****

 9月12日 「いとしい人 THEN SHE FOUND ME」DVD ヘレン・ハント監督・主演
                    コリン・ファース、ベッド・ミドラー出演

        「賢く生きる恋のレシピ SMART PEOPLE」DVD デニス・クエイド、
                  サラ・ジェシカ・パーカー、エレン・ペイジ出演
        
 9月13日 「ハリウッド式恋のから騒ぎ THE DEAL」DVD 
             メグ・ライアン、ウイリアム・H・メイシー主演 

サブウェイ123 激突

2009-09-11 | 映画 さ行
公開後初の週末はやっぱり混みますねぇ。久々に満席の映画館で鑑賞。
でもエンドロールが始まると、直ぐに席を立って退場する方が多かったのでちょっと驚きました。
暗い中、階段を下りるのは危ないよ。
あと5分くらい余韻を楽しんで、明るくなるまで待ちましょうよ~。

昼下がり、人ごみをかき分けダッシュ映画館へと急いだのですが・・・遅刻。
最初の数分、見れてません
席に辿り着いたときは、既に犯人グループが地下鉄に乗り込むところ。
おそらく数分、「何を見逃したんや~?」大事な情報じゃなきゃいいんだけれど・・・と思いつつ、
地下鉄ジャックの一部始終を目撃することにあいなりました。


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        サブウェイ123  激突

             THE TAKING OF PELHAM123

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 < ストーリー >

ニューヨークの地下鉄ペラム駅午後1時23分発が一両切り離して乗っ取られ、
犯人グループは乗客19人を人質に身代金1000万ドルを1時間で用意するようニューヨーク市に要求。
1分遅れる毎に、人質を一人ずつ殺すと脅す主犯の男ライダー(ジョン・トラボルタ)。
地下鉄運行指令室のガーバー(デンゼル・ワシントン)は、犯人からの無線を受けたことから、
そのまま交渉役を務めることになる。無線を通して探りあう二人の行き詰まる駆け引きの行方は・・・。

    
1972年に発表された「サブウェイ・パニック」のリメイクなんですね。
ウォルター・マッソーとロバート・ショウの駆け引き。
昔テレビで見たような?見てないよ~な?

最初の数分を見逃したことが、果たして本作を理解する上でマイナスになったのか?
これから始まる激しい交渉劇の前の静けさ。
主役の二人や、取り巻く人たちとの関係やバックグランドが、さりげな~く描かれていたんでしょうね
見始めた時にはガーバーは司令室の席に着き、ライダーは運転手に銃を突きつけておりました。

主人公ガーバーは、たたき上げの管理職。車両購入がらみの賄賂受け取り疑惑で
司令室勤務に回されたことが程なくわかりました。
ただ、この疑惑が濡れ衣なのか?事実なのかが最後までわかりませんでした。
ひょっとして、車両の購入先の東京で金銭授受のシーンなんかがあったのかなぁ?

   

一方の犯人ライダーは、見るからにブチ切れの危ないオヤジです。
道ですれ違ったら、絶対一歩横に避けちゃうような感じ。
「ヘアスプレー」のかわいらしい(怖いらしい?)お母さんからのギャップがすごいなぁ。
いくら長年服役してたからって・・・ウォール街のやり手証券マンがあそこまで変貌するかねぇ?

この手のパニック映画ではお約束。
市長といい、地下鉄の管理職といい、警察の狙撃部隊といい、何でこうもおばかな判断をするんでしょ?

一方、ガーバーとライダーの駆け引きはヒートアップ。
言葉の端々からお互いに探りあい、それをヒントにネットを使って情報を集める。

ハラハラ、ドキドキ、1時間という限られた時間の中、二人の無線での会話を軸に、
身代金の輸送、犯人の割り出し、事件の動機などが分刻みで展開し、
シーンが変わるたびに「ダーン!」の音とともに画面が停止し、場面が変わる。
緊迫感がピキピキーーー!
交通局の運行司令室のハイテクの明るい部屋と暗い地下の車両のコントラストが善と悪を際立たせます。
目が離せないよーっと、こちらの気持も高まる中・・・

「あれ?急いでるのに何でヘリコプター使わないの!?」
現金輸送車とそれを取り巻くパトカーやバイクのカーアクションをみせたいんかな?
しかし、こういう非常時には道路封鎖をやりませんか?
一分一秒を争うときに、暴走族みたいに大勢で一団組んで、挙句にクラッシュ!
次々倒れる警官たち。最後はバイク隊が現金入りのリュック背負って急行って・・・
ニューヨーク市は財政難?かと要らぬ心配を巡らしましたがな。
ドラマの中の警部も私同様苛立って、「やっとヘリが来た」なんて台詞が終わりの方にありました。

ぺラム123に乗った乗客のパソコンはもうちょっと効果的に使おうよ。
彼女も、こんな緊急事態に「愛してるって言ってー!」ってなに寝ぼけたこというてんの?
犯人も、ネットにライブで映像流されてるのに、何でそのまま放置なのかなぁ?

手に汗握る交渉の駆け引きは面白いんだけれど、周りの展開がいま一つ。

へぇ~と思ったのは、今は使われていないルーズベルト駅の上にホテルが建っているって事でしょうか。
他の映画でも、廃駅や廃線ってよく使われたりするけれど、ニューヨークの地下を探検したら、
面白そうですねぇ。

そうそう、こういう事件が起こると、
株価が急落し、金相場が高騰するっていうのは世間の常識ですか?


「I NY」に続くニューヨークのスローガンは「MADE IN NY」なんでしょうか?
タクシーの屋根に付けた看板が妙に主張してました。



 ところで、う~ん、賄賂受け取ったの?濡れ衣なの?  
 良い人役が多いデンゼルには、家族思いの良い人であって欲しいな~。

*オープニングにこの情報はあったのでしょうか? こっそり、教えてくださいませ

でも、これについては曖昧なままの方が、交渉でのやり取りが盛り上がる気がしますが・・・。

 


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 ***** 見た 映画 *****

 9月 4日 「グレイズ・アナトミー シーズン4 1~2」DVD

 9月 5日 「サブウェイ123 激突」@109シネマズMM横浜

 9月 7日 「グレイズ・アナトミー シーズン4 3~5」DVD

 9月 9日 「ラース、とその彼女」DVD

        「エレジー」DVD ペネロペ・クルス、ベン・キングスレー主演

キャラメル

2009-09-02 | 映画 か行
DVDをレンタルしようと、お店の新作映画の棚で見つけました。
「中東版セックス・アンド・ザ・シティー」という店のコピーに、中東女性の日常って
どんな感じなのか?とレンタル決定。
「セックス・アンド・ザ・シティー」がニューヨークの女性の日常とは思わないけれど・・・。

アラブの国といっても、途中までどこの国の映画か知らず、
  オープニングの文字から「アラビア語だなぁ」とか
  「あれ、キリスト教なの?」とか
  「女性のファッションの露出度が高いなぁ~。キャミソールなんていいの?」
  「フランス語も通用するの?」 
というころから、DVDの表を確認しレバノン映画ということがわかりました。
「それ、遅すぎ~、最初に確認しておきましょう」ですね。

レバノンは、人口の30%がキリスト教諸派、70%はイスラム教諸派で、
アラビア語を話すがフランス語も広く通用するとのこと。
そういう意味では中東の国の中でちょっと異色ですね。

主演の女優さんの美人でセクシーなこと、肉感的なエキゾチック・ビューティー
何と!この方、ナディーン・バラキーさんは主演・脚本・監督をも務める才色兼備なお方です。

    ****************

          キャラメル  Caramel

    ****************

 < ストーリー >
レバノンの首都ベイルートの小さな美容院&エステサロンを舞台に、
20代から60代の世代の異なる5人の女性が、夫々悩みを抱え、互いに支え助け合う。
結婚を心待ちにする両親に嘘をつき、不倫相手に振り回される30代のラヤール。
結婚を間近に控え、フィアンセに過去を打ち明けられない20代のイスラム教徒ニスリン。
男嫌い?というか長い髪の美しい客に心魅かれる20代のリマ。
女優を目指すも、女性としての衰えを感じ焦る年齢不詳のジャマル。
認知症の姉を抱え、思いを寄せる男性との付き合いを諦める60代独身のローズ。

      

アラブの国ではむだ毛の脱毛にキャラメルを使うのね?!
キャラメルを滑らかに練って少し冷まし、ペースート状になったものを肌にのせて広げ
一気に剥がす・・・めちゃくちゃ痛そう お肌は痛まないのかしら?
そういえば、エジプト出身タレントのフィフィさんもテレビでエジプトの脱毛は飴を使うと言ってたっけ。

このタイトル、「おいしい砂糖でも人を焦がして痛めつけてしまうことがある」という意味だそうです。

アラブの国々って、よく知らないが故に変な先入観を抱きがちです。

レバノンの歴史をちょっと調べてみたら・・・
第一次世界大戦後フランス委任統治領となり、第二次大戦中独立、リゾートとして発展するも、
1970年パレスチナ解放機構が本部置いて以降、内戦、イスラエルの攻撃、シリアの支配下に入ったり、
首相の暗殺、ヒズボラがらみのイスラエル侵攻、新米派と新シリア派の対立など、つい最近まで
ずっと戦火にまみれていたのですね。

仕事を持ち、恋をし、いろんなことで悩む彼女達を見ていると、そんなレバノンの状況は
全く感じられず、国や宗教・文化・状況が違っても、人の悩みって似たようなものなんだなぁと
改めて実感し、何となくほっとしたのでした。

まだまだ因習やモラル・家族に縛られている彼女達の未来が、明るいことを祈りたい。

ドラマチックなことが起こるわけではないけれど、
全く異なる文化の中で暮らす等身大の女性たちが頑張る姿、なんだか好きな映画です。




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 ***** 見た 映画 *****

 9月1日 「ダウト あるカトリック学校で」DVD メリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、
                            エイミー・アダムズ主演