映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

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アメリカン・スナイパー

2015-02-27 | 映画 あ行
昨日、NHKのニュースで「アメリカン・スナイパー」のモデルであるクリス・カイルさんを殺害した
元海兵隊員に、終身刑の判決が下されたという報道がありました。
PTSD(心的外傷後ストレス症候群)を患っていたそうですが、心身喪失は認められず。
PTSD治療の手伝いをしていた最中、助けようとした相手に射殺されたというのは、何とも悲しいことです。

    **********************

        ア メ リ カ ン ・ ス ナ イ パ ー

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 < ストーリー >
テキサス出身のクリス・カイルは祖国を守るという使命にかられ米海軍特殊部隊ネイビー・シールズの
厳しい訓練に耐え狙撃兵としてイラク戦争に派遣されることになる。卓越した狙撃の腕前で多くの
敵を倒し仲間を救い、いつしか『レジェンド』と呼ばれるようになる。帰国すると、よき夫・父として
家族を愛するクリスだが、心ここに非ず。家族との葛藤を抱えながら、4度のイラク遠征で過酷な戦場
から帰還するも、PTSDに悩み、同じ心の病で社会復帰できない帰還兵の支援を行っていたのだが…。

    
米軍最強のスナイパーと称されるクリス・カイル氏の自伝を基にした作品です。
ブラッドリー・クーパーの変貌に驚かされました。
都会派のシャープなイケメンだったのに…特殊部隊シールズの一員の役作りで肉体改造。
ほっぺたぷっくりの筋肉ダルマ体型に。
本作の映画化に奔走し、プロデュ―スにも名を連ね、イーストウッドを担ぎ出すなど、気合入ってます。
    
アメリカは銃社会、小学生?くらいでライフルを抱え、父と狩りに出るカイル。
帰還後、カイルも自分の息子を連れて狩りでます。この感覚には違和感を覚えます。
幼少期の父親の教育は強烈です。
「世の中には3種類の人間しかいない。羊とオオカミ、番犬だ」。
いじめられた弟を助けたのか?と聞く父に「Yes, sir!」とうなずくカイル。
じゃあ、お前は番犬だと、満足げな父。
力こそが正義という論理が植え付けられ、国家の番犬たる軍人の道を選ぶカイル。
              
壮絶な戦場。どこから襲ってくるかわからない敵。
女性や子供でも、気が抜けない緊張の中、神経をすり減らす兵士たち。
敵に撃たれ、命を落とす兵士たち。
普通の神経では耐えられないでしょう。
ここで思い出すのは2010年公開の「ハート・ロッカー」。こちらの主人公は爆弾処理班。
緊張を強いられるスナイパーと爆弾処理班。
戦場に適応できた兵士はアドレナリンジャンキーとなり、過度な緊張からくる昂揚感に取りつかれ、
戦場と帰国した穏やかな日常のギャップに心の平静を失っていく。
国に命を捧げ、一人でも多くに仲間を救うためとはいえ、伝説のスナイパーと称えられる時の
カイルの表情は固く、帰国後すぐに家には帰れず孤独に悩む姿が痛い。
戦場に適応しても、できなくても、病み、元の生活に戻ることができない大勢の兵士たちを
抱えるアメリカ社会の現実は厳しい。
      
           4度のイラク派遣を経て無事に帰国したというのに…。
     
戦場からアメリカの家族と携帯で会話ができるってことにちょっと驚きました。
本作を見て、チャップリンの「殺人狂時代」の台詞
   「一つの殺人は悪漢を生み、100万の殺人は英雄を生む」を思い出しました。


撮影はモロッコで行われたみたいです。映画の都ワルザザードかな?
エンドロールに音楽はなく、映画に関わった方々の名前が淡々と、静かに流れました。

妻役のシエナ・ミラー。本作同様アカデミー賞にノミネートされていた「フォックス・キャッチャー」にも
妻役で出演してましたね。


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 ***** 見た 映画 *****

 2月26日 「アメリカン・スナイパー」@ワーナーマイカルシネマ海老名
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ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情 The Disappearance of Eleanor Rigby:him/her 

2015-02-25 | 映画 ら行


ある夫婦の別れ、葛藤から再生までを、男女それぞれの視点を1本の映画のなかで描くのではなく、
それぞれ独立した2本の映画で描くという斬新な作品です。
上のチラシは二枚を合わせると主人公のふたりがカウンターごしに向かい合っているシーンになっていてなかなかシャレています。
面白い取り組みなのに、残念ながら公開館が少ないです。
有楽町のヒューマントラストかぁ~っと思っていたら、燈台下暗し。
横浜は関内にあるシネマリンで上映中~!
古い映画館でずっと公開していなかったようなのでここも閉館か~?と思っていたら
すっかりきれいになって昨年12月にリニューアルオープンされていたのです。
あちこちで閉館のニュースを耳にする昨今、嬉しいことです。
ここで2作を連続鑑賞。キャンペーン中ということでシャンプーとリンスのセットを頂きました。
 

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      ラ  ブ  ス  ト  ー  リ  ー  ズ
           コ ナ ー の 涙 / エ リ ナ ー の 愛 情
             The disappearance of Eleanor Rigby him/her

    **************************

 
ニューヨークのイーストビレッジ。
幼い子供を亡くし悲しみの中にいるコナーとエリナー。
死亡原因が語られないまま(ひょっとすると字幕には出ないけれど台詞の中で語られているのか?)
ストーリーが進行するので、ふたりの気持ちのズレがどこからくるのか?男女の感性の違いなのか?
という点でちょっと疑問が残りました。
  
             
                コナーとエリナーを演じるのはジェームズ・マカヴォイとジェシカ・チャスティン
しかし、過去の幸せな時、子供を亡くした悲しみの中での直接のぶつかり合い、
家族・友人とのそれぞれの関わり、再生の過程が、当事者両人のそれぞれの視点から描かれ、
同じ出来事がこんなに違って見えるんだなぁっと考えさせられました。
共に悲しみを乗り越えようとする夫コナーと一人でもがくエリナー。
両方の映画を見て初めて状況が掴めるシーンもあり、この手法、なかなか面白いです。

チラシのコピーが、言い得て妙です。
  「その時、彼は/彼女は 何を見ていたのだろう?
     女にはわからない、男の切なさ
     男にはわからない、女の秘めた想い」
「女性は共感を求めているのに、男性は答えを見つけようとする」とはよく言われる真実ですね。

これで思い出したのがニコール・キッドマン主演の「ラビット・ホール」。
同じく幼い息子を亡くした夫婦の葛藤と再生を描くストーリーでしたが、死亡の経緯があっての
ふたりの葛藤と再生だったのでこちらの方が共感するところ大でした。

「コナーの涙」→「エリナーの愛情」の順番で見たのですが、この順番で見た方が良いと思います。
調べていて分かったことですが、本作は2部作ではなく3部作!えーーー?!
同じ「The Disappearance of Eleanor Rigby」のタイトルで「Him」「Her」に加えて
「Them」があるようです。「Them」も同じ時間軸で描かれているようで、第3者の視点で描かれているのかしら?
是非見てみたいです。

エリナーの妹役で登場するジェス・ワイクスラーは人気TVシリーズ「グッド・ワイフ」に調査員役で
登場した美人女優さんです。



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 ***** 見た 映画 *****

 2月22日 「ラブストーリーズ コナーの涙」@横浜シネマリン

        「ラブストーリーズ エリナーの愛情」@横浜シネマリン

 
 2月23日 「ビオレッタ」DVD フランス映画
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フォックスキャッチャー

2015-02-19 | 映画 は行
何を隠そう(以前から公言していますが)、私はスティーヴ・カレルのファンです。
と言っても、日本での知名度は低いので「だれ?」っとお思いの方も多いでしょう。

     ダンディでしょ?ポスターの中央が同一人物とは思えない。
「ブルース・オールマイティ」スピンオフの「エバン・オールマイティ」「40歳の童貞男」
「リトル・ミス・サンシャイン」「ラブ・アゲイン」ゲット・スマート」など、
出演作はほぼコメディ。それも真面目に演じているところが面白いというちょっとユニークな
俳優さんです。
そんな彼が、見た目も変え、病的な主人公を寡黙に、不気味に演じ、アカデミー主演男優賞に
ノミネートされています。コメディ俳優さんが悪役を演じると、意外にはまります。
「マルサの女」の伊東四郎さんしかり、「ストーカー」「インソムニア」のロビン・ウイリアムズしかり。
両氏の悪役は非常に怖かったです。コメディとのギャップに恐ろしさが増す気がします。

1997年、デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンが起こした殺人事件とその背景を描く、実話に基づく
ストーリー。最近実話に基づくストーリーって多くないですか?
ビッグ・アイズ」もそうだったし、今年のアカデミー賞にノミネートされている「アメリカン・スナイパー」
「イミテーション・ゲーム」「博士と彼女のセオリー」「SELMA」もそう。
「事実は小説よりも奇なり」かな?


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           フ ォ ッ ク ス キ ャ ッ チ ャ ー

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 < ストーリー >
マークはLAオリンピックの金メダリストでありながら、練習もままならない苦しい生活を送っている。
ある日デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンから次期ソウルオリンピックで金メダル獲得を目指した
レスリングチーム「フォックスキャッチャー」に好条件で勧誘される。同じく金メダリストの兄デイヴ
からの自立を願うマークは申し出を受けデュポンの屋敷に移り住む。次第にデュポンのペースに巻き
込まれペースを乱すマイク。そんな中、デュポンに熱望され兄デイヴもチームに参加するのだが…。
           

ほんの18年ほど前の事件ですが、こんなことがあったとは全く知りませんでした。
オリンピックで金メダルを獲得しても生活は安定せず、練習環境は厳しいのですね。
日本では「人類最強の女性」連勝を続ける吉田沙保里さんのお蔭でレスリングはメジャーな
スポーツですが、やはりアマチュアスポーツの世界は厳しいのでしょうね。
伊調姉妹の如く兄弟で金メダリストのシュルツ兄弟ですが、兄に頭が上がらない弟マーク。
兄の庇護から抜け出して頼ったところが、マザコンで心に闇を抱えたジョン・デュポンとは。
   
    マークを演じるのはチャニング・テイタム。兄デイブを演じるマーク・ラファロ。
            
                    マークとコーチとなったデュポン。

本作のキャッチフレーズは「なぜ大富豪の御曹司は、オリンピックの金メダリストを殺したのか?」。
その答えを求めてジョンの奇行やコンプレックス、性格をマークとデイブとの関わりの中で描きだします。
     
         こういう人に銃器を持たしたら危険です!   
名家に生まれ経済的に恵まれた環境ではあったけれど、母のコントロールに縛られ、自尊心を
持てなかったジョン。鳥類学者で、切手蒐集家、慈善事業にスポーツ支援と様々な活動をするも
すべてお金があったればこそ。
本作によると、彼は皆から慕われ頼られる真の指導者・リーダーになりたかったのでしょう。
そして、彼の理想を体現するマークの兄デイブに激しい嫉妬を抱いた結果の悲しい悲劇だったようです。
狂気の人間に、罪のない人が命を奪われるのはなんとも…。
取り巻きの人たちは彼の異常な行動に気が付いていなかったのか?
なにせ莫大な財産を持っているから…なにも言えなかったんでしょうかねぇ?

本作では音楽が少ないのですが、劇中流れた曲の日本語字幕「名声が人を狂気に駆り立てる」みたいな
歌詞が本作にピッタリだなぁと、エンドロールで確認したらデビット・ボーイの「フェイム Fame」
という曲だったようです。

スティーブ・カレルは果たしてアカデミー主演男優賞をとれるのか?
アカデミーは女優賞に関しては特殊メイクが好きだけどね。
他のノミネート作品を見ていないから何とも・・・下馬評ではマイケル・キートンが有力のようですね。



 
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 ***** 見た 映画 *****

2月18日 「フォックスキャッチャ―」@横浜ブルク13
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おじいちゃんの里帰り  Almanya Willkommen in Deutschland

2015-02-12 | 映画 あ行
トルコ系ドイツ人2世の女性監督ヤセミン・サムデレリが妹と共同脚本を手掛け、
実体験を基に描く2011年ドイツ・トルコの映画です。
原題「Almanya 」はトルコ語で「ドイツ」を意味しているようです。
「Willkommen in Deutschland」は「ドイツにようこそ」。

1960年代半ば、移民としてドイツに定住したトルコ人一家3世代の家族の歴史や絆を、
優しいまなざしで描く素敵な作品です。

        ********************

         お じ い ち ゃ ん の 里 帰 り

        ********************

 < ストーリー >  
1960年代に労働力としてトルコからドイツに移住したイルマズ家のフセインは、一家を支えるため
45年間働き続け、子や孫に囲まれる大家族を築いた。妻の希望で夫婦でドイツ国籍を取得した後、
トルコに家を買ったのでみんなで見に行こうと提案する。反対していた家族も、フセインの故郷への
思いに押し切られ、全員でトルコへ行くことに。ドイツとトルコの狭間で、3世代それぞれが悩みや
思いを胸に、トルコへの旅が始まるが……。

戦後の高度成長期、ドイツではスペインやイタリアから労働者を受け入れても足らず、トルコからも
「ゲスト労働者」を受け入れることになった。そして1964年9月10日にはその数100万人を突破。
本作の主人公フセインは100万1人目の「ゲスト労働者」という設定です。「ゲスト」…ねぇ。

ちょっと調べたところによると、2011年の国勢調査でドイツの人口の約19%が移民の系統。
最大の民族集団はトルコ人250万人、次いでイタリア人80万人弱、ポーランド人70万人弱。
本作にも出てきますが「労働者はトルコ人以外ない」とドイツ人にいわせるほど、トルコ人は
働き者ということで大勢を受け入れたようです。
1987年以降は、東ヨーロッパや旧ソ連から、2011年以降はギリシャ・スペインなど南欧からの流入が
増えているそうです。トルコ移民が多いとは知っていましたが、ドイツがこんなに多くの移民を
受け入れているとは知りませんでした。
ところが、火曜日10日の日経夕刊で、2000年頃までドイツは外国人労働者を移民と認めずずっと「出稼ぎ労働者」として扱っていたとのこと、ちょっと驚きました。

孫息子チェンク(この子、メッチャかわいいーーーんです!)の学校では、それぞれの家族の出身地を聞き
地図の上に旗を立てるのです。地図の上にはヨーロッパ中に旗が立っていて、ドイツが多民族国家
であることを思わせます。

    
トルコからドイツに移り住み、一生懸命働きながら一家を支えてきたフセインも70代。
4人の子どもや孫たちに囲まれて穏やかな日々を送っていたが、息子や孫たちは
それぞれ悩みを抱えていた。
ドイツ国籍をとっても、望郷の念断ちがたく、トルコに買った家を見に行こうと誘う1世フセイン。
フセインも妻ファティマもドイツ語はあまりうまくない。
トルコ生まれの長男、次男と長女、ドイツ生まれの三男の4人の子供たちは2世。
妻とうまくいっていない長男、失業中の次男。
学校のサッカーチームでドイツ人チームに入るかトルコ人チームに入るかで頭を悩ますチェンクと
英国人の恋人の子供を妊娠し悩む女子大生のチャナンは3世。

映画は過去と現在の映像を交差させ、二つの国の文化の狭間で揺れるフセイン一家の今に至るまでの
人生を振り返りながら、ドイツ社会の過去と現在、トルコ人労働者のドイツでの状況、
トルコの昔と今を優しいまなざしでユーモアを交えて描きます。

フセインを演じる役者さんは、ふたりともとてもチャーミングです。
若い頃のばあちゃんとの恋話は微笑ましく、一家の長として大家族を纏める爺ちゃんフセインは
老いても子や孫に目を配りみんなの心の支えです。
故郷アナトリアへの旅の途中で亡くなるのですが、フセインとの最期の旅をとおして家族は団結し、
みんな元気を取り戻す。

と~ってもいい映画です。
幼いチャンクに話しかける言葉、最後の孫娘チャナンのナレーションも心に響きます。
バスで家族が移動ってことで、ちょっと「リトル・ミス・サンシャイン」を思い出しましたが、
本作はいろんな問題が起こっても、激しく口論する欧米の映画と違って、なんだか温かく優しい。
フセインをはじめ、幼いチャンクもトルコ人であることに誇りを持っています。
是非見ていただきたい作品です。(2011年の作品で、DVDが出ています)




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 ***** 見た 映画 *****

 2月11日 「余命90分の男」DVD ロビン・ウイリアムズの主演遺作、ミラ・クニス共演
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おみおくりの作法   STILL LIFE

2015-02-09 | 映画 あ行
非常に前評判のよい本作、シネスイッチ銀座まで行かないとダメかなぁと思っていたら
何と!横浜ジャック&ベティで既に公開しているではないですか!!
早速、水曜日レディースディに行ってきました。
いつもは10分前到着を目指して出かけるのですが、たまたま1時間前に到着。
まぁ本でも読んで待っていようなんて考えていたのですが…チケットに整理番号が付いていて
私は既に88番!開始20分前にはチケット完売!
開場30分前には劇場の外まで整理番号順に列を作るよう指示がでて、開場を待ちました。
席はぎっしり!すべて埋まり、両通路と最後部座席後ろに補助席が並べられました。
今までジャック&ベティには何度も来ましたが、こんなことは初めてです。
本作の人気のほどがうかがえます。

     **************************

           お み お く り の 作 法  STILL LIFE 

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 < ストーリー >
ジョン・メイは、ロンドン南部ケニントン地区の民生係だ。孤独死した人々の葬儀を執り行うのが
彼の仕事だが、律儀なジョンは死者に敬意を払い、亡くなった人々を見送るため遺品から身内を捜し
故人をおくるために尽力していた。ある日、効率を重んじる上司に解雇を言い渡される。
最後の仕事、自宅の向かいに住むアル中のビリーという男を弔うため身内を捜すジョンだったが…。

        
22年間、民生係の仕事を律儀に勤めてきたジョン・メイ。
おそらく、彼は判で押したように同じ時間に起き、食べ、出勤し、帰宅、就寝という日々を
送ってきたのでしょう。孤独な故人をおくるジョンも、孤独で単調な生活を送っている。
すぐに埋葬するのではなく、遺品を調べ、何とか身内や友人を捜して亡くなった人を見送りたいと、
丁寧に調査を行うが、ほとんど身内は見つからずジョン一人で見送ることに。
彼が作る故人のファイルは、その人が生きた証。
人生の幕引きに誰も立ち会う人がいないというのはなんとも寂しい。
故人のために弔辞を書き、おくる音楽に工夫を凝らし、誠意をもって仕事に取り組んできたのに、
時間も費用も掛かり過ぎると解雇を言い渡される。
解雇にも感情をあらわにすることのないジョン・メイだが、最後の仕事となったビリーの身内探しに
今まで以上の情熱を傾ける。
    
            
             ビリーの娘役は「ダウントン・アビー」のジョアンヌ・フロガット。
次第に明らかになってゆくビリーの人生。
ビリーを知る元同僚、恋人、戦友らの話から浮かび上がるビリーの人となり。
やっとたどり着いた娘は、幼い頃別れた父との関わりに消極的だったが、何度か説得し墓所や葬儀に招くジョン。
彼のさり気ない遺族への思いやり、旅を通して生じる彼の心の変化や、初めてみせる笑顔に、
私たち観客もホッとした気持ちになるのだが・・・。
モノトーンだった彼の生活に、やっと色が差し始めた途端に起こる驚きの結末!!!
劇場中で息をのむのが感じられました。
そして・・・エンディングに涙があふれました。


原題の「Still Life」。
辞書で引くと「静物画」という意味もあるようですが、本作では「それでも人生」というような
意味でしょうか? どんな人生にも価値があるっと。

主演のエディ・マーサンの静かな演技が光ります。
地味ですが、ユーモアもあり、とてもいい映画です。
満員御礼になるのもむべなるかな。
今年のベスト5(3と言いたいところですが、まだ2月上旬なので)に入る映画です。




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天空からの招待状 Beyond Beauty

2015-02-05 | ドキュメンタリー
昨年末、久しぶりに会う友人とシネマート六本木で本作を見て、ティム・バートン展へ行くはずが、
残念ながらキャンセルとなり、バートン展もいつの間にか終了してました
六本木は遠いなぁ~と諦めていたところ、横浜で公開しているのを発見!
横浜みなとみらい地区にあるブリリアショートショート劇場です。ここに来るのは初めてです。
短編映画好きの別所哲也氏がショートフィルム専門シアターとして設立したという劇場で、
よく行っていた109シネマズMM横浜から海側へ、高層マンションの立ち並ぶ住宅エリアの中にありました。
109シネマズより海側に行ったことがなかったので迷いました。
住宅エリアだと思うのですが、歩いている人がほとんどいなかったのです

今週末は別所哲也さんとリリコさんのバレンタイン?トークショーがあるようで
チケットは完売とのことでしたが、本作上映のお客さんは疎ら。
7周年ってことでしたが、お客さんがこんなに少なくて大丈夫?っと、ちょっと
心配になりました。
よく通った109MM横浜が先月末で閉館しちゃったからなぁ・・・残念です。

     ********************

         天 空 か ら の 贈 り 物

     *******************

  
うん十年前のことですが、私の初の海外旅行は台湾でした。
沖縄から船で台北に着き、故宮博物館、高雄、日月潭、最南端の岬(鵝鑾鼻 がらんび)、花蓮など
ぐるっと一周したのです。戒厳令下で海に向かって写真を撮ってはいけませんっと注意されたのを
覚えています。
台湾全土を空撮する映画を撮ってもオッケーって、時の流れを感じます。

全編空撮で台湾の現在の姿を映し出すドキュメンタリーです。
長年、航空写真家として空から台湾を撮り続けてきたチー・ポーリン監督。
険しい岩山群や穏やかな緑の山々、島国台湾の海岸、田園など美しい自然の風景、
畑で働く人々や台北101に象徴される都市を、上空からダイナミックに、
まるでモーターパラグライダーに乗って飛んでいるような感覚で見せてくれます。

ところが、美しい自然だけではなく、中盤からは工場の煙突から吐き出される煙や、
廃水で赤く染まった河川といった今ここにある現実の危機にも目を向けています。
    
美しい自然に目を奪われ、同時に環境を破壊していく人間の営みを見せつけられます。
そんな中、昔ながらの農法に取り組む人たち、収穫を楽しむ人々の暮らしをみると
とてもホッとしました。
       

日本のテレビ番組で上空から都会の街並みを眺めるってのがありますが
四季折々の山や海岸、美しくも険しい大自然なども合わせて
日本版「天空からの招待状」も見てみたいですね。

高度成長期の開発に沸く国々の空撮映像は自然と破壊のコントラストがより強烈に
写し出されます。日本ならさしずめ60年代~70年代でしょうか。

本作はぜひ大スクリーンで見ていただきたいです。




 
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 ***** 見た 映画 *****

 2月4日「天空からの招待状」@ブリリア ショートショート劇場

     「おみおくりの作法」@横浜ジャック&ベティ
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マッキ― Makkhi

2015-02-03 | インド映画
昨年、劇場公開を見逃したインド映画、DVDで鑑賞しました。
日本で「マッキ―」といえば槙原敬之かゼブラのフェルトペンですが、ヒンディー語では「ハエ」のようです。

「ハエ」で思い出すのは1958年製作の「ハエ男の恐怖 The Fly」。
子供の頃テレビで見て「スター・トレック」の転送~にハエが紛れ込んだらこんなことになるのっと
一つ間違えると科学の進歩には恐ろしいこともあるのね~!とワナワナ。
自ら命を絶った博士の心情、顔が人間のハエを思わず殺してしまう警部に博士の恋人が言い放つ言葉に、子供ながら戦慄を覚えました。この映画は心にしっかりと刻み込まれました。
キワ物っぽいタイトルですが名作です。 詳しくはウィキでどうぞ。

本作はそんなシリアスなハエ話ではなく、ハエが戦うハチャメチャコメディー。
笑えます!
     

     ****************

          マ ッ キ ―   Makkhi

     ****************


 < ストーリー >
向かいの家の美人慈善活動家ビンドゥに2年越しの思いを寄せるジャニ。
一方、表向きは立派な建設会社の社長で、裏で悪事を働くスディープもビンドゥを見染める。
ある日、ビンドゥに想いを伝えたジャニはまんざらでもない様子のビンドゥに有頂天。
ところが、女はみんな自分に靡くと思っていたスディープは激怒し、ジャニをなぶり殺してしまう。
この世に思いを残したジャニの魂は小さなハエとして転生。恨みを晴らし、ビンドゥを守るため
ハエとなったジャニは果敢にスディープに立ち向かう。

    
        つれない態度だったビンディが実はジャニを愛してたって

前半ジャニが人間の間は、ベタな従来のインド映画っぽくって…
ところが、ハエに変身してからのジャニ(っといってもハエですが)の活躍というか、
敵役のスディープの演技がおかしくって笑っちゃいます。
よりによって、何で「ハエ」に転生するのか?とも思いましたが、「ハエ」だから面白い!

      
         ビンドゥを守るため彼女の元に飛んできたマッキ―・ジャ二。彼女は美人です。

     
       サウナで手足が出せないスディープに狙いつけるマッキ―・ジャニ。
極悪非道のスディープ役の役者さん、ダンディーなハンサムさんなのに…ハエに追っかけられて
キリキリ舞いさせられます。
ちっちゃなハエの姿で大真面目に復讐に燃えるマッキ―・ジャニと迎え撃つスディーブ。
「ハエ」がヒーローの奇想天外なストーリーなのですが、思わずマッキ―に肩入れし
満身創痍で愛する人を守るために戦う勧善懲悪の王道復讐劇にすっかりのせられてしまいました。
GO!GO!マッキー!

   
       ビンディにゴーグルとマスクを作ってもらって、いざ出陣~!

それにしても、ジャニ役の役者さん。この方もハンサムさんなのに出番が短い!




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ジャッジ 裁かれる判事 THE JUDGE 

2015-02-02 | 映画 さ行
ロバート・ダウニー・Jrとロバート・デュバル主演の法廷劇です。
いえ、息詰まる法廷劇でありながら、父と息子の葛藤の方に重きを置く家族劇です。

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         ジ ャ ッ ジ  裁かれる判事

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 < ストーリー >
ハンク・パルマ―は金持ちを強引に無罪することで知られるやり手の弁護士だ。
母の訃報を受け、複雑な思いを抱きつつシカゴからインディアナの田舎町に帰郷する。
彼の父ジョセフ・パルマーは42年間町の判事として信頼を集めている。ハンクは長らく父と
絶縁状態にあった。葬儀の後シカゴに帰ろうとするハンクに、父が殺人事件の容疑者として
逮捕されたと電話が入る。当初は事故と思われたが父に不利な証拠が見つかりハンクが弁護人を
務めることになりるが、疑わしき証拠が浮上し・・・。

舞台は大都会シカゴの摩天楼から、一気に緑豊かなインディアナ州の小さな田舎町へ。
ハンクには兄と弟がおり、兄は事故で野球選手を断念しタイヤ店を営んでいること、
弟は知恵遅れで父と暮らしていることなどが明らかになってゆく。
     
       兄と弟、登場した時は3人の関係が掴めなくて…

父と息子の葛藤はハリウッド映画でよく取り上げられるテーマの一つ。
父とハンクが長らく絶縁状態にある理由や町を出た理由がなかなか明かされず、
どうして?という好奇心に突き動かされ最後まで引きつけられました。

息子には、幼い頃優しかった父が、思春期になると権威を振りかざす反発の対象となる。
一方父は、可愛かった息子が手に負えなくなり道を踏み外すのではないかと恐れるようになり、
判事という立場から必要以上に強権的な態度をとる。
過去に裁いた忌まわしい事件、兄の不幸な事故などが絡み合う20年にわたる確執が、裁判の過程で
明かされます。
         
           アイアンマンスーツより、こっちのスーツ姿の方がクール!

子どもは親に(父に)褒めてもらいたかったんだよね。
ハンクが父と同じ法律の道を選んだのも、父に褒めてもらいたかったからなんじゃないかな?

そして大人になった息子と老いてゆく父。
親と子の力関係はある時点で必ず逆転しますが、本作で描かれるシーンは胸にジーンときました。
老いても判事としてのプライドを持ち続ける父、老いた父を刑務所に送りたくない息子。
ハンクの父への反発は、嫌悪から愛情へと姿を変え、頑なな心を溶かし彼から優しさを引き出してゆく。

   
      元カノを演じるベラ・ファミーガ。この方、いつも色っぽいわぁ。
        
           ハンクと対峙する検事を演じるのはビリー・ボブ・ソーントン。
           出演シーンは少なかったけれど、存在感あり。

重厚な見応えのある作品でしたが、陪審員を選ぶシーンなど笑いを誘い飽きさせません。

エンディング「The Scientist」を歌うウイリ―・ネルソンは、陪審員を選ぶシーンでも名前が出て、
笑っちゃいました。







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 ***** 見た 映画 *****

 2月 1日 「WORLD'S END 酔っ払いが世界を救う」DVD サイモン・ペグ主演
 
 

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