インド映画(といっても監督は英国人の英国映画)を見るのは「ムトゥ、踊るマハラジャ」以来。
1998年頃、この映画でちょっとしたインド映画ブームがあったけれど、
あれは一体なんだったんでしょう?
ハンサムとは言えないインド人男優とエキゾチックな美人女優さんの歌って踊るエンターテインメント。
確かに新鮮ではありましたが・・・?
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
スラムドッグ$ミリオネア SLUMDOG MILLIONAIRE
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
< ストーリー >
テレビクイズ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、
あと一問で最高金額の賞金を獲得するところまできたジャマール(デヴ・パテル)だったが、
スラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。
何故教育も受けていないスラム育ちの青年が正解を知りえたのか?
警察の尋問に、望まないのに答えを知ることになった自分の過酷な生い立を語るジャマール。
そして彼がクイズに参加した理由が明らかになる。
このクイズのオリジナルタイトルは「Who wants to be a millionaire? 富豪になりたいのは誰だ」
なんですね。
「100万とある映画の中で、唯一無二! USAトゥデイ紙」とか
「4つ星では足りないほど。マスターピースと呼べる傑作! ニューヨーク・ポスト紙」なんて
新聞・雑誌のレビューの評判が高い上に、
アカデミー賞8部門、ゴールデングローブ賞など多数獲得とくりゃ~、期待が高まるってもんです。
映画館も満席でした。
でも正直な感想は、「なんでこの映画がこんなにうけたんだろう?」というものでした。
この不況時に、景気のいいアメリカンドリームならぬインディアンドリ~ムの実現ってのがうけたんでしょうか?
アメリカのみならず日本でも、どの感想を見ても絶賛の嵐!
なのに・・・そんな波にいま一つ私が乗り切れなかったのは何故なんだろう?
予告編でうるうるしてしまうほど涙もろい私としては
「きっと泣いちゃうよなぁ」と判断、ハンカチとティッシュを膝に置き準備万端で臨んだんだけれど・・・。
良くなかったというのじゃなくて、いい映画だけれどアカデミー賞を総なめするような映画かな?
「単なる賞賛ではない。狂おしいほどの愛を感じる!byローリング・ストーン誌」ってほどかなぁ?
ということなんです。
冒頭からムンバイのスラムで逞しく生きる兄弟の姿がテンポ良く描かれ、
インドのエネルギーや活力溢れる雰囲気が、カラフルな映像と音楽で迫ってくる。
子役達も家計を助ける為に働き、悪さもしたりして街中を走り回る。
その生き生きした瞳に惹きつけられる。
昨今こんな瞳の子供たちに日本で出会うことは難しい。
宗教的な暴動で母を亡くした二人は、生きるために必死で頑張る。
そんな孤児に物乞いをさせたり、歌を歌わせてを食い物にする組織の大人たち。
そんな魔の手から逃げ、二人で放浪しながら逞しく成長する。
美しい観光名所タージマハルで見よう見まねでもぐりのガイドをやったり、靴を盗んで売りさばいたり。
そんな危ない橋を渡る日々の中で、悲しい出来事を通して知りたくも無かった知識が
クイズの答えになっている。
兄にとっては金儲けをしてのし上がる事が、
ジャマールにとっては組織から逃げる時に助けられなかったラティカとの再開が生きる目標となる。
クイズに出場したのも、見失ったラティカがこの番組を見ていること知ったから。
監督のダニー・ボイルは、
「運命を信じ、愛を信じて突っ走れば、お金がなくても大切な何かを掴むことができる」
ことを見る者に教えてくれる映画だと語っておられます。
「 運命」が意味するところはという質問には、
「定義づけるのは難しい。撮影前は運命とは、人間を受身にさせるとして、
ネガティブに捉えているところがあったが、そうではない。
インドの人々は、運命を受け止めることで変化が生まれると考えている。
時に良いカードが配られることもあれば、悪いカードが手許に来ることもあるんだ、と。
実際、撮影で良くないことが起きても、長期的に見たら良い方向に転がったりということがあった。
理解不能ではあるが、ありのままを受け入れるということは学びました」と。
ええこと言うてんのに、あれ~、理解不能なんかいな?
ここで、何故いま一つだったのか?をもう一度考えてみると・・・
まず、この「どんなに困難で~くじけそうでも、必ず最後に愛は勝つ!」
みたいな非現実的な美しすぎるラブストーリー
出来過ぎたサクセス質問の数々(こないに上手いこと知ってる問題ばっかり出えへんよ!)
そして何より、主役ジャマールを演じるデヴ・パテル君の面構えが
私にはどう見てもスラムの過酷な環境を生き抜いてきた人に見えなかったってことじゃないかな?
二枚とも左端がジャマール君 ラティカ、きれ~い!
と思って調べてみたら・・・、
子役達は本当にスラム育ちらしいけれど、やっぱり彼はロンドン生まれの英国人。
映画を見て帰宅後パソコンを開いたら・・・
「ラティカの子供時代を演じた9歳の子役少女を父親が人身売買!?」のニュースが!
上の写真の真ん中にいる子役ちゃんです。
この話、英国タブロイド誌「News of the World」が少女の父親に持ちかけた偽の引っかけ話だったそうで
ドバイの富豪が2000万ルピーで養子縁組するというもの。
一度は話に乗った父親(現在は否定)も、タブロイド誌もどっちもどっちって話だけれど、
2000万ルピーってジャマールのクイズ獲得金額じゃない?!
日本円にして約4000万円。
見事に映画にオチを付けたスキャンダルですね。
因みにオリジナルの英国でのクイズ賞金は100万ポンド!日本円にして1億3000万円だそうです。
確かに人生変わるよね~。 ファイナルアンサー!
私は最後のダンス、アリだと思いますインド映画だも~ん。
でも、インドの人たちはスラムを描くこの映画をどう評価しているんでしょうね?知りたい。
***** 見た 映画 *****
4月20日 「スラムドッグ$ミリオネア」@109シネマズMM横浜
1998年頃、この映画でちょっとしたインド映画ブームがあったけれど、
あれは一体なんだったんでしょう?
ハンサムとは言えないインド人男優とエキゾチックな美人女優さんの歌って踊るエンターテインメント。
確かに新鮮ではありましたが・・・?
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
スラムドッグ$ミリオネア SLUMDOG MILLIONAIRE
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
< ストーリー >
テレビクイズ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、
あと一問で最高金額の賞金を獲得するところまできたジャマール(デヴ・パテル)だったが、
スラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。
何故教育も受けていないスラム育ちの青年が正解を知りえたのか?
警察の尋問に、望まないのに答えを知ることになった自分の過酷な生い立を語るジャマール。
そして彼がクイズに参加した理由が明らかになる。
このクイズのオリジナルタイトルは「Who wants to be a millionaire? 富豪になりたいのは誰だ」
なんですね。
「100万とある映画の中で、唯一無二! USAトゥデイ紙」とか
「4つ星では足りないほど。マスターピースと呼べる傑作! ニューヨーク・ポスト紙」なんて
新聞・雑誌のレビューの評判が高い上に、
アカデミー賞8部門、ゴールデングローブ賞など多数獲得とくりゃ~、期待が高まるってもんです。
映画館も満席でした。
でも正直な感想は、「なんでこの映画がこんなにうけたんだろう?」というものでした。
この不況時に、景気のいいアメリカンドリームならぬインディアンドリ~ムの実現ってのがうけたんでしょうか?
アメリカのみならず日本でも、どの感想を見ても絶賛の嵐!
なのに・・・そんな波にいま一つ私が乗り切れなかったのは何故なんだろう?
予告編でうるうるしてしまうほど涙もろい私としては
「きっと泣いちゃうよなぁ」と判断、ハンカチとティッシュを膝に置き準備万端で臨んだんだけれど・・・。
良くなかったというのじゃなくて、いい映画だけれどアカデミー賞を総なめするような映画かな?
「単なる賞賛ではない。狂おしいほどの愛を感じる!byローリング・ストーン誌」ってほどかなぁ?
ということなんです。
冒頭からムンバイのスラムで逞しく生きる兄弟の姿がテンポ良く描かれ、
インドのエネルギーや活力溢れる雰囲気が、カラフルな映像と音楽で迫ってくる。
子役達も家計を助ける為に働き、悪さもしたりして街中を走り回る。
その生き生きした瞳に惹きつけられる。
昨今こんな瞳の子供たちに日本で出会うことは難しい。
宗教的な暴動で母を亡くした二人は、生きるために必死で頑張る。
そんな孤児に物乞いをさせたり、歌を歌わせてを食い物にする組織の大人たち。
そんな魔の手から逃げ、二人で放浪しながら逞しく成長する。
美しい観光名所タージマハルで見よう見まねでもぐりのガイドをやったり、靴を盗んで売りさばいたり。
そんな危ない橋を渡る日々の中で、悲しい出来事を通して知りたくも無かった知識が
クイズの答えになっている。
兄にとっては金儲けをしてのし上がる事が、
ジャマールにとっては組織から逃げる時に助けられなかったラティカとの再開が生きる目標となる。
クイズに出場したのも、見失ったラティカがこの番組を見ていること知ったから。
監督のダニー・ボイルは、
「運命を信じ、愛を信じて突っ走れば、お金がなくても大切な何かを掴むことができる」
ことを見る者に教えてくれる映画だと語っておられます。
「 運命」が意味するところはという質問には、
「定義づけるのは難しい。撮影前は運命とは、人間を受身にさせるとして、
ネガティブに捉えているところがあったが、そうではない。
インドの人々は、運命を受け止めることで変化が生まれると考えている。
時に良いカードが配られることもあれば、悪いカードが手許に来ることもあるんだ、と。
実際、撮影で良くないことが起きても、長期的に見たら良い方向に転がったりということがあった。
理解不能ではあるが、ありのままを受け入れるということは学びました」と。
ええこと言うてんのに、あれ~、理解不能なんかいな?
ここで、何故いま一つだったのか?をもう一度考えてみると・・・
まず、この「どんなに困難で~くじけそうでも、必ず最後に愛は勝つ!」
みたいな非現実的な美しすぎるラブストーリー
出来過ぎたサクセス質問の数々(こないに上手いこと知ってる問題ばっかり出えへんよ!)
そして何より、主役ジャマールを演じるデヴ・パテル君の面構えが
私にはどう見てもスラムの過酷な環境を生き抜いてきた人に見えなかったってことじゃないかな?
二枚とも左端がジャマール君 ラティカ、きれ~い!
と思って調べてみたら・・・、
子役達は本当にスラム育ちらしいけれど、やっぱり彼はロンドン生まれの英国人。
映画を見て帰宅後パソコンを開いたら・・・
「ラティカの子供時代を演じた9歳の子役少女を父親が人身売買!?」のニュースが!
上の写真の真ん中にいる子役ちゃんです。
この話、英国タブロイド誌「News of the World」が少女の父親に持ちかけた偽の引っかけ話だったそうで
ドバイの富豪が2000万ルピーで養子縁組するというもの。
一度は話に乗った父親(現在は否定)も、タブロイド誌もどっちもどっちって話だけれど、
2000万ルピーってジャマールのクイズ獲得金額じゃない?!
日本円にして約4000万円。
見事に映画にオチを付けたスキャンダルですね。
因みにオリジナルの英国でのクイズ賞金は100万ポンド!日本円にして1億3000万円だそうです。
確かに人生変わるよね~。 ファイナルアンサー!
私は最後のダンス、アリだと思いますインド映画だも~ん。
でも、インドの人たちはスラムを描くこの映画をどう評価しているんでしょうね?知りたい。
***** 見た 映画 *****
4月20日 「スラムドッグ$ミリオネア」@109シネマズMM横浜
トラックバック先を2度も間違えてしまいましたので、恐れ入りますが、トラックバックを削除していただけないでしょうか?すいません。
確かに、過去の生い立ちがクイズの答えになっているというのは、出来すぎかもしれませんが、それでもラティカを一途に思い続ける気持ちは、分かる気がします。
また、インドの歴史的背景や宗教的関係を改めて認識できたこともこの映画を見た収穫だと思いますね。
エンディングのダンスシーンもインドらしくて良かったと思います!
実は、僕もryokoさんと同じ神奈川の住まいなんですが、この作品はそんなに多くの映画館では上映してませんよね。
ですので、僕はTポイントも貯めたかったので、新百合ヶ丘まで行きましたが、遠出しても見る価値はありましたよ!
これからもちょくちょく映画を見て記事にするので、時間の空いたときなどにまた遊びに来てください♪
>インドの人たちは・・・
同感です。
世界が選んだ1本と称されてますが、全て欧米の意見なんですよね。
インドの活力、躍動感や子供達の逞しさを感じるのですがアカデミーを総なめはちょっと・・・ってことなんです。
はい、ブログにお邪魔させていただきます。
こちらにも、いらして下さいね。
最近のハリウッド映画では感じられない躍動感ある映像に魅かれました!!
その上で,脚本,音楽,演出もかなりレベルが高かったと思います.あと監督の情熱・・・
最近のCGによる精気のない映像,いい加減な脚本,CGに頼った工夫のない演出等に,一石を投じた作品なのではないでしょうか・・・(・・?)
ちょっと褒めすぎかな~!!
確かに、今まであまり見たことが無い躍動感がありましたね。音楽や細い路地を駆け抜けるっていうのも影響もあるのでしょうか?
警官に追われながら逃げ回る幼い二人の生き生き、キラキラとした表情!いい顔してましたね~。
今やCGを使えばどんな映像でも創れるらしいですからね~。私もCG多用はちょっと・・・って思います。
しゅーさん、べた褒めですねぇ~
自分も、「そこまで良いか?」と思ってしまったのが、結局はたまたま答えを知ってる問題ばかりが出ただけにすぎないという点で、同じような感想を書かれていたので、かなり共感してしまいました。
確かに良い映画なんですが、気になってしまったんですよねぇ。
子役達の瞳は本当に良かったですね~
共感していただき嬉しいです。
巷での評判があまりに良かったので・・・やっぱり「そこまで良いか?」とあまのじゃくなこと書いちゃいました。
しかしインドって、躍動感というかパワーを感じますねぇ。子ども達の笑顔やキラキラした瞳が印象的でした。
そうですね、ぼくもこの映画が、オスカーを総なめするほどの作品なのかなあ、と疑問に思いました。
ステロタイプの見解かもしれませんが、アメリカの金融危機に端を発した世界経済の低迷時に、インドのパワーや希望の光が受けたのかなあと思いました。
あまりにも絶賛されていて、そこまでいいかなぁ?と、思っちゃいました。
確かに子どもたちをはじめ、パワーとか躍動感、エネルギーを感じましたね。
その上、大金のかかった最後の質問があれって・・・文化の違いを感じました。