映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

ちいさな哲学者たち

2011-09-30 | ドキュメンタリー
東京で公開していた本作、やっと横浜で公開です。
フランスの公立幼稚園で3歳から5歳の園児を対象に2年に亘って行われた「哲学」授業の
取り組みを見つめたドキュメンタリーです。

      *********************

           ち い さ な 哲 学 者 た ち

      **********************


            
             
ちっちゃな子供たちが「フィロソフィー」って言うのが可愛らしくって可愛らしくって
私たちがイメージする難解な「哲学」ではなく、身近で普遍的な問い「愛ってなに?」
「友だちとは?」「自由とはどういうこと?」「命とは?」「死ぬとは?」「豊かさとは?」
「肌の色が違うのは?」「大人と子供はどうちがうの?」など、
易しいことから、大人でも答えにくいテーマまで、平易な言葉で「議論」します。

でもそこはそれ、やっぱりおフラ~ンス。
子供たちはなかなかのおマセさん。
「誰と誰が付き合っている」だの、「もう付き合ってないから」だのの園内恋愛話や、
「好き同士だからチューする」とか「お母さんとのチューとは違うよ」な~んて
照れながら、大真面目で言っちゃいます。


冒頭「子守するだけの保母に、なんで大学院の修士号が必要なんだ?」という会話が聞こえる。
この映画を最後まで見れば、ちいさな無垢な子供と接する幼稚園の保母さんこそ、
多岐に渡る専門的な知識豊富な方になってもらいたいという思いを深くしました。


哲学のアトリエで園児たちを導くのはパスカリーヌ先生。
教室に集まった子供たちは車座に座り、
ロウソクに灯を点けて、さぁ「フィロソフィ」の始まり始まり~。

まず、「頭の中で何をするの?」の質問に「考える」という答え。
「考えたら次はどうする?」の質問に、口から出す仕草。
「そう、言葉をだして、話すんだよね」と先生が促がす。
急かさず、時間をかけて、子供たちの口から言葉が出てくるように声をかけるのって難しい。

当初は初めての試みに戸惑い無反応だった園児たち。
卒園の頃になると、「小学校でもフィロソフィしたいな~」という言葉が口々に。

園児たちを見ていると、フランスの社会事情が垣間見れます。
子供たちの人種は様々。白人、アフリカ系やアジア系。
アルジェリアの親戚やセネガルの別荘の話。
「フランスでは無理だけれど、セネガルに行ったら一人で外出しても大丈夫」なんて話や、
知り合いのおじさんが警察に捕まってアフリカに送還される話。
「パパとママは結婚していないから・・・」というのは「ユニオン・リーブル」というヨーロッパ
で社会的に認められた非婚カップルの形態が多いことを反映しているのでしょう。

多くの問題を抱え、荒れた中学の国語(つまりフランス語)クラスをドキュメンタリータッチで
描いた映画「パリ20区、僕たちのクラス」と多民族の生徒が集まるというクラス構成は
よく似ています。
この幼稚園がどういう地域にあるのかよくわからないので安易に比較することはできませんが
「三つ子の魂百まで」、自分で考え自分の意見を伝えるという訓練をこの時期に身につけた子供たちの
10年後、20年後は楽しみです。

意見の対立で手を出した男の子に、
「人と意見が違う時は叩いていいの?まず話して気持ちを伝えよう」という先生の言葉に頷く子供。
自分で考え言葉にして伝え、他の人の異なる意見に耳を傾け、また考える。
先生も子供たちも試行錯誤しながら、親をも巻き込み家庭でも話し合う。

心豊かな子供を育てるにはこういう教育が必要なんだろうなぁ。


翻って、
何でも早く、簡単に、便利にと効率ばかりを追求し、キレやすくなった現代社会の状況を思うと、
「答えのない問題」に時間をかけ、考え、話し合い、意見が違っても「それはそれ」と仲良くできる
という心の余裕が、ちっちゃい子どもたちのみならず、大人にも必要なんじゃあないかなぁ
と感じた次第でございます。




にほんブログ村 映画ブログへ




 ***** 見た 映画 *****

 9月27日 「抱きたい関係 NO STRINGS ATTACHED」DVD 
                ナタリー・ポートマン、アシュトン・カッチャー主演

 9月28日 「シチリア!シチリア!」DVD

インサイド・ジョブ  世界不況の知られざる真実

2011-09-26 | ドキュメンタリー
経済は苦手です。
でも、「リーマン・ショック」がどうして起こってか?を知りたくてレンタル。

今年アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した映画です。
他にも、全米監督協会賞、脚本家組合賞、映画批評家賞など多くの賞も受賞しています。



    **********************

        イ ン サ イ ド ・ ジ ョ ブ
            世界不況の知られざる真実

     **********************



本作を映画館で見たら・・・「とんでもない奴ちゃなぁ~」で終わりだったと思います。
DVDなので、わからない所やウトウト船を漕いで見逃した所を巻き戻し、巻き戻し鑑賞。

「何なんだー、こいつらは?!」(思わず言葉が荒くなりました)
「こんなことがまかり通るんか~?!」
「やりたい放題やないか~?!」と、怒りがこみ上げたあと、脱力感
日本の政治にもがっかりし通しだけれど、アメリカも同じやなぁ・・・オバマのチェンジは期待薄。


リーマン・ショックを始めとする世界金融危機の実態を、それに係わった専門家・政治家への
インタビューを交えて暴いていきます。

2000年のアイスランドの規制緩和による金融破綻から始まって、
パート1で、これまでのアメリカ金融界の歩みについて丁寧に説明されます。
1929年の恐慌後作られた厳しい規制が80年代以降の規制緩和により撤廃。
どうも1981年レーガンが大統領になったころからリーマン・ショックへのカウントダウンが
始まっていたようです。
80年代から銀行は規模も資本金も巨大化、銀行マンの給料はうなぎのぼり。
メリルリンチCEOが財務長官に任命され、グリーンスパンがFRB議長に。
クリントン、ブッシュも一路規制緩和を踏襲し、元銀行マン、元証券マンが次々と財務省やFRBの要職へ。
銀行、投資銀行が資金洗浄・粉飾決算・詐欺行為に次々関与し逮捕者を出す。
このあたりから、正直「どないなってんの?!」って感じ。

90年代は、規制緩和と金融工学デリバティブを生む
冷戦終結で多くの物理学者や数学者が専門知識を戦争でなく金融市場に応用したって・・・
ある意味とんでもない爆弾やないですか?! 冷戦終結の影響って、ゴルバチョフもビックリやね。

そして、
投資銀行(ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズ、ベア・スターンズ)、
金融複合企業(シティグループ、JPモルガン)、保険会社3行(AIG他)、
格付機関(ムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチ)らが
証券化という目くらましのカラクリを作り出す
そして狂乱の住宅バブルと、バブルの破綻へ。
「無から有を生める」誘惑には勝てないって・・・打ち出の小槌なんてないんよ。

たっぷりと錬金術のカラクリとその顛末を見せてもらいました。
金融界、政界、経済学界がグルになって行った犯罪行為といっても過言やないですよね?
巨額の税金が投入され、家や財産をを失った人が世界中に山ほどいるというのに・・・
誰も罪に問われないっちゅのはどういうことよ?
出演拒否をした人もいるけれど、厚顔無恥にもインタビューに応じて悪びれることなくしれっと
言い訳をする奴、いまだ高給取りで金融機関の顧問や重役なんかにも名を連ねている奴、
その上、コロンビア大学ビジネススクール校長や教授、UCバークレー教授に就任し教鞭をとっているって 
何の責任も取らないこんな人たちが若者に教えていていいんですかぁ?
サマーズはハーバードの学長でしたっけ?女性蔑視発言で物議を醸し辞任したのも記憶に新しいところです。
でも、この人も今年からまたハーバードに戻っているんですね。

現オバマ政権で経済・金融部門の要職についている人たちは、ガイトナーをはじめ
この危機の構造を作った戦犯といえる人ばかりなんですってよ 
これで「チェンジ」ってあぁ~た、あほらしやの鐘が鳴る~。(この大阪弁、わかります?)

でも、この映画を作って実名を挙げ、
ここまで告発できるってのがアメリカの良心であり希望なんでしょうね。


そうそう、
セックススキャンダルで失脚した元IMF専務理事ストラス・カーン氏や、
後任のクリスティーヌ・ラガルド(当時はフランス経済財務相)氏もインタビューに答えています。

この映画を見ていたら、
この構造が「日本の原発をめぐる構造」と非常に似ているんではないかという気がしました。
利益で繋がる強固なグループ、電力会社と政府・保安院、政治家、設備会社に御用学者。
増税で凌ごうとする官僚と政治家。

何とかならんかねぇ~?



にほんブログ村 映画ブログへ




 ***** 見た 映画 *****

 9月22日 「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」DVD

 9月26日 「ちいさな哲学者たち」@横浜ジャック&ベティ

ミケランジェロの暗号  Mein Bester Feind/MY BEST ENEMY

2011-09-21 | 映画 ま行
前回の「未来を生きる子供たちへ」と続けてTOHOシネマズシャンテで鑑賞。
こちらは午後の回だったからか、ほぼ満席。人気のほどがうかがえます。

昔から、ヨーロッパ戦線を描く映画に登場するドイツ軍はどうしようもなく間抜けで、残虐でした。
『コンバット』は毎週楽しみにしていたけれど、「またかいな…」「これってどうなの?」
「負けたとはいえ、ここまでってのはねぇ」と、子供ながらに納得いかない思いを抱きつつ、
ドイツ軍がよく使っていたバイクのサイドカーに乗るのを夢見ておりました。(今だ、果たせず)
アメリカ側から見た映画だから…、ドイツは敗戦国だから…、已む無しということなのでしょうが
日本軍もこんな風に描かれているのかなぁと、ちょっと悲しくなったもんです。
     
そんな中、ロバート・ミッチャム、クルト・ユルゲンス主演の「眼下の敵」は米・独の両艦長が
戦いの中で互いの力量を認め合う、素敵な映画でした。
知的でダンディーなドイツ将校を演じたユルゲンスが、戦争中ナチスに批判的として
ハンガリーの収容所に入れられていたとは・・・知らなかったです。

ドイツ軍といえばナチス、ナチスといえはユダヤ人迫害、強制収容所での苦難を描くという
映画ばかりだったので、あの時代にこんな風にユダヤ人がドイツ人をやり込めるという、
軽妙なサスペンス娯楽映画だなんて・・・いい意味で裏切られました。
時代の流れでしょうか? でもやっぱり・・・ドイツ人は出し抜かれちゃうんだねぇ。
本作はオーストリア映画です。

そうそう、映画が終了しエンドロールが流れ始めた時、
前方の席から、年配の男性の声で「ブンダバー!」という掛け声が上がりました。
ドイツ語で「WONDERFUL」を意味する言葉です。

確かに・・・「ブンダバー!」な痛快娯楽映画でした


  ************************

    ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 暗 号
         Mein Bester Frind / My Best Enemy               

   ***********************

 < ストーリー >
1938年。ウィーンで画廊を経営するユダヤ人画商カウフマン家は、400年前バチカンから盗まれたという
国宝級のミケランジェロの絵を密かに所有していた。一家の息子ヴィクトルは、家族同様に育った
使用人の息子で親友のルディに絵の隠し場所を教える。ナチスに傾斜していたルディは、軍での昇進
と引き換えに密告。カウフマン一家は財産を奪われた上、収容所送りとなる。
ナチスはムッソリーニとの交渉を有利に運ぶためこの絵を利用しようとするが、贋作であることが発覚。
本物の絵を手に入れようと躍起になるが、一家の父はすでに収容所で死亡。
別の収容所にいるヴィクトルから聞き出そうとルディに連行させるが、途中飛行機事故にあう。
ナチス相手に危険な駆け引きをするヴィクトル。ヴィクトルの、母の、婚約者の運命は?
そしてミケランジェロの本物の絵はいったいどこに隠されているのか?



ミケランジェロの絵画の真贋と、
二人の主人公の「どちらがユダヤ人でどちらがアーリア人か?」という真贋の両方が問われる
という面白い構成になっています。

一枚の名画をめぐって、一人の女性をめぐって、子供の頃から仲良しだった二人が敵味方に分かれて
駆け引きを繰り返す。
ギリギリのところで二転三転。この駆け引きが面白い。

以前「ユダヤ人かどうか?」は名前や割礼の有無でわかると聞きましたが
グレゴリー・ペック主演の「紳士協定」を見たときにも感じましたが
結局、差別はするけれど「ユダヤ人かどうかって、見た目じゃぁわからない」ってことなんですね。
なんだかなぁ~。



主演は「ソウル・キッチン」で弟の足を引っ張る困った兄貴を演じたモーリッツ・ブライブトロイ。
「ソウル・・・」ではトルコ系ドイツ人を演じていましたが、なに人といわれても納得してしまいそうなお顔立ちです。

ヴィクトルの母親を演じているのは「ブラック・サンデー」でテロリストの女性を演じたマルト・ケラー。
「ヒア・アフター」にも出演しておられました。




にほんブログ村 映画ブログへ

未来を生きる君たちへ  IN A BETTER WORLD

2011-09-19 | 映画 ま行
アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の最優秀外国語映画をW受賞したデンマーク映画です。
こういう映画は東京の単館での公開が多く、横浜に来たとしても数ヶ月遅れですぐに終ってしまいます。

震災時、ひとり有楽町で心細い思いをして以来、ひとりで東京まで行くのがためらわれ、
半年が経ってしまいました。
震災以来、初めてひとりで有楽町に行ってきました。
「動揺しながらあの道を歩いたなぁ~」「あそこで新幹線が停止していたっけ」
「あの避雷針が激しく揺れてたなぁ」などと、あの日を思い出しつつちょっと心乱れました。


   ********************

      未 来 を 生 き る 君 た ち へ

   ********************

 < ストーリー >
スエーデン人の医師のアントンは家族をデンマークに残し、アフリカで医療活動を行っている。
彼の息子エリアスは学校で執拗ないじめを受けている。そこに母を癌で失ったクリスチャンが
英国から転校してくる。ある日、エリアスをいじめていた少年をクリスチャンは殴り倒す。
一時帰国したアントンと、エリアス、クリスチャンで出かけた折、いわれの無い暴力を受けるアントン。
暴力の無意味を説くアントンだが、クリスチャンは怒りを押さえきれず、エリアスを巻き込んで
ある計画を立てる。

監督は「しあわせな孤独」「アフター・ウェディング」や、ハリウッドで「マイ・ブラザー」として
リメイクされた「ある愛の風景」のスサンネ・ビア。
この監督さんは、日常に潜む思いもしない出来事に巻き込まれた人たちの葛藤を描き、
どれも見応えのある作品ばかりです

日常に潜む誰にでも起こりうる出来事という点で、もしこんなことが自分の身に降りかかったら?
っと考えると、背中を冷たいものが流れます。

子供の世界ではイジメ。
大人の世界でも様々な要因で起こる差別や諍い。果ては暴動に戦争。

暴力による報復は憎しみの連鎖を生むという事はわかっているけれど、
なかなかガンジーやキング牧師のように非暴力を貫くということは困難です。
大人がそうなのだから、「暴力は何の解決にもならない」といっても、
それを子供に教えるということは非常に難しい。特に男の子には・・・。
「弱いからイジメられる」というのは「やり返せ」という暴力を肯定することになってしまう。

母の死は父に責任があると心に怒りを抱えるクリスチャン。
アントンの浮気を赦せずエリアスら二人の子供を連れて別居をえらんだ妻。
アントンを巡るデンマークでの暴力と、力が絶対のアフリカ難民キャンプでのやりきれない暴力。

暴力に訴えることの愚かさを、身をもって子供たちに示したアントンだったが、
怒りを抱えたクリスチャンには届かず、
アントン自身、アフリカでの暴力に怒りを抑えることができなかった。
間に入って揺れ動く心優しいエリアスと、クリスチャンの暴走の行方は?
後半、怒りが暴走する展開に息が詰まり、結末にホッとすると共に色んな事を考えさせられました。

登場人物は、皆な孤独、怒りや憎しみの感情を抱え、互いを思いやる余裕がない。
大人も子供も、こういった感情を
どうやって昇華し、許しへと心を切り替えることができるのか?課題は大きいです。

原題の「HÆVNEN」の意味はわかりませんが、
英題の「IN A BETTER WORLD  より良い世界で」や邦題の「未来を生きる君たちへ」に
込められた思いが、少しでも叶えられるように祈らずにはいられません。
(原題の「HÆVNEN」の意味は「復讐」だそうです)

映画の中で、大人も子供もスウェーデン人に対するデンマーク人の差別発言がありました。
どちらも私にとっては遠い国なので両国の関係がどうなのか?よくわかりませんが、
知人に聞いたところ「どこでも、近隣国家というのは仲が悪いもんですよ」という言葉に
妙に納得してしまいました。


怒りを増幅していくクリスチャンと、揺れ動き悩むエリアスを演じる子役二人が上手いです。



にほんブログ村 映画ブログへ

「僕たちは世界を変えることができない。」と向井理クン記者会見

2011-09-16 | 映画 は行
13日、有楽町で行われた「僕たちは世界を変えることができない。」の試写会と
引き続き行われたプロデューサー近藤正岳氏と向井理氏の質疑応答に、
知人Kさんのご好意で参加させていただきました。

今夕これを書いていたら、17:00からのNHKの番組に向井クン登場!
本作についてのインタビューに、先日同様、言葉を選びながら、考え考え丁寧に質問に答えておられました。


     ************************

         僕たちは世界を変えることができない。
 

          But we wannna build a school in Cambodia

      ************************

 < ストーリー >
葉田甲太氏が自費出版した体験記を元にした映画です。
2005年、医大生コウタは郵便局で見つけた「カンボジアの子供たちに学校を」というパンフレットに
惹かれ、友人を誘って募金活動を始める。バイトにイベント収益などで150万円を目標に、
紆余曲折を経てカンボジアに学校を建てる。

  
       

金八先生の脚本家の小山内美江子さんが代表を務めるJHP・学校をつくる会でお金を送るのではなく
実際にカンボジアに学校を建てるボランティアでペンキ塗りやブランコ製作など、
1ヶ月現地実習で汗を流してきた大学生を知っています。
毎日朝からガッツり美味しいご飯を三度三度一杯食べて、汗を流して規則正しい生活を送った結果
体重を増やして、健康的に日焼けして帰ってきました。
「ボランティア」の意味や、自分のスタンスを考えなおす良い機会になったそうです。


向井クンも、記者からの質問に、
「誰かのために何かをするのは、自分のために何かをするより素晴らしい。
 自分が何かをすることで、物質的なものではなく笑顔という精神的なものが返ってくる。
 してあげるのではなく、やらせていただいている。助け合いの延長なのかな。
 人それぞれ、できることでいいんじゃないかな」とおっしゃっていました。

「映画のタイトルどおり、『世界を変えることなんてできないし』
『普通の大学生が、ちょっと普通じゃあないことをする』ってことに皆さんに共感してもらえるのでは。
「なんで学校?」「何でカンボジア?」と聞かれても『出会ってしまったから』なのかなぁ」と。

監督は「カンボジアを通して今の日本を描く」と仰ったそうで、
「何かが足りない日本」の何かがカンボジアにはあると気づかせてもらったとも仰っていました。

彼にとって、カンボジアは数年前にホームステイ(ウルルン滞在記)をし第二の家族がいる国だそうです。

プロデューサーの近藤氏は「ベストでなく、オンリーのキャスティング」とコウタ役には
向井クンしか考えられなかったとのことでした。


ガイド役のブティさんは役者さんではなくて本当の現地ガイドさんで、原作者の葉田甲太氏を
当時ガイドしたのもブティさんだそうです。
ポル・ポト時代の両親の辛い思い出を語るとき、涙がこみ上げたブティさん。
演技でない本当の思いが溢れ出た瞬間、思わず抱きしめた向井クンも素だったそうです。
独学で日本語を学ばれたそうで、他に英語もできるそうです。
質問で「あのガイドさんは役者さんですか?」という質問が出たほど、ブティさんメチャクチャうまいです。
カンボジアに行く機会があったらブティさんにガイドしてもらえるかも?だそうです。


「歴史的な大きな悲劇がある国だけれど、カンボジアの人たちはみんな明るく笑顔で優しい」と
向井クンも、件の大学生も同じ感想でした。
その上、食事が美味い!そうです。

*今でもまだまだ地雷が埋まっている場所があって、向井クンがホームステイしていた時も
 何度も爆発音を聞いたとか。
 


向井クンは非常に真面目、知的で仕事に対して真摯な姿勢を持った方とお見受けしました。

この映画の大学生たちのノリとはギャップがあるので、映画の中では自分より年下の彼らの雰囲気を
出すのにちょっと無理をしているような印象を受けました。
ご自分の歳に近い、落ち着いた大人の役の方が、彼の魅力が出るのでは?というのが私の感想です。

    
  遠くから携帯で撮ったのを拡大したら・・・・・ピンボケ~

*クッキリ、きれいな写真をKさんから頂きました。
     
       結構緊張した表情ですね。



にほんブログ村 映画ブログへ




***** 見た 映画 *****

 9月12日 「カウントダウン ZERO」@TOHOシネマズ海老名

 9月13日 「僕たちは世界を変えることができない。
                But,we wanna build a school in Cambodia」@有楽町

        「未来を生きる君たちへ」@TOHOシネマズシャンテ

        「ミケランジェロの暗号」@TOHOシネマズシャンテ 

FUJIFILMの化粧品「アスタリフト」のCM

2011-09-15 | その他
9月1日からテレビ流れている化粧品「アスタリフト」のコマーシャル。

私はこの化粧品を使っているわけではないし(ちょっとお高いです)、
聖子ちゃんのファンでもないので、新作CMで「なんてったってアイド~ル」の
小泉キョンキョンとの共演が話題を集めているのかどうかに別に興味は無いないのですが・・・

バックに流れている音楽に思わず惹き付けられました。

昨年12月カトリーヌ・ドヌーブ祭り~の一環でご紹介した1967年製作のロシュフォールの恋人たち
オープニングテーマ曲「キャラバンの到着」やないの~!   

ミッシェル・ルグラン作曲で三菱ランサーのCMにも使われていました。

 7分でちょっと長いですがこれを見たら映画「ロシュフォールの恋人」が見たくなりますよん。
  オープニングの群舞の後、「キャラバンの到着」踊りのパート、
  その後ジョージ・チャキリスが二人で歌って踊るパートがあるので最後まで見てくださいね。
  画面がちょっと乱れますが音楽はクリアです。

     


この曲がCMで流れると、手を止めて思わず画面に見入ってしまいます。

当分このCM流して欲しいなぁ~

ライフ   ONE LIFE

2011-09-09 | 映画 ら行
8月の試写会が当選していたのに・・・大阪に帰省していて見逃してしまいました

テレビで盛んに宣伝している本作。
動物好きとしては、見逃せません。

      *******************

              ラ イ フ
                        ONE LIFE

       *******************

        

製作年数に、製作費、何だか「スゴイんだね」が伝わるコピーが踊っています。
そして、チラシの表の「動物と同じ目線で描いた驚きの世界」納得です。
しかしながら、後半の「90分間、あなたは動物になる」ってのは何なの~?
 
         

小さな生き物から、巨大なものまで、
同じ時を、
同じ地球上のどこかで、
日々行き抜くために知恵を巡らせ、必死で生きている。

その姿は・・・時に微笑ましく、時に美しく、過酷で、厳しく、儚く、切ない。

膨大な時間をかけ、
どんな方法で、どこから撮ったんだろう?と思わせるほど動物と同じ目線での撮影。
映画館の大画面で見る迫力ある映像。

でも、この映像にナレーションや説教臭いコメントはいるでしょうか? 
最低限、名前や生息地だけで、充分じゃないでしょうか。
映像がすべてを物語ってあまりある。

チラシの「各界著名人が語る驚きの『ライフ』」や
映画を見た感想アンケートを集計し円グラフ表示、
最後に流れるミスチルの音楽も、いるかなぁ~?

なんだか『教育的指導』と、『集客宣伝』が過ぎている気がして、
そして映像とエンディングの音楽のギャップに、
ちょっと興醒めしてしまいました。

動物ものは映像だけでいいんじゃない?



にほんブログ村 映画ブログへ





 ***** 見た 映画 *****

 9月 6日 「ライフ  ONE LIFE」@109シネマズMM横浜

大阪のお土産

2011-09-04 | その他
大阪のお土産として今まで「おたべ」を買うことが多かったのですが、
「おたべ」は京都のお土産ですよねぇ。

そこで、今回は正真正銘、大阪のお土産を買いました。

  ジャ~ン!  「白い恋人」ならね「面白い恋人」です。
 
  

 流石です!発売元は「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」
 このパッケージに、ネーミング。
本家の「白い恋人」よりはひとまわり、ふたまわり大きなサイズ。
それというのもクリームサンドクッキーではなく、みたらしクリームをサンドしたゴーフレットなのです。
    
 なかなかいけるお味です。
 
洒落が効いていると、友人達にはメッチャうけましたが、これって大丈夫なんすかねぇ?
「パクリ」?「パロディ」? 「リスペクト」?「オマージュ」?
「白い恋人」さんは寛大な心で「面白い恋人」を笑い飛ばしてくれるのかしらん?


もう一つは、こちら。
     
その名のとおり、でっかくて薄いわらじのようなかりんとうが9枚入ってます。
私と同世代の関西人なら「茜屋」さんのCMご存知でしょうか?
あられ~、おかき、茜屋の あ ら れ ~
久しぶりに、このフレーズを思い出しました。
こちらもサクサク、美味しいです。

ゴーストライター

2011-09-01 | 映画 か行
ロマン・ポランスキーの最新監督作。
なんの前知識もなく見てきました。

2010年ベルリン映画祭で金熊賞は逃したものの、ポランスキーが銀熊賞(監督賞)を獲得した作品です。


   **********************

          ゴ ー ス ト ラ イ タ ー

   **********************

 < ストーリー >
元英国首相のアダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝のゴーストライターを引き受ける
ことになった英国人主人公(ユアン・マクレガー)。ラングが妻のルース(オリヴィア・ウィリアムズ)
専属秘書アメリア(キム・キャトラル)らと滞在するアメリカ東海岸にある孤島に赴き、聞きとり取材を
しながら原稿を書くことになる。そんな中、元首相の過去にまつわる疑惑が報道される。
やがて、前任者が事故死でないことに気付き、密かに調査を進めるうちに、ラングの学生時代の写真を
手に入れ、ある疑問を抱くようになる。
彼が気付いたとんでもない秘密とは……。


冒頭、ゴーストライターを引き受け預かった資料を奪われるあたりから、何だか不穏な雰囲気。
短期間で高収入な~んて、そんなおいしい話は無いのんよ。

結構ユーモアのセンスがある主人公。
英国人って、傷つくなぁ~って感じのイヤミっぽいジョークが多いのかしら?と思っていたので、
こういう楽しいジョークも言うんだねな~んて。ジョークは会話の潤滑油

ところが主人公はあっという間にアメリカへ  
そう、何だか昔のヒッチコックのようなヨーロッパ風サスペンス映画なんです。
暢気な主人公が、意に反してどんどん得体の知れない大きな謎に巻き込まれてゆくんです。
何だかわからないけれど、危険な香りがプンプン。
舞台の孤島は雨が降り、なんだか寒々した所。
そしてバックに流れる音楽がその緊迫感を盛り上げます 

爽やかな007のイメージを残すプロズナン演じる元首相の首相時代の犯罪と遠い過去の秘密。

あぁ~、これ以上は言えません。

「どうなるの?」「秘密って?」と最後の最後まで引っ張ってなかなか見応えありますよ。
前任者の書いた元首相の自叙伝原稿がこの映画の「マクガフィン」でしょうか。
こういうサスペンス映画、何だかとっても久し振りで楽しかったです。


イアン・マクレガーってあまりハンサムと思わなかったんですが「フィリップ、きみを愛してる!」で
ジム・キャリーのゲイの恋人を演じたときに、彼の演技と美形ぶりに目をみはりました。
「ハンサムやんか~」とおバカなこの映画で気付くってのも、なんだかなぁ~。

初っ端から
ジェームズ・ベルーシー(えっ、ツルっぱげになっちゃった?!)、
ティモシー・ハットン、
中盤ではイーライ・ウォラックなどなど、懐かしいお顔が・・・、でもちょこっとだけ。
この人たちがこんだけってことはないだろうと、勝手に後半での登場を期待してしまいました。
贅沢だ~。

そして、「セックス・アンド・ザ・シティー」のサマンサ姉さんがセクシーフェロモンを封印し、
地味な元首相の秘書アメリアを好演です。

この首相のモデルってトニー・ブレア?と誰しも思うストーリーですが、まさかこの映画の結末みたいな
ことはないですよね???

それにしても、引退した政治家って自叙伝書くの好きですねぇ~。




にほんブログ村 映画ブログへ





***** 見た 映画 *****

 8月26日 「僕が結婚を決めたワケ  THE DILEMMA」 DVD ロン・ハワード監督作

 8月27日 「ゴーストライター」 @109シネマズMM横浜

        「プチ・ニコラ」 DVD