映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

ヒア アフター  HEREAFTER

2011-02-26 | 映画 は行
先日ある集まりで突然「神や死後の世界の存在を信じますか?」という質問を受けました。
う~ん、唐突にヘビーな質問でちょっとビックリ。
元々占いなども信じないし、迂闊に聞いて行動を左右されたくない私。
スピリチュアル系には懐疑的です。
全ての事象は科学で証明できるとは言わないけれど、科学の力を信じています。
死後の世界は・・・死んだら「おしまい」。

外国人に「あなたの宗教は?」と聞かれた時、初詣は神社へ行きお葬式は寺という仏教・神道混ぜ混ぜで
取り立てて宗教を意識していない多くの日本人の一人として「無神論者(atheist)」なのかなぁ?と
答えていましたが、ある時「agnostic」という言葉を教えていただきました。
英和辞書では「不可知論者」などと何のこっちゃ~?ようわからん哲学用語の訳が書いてありますが、
英語の定義では「someone who believes that people cannot know whether God exists or not」
つまり「神がいるかどうかは人智を超えたことだと思っている人」「神を否定もしなければ肯定もしない人」
という意味です。
これが私の意識にぴったんこ それ以来「agnostic」と答えることにしています。


     
インドネシアで起きた津波を髣髴とさせる冒頭のシーン。CGでしょうが、迫力あります。
阪神淡路大震災、新燃岳の噴火、ニュージーランドの地震など、自然のエネルギーの前で人は非力やなぁ。



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         ヒア アフター  HEREAFTER   

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 < ストーリー >
フランス人ジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は、恋人と休暇で訪れていた
東南アジアで津波に遭遇。九死に一生を得るがその時に見た不思議な光景が忘れられずうわの空。
仕事が手につかず休暇を取って自分で調べ始める。
サンフランシスコでは、かつて霊能者として活躍したが霊視に疲れたジョージ(マット・デイモン)は
能力を隠して工場で働き、イタリア料理教室に通う。
ロンドンで暮らすマーカスは、突然の交通事故で双子の兄を亡くし、麻薬中毒の母が施設に収容された為
里親に預けられるが硬く心を閉ざし兄の面影を追う。
そんな3人が引き寄せられるようにロンドンのブックフェアで偶然出会い・・・。

  
       臨死体験をしたフランス人マリー
         
                                死者との会話に疲れたジョージ
              
         何かと頼りにしていた双子の兄(左)を亡くしたマーカス

衝撃の体験をしたマリーが本を書くことで癒されていくことや、
頼りにしていた兄を亡くし母とも引き離されたマーカスがジョージに会い兄のメッセージを聞くことで
癒されるのは理解できるのですが・・・、ジョージはマリーに何を求めたのでしょう?

特殊能力を持つが故に誰とも普通の関係を結べないつらさ・孤独を抱えるジョージと、
周りの人たちから理解されず孤独を感じているマリー。
共に同じ思いを抱えていると感じたってことでしょうか?


映画の中で、臨死体験をしたマリーが、
「みんないつかは死を迎えるのに、どうして死後の世界に関心を示さないの?」というようなことを
言っていました。
臨死体験で生と死の狭間を垣間見たら死後の世界について考えずにはおられないのかもしれないけれど、
どうしたって死後の世界は謎のまま、一遍死んで戻ってきてレポートするっちゅう訳にはいかないし・・・ね。
人は生れ落ちた時から死に向けてのカウントダウンをしているようなもんだけど、そんなこと意識しない
からこそ毎日を送れるってもんです。 
死後どうなるかなんて誰にもわからないし、わからなくても、わからないからいいんじゃない?
詮無いことはそっとしといて、今を一所懸命生きましょう。

タイトルの「ヒア アフター hereafter」には「来世」と「この後、以後」の二つの意味があるようです。
「来世」を垣間見た話をしながら、来世ではなく「これから先」前向きに生きていこうというメッセージ
でしょうか?

「門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」 by 一休さん
生まれ変われるもんならば・・・鳥になりたいって、来世のこと考えとるやんか~?っとツッコミが入りそう


イーストウッド監督作としては「チェンジリング」や「グラン・トリノ」のようにガツーン
「やられた~」感がなく物足りない気がしましたが、
見終わった後、優しい穏やかな気持ちになれる映画でした。


あのクッキング教室はユニーク!
あんな感じで料理を学べたら楽しそうです。
日々視覚に頼り過ぎなので、目隠しをして舌だけで味わうって難しいですよね。
でも、ちょっとエロティックな感じでした


毎回思うことだけれど、イーストウッドの作る音楽は映画の雰囲気にピッタリと合っていていいねぇ~。
出しゃばらず、邪魔にならず・・・ただ、数時間経ったらもう旋律を思い出せないのは私だけですか?
(「グラン・トリノ」大丈夫。今でも覚えてます



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 ***** 見た 映画 *****

 2月23日 「ヒア アフター」@TOHOシネマズ海老名

 2月25日 「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」DVD


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2 コメント

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TB有難うございました (シムウナ)
2011-03-20 14:56:37
相変わらずクリント・イーストウッド監督は
良質な作品を提供してくれます。
死後の世界はどうなるか?
生きている我々にとってこの先の命題かも
しれませんね。自分は無の世界だと
思ってます。ただ、死んだ人はこの世に
戻らないので精いっぱい、誰かを愛したいと
願う今日この頃です。
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Unknown (シムウナさんへ(ryoko))
2011-03-23 01:01:08
今回の地震・津波で、人の営みのはかなさを感じています。
死後のことは置いておいて、いまを如何に生きるかを考えなくっちゃと思っています。
>精一杯誰かを愛したいと願う今日この頃
ステキですね。ガンバ!

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