映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

グラスの縁から   東理夫

2009-05-28 | 
今回は初めて本のご紹介です。
昔は結構お酒に強く、顔にも出なかったので、日本酒党で「いけるくち」だったのですが・・・
最近飲みつけなくなって、すっかり弱くなってしまってました。
華麗、いえ「加齢」が一因かも?  
やけになっても、お酒に溺れる前に、頭痛とゲ○に溺れそうです。悲しい・・・。


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   グラスの縁から   東 理夫   ゴマブックス   

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2002年7月から今年の1月まで日本経済新聞土曜日の夕刊に7年半連載されていた
東理夫氏のコラム「グラスの縁から」が同じ題名のエッセイ集として出版されました。
毎週楽しみにしていたコラムの終了は残念ですが、こうして一冊の本になってまとめて好きな時に
読めるのは嬉しいです。

最近の日経は面白いコラムが終了し、どんどん薄くなっていく・・・。
中野香織氏の「モードの方程式」も終了、こちらももう文庫本で新潮社から出版済みなんですね。

東理夫氏は、音楽評論、ミステリー評論を経て
食やお酒、プレスリーやカントリー音楽、ファッションにも造詣の深い
作家、エッセイスト、翻訳家として活躍しておられます。
イーストウッド監督の「チェンジリング」を取り上げた時引用した「ブラックダリアの真実」の翻訳も東氏です。

昔からバンド活動もやっておられ、ギターやバンジョーの教則本もお書きになったそうです。
神奈川県の某大学の生涯学習講座では
「音楽で知るアメリカ」「食で知るアメリカ」「本で知るアメリカ」「ミシシッピで知るアメリカ」
「ルート66で知るアメリカ」など様々な角度からアメリカを読み解く講座を担当しておられます。


「グラスの縁から」は
  1.バーに酔う
  2.音楽に酔う
  3、銀幕に酔う
  4.ミステリーに酔う
  5.毎日酔う
の5つのパートに別れ、音楽、映画、ミステリーとお酒にからむ話を見開き2ページに一つのエッセイを、
各々に「サイド オーダー」として写真つきでエッセイにまつわる「ちょっといい話」が加筆されています。
  
独特の軽妙な語り口で、お酒や食べ物、音楽、映画にミステリーへの氏の広範な分野に亘る
豊富な知識やこだわりと愛情が感じられ、くすっと笑ったり、うんうんと頷いたり、へェ~と感心したり、
楽しい一時が過ごせること請け合いです。


中に「飲む酒で人がわかるって本当だ」の一文が。
甘いカクテルは苦手、なんたらトニックとか薬っぽくってちょっとねぇ~、
無難にソルティードッグをオーダーする私はどんな人に見られるんでしょう?
マンハッタンとかモヒート、ダイキリなんかで、カッコよく大人の女を気取りたいもんだけれど・・・

映画「カサブランカ」を取り上げた「大人の味」のタイトルの話はシャンペン・カクテルについて。
結婚式くらいでしか飲む機会のないシャンペンに何かを混ぜて飲むなんて飲み方があるとは!
黒ビールで割る「ブラック・ベルベット」をお勧めです。
そういえば「プリティ・ウーマン」ではイチゴがシャンパンを引き立てるとリチャード・ギアが言ってたけれど
イチゴを潰してシャンパンを注ぐ「ロシーニ」なんて飲み方も紹介されています。
これは是非試してみたい

「紙袋の酒」というタイトルの話には意外なお話が・・・。
東氏は「日本ほど酒が自由に飲める国はないのではないか」とアメリカを旅すると感じるそうです。
禁酒法時代ならいざ知らず、今でも禁酒のドライ・カウンティ(禁酒郡)があちこちあり、
平日は飲めても土・日はアルコール類を売ってはいけないところがあると。
飲める所でも屋外や衆目のもとでは封を切った酒類を持っているだけで罪になることがあり、
そんな時アメリカ人は酒を茶色の紙袋に入れるのだそうだ。
そういえば、昔、真昼間のサクラメントで見るからに足取りの怪しいオヤジがビンのような形の茶色い袋を手にしていたのを見た記憶がある。
映画「ハンコック」でも酔っ払いのハンコック(ウィル・スミス)が茶色い袋からお酒を飲んでいた。
こんなルールがあったんですねぇ。
多くに日本人が訪れるハワイの浜辺はどこでも禁酒ですってよ!
ハワイのビーチや道路で、日本の海の家感覚で缶ビールなんて飲んでいると警察に捕まるそうな。
ある意味、なかなか経験できない一生忘れられない旅になるかも?
驚きのアメリカの常識、これは覚えていた方がよさそうですね。

         本を手に笑顔の東理夫氏
あとがきに、
「酒は肉体や脳みそを酔わせるばかりでなく、もっと大切な部分、心をもまた酔わせるのだと気が付いた。
心を酔わせる酔い方を知る人は、心がやわらかく、感性が磨かれている。そういう人になりたい」とありました。

「心を酔わせる酔い方」・・・う~ん、こういう酔い方のできる人って大人やなぁ~、素敵やなぁ~。




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  本の紹介だけれど・・・



 ***** 見た 映画 *****

 5月28日 「ライラにお手上げ  THE HEARTBREAK KID」DVD 
          ベン・スティラー、ミッシェル・モナハン主演のおバカコメディー

アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン  I COME WITH THE RAIN

2009-05-25 | 映画 あ行
ジョシュ・ハートネット、イ・ビョンホン、木村拓哉主演のフランス映画、
6月6日全国公開、5月27日に舞台挨拶付きワールドプレミアが予定されています。
試写会で見てきました。


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  アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン   I COME WITH THE RAIN

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男たちの運命は、美しく、切ない・・・
いままで見た事のない 美しい男たちの競艶!!
各国を代表する"美しき男”たちが、かつてない表情を魅せるー、
魂が火照る衝撃のノンストップ・サスペンス!


ってキャッチフレーズだけれど・・・
殊更に美しいが強調されてます。

でもこの映画、美しい?切ない?っていう映画かなぁ?

国境を越えたキャスト、スタッフが集結し、
人間の想像をはるかに超える化学反応を生み出した!!

とか
役者としての前代未聞の挑戦を繰り広げる3人の運命の交錯は、
たとえようもなくスリリングで、官能的なまでにデンジャラスだ。


などという、コピーが躍っているけれど・・・
正直な感想は、何じゃこりゃ?

     

 < ストーリー >
他人の痛みや傷を引き受けることができる不思議な力を持つ男シタオ(木村拓哉)が失踪し、
父親から捜索を依頼された元刑事で探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は、彼の足跡を追って
ロサンゼルス、フィリピン、そして香港へと渡り旧友の刑事に協力を仰ぐ。
クラインは刑事時代猟奇的な犯罪者との係わりでトラマウを抱えていた。
シタオはマフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)の愛人リリという女性を助けていた。
マフィアと警察の抗争に巻き込まれながらシタオ捜索を続けるクラインはやがてシタオを見つけるが…。

全編痛い・・・ウォーとかギャァーとか、美しい男たちが傷つき、苦痛に顔を歪める。
目を覆うシーン、血だらけです。

他人の痛みや傷を引き受ける不思議な能力・・・?
そうそう、小池徹平ちゃん、玉木宏主演「KIDS」って映画、未見ですが
たしかそんな設定じゃあなかったっけ?

全ての人の苦痛を身を挺して引き受けるシタオはキリストを思わせ、果ては・・・
あれ、復活?それとも不死身
ってことは、冷血漢ドンポはキリストをゴルゴダの丘で磔刑にしたユダヤ人?ローマ総督ピラト?
リリはマグダラのマリア?じゃあ探偵クラインは?
      ビルを見上げると空が十字架の形に・・・
  
死体でアート?(気持ち悪いです)を創る猟奇的な犯罪者の台詞や、
建物を使って十字架をイメージさせる映像、十字架に磔など、
キリスト教色が濃厚ですが・・・、私にはようわからん。

じゃあ、この映画を紐解く鍵はタイトルにあるのでは?と、
「I COME WITH THE RAIN」と聞いて何を思い浮かべるかとクリスチャンの友人に聞いてみました。

曰く、「雨」はキリスト教では色んな意味を持っている。
特に神の恵み「BLESSING」を示すと言うのです。
また、時にはノアの箱舟のように全てを洗い流す災い「CURSE」の意味もあると。

ググッてみると・・・、目からうろこが!
「聖書には約80回雨の引用があり、聖書の世界たる砂漠での雨は恵みのしるしでもある」と。
農業関係でないかぎり、雨の日って「うっとおしいなぁ」としか思えない現代日本人にとって、
雨が神の恵みって発想はなかなかないよね~。

創世記には雨について「深淵の源がことごとく裂け、天の窓が開かれた」とあり、
天界にたたえられた水が天にあけられた穴から流れ出るのが雨だそうです。

「山上の垂訓」にも有名な「右の頬を打たれたら、左の頬を出しなさい」に続いて、
「敵をも愛しなさい。天の父(神)は、悪い者の上にも良い者の上にも太陽をのぼらせ、
正しい者にも正しくない者にも、雨を降らせてくださるから」と。

う~ん、映画の中で雨のシーンって幾つかあったように思うけれど・・・
シタオ(キリスト)の登場シーン「I COME WITH THE RAIN」だったっけ?

雨のシーンと、猟奇的犯罪者の台詞に注目してもう一回見たら理解が深まるかも?ですね。

やっとシタオを見つけた探偵クラインは、果たしてシタオに救われるのかな?

Don't be afraid of me. 不死身のシタオはどこへ行く?


ベトナム生まれでフランスへ亡命したトラン・アン・ユン監督は
カンヌやヴェネチアにて受賞歴のある有名な監督だそうですが、拝見するのははじめてです。
大学で哲学を専攻されたそうで、この映画にも哲学的なメッセージが込められているのかなぁ?

次回作は村上春樹氏の「ノルウェーの森」だそうです。

一つ言えるのは「美しい」を強調する映画ではないということ、
キムタクファンとか、イ・ビョンホンファンっていうノリで行くと、ビックリ~、ショック~かもしれません。

イ・ビョンホンの鍛え上げた腹筋割れのマッチョな肉体が妙に強調されてました。
まさに、「脱いだらスゴイんです~!」
   
  冷酷無比、手は血まみれ・・・
  

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天使と悪魔

2009-05-22 | 映画 た行
15日、公開初日のレイトショーに行ってきました。もう一週間も経っているやないか~
630席の館内はほぼ満員。
ラングドンシリーズへの期待の大きさがうかがえます。

「テンプル騎士団」「イルミナティー」「フリーメイスン」「秘密結社」「陰謀」「謎解き」って
何~て好奇心をかきたてる言葉なんざんしょう。


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      天使    と    悪魔  

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むかしむかし「見てから読むか、読んでから見るか?」なんてキャッチフレーズがあったけれど
私、読んでから見ました。

昨年友人に「面白いから是非読んで」と薦められ、上中下3巻に大作にもかかわらず、
面白くって一気に読んでしまいました。
これを映像化ってどうなるのかなぁ~と、読んでからだと結構思い入れがあったりして、
ちょっと心配しましたが、なかなかどうして、
結末は違うし、かなり重要な部分がはしょられているけれど、
映画もとても面白いエンターテインメントでした。

   

 < ストーリー >
爆発すれば核にも勝る驚異的な破壊力を持つ“反物質”がジュネーブのセルンから盗まれ、
新教皇を選出するコンクラーベに沸くヴァチカンでは有力候補の4人の枢機卿が誘拐される。
秘密結社イルミナティから、科学者を迫害した教会に復讐する為彼らを1時間おきに殺害し
反物質でヴァチカンを吹っ飛ばすと脅迫を受ける。陰謀を阻止するため、ラングドンが暗号を解読し
ローマ、バチカンを走り回る。果たして陰謀を阻止することができるのか?新教皇は選出されるのか?

   
本を読んだ後、ヴァチカンとローマに行って、出てくるスポット巡りをしたいなぁ~
なんて思っていたら、やっぱりきたね!HIS!素早い!
しっかりツアーが企画されてテレビでCM流してる~。
この映画見たら、絶対行きた~~~いって思うよねぇ~!
この地図片手にゆ~っくりミステリーツアーいいねぇ
映画はテンポが早過ぎて、ローマに詳しくないとついて行けんから・・・。


「ダ・ビンチコード」の原作は未読ですが、
キリストが結婚しその家系が今に続くというどう考えてもというストーリーであること、
私のキリスト教や宗教画の知識が乏しいこと、そしてハンクスの髪型が変~など、いま一つのりきれなかった気がします。

「天使と悪魔」は『宗教VS科学』という現実的な対立を
ヴァチカンのコンクラーベや、街そのものが美術館のようなローマの街並み、
ベルニーニの彫刻などと上手く絡めた原作を、これまたコンパクトに映画化したなぁと思います。
原作を読んでいても読んでいなくても、十分満足できるエンターテインメントですね。

ポーランド出身の前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(1920~2005)は、カトリック教会の犯した過ちに対し
精力的に謝罪を表明してきた方で、ガリレオ裁判が誤りであったことを認め、
350年たって謝罪を表明なさったという新聞記事を読みました。
20世紀の終わりになって「バチカン、ガリレオに謝罪」なんて、え~何を今さら?とも思いますが
「神による天地創造」「マリアの処女受胎」「キリストの奇跡」など
どう考えても科学的にありえないことを大前提に成り立っているキリスト教が、
クローン技術など神の領域に足を踏み入れている現代科学の進歩とどう折り合いをつけていくか、
宗教家にとっては悩みの尽きない時代です。

何を今さら?遅すぎるよ~ではありますが、
科学の進歩を受け入れようと変わる努力をしているバチカンも評価できるんじゃないかなと思います。
現教皇ベネディクト16世は、どこぞの政治家みたいに失言が多く、折角の前教皇の謝罪に
ケチをつけるようなこともあるようですが・・・

そんな所に着目したダン・ブラウンの原作はなかなかです。
最初に殺されるセルンの所長が実は枢機卿でもあり、宗教と最先端科学は共存しうる
といったことも盛り込まれていたと記憶しています。


1966年の「ビートルズはキリストより人気がある」というジョン・レノン発言に対して
「ジョンを赦します」という声明を出したという記事を昨年読みました。
めっちゃ上から目線やねぇ。
こちらは42年経過、ヴァチカンの決議時間もかなり短縮したということかなぁ?

映画のラストで枢機卿の台詞
穏やかな口調で「宗教には欠点もある。それは人に欠点があるからだ」は説得力のあるいい台詞でした。


ところで、この手の映画は「あくまでフィクション」を強調しておかんとね。
映画のチラシで「ガリレオはサタンのリーダーだった」って言い切っちゃぁまずいよね~。
せめて?マークを付けときましょうよ。
  
アンビグラムは最新デジタル技術でも難しいって、原作者の友人が作ったって書いてあるけど・・・どういうこと?
歴史的事実とフィクションを混ぜたストーリーってワクワク感が増すけれど、
あくまでフィクションってことを強調しておかないと信じちゃう人いるもんね。

ヒストリーチャンネルだか、ナショナルジオグラフィックの「天使と悪魔」検証番組で、
ダン・ブラウンはとんでもない奴だと怒っている宗教関係者いらっしゃいました。

サタンのリーダーじゃあ、ガリレオさんも草葉の陰で安眠を妨げられたとお怒りかもよ?



いつの間にかすっかりハリウッドの大物俳優になっちゃったトム・ハンクス。
私は1984年初主演作「スプラッシュ」や初アカデミーノミネートの「ビッグ」の頃が
良かったなぁ~



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 ***** 見た 映画 *****

 5月19日 「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」@六本木試写会
     6月公開のジョシュ・ハートネット、キムタク、イ・ビョンホン主演映画


レイチェルの結婚

2009-05-18 | 映画 ら行
東京まで出る用事があったのでついでに公開館数の少ない本作を渋谷Bunkamura「ル・シネマ」で鑑賞。
アン・ハサウエイはアカデミー賞にノミネートされた作品だというのに公開館数少ないね。

ちょっと疲れる映画です。
何故疲れるかというと・・・
結婚式を控え準備に忙しい見知らぬ家族の家に突然連れて行かれ、家庭用ビデオカメラを回して
この3日間を記録してねと言われて家族の姿を追ううちに、
「あっ、まずいところを撮っちゃったなぁ」と思うような他人に見せないような家族の修羅場まで
うっかり覗いてしまったような居心地の悪さを感じるから。

この家族にふりかかった過去の出来事が、少しずつ、少しずつ、断片的に
登場人物の台詞の端々・表情を通して語られるんだけれど・・・



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     レイチェルの結婚  Rachel Getting Married

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 < ストーリー >
2日後、姉レイチェルの結婚式を控えた自宅に、次女キムが更生施設から9ヶ月ぶりに帰宅する。
手作り挙式の準備であわただしく、新郎側の友人ら見知らぬ人々が出入りし音楽を奏でる中、
疎外感を感じるキムは苛だたしくタバコを吸う。
そんなキムを不安げに見守る父と控えめな継母、
優しく接するもキムの困った態度に次第に怒りを爆発させるレイチェル、
離婚し出て行った母も再婚相手と共に帰宅する。
薬物依存治療中のキムの存在は、家族に悲しい過去の事件とその後の辛い日々を
否応なく思い出させ、各々の本音が飛び出す。
レイチェルの結婚式は・・・。



     ***   ネタバレ します    ***

  
 左からキム、レイチェルの夫、レイチェル、レイチェルの夫の友人




更生施設から戻ったキムを迎える家族は、結婚式の準備に追われながらも、彼女の一挙手一投足に
ハラハラ。
10年前16歳の時麻薬でハイになったキムは母に頼まれ幼い弟イーサンの世話をしていたが、
弟を車に乗せ橋から落下、弟を助け出すことができず死なせてしまった。
以来10年厚生施設を出たり入ったり。

過去に家族の一員を亡くした家族が一同に会し数日を過ごす中、
夫々心の中に秘めた思いがあふれ出すという状況は、昨年公開の日本映画「歩いても、歩いても」
に似ている。

しかし、「歩いても・・・」は家族でない者による事故が原因で家族を失うが、
「レイチェル・・・」は家族の者が起こした事故で家族の一人を失う。
似てはいるが大きく異なる。
原因が外にあれば、全員の怒りや悲しみは外の誰かに向かい、家族間で傷つけあうことは少ない。

一方、原因が家族内にある場合、
怒りが家族の中で渦巻き、行き場を失い、互いを傷つけ疲弊する。
キムの場合、ますます薬に頼り更生施設を出たり入ったり、結婚式の前夜母の元を訪ね、
薬でおかしくなっている自分に何故弟を預けたかとなじる。
母は麻薬に溺れるキムが弟と居る時だけは正気に返るという理由でキムに任せてしまった
自分を責め、自分の落ち度を許すことができないから、キムと距離を取ろうとする。

10年間の家族間の葛藤についての描写は何も無いが、
シーン端々や現在の夫々の状況から10年の間におそらく何度も諍いが繰り返され、
両親は責め合って離婚に至ったであろうこと、その間レイチェルは両親に心配をかけないよう
良い子で居続け、父や母に甘えることもできず、常にみんなの注目を集めるキムに
嫉妬の気持ちを抱き父にも不満を持っていることが伺える。
父は腫れ物に触るようにキムに接し、彼女が激高するとどうしてよいかわからない。
疲れきった家族。
今は父も母も再婚し、レイチェルは心理学の学位を取り結婚後ハワイに住むことになっている。

この映画だけではわからなかったが、
以前見た1999年製作ミシェル・ハイファー主演の「ディープ・エンド・オブ・オーシャン」が
家族の葛藤を理解する助けとなった。
7歳、3歳、乳幼児の3人の子どもを連れて同窓会に出かけた母が、
ちょっと目を離したすきに3歳の次男を誘拐される。
9年後近所に住む少年が、実は誘拐された次男であることがわかる家族の再生の物語。
その間責任を感じ仕事も止め心を病む母と、
弟の失踪を自分の責任と感じ苦悩しながら成長する長男の姿に胸が締め付けられ涙した映画です。

許して欲しいけれど、許されない、取り返しの付かないことをしてしまったという悔恨の気持ち、
そんな気持ちを伝えたいけれど言葉にならず、素直になれずに関係がギクシャクする。

これまで散々心配させられ辟易している父と姉。信じたいけれど何度も裏切られ、
また裏切られがっかりしたくないという恐れ。
何とか平和裏に楽しく結婚式を終わらせたい、というよりぶち壊しになんてさせないと思う姉。
更生プログラムのミーティングに出て、今回こそは頑張ろうとするキムだが、
周りの態度を敏感に察知し、信用されていないと感じる。

  @ル・シネマ
そもそも16歳のキムが麻薬に溺れた理由はなんなのか?
事故の後麻薬に逃げ場を求めというなら説得力があるが、はなから中毒患者というのはどうも?
元々家族に問題があったのか?何も触れられていないところに不満を感じてしまいます。

「何故ハイな状態なのに弟を任せたの?」となじるキムを殴り飛ばす母親って・・・。
そんな母親を殴り返すキム。2人とも激しいなぁ~。
自棄になって木に激突し車はレッカー移動、
翌朝何もなかったかのように(パンチ等で目の周りにあざができてたけれど)
結婚式に出席するって・・・、んなことあるかい?

  
    付添い人の衣装は何故かインドのサリー
  

レイチェルの旦那さんは音楽関係でビジネスも順調らしく、優しく姉妹を見守っているけれど
どういう人?
彼の家族はハワイからというよりまるでアフリカから来たかのよう。
民族衣装や話し方がアメリカ人ぽくないよねぇ。

大体レイチェルの旦那さんが黒人であるということ、
父親の再婚相手も黒人であるということ、
集まった友人達の人種も様々ということにはどういう意味が込められているんだろう?

激しい殴り合いがあったのにそのままキムと話すこともなく、話したそうなキムを振り切って
結婚式をそそくさと去る母。

9ヶ月の施設での治療を終えたと思ったキムは、就職活動を促す父に何も言わず施設へ帰る。

レイチェルは程なく夫とハワイへ旅立つ。

かつて家族が住み、結婚式で集まった家には、父と再婚相手が残る。

解散!?

これって結局キムは家族から許されたの? 立ち直れるの?

結婚式という機会に再開したかつての家族は、心の奥に封印しているものを爆発させ、
弟のお皿他の皿に紛れ込ませ食器棚にそっと返したように、
またそんな思いを心の中に仕舞い込んだってことなのかなぁ?

たった3日間の映像だけで、この家族が10年間どんな苦しみを抱えてきたかを伝えるって
無理があるよなぁ。

唯一の救いは、
家族や友人の助けを得て依存から立ち直った過去をもつ新郎の友人が
キムを優しく見守り受け止めてくれていることかな。



しか~し、結婚式でメイド・オブ・オナー(筆頭付添い人)になるって
喧嘩して取り合うほど大事なことなの?

     
母親役でキムをぶっ飛ばすお久しぶりのデボラ・ウィンガーは、今もとってもお美しい!
感想を書くのも疲れました。    


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  ***** 見た 映画 *****

 5月 ?日 「ブラックブック Zwartboek 2006」TV
       ポール・ヴァーホーヴェン監督 第2次大戦下のオランダ映画 

 5月10日 「ブラックアウト  UNTRACABLE」DVD ダイアン・レイン主演ネットサスペンス 

 5月11日 「レイチェルの結婚」@渋谷Bunkamura「ル・シネマ」

        「はりまや橋」試写会6月公開の日米韓合作映画 高岡早紀、清水美砂主演

 5月12日 「ベティの小さな秘密」DVD フランス映画 「アメリ」の脚本家による脚本

 5月15日 「天使と悪魔」@TOHOシネマズ海老名

 5月18日 「アイズ・ワイド・シャット」ビデオ トム・クルーズ、二コール・キッドマン主演

フロストのその後

2009-05-12 | その他
「フロスト×ニクソン」を見終わった時、このフロストって方は今どうしていらっしゃるのかな?
こんだけ舞台や映画で取り上げられたら、そのうち渦中の人にインタビューなんて
あるのかなと思っていたのに・・・。全く無かったような?
ひょっとたらもう???

いえいえ、齢70才にしてバリバリ現役です。

ケーブルTV朝日ニュースターでキャスター葉千栄氏とおすぎさんの対談で、
「フロスト×ニクソン」について語っておられました。
終わりの数分くらいしか見れなかったのですが、フロストについて最後に
サブキャスターの重信メイ氏(赤軍派重信房子の娘さん)が
「今も現役でアルジャジーラの英語放送でキャスターやってらっしゃいます」と
おっしゃるじゃあ~りませんか!

!?アルジャジーラ?!

アルジャジーラ(正式にはアル=ジャズィーラ)って、カタールの政府系放送局で
オサマ・ビンラディンやテロリストからの声明ビデオを流したりする局ってイメージがあるんだけれど、
「公正で政治的圧力を受けない、中東で唯一の報道機関である」とアルジャジーラは自負してます。

そして2006年英語放送開始に伴いフロスト氏はキャスターに就任。
「FROST OVER THE WORLD」という番組を担当し活躍中です。

アメリカ大統領7人と英首相6人へのインタビュー経験を持つ
BBC出身のベテランジャーナリスト
」というのが彼のキャッチフレーズのようです。
イランのパーレビ国王にインタビューした最後のジャーナリストで、
南アフリカのマンデラ大統領やパレスチナ解放機構のアラファト議長にもインタビューされたそうです。

1993年にナイトの称号を得て以降、サー・デヴィッド・フロストです。

コメディアン出身ってことだったけれど、だいたい政治ネタの風刺番組の先駆者だったようで、
初期の出演番組「That Was The Week That Was」って2000年プロが選んだ
イギリスTV番組ベスト100の29位にランクインしてたりします。

「コメディアン上がり」(映画の中でこう言われていたような)なんていったら失礼ですね。
     
 例のインタビューはDVDになっていた!・・・でもアマゾンではもう取り扱っていないようです。

     マイケル・シーンは髪型とか雰囲気とか研究したねぇ~。似てるかも?

グラン・トリノ

2009-05-09 | 映画 か行
私、ずっとクリント・イーストウッドが苦手でした。
子供の頃、西部劇好きの父と「荒野の用心棒」などのマカロニウエスタンを見て、
アメリカもんの西部劇とは違うシリアス暴力系を楽しめなかったんです。
小学生にマカロニウエスタンはあかんやろ~。
その後、積極的にイーストウッド出演・監督作を見ることは無く(見ても忘れてしまって・・・)
久々に見たのが「ミスティック・リバー」。
友人にただのチケットがあるからと誘われホイホイと付いていったけれど、後味悪~い。
アカデミー主演・助演男優賞獲得で注目作だったけれど・・・エンディングに救いがない~。
その次に見たのが「ミリオンダラー・ベイビー」。少しイメージが変わり、
「父親達の星条旗」「硫黄島からの手紙」、続く「チェンジリング」で好感度急上昇!
「いい~、この映画いい~!」と合う人ごとに薦め、
本作「グラン・トリノ」で一気に彼のファンになりました
数あるイーストウッド作品の中でも最高の収益を上げたというのも納得の出来栄えです。
本作も会う人ごとに薦めてます
こりゃ、他の作品も見んとあかんね~。


    

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   グラン・トリノ       GRAN TORINO

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 < ストーリー >

朝鮮戦争の従軍経験を持つ元自動車工ウォルト・コワルスキー(イーストウッド)。
頑固なウォルトは、妻に先立たれ息子たちや孫とも疎遠で、愛犬と単調で孤独に日々を送っていた。
そんな彼の隣家に住むモン族の一家とある事件をきっかけにして心を通わせ始める。
隣家の子供達タオやスーを暖かく見守るウォルトだったが、
モン族の不良グループが執拗にタオを仲間に引き入れよう付きまとう。
タオを助けようととった行動でスーが襲われ、二人の未来のためにウォルトが立ち上がる。

「グラン・トリノ」って車の名前なんですね。
フォード72型、前から見たら「口をあけて餌を食べるたマンタ」みたい。
   
全天候型移動手段として故障無く走ってくれれば文句の無い私にはようわかりませんが、
この車『熟練した技術を持つ男たちの“ものづくり”のパワーが漂い、
アメリカの礎となった時代の象徴としてアメリカの魂と称されることもあるという名車』
なんだそうです。
環境や燃費なんて考えなくてもよかったビッグ3全盛最後の、アメリカがまだまだアメリカらしかった時代。
その後のオイルショック、日本車の台頭でアメリカ自動車産業が傾き始める。
変わりゆく世の中で、この車と、それを組み立てたことを自負するウォルトとアメリカそのものが
重なります。
  
フォードの組立工だったことに誇りを抱く父と、トヨタのセールスマンの息子って、なんとも皮肉です。


イーストウッドは1930年生まれの78歳。日本でいうなら昭和一桁(5年)世代。
洋の東西を問わず、この世代と、その子供、孫という3世代は
取り巻く環境や生活スタイル、価値観が劇変、世代間ギャップが非常に大きい。
日本では戦争を体験した世代、アメリカでは好景気の古き良き世代、
自家用車や家電話が普及し始めた高度成長期の世代、
そして誰もがパソコン、携帯電話、携帯音楽プレーヤーやゲーム機を持つ世代。

老いて一人になっても規則正しい生活をし、買い足してきた工具を大事に整然と並べ、
車の手入れ、芝の手入れの余念が無いウォルト。
祖母の葬儀にへそ出し姿で携帯プレーヤーやゲーム機を使い、生きている祖父に形見にソファーや車をとねだる孫。

「昔はよかった」という台詞は年を取った証拠だと笑われるけれど、
最近のマナーの悪さには、私も日本の未来を憂いてしまいます。
ベビーカーを連ね迷惑を顧みず我が物顔の若いお母さんや、
車ですれちがってもそっちが待てよと当然のように挨拶も無く通り過ぎる車に苦々しく思う毎日。
ウォルトが孫達の態度に腹を立てるのには頷けます。
でも「今の若い者は・・・」って言うのは今に始まったことじゃあなく数千年前の文献にも
出てくるらしい。ってことは人心はどんどん悪くなってるってことなの?!
まあ今の時代、問題なのは若いもんだけじゃあなくて大人も非常識ってことかもしれませんが・・・。

モン族って、ミャオ族ともいうらしいですが、
お気に入りのTVシリーズ「グレイズ・アナトミー」でも、あるエピソードに登場しました。
ベトナム戦争中CIAに協力したことで、戦後難民としてアメリカ・中国・フランス等に
移住したそうです。
隣家のタオは環境の悪さに流されまいとするも、職も無く、模範とする大人の男性もいない。
身の置き所が無く、執拗なギャングの誘いに今にも負けてしまいそうなギリギリの状態だ。
   
ウォルトの住む街は以前は白人労働者階級のコミュニティだったが、多くの移民が移り住んだことで
白人達が出て行き様代わりしている。
こういう現象は間々あるようで、部屋が空いていても有色人種には貸さない、
それを逆手にとって賠償金目当てで訴えるなんてこともあると聞いたことがあります。
手入れをせず荒れた庭を見て苦々しく、寂しく思うウォルト。
一人偏屈オヤジと煙たがられ、回りから浮いていたウォルトだが、
タオを仲間に入れようと追っかけるうち庭に入ってきたモン族ギャンググループを追っ払い、
助けてもらったと誤解した近隣の人なつこいモン族の人たちから親切にされる。
  
当初迷惑がっていたウォルトも、次第に彼らの素朴さ、家族や年長者、伝統を大切にする姿に
心を開いてゆく。
    
    タオ(弟)              スー(姉) 
     
不良達にも凛とした態度を取るスーや、要領の悪いタオを見るに付け、放って置けなくなるウォルト。
イーストウッドのこの演技がいいですね。
本人は無意識だろうけれど、嫌っていた彼らの中にアメリカ人が失くしてしまったものを見出し、
タオがアメリカ社会で一人前の男として生きていけるように導くことを最後の生きがいにしようとする。
自身の孫とこういう関係を築けなかったことは残念だけれど・・・。
口の悪い頑固親父だけれど、一本筋が通っている。
イタリア系の床屋さんや現場監督とのやり取りが面白く、長年の彼らの付き合いがうかがわれる。

朝鮮戦争で犯した罪を誰にも話さず心の奥にしまい込んできたウォルトが死期を悟り、
アジア人のタオを助けることでその罪を償い、タオやスーに未来を託す。
結末はえぇー!だけれど、やっぱりこれしかないよな~と頷ける。
神父さんに懺悔するんじゃあなくて、これが彼流の贖罪なのね。
でも、カッコよすぎるよ!
     

老いても(イーストウッドは78歳!)、きっちり筋を通すウォルトの生き方に触れ、
タオやスーはきっと真っ当なアメリカ人として生きてゆくんだろうなぁ・・・
と思ったら涙が・・・涙が・・・。

ウォルトみたいな頑固オヤジがいるということと、
環境や差別に負けまいと頑張っているスーやタオみたいな子がいるということがアメリカの救いかな。

近い将来ヒスパニックやアジア人の増加に伴い、白人がマイノリティーになるということや
今回のオバマ氏大統領就任も、アメリカの変貌が進行形だということを感じます。


音楽も、と~ってもいいのよ~。一日このメロディーが頭に中を流れてました




連休中『旭日中綬章にイーストウッドさん「栄誉深く感謝」』の記事を発見!
2009年春の外国人叙勲で旭日綬章に決まったイーストウッド氏が、
「心から嬉しく思う。日本での栄誉に深く感謝します」とのコメントを発表したというものです。
?なんで?
監督作の「父親達の星条旗」や「硫黄島からの手紙」を通じ、
日本とアメリカの相互理解の促進に貢献したことが受賞の理由って・・・
2作とも2006年の作品だぜ!?
遅すぎるよ~!!!




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 ***** 見た 映画 *****

 4月28日 「ぐるりのこと。」DVD リリー・フランキー、木村多江主演の日本映画

 4月29日 「グラン・トリノ」@丸の内ピカデリー

 5月 2日 「ザ・ファーム 法律事務所」TV 1993年製作 ジョン・グリシャム原作
               トム・クルーズ主演、シドニー・ポラック監督

連休の上野

2009-05-05 | その他
5月4日連休のど真ん中、一日くらい文化の薫りに親しもうと上野へ行ってきました。
「ルーブル美術館展」を見ようと国立西洋美術館@上野公園へ。
混んでいるだろうなぁ~とは思っていたけれどこれほどとは!
JR上野駅に着いたのは10:30頃。この時点で改札を出られない
改札口に向かって列ができてる~ひえぇ~。
目当ての西洋美術館には2つの長い列が・・・
 
                     行きかう人はこんな感じ
切符を買う列と、入館する列。切符買うのに並んで、その後入館にも並ぶの?
待ち時間1時間30分を示す札が!
持ち最後尾を知らせる係りの人はすっかり日焼けしておられました。
当日は快晴、列に並んで1時間もお天道様を浴びたら日焼けは必定。
そんなに待つ気力はござんせん。
や~めたっと、あっさりリタイア。はて、ここまで来たのに・・・

大丈夫、上野には一杯美術館・博物館があるからね~。腹ごしらえを済ませて再度上野公園へ。

科学博物館は「恐竜展」とやらで子供連れの親子がこれまた長蛇の列!!!

そこを抜け「国宝 阿修羅展」へ阿修羅のごとく人の波を泳いで行くと・・・、
こちらも待ち時間1時間のお知らせがーーー。
                     上野で阿修羅に会いたかったよ・・・。
         
ふと横には待ち時間10分の「Story of...カルティエクリエイション めぐり逢う美の記憶」が!!!
これ、日仏交流150周年記念特別展なんですね。
東京国立博物館 表慶館にて開催中。
                 
  ポスターのネックレスは、右の写真インドのマハラジャの胸に輝いてます。
          メッチャクチャでかい!大きなお世話だけれど、絶対肩凝るよね?
ブランドにも、宝石にも、カルティエにも興味の無い私ですが、ポスターの美女に目が眩んで、
いえ10分の待ち時間に魅かれてチケット購入。

ところが・・・騙された~・・・。
何が10分だよ!?30分以上表慶館の前で待たされた挙句、
入館してもみんな立ち止まって全く列が進まない・・・
その上、陳列の説明の不親切なこと!
「ネックレス」とか「タイガーの指輪」「ティアラ」・・・って、そんなもん見たらわかるわ!!!
素材とか、どなたが所有していらしたとか、そういうこと書いてくんなきゃ~。
室内は暗くて目録チェックなんて一つ一つできないよ。
一部「ハイテク」なのか解説映像がで宙に出てくるところはなかなか良かったです

後半、メキシコの有名女優マリア某注文のアクセサリーコレクションが。
う~ん、宝石で埋め尽くされた蛇やワニのネックレスって・・・
メキシコでは神の使いとか神聖なものってことだけれど・・・ねぇ?これまたデカイ!
         

グレース・ケリーがレーニエ大公から贈られた宝石の数々、
チャーチルが息子に贈った封筒型切手付き住所を彫った洒落たシガレットケース、
エルトン・ジョンのワールドツアー記念の金の世界地図ペンダント、
金でできた精巧なアポロ11号月探査機、
眩いばかりのティアラにペンダント、バニティーケース、時計、
そうそう時計の針が宙に浮いているように見えるミステリークロックなどなど、
全部で276点が展示されています。
       
 まさにこの置き時計がありました!!!てっぺんに何故かビリケンさんが乗ってる?
   この絵は細野不二彦氏の漫画「ギャラリーフェイク003」より
細野氏によると「ミステリークロックは世界に1000店の店をもつカルティエが、
もてる素材ともてる技術を結集して作り上げた至宝の置時計!!」なんだそうです。

ふぅ~、予定は大きく変更となりましたが、ため息が出るような美しい物を
沢山見せていただきました

5月31日まで東京国立博物館 表慶館にて開催中です。
同じ国立博物館内、平成館では「国宝 阿修羅展」(料金は別です)を6月7日まで開催中。

連休後なら少しは落ち着いて見れるんじゃあないでしょうか?

映画ブログなのに・・・、連休中調子に乗ってアート付いてしまいました
次回こそは「グラン・トリノ」で。
早く書かなきゃ忘れちゃう?
いえいえ、久々に映画館で泣いてしまうほどの感動でした。


ミヒャエル・ゾーヴァ展

2009-05-02 | 展覧会
ゴールデンウィーク初日の29日、銀座松屋で開催中の「ミヒャエル・ゾーヴァ展」に行ってきました。
『ミヒャエル・ゾーヴァ』ってご存知ですか?

私も最近知ったのですが、フランス映画「アメリ」に出てくる
「エリザベスカラーをつけた犬」の絵とか、「ブタのランプ」といったら
「あぁ、アレね!」と思い出されるんじゃないでしょうか。
     
  アメリのベッドルームにあった絵

29日、30日には11時と15時の2回サイン会が催されるってことで、
折角だからと朝から気合を入れて銀座へ
いやぁ~、こんなに大人気とは知りませんでした。
こういったサイン会って、皆さんどれくらい並ばれるのか全く予想が立たず、
10時整理券配布開始なら9時40分頃付けばオッケーかな~?なんて
甘かった~
東京メトロ銀座駅を出て松屋前に出てきたときには既に列が・・・
既に午前の部の整理券はとっくに配布終了。
午後の部の列最後尾へ。
各回先着100名かぁ・・・100番以内に入るのかどうかもわからぬまま、
超えてたら並べなんて言わないだろうな~と。
すぐ前に並んでいた女性は、「午後は仕事で無理だから、明日朝もう一回並び直す」と言って
仕事に向かわれました。

私が手にしたのは午後の部64番何とか手に入れたのだからよしとしなければ・・・。
この時点で9時55分、サイン会は15時。
水曜日レディーズデイだから午後の会なら映画を見るぞと、前もって上映時間と場所を調べておいたのさ~
有楽町マリオン内、丸の内ピカデリー1で10時50分から「グラン・トリノ」へ。
何とこちらも切符を買うのに列ができてました。
あっちでもこっちでも今日は並んでばかりよね~。
次回の映画は「グラン・トリノ」です。


ミヒャエル・ゾーヴァ展  @銀座松屋8階大催場

ゾーヴァ氏は1945年ベルリン生まれ。
ベルリン芸術大学卒業後美術教師を経て、童話・風刺画家、イラストレーターとして活躍。
初期にはドイツ「緑の党」の宣伝ポスターも手がけておられたそうです。
「アメリ」、「ウォレスとグルミット」の背景やオペラ「魔笛」の舞台美術にも参画。
今回は130点にも及ぶ、ゾーヴァ氏の作品が展示されています。
                   
政党のポスター?!直ぐに剥がして持っていかれちゃう! ゾーヴァ氏と愛猫ハイジ
   
 図録を買ってサインをしてもらいました。
  
 「ちいさなちいさな王様」                  「エスターハージー王子の冒険」

可愛くって、可笑しくって、ちょっとブラックユーモアありで
哀愁漂う独特の世界に浸ってみてはいかがでしょう

5月11日まで開催です。

うちのわんこで「アメリ」してみました。     メッチャ迷惑顔、ごめんよ~