信子の華ごよみ

自宅の庭に咲いた花々を記録
植物の育成、華のうつろいを観察

コウヤボウキ

2023年11月01日 | 日記
キク科:Asteraceae コウヤボウキ属:Pertya 学名:Pertya scandens
和名:コウヤボウキ 高野箒 英名:なし(または学名) 原産地:日本

運動公園の雑木林の縁でコウヤボウキを見つけた。細い枝の先端で淡いピンクがかった白い花が風に揺れている。一つの花は10数個の筒状花が集まったもの。白色で先がくるっと巻いているのは花冠、下部は総苞片が重なり円柱形なっている。葉は卵状楕円形。
        
 キク科の多くは草本なのに、コウヤボウキは落葉小低木の「木本」分類される。高野山で茎を束ねて箒の材料とされたのでこの名がついた。枝が木化して堅くなっているのでそれが可能だが、もし草だったら、茎を集めても箒を作ることが出来なかったのでは? 
玉箒(たまぼうき)と呼ばれ、古くから箒の材料とされ、正月の飾りにも使われた。
正倉院の宝物の一つである子日目利箒(ねひめとほうき)はコウヤボウキを材料としたものであることがわかっている。ずいぶん前に正倉院展で見た記憶がある。
                       
「正倉院展」図録からの説明:「…キク科のコウヤボウキの茎を束ねたもので、紫色に染めた鹿革で包んだ上に金糸を巻き付けて把手としている。茎には濃緑色のガラスの小玉が差し込まれており、現在は六個が残る。」
箒と聞いて思い浮かべるものとはいささか違っている。この品には「天平寶字二年正月」(758年)の墨書名がある。
『万葉集』に同じ年の「子」の日に詠まれた大伴家持の歌がある。
     初春の初子の今日の玉箒 手に執るからに揺らぐ玉の緒

今年の正倉院展は・・・? 東西の交流が素晴らしかったとか・・・。

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