信子の華ごよみ

自宅の庭に咲いた花々を記録
植物の育成、華のうつろいを観察

西洋オキナグサ

2023年11月16日 | 日記
キンポウゲ科:Ranunculaceae オキナグサ属:Pulsatilla 学名:Pulsatilla vulgalis
和名:西洋オキナグサ 英名:Pasque flower、Nodding anemone 原産地:ヨーロッパ

季節外れのオキナグサが咲いてきました。(花期は4月~5月)
夏の陽当たりを避けるために北側に置いていた植木鉢、3個目の花が咲き、1個目の花は「おきな」の白髪のような種を着けています。いままでこんなにきれいな綿毛にお目にかかったことがないように思います。   
3個目の花、昨日は下向き加減に、今日は少し上向きに花びらを広げています。ピンクの花がカップ状にふんわり咲いて本当に優しそう! 花弁に見えるのは「萼片」。全草が産毛のようにやわらかそうな白い毛で覆われています。
        

※宮沢賢治の童話「おきなぐさ」より
 ―岩手県ではおじいさんのことを「うず」・ひげを「しゅげ」という―
 「うずのしゅげを知ってますか・・・
 “ふさふさした銀毛の房”、奇麗なすきとおった風がやってまいりました。
  うずのしゅげは光って、まるで踊るようにふらふらして・・・
  銀毛は北の方へ飛んで行きました。・・・」
※オキナ草のエキスが前立腺肥大症治療薬「エビプロスタット」に含まれている。
※来年の春、咲くのは無理でしょうか?

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コウヤボウキ

2023年11月01日 | 日記
キク科:Asteraceae コウヤボウキ属:Pertya 学名:Pertya scandens
和名:コウヤボウキ 高野箒 英名:なし(または学名) 原産地:日本

運動公園の雑木林の縁でコウヤボウキを見つけた。細い枝の先端で淡いピンクがかった白い花が風に揺れている。一つの花は10数個の筒状花が集まったもの。白色で先がくるっと巻いているのは花冠、下部は総苞片が重なり円柱形なっている。葉は卵状楕円形。
        
 キク科の多くは草本なのに、コウヤボウキは落葉小低木の「木本」分類される。高野山で茎を束ねて箒の材料とされたのでこの名がついた。枝が木化して堅くなっているのでそれが可能だが、もし草だったら、茎を集めても箒を作ることが出来なかったのでは? 
玉箒(たまぼうき)と呼ばれ、古くから箒の材料とされ、正月の飾りにも使われた。
正倉院の宝物の一つである子日目利箒(ねひめとほうき)はコウヤボウキを材料としたものであることがわかっている。ずいぶん前に正倉院展で見た記憶がある。
                       
「正倉院展」図録からの説明:「…キク科のコウヤボウキの茎を束ねたもので、紫色に染めた鹿革で包んだ上に金糸を巻き付けて把手としている。茎には濃緑色のガラスの小玉が差し込まれており、現在は六個が残る。」
箒と聞いて思い浮かべるものとはいささか違っている。この品には「天平寶字二年正月」(758年)の墨書名がある。
『万葉集』に同じ年の「子」の日に詠まれた大伴家持の歌がある。
     初春の初子の今日の玉箒 手に執るからに揺らぐ玉の緒

今年の正倉院展は・・・? 東西の交流が素晴らしかったとか・・・。


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